確定申告とは何か?仕組みと流れを税理士がわかりやすく解説
確定申告って難しそう?実は「役所に書類を提出するだけ」です。全体像をつかんでアレルギーをなくしましょう。
なぜ今、確定申告を知っておく必要があるのか
2024年の自民党総裁選で、「全国民確定申告義務化」という政策が打ち上げられました。現状では実現していませんし、近い将来すぐに実現するわけでもありません。しかし、可能性としては残されています。
ですから、個人事業主に限らず、確定申告というものは誰もが理解しておいた方がよい時代になっています。アメリカではすでに全国民が確定申告を行う制度になっており、日本も将来的にそうなる可能性はゼロではありません。
📌 今日のゴール
確定申告とは何か、その全体像をざっくり理解すること。所得税の計算体系と、年末調整との使い分けをイメージできるようになること。
📝 このセクションのまとめ
- 2024年総裁選で「全国民確定申告義務化」が提唱された
- 現時点では義務化されていないが、将来の可能性は残っている
- 個人事業主以外の人も、確定申告の全体像を知っておく価値がある
確定申告とは何か?一言で言うと
確定申告を一言で言うと、「税金を自分で確定させて、税務署に申告していくもの」です。
なぜその作業をしなければいけないかというと、税金がまだ確定していない人がこの世にはいるからです。
給料という収入だけの場合、会社員であれば会社が、公務員であれば役所が、その従業員・職員の所得税を計算してくれます。だから自分は税金のことを何も考えていなくても、雇い主が計算してくれるので1年間の所得税が確定していきます。それを年末調整と言います。年末調整をしている限りは、確定申告をする必要はありません。
| 対象者 | 税金の確定方法 | 確定申告の要否 |
|---|---|---|
| 給料のみの会社員・公務員 | 勤務先が年末調整で計算 | 原則不要 |
| フリーランス・個人事業主 | 自分で計算する必要あり | 必要 |
| 給料+副業収入がある会社員 | 副業分の税金が未確定 | 必要 |
フリーランスや個人事業主、あるいは会社員・公務員でも副業をしている人、つまり収入を受け取ったときに適正な税金が天引きされていない人たちは、確定申告が必ず必要になります。
📝 このセクションのまとめ
- 確定申告=税金を自分で計算して税務署に申告すること
- 会社員・公務員は年末調整で税金が確定するため原則不要
- 個人事業主・フリーランス・副業がある人は確定申告が必要
所得税の仕組みをざっくり理解する
確定申告は所得税を計算して申告するものですから、まず所得税の計算の流れを知っておく必要があります。ざっくり言うと、「収入からいろいろ引いて、最後に残った金額に税率をかける」というものです。
これを確定申告が必要な人(事業所得がある人)に当てはめると、以下のような流れになります。
| ケース | 所得税の計算ステップ |
|---|---|
| 個人事業主・フリーランス | 売上 → 経費を引く → 青色申告特別控除を引く → 所得控除を引く → 課税所得 → 税率をかける |
| 給料+副業がある会社員 | 給料(源泉徴収票の金額)+(売上 → 経費 → 青色申告特別控除) → 合算 → 所得控除を引く → 課税所得 → 税率をかける |
重要なのは、日本の所得税は「給料は給料で税金を払い、事業は事業で税金を払う」という仕組みではなく、収入を全部合算して税率をかける仕組みになっているという点です。所得が上がるほど税率が高くなるため、合算しなければなりません。
だから、一度決まった給料であっても、他の収入と合算すると税額が変わります。副業で収入が増えた場合、給料だけのときより税率が上がる可能性があるのはそのためです。
📌 所得税計算の2パターン(まとめ)
- 個人事業主・フリーランス:売上から始まって経費・控除を引き、課税所得に税率をかける
- 副業がある会社員:給料+副業の事業所得を合算し、所得控除を引いて課税所得に税率をかける
📝 このセクションのまとめ
- 所得税は「収入 → いろいろ引く → 課税所得 → 税率をかける」という流れ
- 日本は全収入を合算して税率をかける仕組み
- 副業収入があると給料と合算されるため、税額が変わる
確定申告の期限・提出先・書類の内容
確定申告の基本情報を整理しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出期限 | 翌年の3月15日まで(例:2026年分の所得税は2027年3月15日まで) |
| 提出先 | 自分の住所・納税地を管轄する税務署 |
| 管轄税務署の調べ方 | 「自分の住所 管轄税務署」で検索 → 国税庁ホームページで確認 |
提出する書類は主に以下のものです。
- 確定申告書 第一表:年間の合計金額(収入・控除・税額など)を記載するメインの書類
- 確定申告書 第二表:第一表の金額になった理由・内訳を記載
- 青色申告決算書:事業の売上・経費・経費の内訳(交際費・旅費交通費など)の年間合計を集計した書類。厳密には確定申告書ではなく、確定申告書に添付するもの
- 各種控除証明書:生命保険料控除・地震保険料控除など(最近は電子申告でほとんど割愛可能)
📌 電子申告(e-Tax)で提出が楽になった
マイナンバーカードを活用した電子申告が普及したことで、添付書類の提出がほとんど不要になりました。確定申告書の提出そのものもかなり楽になっています。
📝 このセクションのまとめ
- 提出期限は翌年3月15日
- 提出先は自分の住所を管轄する税務署
- 主な書類は確定申告書(第一表・第二表)と青色申告決算書
- マイナンバーカードによる電子申告で提出が大幅に簡略化された
確定申告書類はどうやって作るのか
確定申告書類は、数字さえ揃えば自動で作成できます。無料で使えるシステムもあります。
| ツール | 用途 | 費用 |
|---|---|---|
| 国税庁「確定申告書作成コーナー」 | 確定申告書(第一表・第二表)の作成。アナウンスに従って数字を入力すれば書類が完成 | 無料 |
| 会計ソフト(freee・マネーフォワードなど) | 1つ1つの取引を入力して自動集計。決算書(年間の収入・経費の集計)を作成。確定申告書も作成可能 | 有料(月額) |
確定申告書類を作る流れをまとめると、以下のステップになります。
- 元となる素材を集める(年間の売上・経費の領収書・クレジットカード明細・所得控除に関する情報など)
- 会計ソフトに入力して決算書を作る(年間の収入・経費を集計)
- 確定申告書を作る(会計ソフトで作成するか、国税庁の確定申告書作成コーナーを使う)
- 税務署に提出する(電子申告または書面で)
📌 一番めんどくさいのは「素材集め」
確定申告で最も手間がかかるのは、1年間の売上と経費の証拠書類を集める作業です。全部覚えている人はいませんから、確実に書類やデータが必要になります。素材さえ集まれば、あとは会計ソフトや税理士に丸投げすることもできます。
所得控除については、家族構成・持ち家の有無・生命保険の加入状況など、置かれた環境によって変わります。これらの情報も事前に集めておく必要があります。
📝 このセクションのまとめ
- 書類作成は国税庁の無料ツールまたは会計ソフトで自動化できる
- 最も手間がかかるのは1年分の売上・経費の素材集め
- 素材が揃えば、税理士への丸投げも会計ソフトへの自力入力も選べる
- 確定申告書は1時間でできるような書類ではない。準備期間が必要
確定申告で絶対に守るべきポイント:嘘をつかない
確定申告において最も重要なポイントは2つあります。「正しく行うこと」と「嘘をつかないこと」です。どちらが重要かと言えば、後者です。
⚠️ 絶対にやってはいけない「架空」の計上
- 架空売上:入金がないのに売上として計上する
- 架空経費:支払いがないのに経費として計上する
この「架空」を税務署は最も嫌います。架空計上は刑事事件に発展する可能性が最も高い行為です。絶対にやってはいけません。
一方で、ミスについては心配しすぎなくて大丈夫です。確定申告は誰も学校で習ってきておらず、専門家でもない人が取り組むものです。数字が変わってしまうようなミスは全く問題ありません。間違っていたら税務署から連絡が来ることもありますが、その場合は直せばいいだけです。
確定申告書は税務署に提出する書類です。言い換えれば役所に提出する書類です。転入届・転出届・婚姻届などと同じように、間違えたら書き直せばいいだけのことです。お金や税金が絡むから緊張してしまいますが、自分に悪意がなくミスしたものに関しては何の問題もありません。誠実に数字を積み上げることが最も重要です。
📝 このセクションのまとめ
- 架空売上・架空経費は絶対にNG。刑事事件になりうる
- 計算ミスは問題なし。連絡が来たら直せばよい
- 確定申告書は役所への書類提出と同じ感覚で、構えすぎなくてよい
- 誠実に数字を積み上げることが最も重要
知識があるから節税できる
税金を払うことは国民の義務ですが、その金額は指定されていません。法律を理解して、その法律の範囲内で自分で計算してくださいね、と国民に委ねられているのです。確定申告で税金を確定させるのは、私たち納税者自身だからです。
つまり、知識が深まれば節税もしやすくなります。ルールの範囲内で、法律が許す部分で税金を安くすることは認められた行為です。
📌 会社員より個人事業主の方が節税の余地が大きい理由
会社員・公務員は年末調整で税金が自動的に決まるため、自分で税額をコントロールしにくい状況です。一方、個人事業主は確定申告で自ら計算するため、法律の範囲内で節税できる余地が大きくなります。節税は家計の節約と何ら変わりません。知識と行動力があれば誰でも取り組めます。
法律を1から読むのは難しいですが、税金に関する発信や書籍で知識を積み上げ、その知識の範囲内で節税を実践していくことが大切です。
もし将来、全国民確定申告が義務化されたとしても、今から知識を蓄えておけばスムーズに対応できます。そのためにも、確定申告の全体像を理解しておくことは非常に重要です。
📝 このセクションのまとめ
- 税金の金額は国民自身が計算して確定させるもの
- 知識があるほど法律の範囲内で節税できる
- 個人事業主は会社員より節税の余地が大きい
- 節税は家計の節約と同じ。知識と行動力があれば誰でも実践できる
確定申告の全体像:まとめ
確定申告にアレルギーを持たないでください。大したものではありません。役所に提出するただの書類です。
ただし、その書類を正しく作るためには知識と準備が必要です。個人事業主・フリーランス・副業をしている方、いずれも事業をやっている限り売上と経費があります。それを年間で合計し、1つ1つの取引の積み上げとして確認するための書類が必要になります。
| ステップ | 内容 | 使うツール |
|---|---|---|
| ①素材集め | 年間の売上・経費の証拠書類、所得控除に関する情報を集める | 領収書・カード明細・各種証明書 |
| ②決算書の作成 | 取引を1件ずつ入力して年間の収入・経費を集計 | 会計ソフト |
| ③確定申告書の作成 | 決算書の数字をもとに確定申告書を作成 | 会計ソフト または 国税庁確定申告書作成コーナー(無料) |
| ④提出 | 管轄税務署に翌年3月15日までに提出 | 電子申告(e-Tax)または書面 |
次のステップとして、青色申告・会計ソフトの使い方・経費の線引きなどを理解していくと、確定申告の精度がさらに上がります。また、確定申告をしないとどうなるのかという点も、確定申告をする人しない人を問わず知っておくべき重要なポイントです。
📌 次に学ぶべきキーワード
- 青色申告(青色申告特別控除とは何か)
- 会計ソフトの使い方
- 経費の線引き(何が経費になって何がならないのか)
- 確定申告しないとどうなるのか
📝 確定申告 全体像まとめ
- 確定申告は「役所に書類を提出するだけ」。アレルギーを持たなくてよい
- 対象者は個人事業主・フリーランス・副業がある会社員など
- 所得税は「収入 → 各種控除 → 課税所得 → 税率」という流れで計算
- 提出期限は翌年3月15日。電子申告で提出が楽になっている
- 一番の手間は1年分の素材(売上・経費)集め
- 架空計上は絶対NG。ミスは問題なし
- 知識があるほど節税の余地が広がる
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 大河内薫のマネリテ学園 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 大河内薫のマネリテ学園を応援しています!
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