確定申告しなくていい金額と条件を税理士が解説|知らないと損する税金のルール

確定申告しなくていい金額と条件を税理士が解説|知らないと損する税金のルール
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確定申告が不要な条件・金額を正しく理解して、申告漏れや損を防ごう。

確定申告とは?基本をおさらい

確定申告とは、1年間に得た所得にかかる税金を計算し、申告書に記載して税務署に提出する手続きのことです。一言でいえば「納税額を計算して申告する」ことが確定申告の目的です。

提出期間は以下のとおりです。

申告の種類提出期間(令和8年分)
通常の確定申告令和8年2月16日(月)〜 3月16日(月)
還付申告(カ付申告)年明けから随時受付(1月1日〜)

📌 ポイント

通常の締め切りは毎年3月15日ですが、令和8年は15日が日曜日のため翌16日(月)が締め切りになります。毎年16日ではないので注意しましょう。還付申告(税金が戻ってくる申告)はすでに年明けから受付が始まっています。確定申告書が完成していれば、2月16日を待たずに税務署が受け付けてくれるケースもあります。

📝 このセクションのまとめ

  • 確定申告=1年間の所得の税金を計算・申告する手続き
  • 令和8年の締め切りは3月16日(月)
  • 還付申告は年明けから随時提出可能

確定申告が必要な人①:会社員・パート・アルバイトのケース

会社員やパート・アルバイトで働いている方でも、以下のケースに該当する場合は確定申告が必要です。

① 年収が2,000万円を超える方

年収が2,000万円を超える会社員は、年末調整の対象外となります。会社側で年末調整ができないため、自分で確定申告をする必要があります。

② 給与の他に副収入があった方(所得金額20万円超)

給与以外に副収入があり、その所得金額が20万円を超えている方は確定申告が必要です。副収入の例としては以下のものが挙げられます。

  • 満期の保険金や解約返戻金
  • 講演料や原稿料の収入
  • その他、給与以外で得た収入

満期保険金や解約返戻金については、保険会社から確定申告に必要な書類が届きますので、そちらで所得金額を確認して申告の要否を判断してください。

③ 2か所以上から給与をもらっている方

会社員をしながら休日や夜間にアルバイトをしているなど、2か所以上から給与をもらっている方は確定申告が必要です。年末調整は基本的に1か所でしか行われないため、もう1か所分の税金計算が漏れてしまうからです。確定申告で2か所の給料を合算して税金を計算し直す必要があります。

📌 ポイント

メインの会社で年末調整が済んでいて、隙間時間に行うアルバイトの給与収入の合計が20万円以下であれば確定申告は不要です。合計が20万円を超えた場合に申告が必要になります。

④ 自然災害などで被害を受けた方

自然災害(大雨・地震など)によって被害を受けた方は、確定申告が必要になるケースが多いです。該当する場合は税務署に相談するようにしましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 年収2,000万円超の会社員は確定申告が必要
  • 副収入の所得金額が20万円超なら確定申告が必要
  • 2か所以上から給与をもらっている場合も申告が必要
  • 災害被害を受けた場合も申告が必要になることが多い

確定申告が必要な人②:年金受給者・個人事業主・投資家のケース

年金生活者や個人事業主、投資家の方も確定申告が必要なケースがあります。それぞれ確認していきましょう。

対象者確定申告が必要なケース
年金受給者公的年金の収入金額が400万円超、またはその他の所得が20万円超
個人事業主・フリーランス事業所得がある場合は基本的に申告必要
不動産オーナー不動産収入(家賃収入など)がある場合
暗号資産(仮想通貨)投資家売却・他の仮想通貨への交換などで利益が出た場合
株式投資家一般口座で売買している場合(特定口座は原則不要)
不動産売買をした方自宅・土地などを売却した場合(譲渡所得)

年金受給者については、「申告不要のケース」から逆算して考えると分かりやすいです。公的年金の収入金額が400万円以下で、かつそれ以外の所得金額が20万円以下の方は確定申告不要です。これに該当しない方は申告が必要と覚えておきましょう。

暗号資産(仮想通貨)については、現在のところ雑所得に該当します。売却したり他の仮想通貨に交換したりした場合は申告が必要です。近年、税務署も暗号資産の取引に目を光らせているため、無申告でいると後々大きなペナルティを受けるリスクがあります。

株式投資については、特定口座(源泉徴収あり)で取引している場合は事前に税金が差し引かれた金額で売却益が振り込まれるため、確定申告は原則不要です。一方、一般口座で取引している場合は確定申告が必要になります。

⚠️ 注意

不動産の売買(自宅・土地の売却など)は譲渡所得として確定申告が必要になるケースがほとんどです。自分のケースがどうなるか、必ず税務署に確認して申告漏れがないようにしましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 年金受給者は公的年金400万円超またはその他所得20万円超なら申告必要
  • 個人事業主・フリーランス・自営業は基本的に申告必要
  • 暗号資産の売却・交換は雑所得として申告必要
  • 株は一般口座なら申告必要、特定口座(源泉徴収あり)は原則不要
  • 不動産売却(譲渡所得)は申告が必要なケースがほとんど

確定申告をしなくていい金額と条件

ここからは逆に、確定申告をしなくてもよい条件と金額をまとめて解説します。

対象者確定申告不要の条件
会社員(副業あり)副業の所得金額が20万円以下(本業で年末調整済みの場合のみ)
個人事業主事業所得が48万円以下(基礎控除後の税額が0円になる場合)
会社員(副業なし)会社で年末調整済みで、他に収入が何もない場合
年金受給者公的年金収入が400万円以下かつその他所得が20万円以下

⚠️ 注意

副業の所得が20万円以下なら確定申告不要というルールは、本業で年末調整を受けている会社員のみに適用されます。個人事業主には適用されませんのでご注意ください。個人事業主で所得が少なくても、原則として確定申告は必要です。

また、個人事業主の方が税務署の窓口で相談した際に「所得金額が少なく税額が0円になるので確定申告しなくてもいいですよ」とアドバイスされることがあります。確かに税額が0円になる場合、申告義務がないケースもありますが、後述するように申告しておいた方がよい理由があります。

年末調整済みの会社員でも、以下の場合は確定申告が必要になりますので注意しましょう。

  • 住宅ローン控除の1年目(2年目以降は年末調整で対応可)
  • 医療費控除を受けたい場合
  • ふるさと納税(寄付金控除)を確定申告で申請する場合(ワンストップ特例を使わない場合)

📌 ポイント:ふるさと納税のワンストップ特例

ふるさと納税については、ワンストップ特例制度を利用している方で要件に該当する場合は確定申告が不要です。自分がワンストップ特例を利用しているかどうか確認しておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 副業所得20万円以下で申告不要は「年末調整済みの会社員のみ」のルール
  • 年末調整済みの会社員でも住宅ローン控除1年目・医療費控除・ふるさと納税は申告が必要
  • 公的年金400万円以下かつその他所得20万円以下の年金受給者は申告不要

そもそも確定申告しなくていい収入(非課税・対象外の収入)

収入の種類によっては、そもそも確定申告の対象にならないものがあります。以下にまとめました。

収入の種類申告の要否
上場株式等の配当(源泉徴収済み)申告不要
未公開株式の少額配当申告不要
遺族年金・障害年金申告不要(非課税)
雇用保険の失業等給付(失業手当)申告不要(非課税)
事故の損害保険金・損害賠償金申告不要(非課税)
生活用資産の譲渡(メルカリ等での不用品売却)申告不要
定額減税の不足額給付金申告不要(非課税)
児童手当申告不要(非課税)
宝くじの当選金申告不要(非課税)

特に質問が多いのが失業手当(雇用保険の失業等給付)です。会社を辞めた後にもらう失業手当は収入としてカウントしなくてよいので、確定申告は不要です。

生活用資産の譲渡についても詳しく説明します。自分が家庭で使っているソファやテーブルを買い換える際にリサイクルショップやメルカリで売って得たお金は、確定申告の対象外です。日常生活で使っていた不用品を処分して得た収入はノーカウントになります。

⚠️ 注意:転売ビジネスは別扱い

メルカリやリサイクルショップを利用した転売ビジネスは「生活用資産の譲渡」には該当しません。ビジネスとして仕入れ・販売を行っている場合は事業所得として確定申告が必要です。開業届を提出し、売上をきちんと申告するようにしてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 失業手当・遺族年金・障害年金・損害賠償金・宝くじは非課税で申告不要
  • 自宅の不用品をメルカリ等で売った収入(生活用資産の譲渡)は申告不要
  • 転売ビジネスは事業所得として申告が必要
  • 定額減税の不足額給付金も申告不要

申告不要でも「確定申告した方がいい」ケース

確定申告が義務ではない場合でも、申告することで税金が戻ってきたり、将来の損失を防げたりするケースがあります。以下に代表的なものを紹介します。

① 青色申告をしている個人事業主で赤字が出た場合

青色申告をしている個人事業主で赤字になった場合、その損失を翌年以降3年間繰り越すことができます(純損失の繰越控除)。翌年・翌々年に黒字が出た際に、過去の赤字と相殺して税金を減らせます。ただし、この繰越しには赤字が出た年に確定申告をしていることが条件です。申告していなければ、過去の赤字を証明する手段がなく相殺できません。

② 個人事業主が融資・補助金申請を予定している場合

金融機関での借入れや補助金の申請をする際には、直近の確定申告書の提出が必要書類として求められるケースがほとんどです。「そんなことなら申告しておけばよかった」と後悔しないよう、個人事業主の方は申告しておくことを強くおすすめします。

③ 年末調整をしていないアルバイト・パートの方

アルバイト先によっては年末調整を行わないところもあります。そういった方が確定申告をすると、源泉徴収された税金が還付(返金)されるケースがあります。給与明細や源泉徴収票を確認して、源泉徴収額が引かれている場合は確定申告を検討しましょう。

📌 ポイント:還付申告は過去5年間さかのぼれる

「今年気づいた」という場合でも、還付申告は過去5年間さかのぼって申告できます。これまで申告していなかった年分も申告することで、税金が戻ってくる可能性があります。

④ 年の途中で退職した方

年の途中で退職した場合、年末調整が行われていないため確定申告をすることで税金が還付されるケースが多いです。確定申告の義務はありませんが、申告することで得をする可能性が高いので確認しておきましょう。

⑤ 退職金をもらった方

退職金は基本的に確定申告不要のケースが多いですが、退職金の金額やもらい方によっては申告した方がよいケースがあります。自分の状況を確認するようにしてください。

⑥ 株の売買で損失が出た方

特定口座で株を運用している場合は原則確定申告不要ですが、損失が出た年は例外です。損失を確定申告することで、翌年以降の利益と相殺する損失の繰越控除が利用できます。申告しないと損失を繰り越せず、将来の税負担が増えてしまいます。

📝 このセクションのまとめ

  • 青色申告の個人事業主は赤字でも申告して損失を繰り越すべき
  • 融資・補助金申請のために個人事業主は確定申告書を残しておくべき
  • 年末調整なしのアルバイト・パートは申告で税金が戻ってくる可能性がある
  • 年の途中で退職した方も申告で還付を受けられることが多い
  • 株の売買で損失が出た年は申告して損失を繰り越すべき
  • 還付申告は過去5年間さかのぼって申告できる

重要:所得税の申告不要でも住民税の申告は別途必要

最後に、非常に重要な注意点をお伝えします。ここまで解説してきた「確定申告が不要」というのは、あくまでも税務署に提出する所得税の確定申告についての話です。

⚠️ 注意:住民税の申告は別途必要

所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要になります。「確定申告しなくていいと言われたから住民税の申告もしなくていい」と誤解しないようにしてください。

税の種類提出先支払先
所得税税務署国(国税)
住民税市区町村住んでいる市区町村(地方税)

所得税と住民税は管轄が異なります。所得税は税務署に申告して国に納める税金ですが、住民税は市区町村に申告して自分が住む自治体に納める税金です。ルールが異なるため、所得税の確定申告が不要でも住民税の申告が必要になるケースがあります。誤解している方が非常に多いので、しっかり確認しておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 「確定申告不要」=所得税(税務署への申告)が不要という意味
  • 住民税の申告は市区町村への別手続きが必要
  • 所得税と住民税は管轄・提出先・支払先がすべて異なる

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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