節税対策

家事按分の経費計上割合はコレ!税理士2人が勘定科目別に本音解説

家事按分の経費計上割合はコレ!税理士2人が勘定科目別に本音解説
e_zeirishi

家事按分の「正しい割合」を税理士2人が勘定科目別に本音で徹底解説します。

家事按分(家事関連費)とは何か?支出の3分類を理解する

個人事業主やフリーランスのお金の支出には、大きく分けて3種類があります。

支出の種類内容経費への計上
必要経費事業に関連する支出全額経費に計上できる
家事費(プライベートな支出)生活費・娯楽費・医療費・生命保険料など経費には計上できない(一部は所得控除として活用可)
家事関連費(家事按分の対象)事業とプライベートが混在する支出業務部分を明確に区分できれば一部経費計上できる

所得税法の正式用語では「家事関連費」と呼ばれますが、一般的には「家事按分」という言葉が広く使われています。

家事関連費として家事按分の対象になる代表的なものは以下の通りです。

  • 自宅兼オフィス・自宅兼店舗の家賃
  • 水道光熱費
  • 携帯電話代・インターネット代
  • 仕事とプライベート兼用の車の維持費(ガソリン代・ETC・保険料など)

📌 ポイント

所得税法の原則では家事関連費は経費に計上できません。ただし「業務の遂行上必要である部分を明らかに区分できる場合」に限り、その区分した部分のみ経費計上が認められています。つまり「条件付きでOK」という扱いです。

📝 このセクションのまとめ

  • 支出は「必要経費」「家事費」「家事関連費(家事按分対象)」の3種類
  • 家事関連費は条件を満たせば業務部分のみ経費計上できる
  • 家事費の一部(医療費・生命保険料など)は所得控除として節税に使える

こんな家事按分は税務調査で否認される!NGパターン3選

家事按分を経費計上する際に注意すべきNGパターンが3つあります。税務調査で否認されないよう、しっかり把握しておきましょう。

⚠️ 注意:税務調査で否認される3大NGパターン

  1. 実際に仕事で使っていない:使っていないものを経費計上するのは「空経費」であり完全にアウトです。
  2. 仕事で使っている割合の計算根拠がない:「なんとなく3割」「なんとなく4割」では根拠がなく、税務調査で説明できません。申告書を見てすぐ否認されることはなくても、調査に入られると危険です。
  3. 申告書・決算書に記載がない:経費から外した割合(自己否認した割合)を決算書の所定の欄に記載していないケースもアウトです。

特に②については、「なんとなくの割合」で申告していると、税務調査の際に割合の根拠を説明できません。自分の中できちんと計算根拠を説明できる状態にしておくことが大前提です。

📝 このセクションのまとめ

  • 「使っていない」「根拠がない」「申告書に記載がない」の3つがNG
  • 調査が入ってないだけで問題ないわけではない
  • 割合の根拠を自分で説明できることが最重要

家事按分を経費に落とすための正しい3つのルール

家事按分を正しく経費計上するためには、以下の3つのポイントを押さえておく必要があります。

  1. 実際に仕事で使っていること
  2. 仕事で使っている割合の計算根拠が自分の中で説明できること
  3. 申告書に正しく記載してあること

この3つを満たしていれば、基本的に安心して経費計上できます。

📌 決算書への記載方法(具体例)

例えば自宅兼オフィスの家賃を50%按分する場合、青色申告決算書の2ページ目右側にある「地代家賃の内訳」欄に金額を記入します。年間家賃が24万円であれば、経費計上する12万円と、家事按分で除外した12万円を明記することで、自己否認したという意思表示になります。

仕訳としては、年間で「地代家賃 24万円 / 現金 24万円」と計上した後、決算時に「事業主貸 12万円 / 地代家賃 12万円」という仕訳を切ることで、最終的に地代家賃12万円が経費として残ります。「事業主貸」は個人事業特有の仮勘定のようなものとして理解しておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 「実際に使っている」「根拠がある」「申告書に記載」の3点セットが必須
  • 決算書の内訳欄に自己否認した金額を記載することで意思表示になる
  • 仕訳では「事業主貸」を使ってプライベート分を経費から除外する

【勘定科目別】家事按分のベストな割合を税理士2人が本音解説

ここからが本題です。勘定科目ごとに、税理士2人の本音の見解を紹介します。

①自宅兼オフィスの家賃・水道光熱費

自宅兼オフィスの家賃については、「何割が正解か」という一律の答えはありません。その人の住居環境によって大きく変わるからです。

住居パターン按分の考え方
ワンルームで自宅兼オフィス全体が生活空間でもあるため、高い割合は主張しにくい
3部屋あり、1部屋を丸ごと仕事部屋にしている1部屋分の面積比率で按分でき、割合の根拠が明確になる

迷ったときの目安として、50%(5対5)にしておけばそれほど危険な橋ではないというアドバイスがあります。税務調査も全件を細かくチェックするわけではなく、平均的な按分割合は3〜4割程度と言われています。50%はその平均からやや高い水準ですが、説明できる根拠があれば安全圏内といえます。

⚠️ 持ち家(住宅ローン)の場合の注意点

持ち家の場合、ローンの返済元本は経費になりませんが、ローンの利息部分は経費計上できます。また建物は減価償却費として計上することも可能です。ただし、自宅の一部を事業用にすると住宅ローン控除が減額されます。住宅ローン控除は非常に有利な制度なので、基本的には住宅ローン控除をフルで受けた方が得策です。両方おいしいとこ取りはできないという点を頭に置いておきましょう。

水道代・ガス代については、業種によっては計上しない方がよいというアドバイスがあります。仕事で使うとしても手を洗ったりお茶を飲む程度で、金額も小さいため、無理に按分する必要はないという考え方です。特にガスは仕事との関連性が薄く、計上するとかえって目立つリスクがあります。

電気代については、仕事中はパソコンや照明を使うため比較的按分しやすい項目です。基本的には家賃と同じ割合で揃えて計上するケースが多いです。

📝 このセクションのまとめ

  • 家賃の按分割合は住居環境によって異なる。迷ったら50%が目安
  • 持ち家は住宅ローン控除との兼ね合いに注意。基本はローン控除優先が有利
  • 電気代は家賃と同じ割合で按分。水道代・ガス代は計上しない選択肢も

②携帯電話代・インターネット代

携帯電話代・インターネット代は、家賃よりも仕事で使う割合が高く、根拠も立てやすい項目です。そのため、やや多めに按分することが合理的とされています。

状況按分割合の目安
開業まもなく、ほぼ休みなく仕事している時期90〜95%も主張できる
プライベート用と仕事用で端末を分けている場合仕事用は100%経費計上が可能
1台を兼用している場合最低でも少し否認(プライベート分を除外)しておく

個人的な経験として、税理士事務所を立ち上げたばかりの頃はほぼ休みなく仕事していたため、95%で計上していたというケースもあります。ただし、これはあくまで仕事での使用実態に基づいた割合であり、根拠を説明できることが前提です。

📌 ポイント

携帯・ネット代は「仕事での使用実態」を根拠にできるため、他の項目より高い割合を主張しやすい項目です。ただし1台兼用の場合は、プライベートで全く使わないとは言えないため、少なくとも数%はプライベート分として否認しておくのが安全です。

📝 このセクションのまとめ

  • 携帯・ネット代は仕事での使用割合が高く、90〜95%の按分も根拠次第で可能
  • プライベート用と仕事用で端末を分けていれば仕事用は100%経費計上できる
  • 1台兼用の場合は少額でもプライベート分を除外しておくのが安全

③車の減価償却・ガソリン代・ETC・保険料

車関連の経費は、住んでいる地域や仕事場までの通勤距離によって按分割合が大きく変わります。

状況按分の考え方
東京在住で車をほとんど使わない高い割合(例:90%)は不合理。低く設定すべき
地方在住で客先訪問に車が必須高い割合が合理的に説明できる
自宅の隣にオフィス・事務所がある高い割合は不合理
20km離れた場所に毎日通勤している高い割合が合理的に説明できる

最も正確な根拠は走行距離の記録ですが、実務的にここまで記録している人はほとんどいません。たまに走行距離を計算して根拠を出している方もいますが、稀なケースです。

現実的な割合の決め方として、稼働日数ベースで考える方法があります。例えば週1日しか休めない繁忙期は6/7(約86%)、週2日休める時期は5/7(約71%)というように、平日稼働日はほぼ仕事で使うという理屈で割合を設定するやり方です。実際の稼働とずれることはあるかもしれませんが、1つの合理的な根拠として使えます。

⚠️ 不動産オーナーの車経費には特に注意

不動産賃貸業(大家業)の場合、税務調査官は「不労所得・不労収入である」という考え方が強く、ほとんどの経費が否認されやすい傾向があります。車関連の経費についても、物件が1棟しかないのに車関連の経費を全額計上していると、調査が入った際にほぼ全額否認されるリスクがあります。「調査が来ていないから大丈夫」ではなく、調査が入れば厳しく見られるという認識を持っておきましょう。不動産業が煩わしいと感じる方は法人化を検討する価値があります。

📌 ポイント:車関連の経費は割合を揃える

減価償却費・ガソリン代・ETC・保険料など車関連の費用は、すべて同じ按分割合で計上するのが一般的です。「ガソリン代だけ3割、保険料は5割」のように項目ごとに割合を変えているケースは見たことがなく、根拠も不明確になるため避けましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 按分割合は地域・通勤距離・業種によって異なる。一律の答えはない
  • 走行距離記録が最も根拠として強いが、稼働日数ベースの計算も有効
  • 車関連の費用はすべて同じ割合で揃えて計上する
  • 不動産オーナーは車経費の按分に特に慎重になる必要がある

④食事代・福利厚生費はどこまで経費になるか

食事代については、個人事業主本人の食事代は基本的に経費計上できません。ご飯は仕事をしていなくても食べるものだからです。意外と知らない方が多く、税理士でも知らない人がいると言われるほどです。

ただし、以下のケースは経費計上が認められます。

ケース勘定科目経費計上の可否
取引先との打ち合わせを兼ねた食事会議費・接待交際費○ 計上できる
スタッフ全員での忘年会・新年会福利厚生費○ 計上できる(代表者本人の分は除く)
仕事場で作業できない特別な事情(工事など)があり外でカフェ作業会議費など△ 特殊な事情があれば計上できる場合も
個人事業主本人の日常の食事・カフェ代✕ 計上できない

「カフェで仕事したから経費になる」という主張はよく聞きますが、基本的にはアウトです。調査に入られていないだけ、または金額が小さくてスルーされただけというケースが多く、税務調査が入れば否認されるリスクがあります。

⚠️ 個人事業で従業員に食事を提供する場合の注意点

個人事業主が従業員を雇用している場合、食事代は給与課税(現物給与)の対象になることがあります。飲食店などで従業員がいる個人事業主の方は、この点に注意が必要です。

⚠️ 不動産オーナーの接待交際費にも注意

不動産賃貸業の場合、ハウスメーカーの営業担当者と食事に行った費用を接待交際費として計上しようとするケースがありますが、税務調査官の考え方では「直接家賃収入と結びつく経費しか認めない」というスタンスが多く、極論、入居者との飲食しか認めないという厳しい見方をされることもあります。

また、個人事業主の接待交際費については「個人は法人と違って上限がないから無限に落とせる」と誤解している方がいますが、これは間違いです。法人は年間800万円という枠がありますが、個人の場合は上限がない代わりに「あくまでも仕事関連であること」が厳しく問われます。接待交際費が高額であれば当然疑いをかけられます。

📝 このセクションのまとめ

  • 個人事業主本人の食事代は原則経費計上不可
  • 取引先との打ち合わせ食事・スタッフ全員の忘年会などは経費計上できる
  • 不動産オーナーは接待交際費が特に厳しく見られる
  • 個人の接待交際費に上限はないが、高額なら疑いの対象になる

⑤洋服・散髪代・カバン・腕時計・財布・化粧品はどうなるか

ここからはよく質問される「グレーゾーン」の項目です。基本的にはどれも厳しいと思っておいた方が安全です。

項目原則例外的に経費になるケース
洋服✕ 原則アウトコメディアンの衣装・ミュージシャンのステージ衣装・画家の作業着・ユニフォーム(社名入りなど)
散髪代✕ 原則アウト芸能系・舞台系など特殊な職種のみ
カバン✕ 原則アウトキャリーバッグを事務所に置いてスタッフ全員が使う形にするなど
腕時計✕ 原則アウトなし(プライベートでも使うため否認されやすい)
財布✕ 原則アウトなし(最もプライベート感が強い)
化粧品・エステ✕ 原則アウト舞台用の特殊メイク(ゾンビメイク・シルク・ドゥ・ソレイユ級)など

洋服については、美容師さんから「カラー剤で汚れるから仕事着として経費にできないか」という質問がよく来ますが、プライベートでも着るものである以上、難しいというのが本音です。エプロンを経費計上する、スタッフ全員分の白Tシャツをまとめ買いして統一するといった形にすれば、福利厚生費や広告宣伝費として計上できる余地があります。

腕時計については、ある社長が着用していた腕時計を消耗品として計上していたところ、税務調査官に「この消耗品は何ですか?」と聞かれ、「これです」と腕時計を見せた瞬間に否認されたという実例があります。減価償却の台帳に「腕時計」「カバン」と書かれていると目立ちます。

散髪代は、髪の毛は誰でも伸びるので切りに行くのは当然であり、「仕事だから切る」という証明が非常に難しいです。芸能系・舞台系の特殊な職種でなければ基本的にアウトです。

化粧品については、仕事だけでなくプライベートでもメイクをする方がほとんどであるため、普通のファンデーションや乳液・化粧水などは基本的に経費計上が難しいです。舞台用の特殊メイクや、その辺を歩けないようなレベルの衣装・メイクであれば認められる余地があります。

⚠️ 「動画に映っているから経費になる」は通用しない

YouTuberから「動画に映っているから洋服や腕時計を経費にできるのでは?」という質問がよく来ますが、動画に映っていても自分で使っていることに変わりはないため基本的にアウトです。唯一の例外は視聴者プレゼントにすること。プレゼントとして贈呈すれば広告宣伝費として計上できますが、ハイブランド品を視聴者にプレゼントする人はほとんどいないのが現実です。

📌 ポイント:「調査が来ていないだけ」問題

ネットやブログで「スーツが経費になった」「カフェ代を落とせた」という情報を見ることがありますが、これらの多くは「税務調査が入っていないだけ」または「金額が小さくてスルーされただけ」です。見つからなければやればいいという話ではなく、調査が入れば否認されるリスクがあることを認識しておきましょう。おしゃれと経費は分離して考えることが大切です。

📝 このセクションのまとめ

  • 洋服・散髪代・カバン・腕時計・財布・化粧品は原則として経費計上が難しい
  • 例外は舞台衣装・特殊メイク・ユニフォーム(社名入り)など特殊なケースのみ
  • 「動画に映っているから経費」は通用しない。視聴者プレゼントにすれば広告宣伝費になる
  • 「調査が来ていないだけ」という事例が山ほどある。自己責任で判断を

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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