相続・贈与

相続税をゼロに近づける!生前贈与の節税スキーム5選を税理士が解説

相続税をゼロに近づける!生前贈与の節税スキーム5選を税理士が解説
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生前贈与の非課税枠を賢く活用して、相続税を限りなくゼロに近づける方法を解説します。

生前贈与とは?相続との違いと節税効果

相続と贈与は、どちらも財産の移転を意味しています。相続が「亡くなったこと」を原因として起こる財産の移転であるのに対して、生前贈与とは生きている間に財産を移転させることを言います。つまり、タイミングの違いです。

生前にあらかじめ次の世代に財産を移転しておくことで相続財産が減り、結果的に相続税を下げることができます。また、相続人が相続税を納税するのに必要な資金を確保するのにも役立ちます。

📌 ポイント

生前贈与には2つの効果があります。
①相続財産を減らして相続税の負担を軽減する
②相続人が相続税を払うための納税資金を確保できる

ただし、注意が必要な点があります。贈与に課せられる贈与税の税率は、相続税よりも高い税率になりやすいのです。以下の表をご覧ください。

課税価格相続税の税率贈与税の税率
1,000万円以下10%40%
3,000万円以下15%〜20%45%〜50%
最高税率55%55%

このように贈与税の税率は高めに設定されていますが、一方で贈与税には基礎控除(実質的な非課税枠)や非課税になる特例が用意されています。今回ご紹介する節税スキームは、まさにこれらの非課税枠を活用したものです。

📝 このセクションのまとめ

  • 生前贈与=生きている間に財産を移転すること
  • 相続財産が減るため、相続税の節税につながる
  • 贈与税の税率は相続税より高いが、非課税枠・特例を活用することで節税が可能

生前贈与の節税スキーム5選:一覧

今回ご紹介する生前贈与の節税スキームは以下の5つです。それぞれの非課税枠をまとめました。

スキーム非課税枠
①基礎控除(暦年贈与)年間110万円
②教育資金贈与の特例最大1,500万円(学習塾等は500万円)
③結婚・子育て資金贈与の特例最大1,000万円(結婚資金のみは300万円)
④住宅取得資金贈与の特例最大1,000万円(省エネ住宅は優遇あり)
⑤夫婦間の居住用不動産贈与最大2,000万円

では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

①基礎控除(暦年贈与)と2023年税制改正の重要変更点

贈与税には、一人当たり年間110万円の基礎控除(非課税枠)があります。1年あたり110万円以下の贈与であれば贈与税がかかりません。この場合、納税も申告も不要です。

この枠を活用して毎年コツコツと贈与するのが、相続税対策の定番とも言えるやり方です。これを「暦年贈与」と呼びます。例えば子供が3人いてこれを10年続けると、それなりの額を移転できます。

📌 贈与税の2つの課税方式

贈与税の課税方法には以下の2種類があり、どちらかを選択できます。

  • 暦年課税:その年の1月1日〜12月31日に受けた贈与に対して課税。基礎控除110万円あり。
  • 相続時精算課税:相続発生時に生前の贈与分もまとめて税金を精算する制度。2,500万円まで非課税。

これまでは基礎控除110万円があるのは暦年課税のみでしたが、今回の税制改正で相続時精算課税にも110万円の基礎控除が設けられました。これにより、相続時精算課税でも110万円以下の贈与であれば非課税で確定申告も不要になります。

では、どちらも110万円の基礎控除があるなら同じでは?と思われるかもしれませんが、そうではありません。重要な違いがあります。

⚠️ 注意:生前贈与加算(持ち戻しルール)

暦年課税を選んでいる場合、亡くなってから3年以内の生前贈与は遡って相続財産に加算されます(これを「生前贈与加算」と言います)。110万円の非課税枠内での贈与であっても、亡くなる3年前以内の贈与は相続財産に戻して課税されてしまいます。

さらに今回の税制改正でこの持ち戻し期間が3年から7年に延長されることになりました。相続税の節税効果がかなり縮小します。

一方、相続時精算課税を選んだ場合は、この生前贈与加算のルールが適用されません。これが今回の改正で相続時精算課税のメリットが増加したと言われる理由です。

相続時精算課税を選択している場合、選択後は全て相続時に計算し直さないといけないため、これまでは相続税に関係しない財産を移すことができませんでした。しかし今後は110万円以下の贈与分は精算対象外となります。

つまり、暦年課税を続けていると7年以内の贈与は持ち戻しが必要になりますが、相続時精算課税を選んで110万円以下で贈与している場合は持ち戻し不要となり、お得なケースも出てきます。

📌 使い分けの考え方

  • お子さんへの贈与:相続時精算課税の基礎控除内(110万円以下)でコツコツ贈与する
  • お孫さんへの贈与:孫は生前贈与加算の対象外のため、これまで通り暦年課税を活用する
  • 110万円を超える贈与も検討:相続まで時間があり、贈与税率が相続税率を下回るなら継続もあり(例:110万円超〜310万円以下の贈与なら贈与税率10%)

⚠️ 注意:相続時精算課税は一度選ぶと変更不可

相続時精算課税制度を選択すると、後から暦年課税に変更することができません。必ず顧問の税理士とよく相談した上で選択してください。

📝 このセクションのまとめ

  • 暦年課税・相続時精算課税ともに年間110万円の基礎控除あり(改正後)
  • 暦年課税は生前贈与加算の持ち戻し期間が3年→7年に延長され、節税効果が縮小
  • 相続時精算課税は生前贈与加算の対象外のため、110万円以下の贈与はお得になるケースも
  • 相続時精算課税は一度選ぶと変更できないため、専門家への相談が必須

②教育資金贈与の特例:最大1,500万円が非課税

30歳未満のお子さんや孫に対して、教育資金として最大1,500万円までを一括で贈与した場合、贈与税が非課税になります。

この非課税制度を利用するには、金融機関と教育資金の管理契約を結び、専用の教育資金口座を開設する必要があります。入出金や税務署への届け出は金融機関を通じて行い、教育資金を引き出した際は金融機関に領収書を提出する必要があります。

「一括」というのは1回しか贈与できないという意味ではなく、1,500万円の枠内であれば何度でも非課税で贈与できます。例えば最初に700万円を口座に預け入れ、追加で800万円を拠出するといった使い方もできます。

教育資金として認められる費用は以下の通りです。

  • 入学金・入園料・授業料
  • 施設・設備費
  • 修学旅行費・給食費
  • 学習塾・習い事にかかる費用(500万円まで非課税)

📌 「必要な都度支払う」教育費はそもそも非課税

扶養義務者が必要な都度支払う教育費や生活費には、そもそも贈与税がかかりません。この特例のメリットは、将来かかるであろう教育費を前もって一括で贈与しても非課税になる点です。うまく使い分けることが重要です。

⚠️ 注意点:使い残しと税制改正の影響

  • 30歳時点で残額がある場合:贈与税が課せられます。今回の改正で一般税率(高い税率)が適用されることになりました。直系尊属からの贈与では特例税率が適用されていましたが、4月以降は教育資金の未使用分には一般税率が適用されます。
  • 贈与者が亡くなった時点で使い残しがある場合:原則として相続税が課税されます(受け取った方が23歳未満・在学中等は例外)。ただし今回の改正で相続税の課税価格が5億円を超える場合は、23歳未満等の条件を満たしていても相続税が課税されることになりました。
  • 期間限定措置:この特例は2026年3月まで延長されることが決まっていますが、それ以降継続するかは現時点では不明です。

📝 このセクションのまとめ

  • 30歳未満の子・孫への教育資金は最大1,500万円(学習塾等は500万円)まで非課税
  • 金融機関に専用口座を開設し、領収書の提出が必要
  • 30歳時点の使い残しには一般税率(高税率)が適用されるため、使い切りを意識する
  • 期間限定措置(2026年3月まで)のため、該当する方は早めの活用を

③結婚・子育て資金贈与の特例:最大1,000万円が非課税

親やおじいちゃん・おばあちゃんが、20歳から49歳までのお子さんや孫の結婚・子育て資金を贈与する場合、一定額まで贈与税が非課税になります。

用途非課税限度額
結婚資金300万円まで
子育て資金1,000万円まで(合計)

結婚資金の対象となる費用は、結婚式の費用だけではありません。以下のような費用も含まれます。

  • 結婚式・披露宴の費用
  • 結納にかかる費用
  • 婚姻に伴う引っ越し費用

子育て資金の対象となる費用は以下の通りです。

  • 妊娠・出産・不妊治療にかかる費用
  • 子供の医療にかかる費用
  • 子供の保育にかかる費用

不妊治療は近年増加しており、費用が高額になるケースも多いため、この特例による援助は非常に助かります。

⚠️ 注意点

  • 期間限定措置:この特例は2025年3月まで延長されることが決まっています。早めの利用を検討しましょう。
  • 50歳時点で使い残しがある場合贈与税(一般税率)が課税されます。例えば結婚資金として300万円満額を生前贈与してもらった場合は、使い切るようにプランを考えることをおすすめします。

📝 このセクションのまとめ

  • 20〜49歳の子・孫への結婚資金は300万円、子育て資金は1,000万円まで非課税
  • 不妊治療費用も対象になるため、幅広く活用できる
  • 50歳時点の使い残しには贈与税(一般税率)が課税されるため、使い切りを前提に計画を立てる
  • 期間限定措置(2025年3月まで)のため、早めの活用を

④住宅取得資金贈与の特例:最大1,000万円が非課税

子供や孫に対して住宅を購入する目的でお金を贈与した場合、一定の金額まで贈与税がかからないという制度です。また、この特例は贈与税の基礎控除額(110万円)と併用することができるのも魅力の一つです。

非課税限度額については、省エネ住宅の方が優遇されています(詳細は最新の国税庁情報をご確認ください)。

この特例を受けるための主な条件は以下の通りです。

  • 贈与を受けた人が、贈与があった年の1月1日現在で18歳以上であること
  • その年の所得が2,000万円以下であること
  • 住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下であること
  • 所得金額が1,000万円以下の場合は床面積要件の下限が40㎡以上に緩和される

⚠️ 注意点

  • 子や孫がまだ小さいうちに贈与しても、18歳未満では適用されません。
  • この特例の期限は2023年12月31日までとなっています。

高齢世代の預貯金が若い世代に使われることで経済が回るという意味でも、社会的に意義のある制度と言えます。

📝 このセクションのまとめ

  • 子・孫の住宅購入資金として最大1,000万円まで非課税(省エネ住宅は優遇あり)
  • 贈与税の基礎控除110万円と併用可能
  • 受贈者が18歳以上・所得2,000万円以下・床面積50〜240㎡等の条件あり
  • 期限は2023年12月31日まで

⑤夫婦間の居住用不動産贈与:最大2,000万円が非課税

婚姻期間が20年を超える夫婦間で、居住用不動産(家・土地)を贈与する場合は、2,000万円まで非課税となります。夫から妻へ、または妻から夫への贈与どちらも対象です。

2,000万円という非課税枠はかなり大きく、積極的に利用したい制度です。ただし、以下の注意点があります。

  • 同じ相手には一生に1回しか使えない
  • 贈与を受けた家・土地に住み続ける必要がある
  • 不動産を移転するため、不動産取得税・登録免許税などのコストや手続きの手間がかかる

⚠️ 注意

不動産の贈与には贈与税以外にも不動産取得税・登録免許税が発生します。これらのコストも含めてトータルで節税効果を計算することが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 婚姻20年超の夫婦間で居住用不動産を贈与する場合、2,000万円まで非課税
  • 同じ相手には一生に1回のみ適用可能
  • 贈与後も住み続けることが条件
  • 不動産取得税・登録免許税などの付随コストも考慮して判断する

まとめ:生前贈与の非課税枠を活用して相続税を最小化する

贈与税の税率は相続税よりも高くなりやすいですが、基礎控除や非課税枠の特例を活用することで、少ない負担であらかじめ財産を移転し、相続税の負担を大幅に減らすことが可能です。

今回ご紹介した5つのスキームを改めて整理します。

スキーム非課税枠期限・備考
①暦年贈与(基礎控除)年間110万円持ち戻し期間が3年→7年に延長
②教育資金贈与最大1,500万円2026年3月まで(期間限定)
③結婚・子育て資金贈与最大1,000万円2025年3月まで(期間限定)
④住宅取得資金贈与最大1,000万円2023年12月31日まで
⑤夫婦間居住用不動産贈与最大2,000万円婚姻20年超・一生に1回

📌 最後に重要なポイント

  • 期間限定措置が多いため、早めに実施することをおすすめします
  • 相続時精算課税は一度選ぶと変更できないため、必ず税理士に相談してから選択を
  • どの制度も使い残しがあると課税されるケースがあるため、使い切りを前提に計画を立てることが大切

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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