民間の医療保険はほぼ不要?日本の公的保険制度を徹底解説

民間の医療保険はほぼ不要?日本の公的保険制度を徹底解説
e_zeirishi

日本の公的医療保険を正しく理解すれば、民間の医療保険はほぼ必要ありません。

そもそも「保険」とは何をカバーするものか

保険とは、保険料を払って何かあったときに保険金がもらえる仕組みです。では、どの範囲をカバーするのが正しいのでしょうか。

保険でカバーすべき領域は、「低確率で起こるが、起きたときにお金が非常にかかる」ものです。具体的には、死亡・重大な障害・火災など、貯蓄では到底まかなえないリスクが対象です。

📌 ポイント

日本の医療費は「低確率で起こるが、起きても安い」カテゴリに入ります。医療そのものが安いのではなく、日本の公的保険が充実しているため、結果的に自己負担が安くなるのです。

ところが多くの人は、この「低確率で起きても安い」領域にまで民間の医療保険をかけています。それが医療保険の入りすぎにつながっているのです。

📝 このセクションのまとめ

  • 保険は「低確率かつ高額」なリスクに備えるもの
  • 日本の医療は公的保険のおかげで「低確率かつ低額」に収まる
  • その「低額」な部分に民間保険をかけるのが入りすぎの原因

民間の医療保険がほぼ不要な理由:3つの公的制度

日本には、医療費の自己負担を大幅に抑えてくれる公的制度が3つあります。この3つを正しく理解することが、医療保険不要論の根拠です。

  • 高額療養費制度:月々の医療費に上限が設けられる
  • 休業補償給付:業務・通勤中の病気・怪我で働けなくなった場合の給付
  • 傷病手当金:業務外の病気・怪我で働けなくなった場合の給付

それぞれ詳しく見ていきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 公的制度3つを組み合わせれば、ほとんどの医療リスクはカバーできる
  • 制度の内容を知ることが、保険見直しの第一歩

高額療養費制度:月々の医療費に上限がある

高額療養費制度とは、1か月に支払う医療費に上限額が設けられる制度です。たとえば月に100万円の医療費がかかったとしても、あなたの限度額が8万円であれば、残りの約92万円は戻ってきます。

最近は「先に払って後で戻ってくる」方式だけでなく、最初から限度額だけを支払えばよいという病院も増えており、使い勝手が大幅に向上しています。

年収別の月々の限度額の目安は以下の通りです。

給与年収の目安月々の自己負担限度額(目安)
約360万円6万円
約500万円8万円
約800万円17万円

何か病気や怪我が起きたとしても、これらの金額を貯金でまかなえるのであれば、民間の医療保険料はただの損失になります。何も起こらなければ、払い続けた保険料は戻ってこないからです。

📌 ポイント

貯蓄でまかなえる金額のリスクに対しては、保険に入るより貯蓄で備える方がトータルで損にならない。有事が起こらなかった場合、保険料は丸ごと損失になるためです。

📝 このセクションのまとめ

  • 月々の医療費の自己負担には上限がある(年収500万円なら約8万円)
  • 最初から限度額だけ払えばよい病院も増加中
  • この金額を貯蓄でまかなえるなら、民間保険は不要

日本人の実際の医療費はどれくらいか

国民医療費の概況(2023年)のデータによると、日本人の年間平均医療費は約38万円です。ただし、これは年齢によって大きく異なります。

年齢層年間平均医療費
15〜44歳14万円
45〜64歳30万円
65歳以上78万円
全体平均38万円

特に若い世代(15〜44歳)は年間14万円程度です。しかも、その医療費が1か月に集中したとしても、高額療養費制度があるため実際の自己負担はさらに抑えられます。

若いうちは医療費がかかりにくく、かつ高額療養費制度があるため、特に若年層は医療保険の保険料を払い続けるより、その分を貯蓄に回す方が効率的です。

📝 このセクションのまとめ

  • 15〜44歳の年間医療費は平均約14万円と低い
  • 全体平均を押し上げているのは65歳以上(年間約78万円)
  • 若年層ほど医療保険の費用対効果は低くなる

がん保険は必要か?平均治療費から考える

「がんになったらお金がかかるから、がん保険は必要じゃないか」という質問はよく受けます。結論から言えば、がん保険もほとんどのケースで必要ありません

保険会社が公表しているデータや厚生労働省の患者調査(2022年)などを総合すると、がんの平均治療費は約60万〜100万円程度とされています。また、がんの平均入院日数は20日を下回る水準です。

📌 ポイント

がんの平均治療費60〜100万円を貯蓄でまかなえるなら、月々約3,000円のがん保険料を払い続ける必要はありません。貯蓄で備えた方が、何も起こらなかった場合の損失をゼロにできます。

「今すぐ貯金がなくて、がんになったら困る」という方は保険が必要なケースもあります。ただし、いつ有事が起こるかは誰にも分かりません。大切なのは、貯蓄で備えられる状態を早めに作ることです。

40歳までは医療費も少なく、がんの発症確率も低い。その期間に保険料を払い続けるよりも、そのお金を貯蓄や自己投資に回す方が、人生トータルのコストパフォーマンスは確実に上がります

📝 このセクションのまとめ

  • がんの平均治療費は約60〜100万円、入院日数は20日未満
  • 貯蓄でまかなえるなら、月3,000円のがん保険は不要
  • 若いうちは保険料より貯蓄・投資に回す方が効率的

「月8万円が半年続いたら?」休業補償給付と傷病手当金で解決

「高額療養費制度で月8万円に抑えられるのは分かった。でも、それが半年続いたら結構な負担じゃないか」という疑問はもっともです。

ただし、日本にはそれをカバーする制度も存在します。

制度名対象給付内容給付期間
休業補償給付会社員(業務・通勤中の病気・怪我)月給の約8割働けるようになるまで
傷病手当金会社員(業務外の病気・怪我)月給の約2/3最長1年6か月

これらを組み合わせれば、高額療養費の限度額いっぱいが1年間続いたとしても、給付金から医療費を支払うことができます。

📌 ポイント

私たちが知っておくべきなのは、自分に与えられた権利(公的制度)が何か、ということです。高額療養費制度・休業補償給付・傷病手当金の3つを正しく理解してロジカルに考えれば、「民間保険はほぼいらない」という結論に自然とたどり着きます。

📝 このセクションのまとめ

  • 業務・通勤中の病気・怪我は休業補償給付で月給の約8割が支給される
  • 業務外の病気・怪我は傷病手当金で最長1年6か月、月給の約2/3が支給される
  • 3つの制度を組み合わせれば長期療養でもカバーできる

よくある疑問を解消:先進医療・保険で助かった話

医療保険に関してよく出てくる疑問を2つ取り上げます。

【疑問①】先進医療には保険が必要では?

先進医療とは最先端技術を使った医療で、費用が高額になるケースがあります。医療保険に入っていれば数百円のオプションを追加するだけで先進医療が無料になる商品も多くあります。

ただし、冷静に考えると、

  1. そもそも病気になる確率は低い
  2. 病気になった上で先進医療を使える状態になる確率はさらに低い
  3. 先進医療の効果は保証されていない(最先端ゆえに効果は未確定)

この二重の低確率に対して、必要のない民間保険を毎月払い続けてオプションだけを買うのは、コストパフォーマンスが非常に悪いと言えます。

「あらゆる選択肢をテーブルに並べておきたい」「可能性を閉ざしたくない」という気持ちは理解できます。ただし、それは感情や安心をお金で買うかどうかの判断であり、ロジカルに見れば非効率です。

【疑問②】「保険に入ったらすぐ病気になって助かった」という話を聞くと不安になる

保険でカバーするのは「低確率で起こるが、起きたらどうしようもないもの」です。保険で助かったという人は、日本人全体の中のほんの一握りです。

📌 ポイント

保険で助かった人の何十倍・何百倍もの人が、「有事は起こらなかったが保険料を払い続けた」状態にあります。そうでなければ、保険会社のビジネスは成立しません。保険料をたくさん集め、有事になった人にだけ支払い、残りが利益になるという構造を忘れてはいけません。

私たちが保険に入る目的は「生活が破綻しないこと」です。医療費よりも保険金が多くて「儲かった」というのは目的ではありません。起きても生活が破綻しない、貯金でまかなえるリスクには、基本的に保険をかけない方がトータルの手残りは増えます。

⚠️ 注意

民間の医療保険は各社で定義が異なります。「入院・手術を伴わないと給付されない」「特定の疾患の定義が保険会社によって違う」といったケースもあります。もらえると思っていたのにもらえなかった、というトラブルも実際に起きています。もし医療保険を活用するなら、契約内容を必ずしっかり確認しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 先進医療を使える確率は「病気になる確率」×「先進医療対象になる確率」と二重に低い
  • 「保険で助かった」話は声が大きいが、損をしなかった人の方が何百倍も多い
  • 保険の目的は「生活破綻を防ぐこと」であり、儲けることではない
  • 民間保険の給付定義は各社で異なるため、契約前の確認が必須

具体的にどうすればいい?会社員・自営業別の対応策

それでは、実際にどう行動すればよいのかをまとめます。

【会社員・公務員の場合】

高額療養費制度・休業補償給付・傷病手当金(またはそれ相当の制度)がすべて使えます。これらを組み合わせれば、民間の医療保険はほぼ不要と考えてよいでしょう。

【自営業者・フリーターの場合】

傷病手当金や休業補償給付が使えないケースが多いため、貯蓄が十分でない場合は民間保険を検討する必要があります。ただし、その場合も「都民共済」のような低コストで分かりやすい共済を活用するのが賢明です。

共済プラン例内容
プラン名入院保障2型(都民共済の例)
月額掛け金2,000円(掛け捨て)
保障期間18歳〜65歳
事故による入院1日目から1日あたり1万円
病気による入院1日目から1日あたり1万円
通院の場合1日あたり1,500円

月額2,000円でも、年間では2万4,000円の支出になります。貯蓄でまかなえる状態になれば、こうした共済も解約して貯蓄・投資に回すのが最もコストパフォーマンスの高い家計改善の方法です。共済は、あくまで「貯蓄が整うまでの一時的な備え」として活用しましょう。

📌 ポイント

ロジカルに考えれば、民間の医療保険はほぼ不要。ただし、感情や安心を優先する場合はそのトレードオフ(貯蓄が減ること)を理解した上で判断することが大切です。

📝 このセクションのまとめ

  • 会社員・公務員は公的制度が充実しているため、民間医療保険はほぼ不要
  • 自営業・フリーターで貯蓄が不十分な場合は、低コストな共済を一時的に活用する
  • 目標は「貯蓄でまかなえる状態を作り、保険料という損失をゼロにすること」
  • 感情・安心をお金で買うかどうかは、ロジックと切り分けて判断する

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 大河内薫のマネリテ学園 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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