倒産防止共済(経営セーフティ共済)の節税以外のメリットを税理士が解説
節税の鉄板・倒産防止共済には、借入活用など知られざる強烈なメリットがある。
経営セーフティ共済(倒産防止共済)とは何か
節税の鉄板として一押しなのが経営セーフティ共済、別名倒産防止共済です。掛け金が全額損金になり、貯めておいていざというときにお金として戻すこともでき、さらにほぼデメリットなしで最大760万円を借り入れることもできるなど、メリットはたくさんあります。
正式名称は中小企業倒産防止共済といい、中小企業の連鎖倒産を防ぐために作られた制度です。万が一取引先が倒産して損失を被った場合、これまで積み立ててきた金額の最大10倍、最高8,000万円を無利子・無担保・保証人不要で借りることができます。
この共済は中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)という国の機関が運営しており、日本が倒れない限りは安全な制度です。中小機構は他にも小規模企業共済も運営しています。利益の出ている企業であればほぼ皆さん加入しており、非常に信頼性の高い節税・防衛手段として活用されています。
📌 ポイント
経営セーフティ共済は「国公認の節税方法」です。掛け金を全額経費計上しながら、外部に積み立てておくキャッシュを確保できる、実質的な「国公認の社外貯金」のような仕組みです。
📝 このセクションのまとめ
- 正式名称:中小企業倒産防止共済(運営:中小機構)
- 取引先倒産時に最大8,000万円を無利子・無担保・保証人不要で借入可能
- 掛け金は全額損金算入でき、節税効果が高い
- 解約すれば積立金がまとめて戻ってくるため、キャッシュが外に出ていかない節税
加入条件と加入できないケース
経営セーフティ共済に加入できるのは、1年以上継続して事業を行っている中小企業者または個人事業主です。資本金または従業員数のいずれかが以下の基準に該当する場合に加入できます。
| 業種 | 資本金の基準 | 従業員数の基準 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業など | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
個人事業主も加入できますが、起業・会社設立から1年目は加入することができません。2年目以降であれば加入が可能です。
⚠️ 注意
以下に該当する場合は加入できません。
- 事業に関連する経理内容が不明な場合
- 所得税・法人税などを滞納している場合
- 掛け金を12ヶ月以上怠った場合(中小機構から契約解除される場合があり、その後1年間は再加入不可)
📝 このセクションのまとめ
- 1年以上継続して事業を行っている中小企業・個人事業主が対象
- 起業1年目は加入不可(2年目以降から加入できる)
- 税金の滞納がある場合や経理内容が不明な場合は加入不可
- 12ヶ月以上掛け金を怠ると機構から契約解除される場合がある
節税効果:年間最大240万円を全額損金算入
経営セーフティ共済の掛け金は全額経費計上(損金算入)が認められています。掛け金は毎月5,000円〜20万円の範囲で設定でき、年間で最大240万円を経費計上することが可能です。
これを繰り返していくと、積立の上限は800万円まで。つまり、トータルで800万円まで経費に入れていくことができます。
📌 ポイント
設備投資などキャッシュが外に出ていく節税とは違い、経営セーフティ共済の掛け金は解約すればまとめて戻ってきます。キャッシュがちゃんと手元に残る節税として、防衛資産として活用できる点が最大の魅力です。
📝 このセクションのまとめ
- 掛け金は月5,000円〜20万円、年間最大240万円を全額損金算入
- 積立上限は800万円(トータルで800万円まで経費計上可能)
- 解約すれば積立金が戻るため、キャッシュアウトしない節税手段
一時貸付制度:最大760万円を低利で借り入れる方法
経営セーフティ共済には、取引先の倒産による損失補填とは別に、当面の事業資金が必要な事業者のための「一時貸付金」という制度があります。加入して12ヶ月以上経過しており、滞納がなければ借り入れることができます。
借入限度額は、これまでの掛け金の納付月数によって変わってきます。
| 納付状況 | 借入限度額の目安 |
|---|---|
| 12ヶ月以上経過・滞納なし | ある程度まとまった金額を借入可能 |
| 納付月数が増えるにつれて | 借入額も増加 |
| 積立上限800万円に達した場合 | 最大760万円 |
取引先倒産時の共済金(無利子)とは異なり、一時貸付金には年0.9%の利子が発生します。ただし、これは非常に低い金利であり、有効活用すれば柔軟な会社経営が可能になります。
📌 ポイント
一時貸付金は年0.9%という超低金利で借り入れができます。積立額が800万円に達した場合、最大760万円を借り入れることが可能です。事業資金の調達手段として非常に有効です。
📝 このセクションのまとめ
- 加入12ヶ月以上・滞納なしで「一時貸付金」を利用可能
- 積立上限800万円に達した場合、最大760万円を借り入れできる
- 利子は年0.9%と非常に低金利
- 取引先倒産時の共済金(無利子)とは別の制度
裏技:年間460万円まで一括経費計上する方法
基本的に1年間で最大240万円を経費計上できるとお伝えしてきましたが、ある工夫をすることで1年間で最大460万円まで経費にすることができます。
その方法は、月払いと年払いを組み合わせることです。具体的には以下の手順で行います。
- 決算初月から毎月20万円を月払いで支払う(例:12ヶ月分=240万円)
- 最後の月に、その月から翌年1年分を年払いでまとめて240万円支払う
- その結果、1年間で月払い分+年払い分=最大460万円を経費計上できる
📌 ポイント
460万円という金額は、突発的に出た利益としても十分にあり得るリアルな金額です。たまたま利益が大きく出た年にこの方法を活用することで、かなりの利益圧縮が期待できます。
📝 このセクションのまとめ
- 月払い+年払いを組み合わせることで、1年間で最大460万円の経費計上が可能
- 決算初月から毎月20万円を月払いし、最後の月に翌年1年分を年払いする
- 突発的に利益が出た年の利益圧縮手段として非常に有効
解約時の注意点:タイミングと払戻率
経営セーフティ共済はいつでも解約することができます。ただし、時期を見極めて解約しないと損してしまう可能性があります。
解約金は雑収入として計上されます。何も考えずにお金を戻そうとすると、一気に雑収入が大きくなってしまい、結果的に法人税や所得税が上がってしまうことがあります。
解約するタイミングとしておすすめなのは以下のような場面です。
- 積立の限度額である800万円に達したとき
- 赤字が出ているなど、経費が多く出る年
- 退職金の支払いなど、大きな経費が発生するとき
- 設備投資など大きな金額が動くとき
特に解約金で退職金を支払う場合、会社としては退職金という経費計上ができ、個人としても退職金は退職所得控除という退職税制で優遇されているため、法律的に節税することができます。
また、解約後すぐに再加入することも可能です。利益が出て損金算入したいときに加入して掛け金を支払うという活用もできます。
解約の種類と払戻率
解約事由には3つの区分があります。
| 解約事由 | 内容 |
|---|---|
| 任意解約 | 契約者都合による任意の解約 |
| みなし解約 | 事業主の死亡、法人の解散・事業廃止など法人がなくなる場合 |
| 機構解約 | 掛け金を12ヶ月以上滞納、不正な貸付を受けようとしたなど、中小機構からペナルティとして申し出される解約 |
最も多い任意解約の場合、納付月数によって以下のように払戻率が変わります。
| 納付継続月数 | 払戻率 |
|---|---|
| 12ヶ月以上 | 80% |
| 24ヶ月以上 | 85% |
| 30ヶ月以上 | 90% |
| 36ヶ月以上 | 95% |
| 40ヶ月以上 | 100% |
⚠️ 注意
40ヶ月(約3年4ヶ月)未満で解約すると、払戻金が目減りしてしまいます。必ず40ヶ月以上加入を継続した上で解約することを前提にしましょう。40ヶ月以上経過してからの解約であれば払戻率100%となり、元本割れしません。
📝 このセクションのまとめ
- 解約金は雑収入として計上されるため、解約タイミングの見極めが重要
- 赤字の年・退職金支払い時・大型設備投資時に解約するのが効果的
- 任意解約の払戻率は40ヶ月以上で100%(それ未満は80〜95%)
- 解約後すぐに再加入も可能なので、利益が出た年に再活用できる
- 解約金で退職金を支払えば、退職所得控除との組み合わせで節税効果が高まる
加入手続きの流れと必要書類
経営セーフティ共済への加入手続きは以下の流れで進めます。
- 必要書類を入手する
- 必要事項を記載する
- 窓口(金融機関など)に提出する
顧問税理士がいる場合は、ぜひ顧問の先生に相談してみてください。先生のところで取り扱いができる場合もありますし、金融機関の窓口をご紹介いただけることもあります。
必要書類としては、一般的に以下のものが求められます。
- 法人の登記簿謄本
- 直近の確定申告書
- 直近の決算書
- 納税証明書(税金を滞納していないことを示すもの)
📌 ポイント
納税証明書は銀行から融資を受けるときにも用意するような書類です。滞納がないことを示すために必要となります。詳細な手続きや書類については、中小機構の公式ウェブサイトでご確認ください。
📝 このセクションのまとめ
- 必要書類を揃えて金融機関等の窓口に提出する
- 顧問税理士に相談すると手続きをサポートしてもらえる場合がある
- 法人謄本・確定申告書・決算書・納税証明書が主な必要書類
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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