確定申告を期限後に提出したらどうなる?税理士が解説するペナルティと対処法
期限後申告には税金増加・控除減少など多くのデメリットがあります。
来年の確定申告をスムーズにする3つのコツ
まず、今年の確定申告を無事に終えた方に向けて、来年をよりスムーズにするためのコツを3つ紹介します。
- 経理はこまめに行い、ためない ― 今年の申告で実体験として感じた方も多いはずです。日々の記帳を習慣化することが最大の時短につながります。
- 書類は1か所にまとめておく ― 書類探しで申告作業を中断するのは非常に無駄な時間です。領収書・控除証明書などは一か所に集約しましょう。
- 手順のメモを取っておく ― 今年迷った点・間違えた点・不足していた書類などをメモしておくと、来年の申告が格段にスムーズになります。同じ失敗を繰り返しがちだからこそ、記録が重要です。
📝 このセクションのまとめ
- 経理はためずにこまめに処理する
- 書類は1か所にまとめて管理する
- 今年の手順・ミスをメモして来年に活かす
確定申告の期限と「なるべく早く提出」が鉄則の理由
所得税の確定申告の締め切りは3月15日です。消費税の確定申告については4月1日が締め切りとなっています。消費税の申告が必要な方は、4月1日までに必ず提出するようにしましょう。
期限後になってしまった場合でも、なるべく早く提出することが非常に重要です。その理由は明確で、遅くなればなるほど自分が支払う税金額が増えていくからです。
📌 ポイント
期限後申告であっても、提出が1日でも早ければそれだけ延滞税の負担が減ります。「もう遅れてしまったから」と放置するのが最も悪い選択です。
📝 このセクションのまとめ
- 所得税の締め切りは3月15日、消費税は4月1日
- 期限後でもなるべく早く提出することが鉄則
- 遅れるほど納税額が増えていく
申告しなかった場合(無申告)に発生するペナルティ
期限を過ぎてそのまま申告しない状態を、専門用語で「無申告」と呼びます。無申告の場合、無申告加算税が課されます。
| 税額の区分 | 無申告加算税の税率 |
|---|---|
| 税額が50万円までの部分 | 15% |
| 税額が50万円超〜300万円までの部分 | 20% |
| 無申告かつ仮装・隠蔽があった場合 | 40%(無申告重加算税) |
⚠️ 注意
無申告に加えて、収入や経費を仮装・隠蔽していた場合は「無申告重加算税」として40%という非常に重いペナルティが課されます。隠蔽・工作は絶対にNGです。無申告だけは何としても避けるようにしましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 無申告には15〜20%の無申告加算税が課される
- 仮装・隠蔽があると40%の無申告重加算税になる
- 無申告・隠蔽は絶対に避けること
申告は行ったが遅れた場合に発生する「延滞税」
申告自体は行ったものの、期限に遅れた場合には延滞税が発生します。延滞税とは、提出が遅れた日数に応じて税金に利息が発生するものです。遅くなればなるほど利息も高くなりますので、やはり早く提出することが重要です。
📌 ポイント
延滞税の具体的な金額は、国税庁が公表している「延滞税の計算」サイトで確認・計算することができます。自分の場合にいくらになるか気になる方は国税庁のサイトで試算してみましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 申告が遅れると日数に応じた延滞税(利息)が発生する
- 遅れるほど延滞税は増加する
- 延滞税の金額は国税庁の計算サイトで確認できる
期限後申告で青色申告特別控除が大幅に減額される
期限後申告で多くの方が最も大きなダメージを感じるのが、青色申告特別控除の減額です。
| 申告の種類 | 控除額 | 期限後申告した場合 |
|---|---|---|
| 電子申告(e-Tax)による青色申告 | 65万円控除 | 10万円控除に強制変更 |
| 窓口・郵送による青色申告 | 55万円控除 | 10万円控除に強制変更 |
期限後申告をすると、65万円控除(または55万円控除)が使えなくなり、10万円控除へ強制的に変更となります。所得から引ける金額が大幅に減るため、結果的に納税額が増えることになります。
📌 ポイント
期限後申告をしたからといって、青色申告の承認自体が取り消されるわけではありません。控除額が65万円(または55万円)から10万円に下がるというのが基本的なルールです。青色申告の資格は維持されますので、安心してください。
ただし、法人の場合は個人とは話が異なります。法人が期限後申告を連続して行うと、青色申告の承認が取り消されることがあります。さらに追加のペナルティも課されますので、法人の方は特に注意が必要です。
個人事業主の場合でも、毎年毎年期限後申告が続き、税務署からの通知を無視し続けると、青色申告が取り消されるケースがあります。やはりなるべく期限内に提出することを心がけましょう。
⚠️ 注意
法人は期限後申告が続くと青色申告が取り消されます。個人事業主も税務署からの通知を無視し続けると取り消しになる場合があります。毎年の期限後申告の繰り返しは非常に危険です。
📝 このセクションのまとめ
- 期限後申告をすると65万円(または55万円)控除が10万円控除に強制変更される
- 個人事業主の場合、1回の期限後申告で青色申告の資格が取り消されるわけではない
- 法人は期限後申告が続くと青色申告取り消しのリスクがある
金融機関からの借り入れにも悪影響が出る
期限後申告のデメリットは税金面だけにとどまりません。将来的に金融機関からお金を借りる際にも悪影響が出ます。
金融機関や日本政策金融公庫などからの借り入れ審査では、過去の確定申告書や納税証明書の提出が必須書類となっています。これらの書類を審査する際に、以下のような事実があると非常にイメージが悪くなります。
- 確定申告が期限後に提出されている
- 納税が遅れている
- 未納の税金がある
金融機関はこれらの書類を、「返済の約束を守れる人かどうか」を判断するための基準として使用しています。期限を守れないルーズな人という印象を与えてしまうと、本来借りられるはずだった金額が予定より下がるリスクがあります。
📌 ポイント
金融機関は他人にお金を貸すリスクを常に考えています。確定申告の期限遵守・納税の適切な管理は、将来の資金調達にも直結する重要な信用情報です。
📝 このセクションのまとめ
- 借り入れ審査では過去の確定申告書・納税証明書が必須書類となる
- 期限後申告や納税遅延は金融機関の評価を下げる
- 借入可能額が予定より低くなるリスクがある
知っておくべき「猶予制度」と「延納制度」
確定申告が間に合わない、または特殊な事情があって提出・納税が難しいという方のために、猶予制度と延納制度という2つの救済措置があります。知らないと使えない制度ですので、しっかりと把握しておきましょう。
猶予制度|やむを得ない事情がある場合の期限延長
やむを得ない事情がある場合、猶予制度を利用することで申告期限の延長が認められる可能性があります。
⚠️ 注意
猶予制度を利用するには、納税の猶予申請書を税務署に提出しなければなりません。申請書の提出を忘れると制度を利用できませんので注意してください。
やむを得ない事情として認められる例を以下に挙げます。
- 新型コロナウイルス感染症による期限延長 ― 新型コロナはすでに第5類に分類されていますが、感染によって確定申告の提出が困難だった場合、猶予申請書を提出することで期限延長の可能性があります。ただし、以前のように申請書を出せば100%認められるわけではありませんので注意が必要です。
- 災害による期限延長の申請 ― 石川県・富山県など災害地区として認定されている地域に住んでいる方は、やむを得ない事情の猶予制度に該当します。必ず申請書を税務署に提出するか、税務署に相談するようにしてください。
その他にも猶予制度が適用される事例は国税庁のホームページに詳しく記載されています。自分が該当するものがないか確認しましょう。
延納制度|納税が難しい場合の分割納付
延納制度とは、納税が一度に難しい場合に、期限の延長ができる制度です。具体的には、納期限までに税額の2分の1以上を納付すると、残りの税額を後日納付することが認められます。
全額を一度に納めることが難しい場合は、この延納制度が使えないか、必ず税務署に相談するようにしましょう。
⚠️ 注意
- 消費税・地方税には延納制度がありません。所得税のみが対象です。
- 延納を利用した場合、納税が遅れる分だけ利子税がかかります。
📌 ポイント
猶予制度・延納制度ともに、利用するには申請書の提出が必要です。申請書を出し忘れると制度を利用できません。何か事情が発生したときには、まず管轄の税務署へ相談することを強くおすすめします。
📝 このセクションのまとめ
- やむを得ない事情がある場合は「猶予制度」で申告期限の延長が可能
- 納税が困難な場合は「延納制度」で税額の1/2以上を納付すれば残りを後払いできる
- 延納制度は消費税・地方税には適用されず、利子税がかかる
- どちらの制度も申請書の提出が必須。困ったらまず税務署に相談する
まとめ|期限後でも「なるべく早く」が正解
期限後申告に関する重要なポイントをまとめます。
- 期限後であっても、なるべく早く提出することが正解。放置するほど納税額が増えていきます。
- 困ったときや特殊な事情がある場合は、税務署に相談しに行くことを忘れないようにしましょう。猶予制度・延納制度は知らなければ使えません。
- 制度を利用するためには申請書の提出が必要です。書類の提出漏れで制度を利用できなかったということがないよう、しっかり情報を把握しておきましょう。
- 何事も放置しておくのが最も良くない選択です。どうしても事情がある場合には、税務署に問い合わせをすることがベストです。
なお、税理士事務所は確定申告の繁忙期に問い合わせが殺到し、依頼を断られるケースが非常に多くなっています。確定申告を税理士に依頼したい方は、早めに動くことが重要です。
📝 全体のまとめ
- 無申告には15〜40%の加算税が課される
- 期限後申告には日数に応じた延滞税(利息)が発生する
- 青色申告特別控除が65万円→10万円に強制変更される
- 金融機関からの借り入れ審査にも悪影響が出る
- やむを得ない事情があれば猶予制度・延納制度を活用できる
- 困ったらすぐに税務署へ相談することが大切
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 税理士河南のYouTubeチャンネル!を応援しています!
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