相続・贈与

相続税申告は自分でできる?税理士に依頼すべきか徹底比較【税理士が解説】

相続税申告は自分でできる?税理士に依頼すべきか徹底比較【税理士が解説】
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相続税申告を自分で行うべきか、税理士に依頼すべきか迷っていませんか?申告の流れ・財産評価・基礎控除・名義預金まで、相続専門税理士がメリット・デメリットを徹底解説します。

相続税申告を税理士に依頼する人はどれくらいいる?

相続税の申告を自分でできるのか、と迷っている方は非常に多くいらっしゃいます。まずは実態として、どれくらいの人が税理士に依頼しているのかを見てみましょう。

申告の種類税理士に依頼した割合
相続税申告85%
所得税の確定申告20.4%

令和4年の国税庁実績評価書によれば、相続税申告を税理士に依頼した人は85%、一方で所得税の確定申告を依頼したのは20.4%という結果でした。この差は非常に大きいですね。

相続税の申告は人生で1度か2度経験するかどうかという特殊な手続きです。その上、財産評価や複雑な計算が求められるため、どうしても専門家に依頼する方が多くなります。

📝 このセクションのまとめ

  • 相続税申告を税理士に依頼する割合は85%と非常に高い
  • 所得税確定申告(20.4%)と比べて大きな差がある
  • 財産評価の複雑さと手続きの特殊性が主な理由

まず確認!相続税がかかるかどうかの判断方法

相続税の申告が必要かどうかを判断するためには、まず基礎控除額を知ることが重要です。相続税の基礎控除とは、相続税を計算する際に被相続人の遺産総額から差し引かれる金額のことです。

📌 基礎控除額の計算式

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の人数

例:法定相続人が2人の場合 → 3,000万円 + 600万円 × 2 = 4,200万円

  • 遺産総額が基礎控除額以下の場合 → 相続税はかからず、申告も不要
  • 遺産総額が基礎控除額を超える場合 → 相続税が発生し、申告が必要

📝 このセクションのまとめ

  • 基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人数」で計算
  • 遺産総額が基礎控除額を超えた場合にのみ申告が必要

相続税申告の手続きの流れとスケジュール

基礎控除額を超える相続財産がありそうだと判断された場合、次は相続税申告の手続きの流れを確認していきます。スケジュールはあくまで目安ですが、期限が決まっている項目もあるため、なるべく速やかに手続きを進めることが大切です。

特に守らなければならない重要な期限が3つあります。

⚠️ 相続手続きの重要な期限

  • 相続開始から3ヶ月以内:遺産に借金がある場合、相続放棄や限定承認の手続きを行えば負債を相続せずに済む
  • 相続開始から4ヶ月以内:被相続人の所得税の準確定申告
  • 相続開始から10ヶ月以内:相続税の申告・納付期限

相続税申告の主な流れは以下のとおりです。

  1. 遺言書の確認・相続人の確定
  2. 相続財産の調査・確定
  3. 相続財産の評価額の算出
  4. 遺産分割協議・遺産分割協議書の作成
  5. 相続税の計算
  6. 相続税申告書の作成・必要書類の準備
  7. 税務署への提出・相続税の納付

📝 このセクションのまとめ

  • 相続開始から3ヶ月以内に相続放棄・限定承認の判断が必要
  • 相続税の申告・納付期限は相続開始から10ヶ月以内
  • 申告完了まで7つのステップがある

相続人・相続財産の確定と財産評価のポイント

相続手続きにおいて最初に行う重要なステップは、相続人と相続財産の確定です。

相続人の確定は、遺言書があるかどうかによって流れが異なります。

遺言書の有無相続人の確定方法
遺言書あり遺言書の内容に従って相続人・分割方法を決定。法的に有効であれば書かれている通りに手続きを進める
遺言書なし民法に基づいて法定相続人(配偶者・子供・両親・兄弟姉妹など)を確認・確定させる

次に相続財産の確定です。被相続人が遺産を整理したリストや記録を残していることもありますが、ほとんどの場合は遺族が相続財産の調査を行います。

まず始めるべきは預金通帳や郵便物の確認です。預金通帳を確認すると過去の取引内容や残高が把握でき、どの金融機関に預金口座があるのかが分かります。また、ネット銀行で通帳がなくてもキャッシュカードは発行されているため、財布の中のキャッシュカードも確認しましょう。郵便物を見れば、被相続人が取引をしていた金融機関や不動産会社の情報を得ることができ、相続人が知り得なかった資産が見つかる場合もあります。

相続財産には多岐にわたる項目が含まれることがあります。

  • 不動産(土地・建物)
  • 預貯金・現金
  • 株式・有価証券
  • 生命保険
  • 借入金(負債)

財産が広範囲にわたる場合や海外に資産がある場合などは調査がより困難になります。そのため、相続財産の調査においても税理士などの専門家に依頼することも一つの手段です。専門家のサポートを受ければ調査のスピードも早くなり、申告漏れのリスクも減らすことができます。

相続財産が確定したら、次は財産の評価額を算出します。相続税の申告では、財産を相続税法や国税庁の通達に基づいて評価した「相続税評価額」を使用します。原則として相続財産は相続が発生した時点の時価で評価しますが、財産ごとに評価方法が細かく定められています。

📌 土地の評価は特に難しい

土地の評価では、面する道路・奥行き・形状などが加味されるため、単純に広さだけではなく様々な要素を考慮して補正を行う必要があります。相続に強い税理士とそうでない税理士の間で土地の評価額に差が生じることも珍しくありません。評価をどれだけ適切に減額できるかが、相続専門税理士の実力が試される部分です。

📝 このセクションのまとめ

  • 遺言書の有無によって相続人の確定方法が異なる
  • 預金通帳・郵便物・キャッシュカードから財産を調査する
  • 土地の評価は複雑で、専門家によって評価額に差が出ることがある

遺産分割協議を早めに進めることが節税のカギ

遺産分割協議とは、被相続人の遺産を誰がどれだけ相続するかを相続人全員で話し合って決めることです。この協議によって具体的な遺産の分割方法が確定します。

⚠️ 未分割のまま申告すると税額が高くなる可能性あり

遺産分割協議に期限は設けられていませんが、遺産分割がまだ成立していない「未分割」の状態で相続税の申告をすると、後から分割が成立した場合よりも高い税額を納めることになる可能性があります。未分割の財産には適用できない控除や特例があるためです。

遺産分割が確定して初めて適用できる主な節税措置には、以下のものがあります。

  • 小規模宅地等の特例:一定の要件を満たす宅地の評価額を最大80%減額できる
  • 配偶者の税額軽減(配偶者控除):配偶者が相続した財産のうち一定額まで相続税がかからない

遺産分割協議を早めに進め、遺産分割協議書を作成してから申告することで、適切な控除や特例を受けることができ、最終的に税額を抑えることができます。

📝 このセクションのまとめ

  • 未分割のまま申告すると適用できない控除・特例がある
  • 小規模宅地等の特例・配偶者控除は遺産分割確定後に適用可能
  • 遺産分割協議は早めに進めることが節税のカギ

現金・預金のみの相続でも注意が必要な3つのポイント

財産が現金・預金のみの場合は比較的シンプルなため、自力で申告を行うことも選択肢の一つです。ただし、現金・預金のみであっても、しっかりとした財産の確定と調査が必要です。以下の3つのポイントには特に注意が必要です。

まず、預金の評価額についてです。基本的には相続開始日時点の残高が評価額となります。

預金の種類相続税評価額の計算方法
普通預金相続開始日の残高(小額な利子は加算しない)
定期預金相続開始日時点の預け入れ金額+解約時の利子(源泉徴収される所得税は除く)

📌 相続開始前5年分の預金通帳を準備しよう

相続開始前の5年間分の預金通帳を準備しておくことが非常に重要です。この期間内に高額な資金の動きがあった場合、それが生前に被相続人から相続人へ移動した財産なのかを確認する必要があります。5年間分の通帳が手元にない場合は、金融機関に取引明細書の発行を依頼できますが、3万円〜5万円程度の手数料がかかることもあるため、事前に確認しておきましょう。

次に、生前贈与の加算についてです。通常、生前に年間110万円を超える贈与を受けた場合はその時点で贈与税の対象となるため、相続税の申告で再計算をする必要はありません。しかし、相続開始前3年以内に行われた贈与については例外となり、贈与された財産が相続財産に加算されて相続税の計算対象となります。

⚠️ 令和5年度税制改正:加算期間が3年から7年に延長

令和5年度の税制改正により、生前贈与の加算期間が3年から7年に延長されました。令和6年1月1日以降の贈与については、相続開始前7年以内に行われたものが相続財産に加算されます。

また、相続時精算課税制度を利用した贈与についても注意が必要です。この制度は、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子・孫に対して贈与を行う際に選択できる制度です。被相続人がこの制度を利用して贈与を行っていた場合、その贈与額が相続財産に加算されます。

最後に、名義預金についてです。名義預金とは、被相続人が自分の口座ではなく親族などの名義で預けたお金のことを指します。例えば、被相続人が毎年孫の名義で貯金をしていた場合、名義は孫であっても実際にそのお金を貯めたのは被相続人となります。こうしたケースでは被相続人の預金として扱われます。

⚠️ 名義預金は税務調査で課税対象になる

税務調査が入った際、名義預金も被相続人の財産として見なされ、課税対象となる場合があります。名義預金の存在を見落とさないよう注意が必要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 預金の評価額は相続開始日時点の残高が基本
  • 相続開始前5年分の通帳を準備しておくことが重要
  • 令和6年1月1日以降の贈与は7年以内のものが相続財産に加算される
  • 名義預金は税務調査で課税対象となるリスクがある

申告書の入手方法と税務署で教えてもらえること・もらえないこと

相続税申告書は国税庁のホームページからダウンロードすることができますし、税務署でも入手が可能です。申告書は第1票から第15票まで様々な種類の申告書・計算書・明細書が揃っています。ただし、これら全ての書類を作成する必要はなく、適用したい税額控除や特例に応じて必要なものだけを選んで提出します。

税務署には相続税申告書の書き方が説明されたパンフレットも用意されており、職員の方に質問すれば申告書の書き方くらいは教えてもらうことができます。

⚠️ 税務署は節税対策を教えてくれない

税務署は申告書の書き方は教えてくれますが、節税対策については教えてくれませんし、申告内容に責任を取ってくれるわけでもありません。申告内容や節税対策に不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。

また、相続税申告は自力でも可能ですが、後から間違いに気づいた場合に修正できるケースもある一方で、より有利な選択肢(例:控除の適用方法など)に変更することができない場合もあります。最初の段階で正しい判断が必要になるため、特に節税効果の高い選択肢を見逃さないよう注意が必要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 申告書は国税庁HPまたは税務署で入手できる
  • 税務署は書き方は教えてくれるが、節税対策は教えてくれない
  • 申告後に有利な選択肢に変更できない場合があるため、最初の判断が重要

税理士に依頼するメリットと報酬の目安

実際に、自分で申告を試みたけれども結局難しくて無理だったと感じ、最終的に税理士に依頼される方が多くいらっしゃいます。ここで、専門家に依頼する主なメリットをまとめます。

  • 必要書類の収集から申告書作成まで、手間と時間を大幅に節約できる
  • 土地の評価減など、適切な節税対策を講じることで相続税の納付額を抑えられる可能性がある
  • 申告漏れや計算ミスのリスクを減らせる
  • 万が一税務調査の対象になった場合でも、担当した税理士が対応できる

一方で、税理士に依頼すると報酬がかかります。相続税申告の税理士報酬の相場は以下のとおりです。

遺産総額税理士報酬の目安(0.5〜1%)
5,000万円25万円〜50万円
1億円50万円〜100万円

報酬の額は相続財産の額に基づいた基本報酬に加えて、ケースごとのオプション料金が加算される場合が多く、最終的に遺産総額の0.5〜1%程度が目安となります。

📌 報酬と節税効果を比較して判断しよう

税理士報酬がかかる一方で、専門家に依頼することで相続税の納付額が少なくなる可能性があります。特に相続財産が多岐にわたる場合や相続人が多い場合、または特例・税額控除について詳しく確認したい場合は、専門家の無料相談を活用することが非常に有効な選択肢です。

⚠️ 申告直前の依頼は特急料金が発生することも

相続税申告を申告直前になってから依頼すると、申告書の作成に特急料金が発生することがあります。相続が発生したら早めに専門家の無料相談を受けることをお勧めします。早めに相談することで余裕を持って準備ができ、結果的に手間も費用も抑えられる可能性が高いです。

📝 このセクションのまとめ

  • 税理士報酬の目安は遺産総額の0.5〜1%(遺産総額5,000万円で25〜50万円)
  • 節税効果と報酬を比較してどちらがお得かを判断することが大切
  • 申告直前の依頼は特急料金が発生する場合があるため、早めの相談が重要
  • 税務調査が入った場合も担当税理士が対応してくれる安心感がある

自分で申告するか税理士に依頼するかの判断基準まとめ

相続税の申告を自分で行うべきか、税理士に依頼すべきかについて、最終的な判断基準を整理します。

状況推奨する選択肢
相続財産が現金・預金のみでシンプルなケース自分で申告も選択肢の一つ
不動産・株式・保険など財産が多岐にわたるケース税理士への依頼を強く推奨
相続人が多いケース税理士への依頼を推奨
小規模宅地等の特例・配偶者控除などを適用したいケース税理士への依頼を推奨
税務調査のリスクが気になるケース税理士への依頼を強く推奨

相続専門の税理士として総合的に判断すると、ご自身で相続税申告を行うことはあまりお勧めできません。財産が複雑で多岐にわたる場合は特に、専門家に任せることで手間と時間の節約になるだけでなく、適切な節税効果も期待できます。

税理士の専門的な知識や経験があれば、相続税の負担を軽減する対策も講じられ、最終的に支払う税額が少なくなる可能性も十分にあります。特に相続財産が多岐にわたる場合や税務調査のリスクが気になる方は、早めに税理士に相談することを強くお勧めします。

📝 このセクションのまとめ

  • 現金・預金のみのシンプルなケースなら自力申告も可能
  • 不動産・複数財産・相続人多数のケースは税理士への依頼が賢明
  • 相続が発生したら、まず専門家の無料相談を早めに活用することが最善策

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】を応援しています!

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