インボイス番号が届かない時の対応方法を税理士が解説|仕入税額控除はできる?

インボイス番号が届かない時の対応方法を税理士が解説|仕入税額控除はできる?
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インボイス番号が届かない時、仕入税額控除はどうすればいい?対応方法を徹底解説します。

本記事で解説する3つのポイント

インボイス制度が2023年(令和5年)10月1日からスタートしました。しかし、10月に入っても登録番号の通知が届かないケースや、取引先からインボイス制度への登録は聞いているものの番号がまだ届かないというケースが多く発生しています。

本記事では、そうした「番号が手元にない場合」の対応方法について、以下の3つのポイントに絞って解説します。

  1. 自分の登録番号が手元にない時の対応方法
  2. 取引先の番号が届かない時の対応方法
  3. 9月取引で10月請求をした場合にインボイスは必要か否か

📝 このセクションのまとめ

  • インボイス制度は2023年10月1日スタート
  • 登録番号が届かないケースへの対応方法が存在する
  • 3つのポイントを押さえることで実務上の混乱を防げる

インボイス(適格請求書)の基本要件をおさらい

10月1日以降は、取引先に対して適格請求書(インボイス)を発行しなければなりません。従来の請求書から最も大きく変わった点は、13桁の登録番号を記載しなければ要件をクリアできないことです。

インボイス(適格請求書)として認められるには、以下の6つの要件をすべて満たす必要があります。

番号記載事項
登録番号(13桁)の記載
発行者の氏名または名称
取引年月日
取引内容(軽減税率対象品目はその旨)
税率ごとに区分した合計額および消費税額
受領者の氏名または名称

特に注意が必要なのは、税率ごとに区分して表記することです。8%なのか10%なのか、消費税額はいくらなのかを明記するように請求書の書式を変更してください。

⚠️ 注意

請求書の雛形がまだインボイス対応できていない方は、早急に6つの要件をすべてクリアした書式に変更してください。登録番号の記載漏れや税率区分の未記載は、インボイスとして認められません。

📝 このセクションのまとめ

  • インボイスには6つの記載要件がある
  • 最大の変更点は13桁の登録番号の記載
  • 税率ごと(8%・10%)の区分表記も必須

自分の登録番号が手元に届かない場合の対応方法

9月末や9月に入ってからインボイス登録をした方の中には、番号が手元に届かないまま10月に突入してしまったというケースもあるかと思います。そうした場合、国税庁のパンフレットでは以下の3つの対応方法が認められています。

  1. 事前に取引先へ通知し、後日インボイスを交付する方法
    インボイスの交付が遅れている旨をすぐに取引先に連絡し、インボイス制度に登録済みであることをお知らせしておく。番号が判明次第、改めてインボイスを交付する。
  2. 登録番号のない請求書を暫定発行し、後から正式なインボイスを交付する方法
    通知を受けるまでは登録番号のない請求書を発行しておき、番号が届いたら改めて登録番号を記載したインボイスを交付する。
  3. 通知後に既発行の請求書との関連性を明示した書類・メール等でインボイスの記載事項を補完する方法
    すでに交付した請求書との関連性を明らかにした上で、インボイスに必要な記載事項を書類やメール等でお知らせする。

📌 ポイント

上記3つのいずれかの方法を取ることで、登録番号が届いていない場合でも適切に対応できます。取引先への事前連絡を怠らないことが最も重要です。

不特定多数の顧客がいる業種(コンビニ・スーパー等)の場合

コンビニやスーパーのような小売店では、インボイス番号が届かないうちにレシートや領収書をお客さんに渡してしまった場合、後から誰に渡したかを追うことは事実上不可能です。そのため、先ほど紹介した3つの方法を取ることが難しいケースがあります。

そうした不特定多数のお客様を相手にする業種の場合は、以下の方法で対応することが可能です。

  • ホームページや店頭(レジ・入り口など)に、インボイスの交付が遅れている旨を事前に掲示する
  • 登録番号が決定したら、ホームページや店頭に登録番号を掲示し、お客様にレシートと合わせて保存してもらうようお願いする
  • 買い手側からの電話に応じて登録番号をお知らせし、相手にその記録をレシートと一緒に保存してもらう(国税庁パンフレットで認められている方法)

⚠️ 注意

今回紹介した対応方法はあくまでも緊急対策です。取引先・お客様に余計な手間をかけてしまうことになりますので、一番良いのはスムーズにインボイスを発行できる体制を整えておくことです。早めの対応を心がけましょう。

⚠️ 注意:この経過措置が使える条件

この経過的な扱いは、令和5年9月末までに登録申請済みで、令和5年10月1日までに登録番号の通知が届かなかった場合に限られます。以下のケースには適用されませんのでご注意ください。

  • そもそも登録自体をしていない(間に合わなかった)方向けの経過措置ではない
  • 番号は届いているのに面倒くさくて対応できなかった場合には使えない
  • 事務対応が間に合わなかったという理由では適用不可

📝 このセクションのまとめ

  • 番号が届かない場合は3つの対応方法がある(事前通知・暫定発行・補完書類)
  • 小売店など不特定多数向けはホームページ・店頭掲示や電話対応で対応可能
  • この経過措置は「9月末までに登録申請済みで番号が届かなかった場合」に限定される

取引先の登録番号が届かない場合の仕入税額控除

取引先がインボイス制度に登録したとは聞いているものの、番号がまだ届かない。しかも自社の決算が近づいている。そんな場合、仕入税額控除をしてもいいのかという疑問が生じます。

📌 ポイント:仕入税額控除ができる条件

事前にインボイス発行事業者の登録を受ける旨が確認できている場合に限って、仕入税額控除が可能です。その後、事後的に交付されたインボイスや登録番号を保存することで、仕入税額控除が認められます。

もし登録番号の保存ができなかった場合は、翌課税期間において仕入税額控除を調整することも差し支えないとされています。

📌 簡易課税・2割特例の方は対応不要

簡易課税制度2割特例を使う方は、そもそも仕入税額控除のためのインボイス保存が不要です。そのため、今回紹介した対応は必要ありません。この対応が必要なのは、原則課税(一般課税)で消費税を計算する事業者の方です。

📝 このセクションのまとめ

  • 取引先の登録確認ができていれば、番号未着でも仕入税額控除は可能
  • 後から交付されたインボイス・登録番号を保存することが条件
  • 保存できなかった場合は翌課税期間での調整も認められる
  • 簡易課税・2割特例の事業者はインボイス保存不要のため対応不要

1万円未満の少額特例(経過措置)を活用しよう

取引先から登録番号のお知らせが届かない場合に、もう一つ頭に入れておくと便利な制度が1万円未満の少額特例(経過措置)です。

項目内容
対象事業者課税売上高が1億円以下、または特定課税売上高が5,000万円以下の事業者
特例内容1万円未満の取引は仕入税額控除が認められる(インボイス保存不要)
適用期間令和5年10月1日〜令和11年9月30日

この少額特例の判定は、1回の取引金額で行います。具体的な例で確認しましょう。

具体例取引内容合計金額特例の適用インボイス保存
例①12月3日に5,000円の商品を購入
12月10日に7,000円の商品を購入(別々の取引)
各取引が1万円未満対象不要(仕入税額控除OK)
例②12月10日に5,000円の商品と7,000円の商品を同時に購入合計12,000円(1万円以上)対象外必要

⚠️ 注意

少額特例の判定は「1回の取引金額」で行います。同じ日に複数の商品を同時に購入した場合は合計額で判定されます。別々の取引であれば各取引ごとに判定します。

📝 このセクションのまとめ

  • 課税売上高1億円以下(または特定課税売上高5,000万円以下)の事業者は1万円未満の取引でインボイス不要
  • 適用期間は令和5年10月1日〜令和11年9月30日
  • 判定は「1回の取引金額」で行う(同時購入は合計額で判定)

9月取引・10月請求の場合、インボイスは必要?

インボイスが必要になるのは、2023年10月1日以降の取引からです。では、9月に取引をして10月に請求書を発行した場合はどうなるのでしょうか。

パターン取引時期請求時期インボイスの要否
例①9月中に取引完了10月に請求不要(取引が9月中に完了しているため)
例②10月に納品(取引)9月中に請求書を発行必要(取引が10月に行われたため)

つまり、インボイスが必要かどうかは「請求書を発行した時期」ではなく「取引を行った時期」で判断します。

では、「取引をした時期」はどのように判断するのでしょうか。実務上の判断基準は次のとおりです。

取引の種類取引日の判断基準
物の販売引き渡しをした日(出荷日・検収日を基準とする場合もあり、会社ごとのルールによる)
サービスの提供引き渡しの日または役務の完了日

📌 ポイント

物の販売の場合、引き渡し日を基準としているところが多いですが、出荷日検収日を基準とする会社もあります。自社・取引先のルールを事前に確認しておくことが重要です。また、早めにインボイス対応した請求書を発行することは問題ありません。本来まだ必要ではない9月以前の取引分でも、登録番号を記載した請求書を発行することはOKです。

📝 このセクションのまとめ

  • インボイスの要否は「請求書の発行日」ではなく「取引を行った日」で判断する
  • 9月中に取引完了→10月請求の場合、インボイスは不要
  • 9月請求→10月納品(取引)の場合、インボイスが必要
  • 物の販売は引き渡し日・出荷日・検収日が基準(会社ごとのルールを確認)
  • 早めにインボイス対応した請求書を発行することは問題なくOK

まとめ:番号が届かない場合でも慌てずに対応しよう

インボイス制度の開始にあたって、登録番号が届かないという状況は決して珍しくありません。大切なのは、取引先に迷惑がかからないよう事前に連絡・対策をしておくことです。取引先の信用を守るためにも、早めの準備が重要です。

  • 自分の番号が届かない場合:取引先に事前通知し、3つの対応方法のいずれかを選択する
  • 取引先の番号が届かない場合:登録確認ができていれば仕入税額控除は可能。後から番号・インボイスを保存すること
  • 1万円未満の取引:少額特例(令和11年9月30日まで)を活用することで、インボイス不要になる場合がある
  • インボイスが必要な時期の判断:請求日ではなく「取引を行った日」が基準

要件を満たした正しいインボイス(適格請求書)が発行できるよう体制を整え、取引基準がどの時点になるかを自社・取引先ごとに確認しておきましょう。

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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