相続・贈与

保険金を受け取ったときの税金を税理士が解説|生命保険・死亡保険金・満期保険金・解約返戻金

保険金を受け取ったときの税金を税理士が解説|生命保険・死亡保険金・満期保険金・解約返戻金
e_zeirishi

保険金を受け取ったときの税金は「保険料負担者と保険金受取人の関係」でガラッと変わります。名義保険を何となく作っていると、思わぬ税負担が生じることも。

税金のカギを握るのは「保険料負担者」

保険契約には、保険契約者・被保険者・保険金受取人の3者が登場します。しかし、実は税金のカードを握っているのは、この契約書には登場しない人物、つまり「保険料負担者」なのです。

誰が保険料を支払っていたかによって、かかる税金の種類がガラッと変わります。

⚠️ 注意

通常は保険契約者が保険料を支払いますが、保険契約者と保険料負担者が別人になっている「名義保険」が世の中には多く存在します。たとえば、妻や子供が保険契約者になっているのに、保険料は夫の預金口座から引き落とされているケースです。皆さん結構無頓着にこういった名義保険を作ってしまいますが、税務上は重大な違いを生みます。

📝 このセクションのまとめ

  • 税金の種類を左右するのは「保険契約者」ではなく「保険料負担者」
  • 契約者と保険料負担者が異なる「名義保険」は税務上の注意が必要

保険金にかかる税金の3つのパターン

保険金を受け取ったときの税金は、大きく3つのパターンに分かれます。保険の種類(死亡保険金・満期保険金・解約返戻金など)が何であれ、この考え方はすべてに共通する基本ポイントです。

パターン条件かかる税金課税対象
保険料負担者=保険金受取人(同一人物)所得税・住民税儲けた金額(受取額-支払保険料)
保険料負担者≠保険金受取人(別人)相続税または贈与税受け取った金額そのもの
病気・ケガで受け取った保険金・給付金非課税課税なし

📌 ポイント

この3パターンが保険金の税金を考える上でのすべての基本です。まずこの大枠をしっかり押さえてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 保険料負担者と受取人が同じ→所得税・住民税(儲けに課税)
  • 保険料負担者と受取人が違う→相続税または贈与税(受取額に課税)
  • 病気・ケガの保険金・給付金→非課税

非課税になる保険金・給付金とは

病気になったときや怪我をしたときに支払いを受ける保険金・給付金は、非課税とされています。

生命保険に医療特約をつけていたり、医療保険やがん保険に加入している場合、病気や怪我で入院したときに支給される以下の給付金がこれにあたります。

  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 通院給付金
  • がんと診断されたときにもらえる給付金
  • 余命宣告されたときのリビングニーズ特約保険金

被保険者本人が受取人になるケースが多いですが、受取人が配偶者・直系血族・生計を一にするその他の親族であっても非課税とされています。

⚠️ 注意|医療費控除との関係

所得税の確定申告で医療費控除を申請するときは注意が必要です。医療費控除の対象になるのは最終的に自分が負担した金額だけです。そのため、医療費を補填する給付金・保険金は、医療費から差し引かなければなりません。

ただし、かかった医療費よりも受け取った給付金・保険金の方が多かった場合、超過した分を他の医療費から差し引く必要はありません。差し引くのは、その給付の対象となった医療費の金額を限度とします。超過分は非課税のまま手元に残せます。

📝 このセクションのまとめ

  • 入院・手術・通院給付金、がん給付金、リビングニーズ特約保険金はすべて非課税
  • 受取人が配偶者・直系血族・生計一の親族でも非課税
  • 医療費控除では給付金を医療費から差し引く必要があるが、超過分は他の医療費から引かなくてよい

所得税・住民税がかかるケース(自分で払って自分で受け取る)

自分で保険料を払って自分が受け取る保険金には、所得税・住民税がかかります。一般的な経済感覚と同じで、「儲けた金額」に税金がかかります。受け取った金額そのものではなく、受け取った保険金から支払った保険料を差し引いた金額が「儲け」になります。

満期保険金や解約返戻金はイメージしやすいですが、死亡保険金でもこのパターンになる場合があります。たとえば、子供が親を被保険者としてかけていた保険で、保険料は子供が支払い、親が死亡すると受取人の子供に死亡保険金が払われるケースです。この場合、所得税・住民税の範疇になります。

所得税・住民税の計算方法は、受け取り方によって2種類に分かれます。

受け取り方所得の種類計算方法・特徴
一時金で受け取る一時所得(受取保険金-支払保険料-特別控除50万円)×1/2 に課税。税負担が非常に軽い。
分割して年金で受け取る雑所得その年に受け取る保険金-その保険金に対応する保険料(例:10年分割なら支払保険料総額の1/10)

📌 一時所得の税制上の優遇

一時所得は税金がとても安くなる仕組みになっています。儲けから特別控除額50万円を引けるため、50万円までの儲けには税金がかかりません。さらに50万円を超える儲けがあった場合でも、その超える金額の1/2にしか課税されないという大きな優遇があります。

📝 このセクションのまとめ

  • 課税対象は「受取保険金-支払保険料」の儲けた金額
  • 一時金受け取り→一時所得(特別控除50万円+超過分の1/2課税で税負担が軽い)
  • 年金受け取り→雑所得(その年の受取額からその年分の保険料を差し引く)

相続税・贈与税がかかるケース(保険料負担者と受取人が別人)

保険料負担者と保険金受取人が異なる場合、たとえば親が保険料を払っていて子供が保険金を受け取るケースでは、相続税または贈与税がかかります。この場合は受け取った金額そのものに課税され、所得税のような必要経費の差し引きはありません。

相続税か贈与税かを分けるポイントは、保険料を負担していた人が生存中かどうかです。

パターン状況かかる税金注意点・非課税枠
①死亡保険金保険料を払っていた親が死亡し、子供が死亡保険金を受け取る相続税相続人1人あたり500万円の非課税枠あり
②生命保険契約に関する権利保険料を払っていた親が死亡したが、被保険者(子供など)はまだ生存中で保険金が払われないケース相続税契約者(子供など)が解約すれば受け取れる解約返戻金相当額を親から相続したと取り扱われる
③満期保険金・解約返戻金生存中の親が保険料を払っていた保険の満期保険金や解約返戻金を子供が受け取る贈与税親から子供への贈与として扱われる

📌 ポイント|相続税の非課税枠

死亡保険金には、相続人1人あたり500万円の非課税枠があります。たとえば相続人が3人いれば、合計1,500万円までの死亡保険金は相続税がかかりません。これは典型的なケースとして広く知られています。

⚠️ 注意|「生命保険契約に関する権利」は見落としがち

保険料を払っていた親が亡くなっても、被保険者がまだ生存しているケースでは保険金は支払われません。しかしこの保険は、契約者が解約すれば解約返戻金を受け取れます。この解約返戻金相当額が「生命保険契約に関する権利」として相続財産に含まれます。見落としやすいポイントです。

📝 このセクションのまとめ

  • 保険料負担者が死亡後に受け取る→相続税(死亡保険金は相続人1人あたり500万円の非課税枠あり)
  • 被保険者が生存中で保険金が出ないケースでも、解約返戻金相当額が相続財産になる
  • 保険料負担者が生存中に満期・解約で受け取る→贈与税
  • 相続税・贈与税は受け取った金額そのものに課税(必要経費の差し引きなし)

全体のまとめ|保険金の税金を判断するフローチャート

保険金を受け取ったときに、どの税金がかかるかを判断する手順は以下のとおりです。

  1. 病気・ケガの給付金か?→ YES:非課税(医療費控除との関係に注意)
  2. 保険料負担者と受取人は同じ人か?→ YES:所得税・住民税(儲けた金額に課税)
  3. 保険料負担者と受取人が別人で、負担者は死亡しているか?→ YES:相続税
  4. 保険料負担者と受取人が別人で、負担者はまだ生存中か?→ YES:贈与税
保険金の種類保険料負担者受取人かかる税金
医療給付金・手術給付金など誰でも誰でも非課税
死亡保険金・満期保険金・解約返戻金受取人本人本人所得税・住民税(儲けに課税)
死亡保険金死亡した人別人(相続人)相続税(500万円×相続人数の非課税枠あり)
生命保険契約に関する権利死亡した人契約者(別人)相続税(解約返戻金相当額)
満期保険金・解約返戻金生存中の別人受取人贈与税(受取額に課税)

📌 最重要ポイント

  • 保険金の税金は「保険料負担者と保険金受取人の関係」で決まる
  • 保険料負担者=受取人のとき→所得税・住民税(儲けた金額に課税)
  • 保険料負担者≠受取人のとき→相続税または贈与税(受取額に課税、必要経費控除なし)
  • 病気・ケガで受け取った保険金・給付金→非課税

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士KOBAYASHIちゃんねる の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 税理士KOBAYASHIちゃんねるを応援しています!

関連記事

相続税で後悔しない4つの対策を税理士が解説|落とし穴と正しい順番
生命保険と相続税の関係を徹底解説|非課税枠の計算方法と注意点
二次相続で失敗しないための対策6選|相続税プロが具体的に解説

🏙️ 東京エリア 千代田・中央・港区から副都心各区まで
⛩️ 関西エリア 大阪・京都・兵庫・岡山など関西圏
🗼 関東エリア 神奈川・埼玉・千葉・北関東
🏔️ 中部エリア 名古屋・静岡・長野・北陸など
🌺 九州・沖縄 福岡・長崎・熊本など地域密着型
🌏 その他地域 北海道・東北・中国・四国地方
記事URLをコピーしました
税理士紹介はこちら
税理士紹介はこちら