相続・贈与

相続税申告で税理士が陥りやすい9つの落とし穴【失敗事例を解説】

相続税申告で税理士が陥りやすい9つの落とし穴【失敗事例を解説】
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税理士が実際に経験した相続税申告の失敗事例を包み隠さず公開します。

はじめに:知らなかったでは済まされない相続税申告の落とし穴

今日は「知らなかったでは済まされない、税理士が陥りやすい相続税申告9つの失敗事例」ということで、過去に実際にしてきたミスを包み隠さずお伝えしていきます。1つでも知らないことがあれば、同じミスをせずに未然に防げるということになりますので、ぜひそういった意味で楽しみながら聞いていただければと思います。それでは早速、中身に入っていきましょう。

第1の落とし穴:誤りやすい小規模宅地等の特例(その1)自宅内の事業用スペース

まず第1問目です。誤りやすい小規模宅地等の特例ということで、この特例について特に誤りやすい点・盲点になりやすい点を2つ紹介していきます。

まず1つ目です。

【事例1】
被相続人は自宅の一室でお琴の教室を営んでいました。相続開始前に教室はお休みしていたが、その部屋は教室をいつでも再開できるような状態であった。相続が発生し、自宅は同居していた長男が相続した。長男はお琴の経験がないため、教室はそのまま廃業となった。

これは非常によくあるケースだと思うのですが、自宅の一室で事業を営んでいるケースです。このケースではお琴の教室を営んでいたのですが、この場合の小規模宅地等の特例においてどういった点に注意しなければいけないのかというと、特例の対象となるのは自宅の全床面積のうち、お教室に対応する面積を除いた部分に限られるので注意が必要です。

これは実際に税務調査で指摘されたことがあります。自宅の中の一室をお琴の教室として、あるいは例えばプロのカメラマンの方でカメラの現像室として自宅の一室を使用していた場合に、調査に入ってこの居住用の小規模宅地等の特例のうち、その事業の用に供していた部分は床面積で割った上で、そこは事業の用ですので330平米・8割引の居住用の特例を使うべきではないという指摘を受けたことがあります。

ここでのポイントというのは、相続開始前というのは、高齢の方は病気になって入院したりしますので、亡くなる直前まで事業をしている方というのは結構少ないです。交通事故などで亡くなってしまった場合は別なのですが。ですので、「事業はお休みしていたので、そこで事業はしていないよ。だからそこは居住の用なんじゃないの」という主張をしたくなると思うのですが、これは例えばそのお教室を完全に廃業して、そこを例えば自宅のリビングの一室としてソファーやテレビを置いて実際に使っていれば、そこは居住の用になるのですが、廃業してそのままの状態というのは居住の用にはならないんですね。

廃業イコールすぐ居住用というわけではありません。あくまでそこは何の用途にも供していなかった部分になるので、特例の対象になるのはあくまで居住用の部分に限られます。事業を廃業しているだけではそこは居住の用と認められない可能性が大いにあります。

実際に多いのはおそらく歯医者さんなど、自宅と店舗が一体になっている、いわゆる店舗兼自宅の形態でされる方が多いと思うのですが、この店舗を閉じた後というのは廃業の届けを出して、実際にそこを居住の用として使っている状態が必要になってきますので、その点ご注意ください。

実際に調査の時に経験したのは、「この事業の用に供しているんじゃないか」という風に言われたのですが、「ここはもう実際事業には使っていなくて、一緒に住んでいる人たちの物置きとして使っていた。だからここは居住の用でしょ」といったことで居住用として認められたのですが、こういったことがあります。

ですので、自宅の評価をする時というのは、ヒアリングだけではなくて、一度被相続人の家にお邪魔させていただいて辺りを見て、事業の用に供している部分がないかどうか、そういったところのチェックは必ずしていただくことをお勧めいたします。これがまず1点目です。

第2の落とし穴:誤りやすい小規模宅地等の特例(その2)農家の倉庫・保管庫

そして2点目です。

【事例2】
被相続人は田畑を所有し、同居している長男が農業を営んでいました。被相続人は自宅の近くにトラクターや農作物を保管する倉庫を所有している。相続発生後、農地に小規模宅地等の特例は使えないと考え、自宅土地に居住用の特例だけを適用して申告した。

農家さん、田畑をやっている方の相続税の申告をする際にこの論点は気をつけなくてはいけません。田んぼや畑そのものはこれは宅地ではありませんので、小規模宅地等の特例の対象にはなりません。そもそも小規模宅地等の特例の条文には「建物または構築物の敷地の用に供されている」ということで、建物または構築物がないとそもそも特例の対象になってこないということがありますので、この田んぼや畑というのは当然特例の対象にはなってきません。

それはそれでいいのですが、これ見落としがちなのが、自宅の近くにあるトラクターや農作物を保管する倉庫の敷地です。この倉庫は建物ですので、その敷地は小規模宅地等の特例の対象となり得ます。農業という事業の用に供されている倉庫の敷地として、事業用宅地等の特例(400平米・8割引)が適用できる可能性があります。農地に特例が使えないからといって、倉庫の敷地まで見落としてしまうのは典型的なミスです。農家の相続案件では、農地だけでなく周辺の付属施設・倉庫の敷地についても必ず確認するようにしてください。

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 円満相続ちゃんねる の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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