確定申告の基本を税理士が解説|経費・青色申告・白色申告の違いと手のつけ方

確定申告の基本を税理士が解説|経費・青色申告・白色申告の違いと手のつけ方
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確定申告シーズンに「今さら聞けない」基本を、経費・青色申告・集計方法の3点に絞って解説します。

確定申告とは何か|基本の仕組みをおさらい

確定申告とは、あなたの1年間のビジネスの結果を報告するものです。1年間の売上と経費を自分で計算し、税金を算出して、自分のお住まいの税務署に提出するのが基本のルールです。

令和4年分(2022年1月1日〜12月31日)の確定申告は、令和5年3月15日までに提出する必要があります。

項目内容
対象期間令和4年1月1日〜12月31日
提出期限令和5年2月16日〜3月15日
提出方法窓口持参・郵送・e-Tax(電子申告)の3種類

税金の計算の基本的な流れは次のとおりです。

📌 税金計算の基本式

売上 ー 経費 = 利益(儲け)
この利益に対して税率がかかり、納める税金が決まります。

⚠️ 注意|コロナによる期限延長について

今回の確定申告も、コロナの影響でどうしても提出できなかった方向けに、理由を記載した書類を1枚追加で提出することで3月15日を過ぎても受け付けてもらえるルールがあります。ただし、コロナが理由でないにもかかわらず延長してしまうと期限外申告になる可能性があります。基本は3月15日が締め切りとして動いてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 確定申告は「1年間のビジネス結果の報告」
  • 令和4年分の提出期限は令和5年3月15日
  • 提出方法は窓口・郵送・e-Taxの3種類
  • 税金は「売上-経費=利益」に税率をかけて計算する

今さら聞けない①|経費って何?判断基準を整理する

「経費」という言葉はよく聞きますが、何でも経費にできるわけではありません。経費として認められるためには、次の3つのポイントを全て満たす必要があります。

  • 事業で使ったお金であること(事業に関わらない支出は経費にならない)
  • 売上につながるための支出であること(その年または後々の売上につながるもの)
  • 証拠があること(レシート・領収書など何かしらの証拠を残しておく)

実は経費には「これは絶対に経費になる」「これは絶対にならない」という画一的なルールはありません。この3つのポイントで判断するしかないため、人によって「これは経費にした」「私はしていない」という”経費論争”が起こるのはこれが原因です。

逆に、経費にならないものも確認しておきましょう。

項目経費になるか理由・備考
家族旅行・自分の食費・健康診断❌ ならないプライベートの支出のため
所得税・住民税❌ ならない事業ではなく個人の税金のため
消費税・事業税✅ なる事業に関連する税金
国民健康保険・年金の支払い❌ 経費ではない「所得控除」の項目として入力する(経費欄への入力は誤り)

⚠️ 注意|国民健康保険・年金の入力場所

国民健康保険や年金の支払いは経費ではなく、「控除項目(所得控除)」として入力します。経費の欄に誤って入力しないよう注意してください。

📝 このセクションのまとめ

  • 経費の判断基準は「事業で使った」「売上につながる」「証拠がある」の3点
  • プライベートの支出・所得税・住民税は経費にならない
  • 国民健康保険・年金は経費ではなく所得控除の欄に入力する
  • 消費税・事業税は経費として計上できる

今さら聞けない②|青色申告と白色申告の違いとは

確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。結論から言うと、青色申告の方がメリット(特典)が多いため、できれば青色申告を選ぶべきです。

青色申告の代表的なメリットを紹介します(全てではありません)。

青色申告のメリット内容
最大65万円の控除e-Tax(電子申告)で申告を提出することで、最大65万円の控除が受けられる
赤字の繰越控除赤字が出た場合に翌年以降に繰り越せる。翌年黒字化した際に赤字と相殺できる

白色申告の場合、赤字はその単年度で終わってしまいます。青色申告であれば赤字を翌年以降に繰り越せるため、黒字化した年に相殺できるという大きな特典があります。

⚠️ 注意|青色申告には事前届出が必要

青色申告を選ぶためには、事前に税務署への届出が必要です。令和4年分の確定申告で青色申告をするには、すでに届出が済んでいる必要があります。届出をした覚えがない方は、自動的に白色申告となります。

自分が青色か白色かを確認する方法

「自分が青色申告できるのか白色申告なのか、よくわからない」という方は、税務署から送付されてくる「確定申告のお知らせはがき」で確認できます。

このはがきはピリピリと開くタイプで、開くと以下の重要情報が記載されています。

  • 申告の種類(青色と記載があれば青色申告ができる)
  • 利用者識別番号(e-Taxで必要な番号)
  • 予定納税の有無
  • 振替納税の登録口座情報

📌 ポイント|はがきの「申告の種類」欄をチェック

はがきの「申告の種類」欄の一番上に「青色」と記載されていれば、青色申告で提出できます。このはがきは重要な情報が詰まっているため、必ず手元に保管しておきましょう。

また、青色申告と白色申告では記入する確定申告の用紙が異なります。青色申告用の用紙と白色申告用の用紙は色が違いますので、自分が記入する際に間違えないよう確認してください。

📌 ポイント|令和4年分から確定申告書が1種類に統一

これまで確定申告書には「A」「B」の2種類がありましたが、令和4年分から1種類に統一されました。「確定申告書A・B」という表記はなくなっていますので、注意してください。

令和5年分から青色申告に切り替えたい方へ

「令和4年分は白色申告だったが、令和5年分からは青色申告にしたい」という方は、令和5年の申告期限(3月15日)までに青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。

確定申告書を提出する際に、この届出書を一緒に提出すれば間に合います。この届出を忘れると、また翌年も白色申告になってしまいますので、必ず頭に入れておいてください。

⚠️ 注意|届出を忘れると翌年も白色申告のまま

青色申告承認申請書の提出を忘れると、令和5年分も白色申告になってしまいます。「今年こそ青色に切り替える」と決めたら、申告期限(3月15日)までに必ず届出を提出しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 青色申告の方が特典(65万円控除・赤字繰越等)が多くお得
  • 青色申告には事前の税務署への届出が必要
  • 自分が青色か白色かは「確定申告のお知らせはがき」で確認できる
  • 令和4年分から確定申告書がA・Bの2種類から1種類に統一された
  • 令和5年分から青色に切り替えたい場合は申告期限(3月15日)までに届出を提出

今さら聞けない③|確定申告にどうやって手をつけるか

確定申告の用紙には、1年間の売上・経費の合計額を記入する必要があります。青色申告の用紙であれば、租税公課・その他の経費など勘定科目ごとに1年間の合計額を集計して記入していきます。売上も同様に合計額が必要です。

つまり、確定申告の前に「集計(合計額を出す)作業」が必須です。日々経理をしている方はこの集計がスムーズですが、これから集計を始めるという方も多いと思います。おすすめの集計方法を3つ紹介します。

方法内容おすすめ度
①手書きで集計手書きで帳簿を記入し、計算機で合計を出して申告用紙に記入する△(ミスが出やすい)
②Excelで集計現金出納帳・預金出納帳などをExcelで作成し、合計をパソコンに計算させる○(手書きよりミスが少ない)
③会計ソフトを使う会計ソフトに入力し、そのまま印刷または電子申告まで完結させる◎(最もおすすめ)

手書き集計は時間がないときや会計ソフトを使えない場合の選択肢ですが、計算機で合計を入れる際にどこかしらミスが出やすいため、あまりおすすめではありません。

Excelでの集計は手書きよりミスが少なくなります。帳簿の雛形はGoogleで検索すると見つかりますし、青色申告向けの経理本の付録としてダウンロードできるExcel集計表が付いているものもあります。そういった雛形を活用するのも一つの方法です。

会計ソフトを使う方法が最もおすすめです。会計ソフトにひたすら入力していくと、確定申告に必要な集計がほぼ自動で出てきます。印刷してe-Taxで再入力して提出する方法も、会計ソフトからそのまま電子申告まで完結させる方法もあります。また、青色申告の条件である複式簿記での記帳など、帳簿の条件もクリアできるのは会計ソフトです。

📌 ポイント|今期は間に合わない場合の対処法

今の時期から会計ソフトの設定や使い方を1から学ぶ時間がない場合は、手書きまたはExcelで集計して今年の申告を乗り切りましょう。そして令和5年分からこそ会計ソフトを早めに導入して対策するのがおすすめです。

📝 このセクションのまとめ

  • 確定申告には売上・経費の「合計額(集計)」が必ず必要
  • 集計方法は手書き・Excel・会計ソフトの3種類
  • 最もおすすめは会計ソフト(集計・帳簿条件・電子申告まで対応)
  • 今期間に合わない場合は手書きかExcelで対応し、来期から会計ソフトを導入する

自分で確定申告する方が活用すべき無料リソース

自分で確定申告すると決めた以上、学ぶ・勉強する・知識を入れるしか方法はありません。自分で確定申告をしている方には、次のような理由がある場合が多いです。

  • 費用をかけずに済ませたい(税理士への依頼費用を節約したい)
  • まだ税理士などの専門家に依頼する余裕がない(起業初年度や事業が軌道に乗っていない段階)
  • 仕組みを理解するために自分でやってみたい(後々依頼するための準備として)

そういった方が活用できる無料リソースを紹介します。

リソース内容費用
YouTube動画税理士が解説する確定申告動画が多数あり、無料で学べる無料
税務署への相談電話で確認するか、予約を取って直接相談することができる無料
国税庁の確定申告特集ページ動画解説や申告方法のガイドが掲載されている無料
青色申告会・商工会議所・商工会記帳指導や確定申告の相談ができる一部有料

📌 ポイント|税務署は無料で相談できる

税金を納めているのだから、税務署をうまく活用しましょう。電話で疑問点を確認するだけでも構いませんし、予約を取って直接会場に行って相談することも可能です。いずれも無料で利用できます。

📝 このセクションのまとめ

  • 自分で確定申告するなら「学ぶ・知識をつける」ことが最重要
  • YouTube・税務署・国税庁ページは無料で活用できる
  • 青色申告会・商工会議所・商工会も相談窓口として利用できる(一部有料)
  • 国税庁の確定申告特集ページには動画解説や申告ガイドが掲載されている

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 税理士河南のYouTubeチャンネル!を応援しています!

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