確定申告の期限を過ぎても影響がない人を税理士が解説|還付申告・赤字の場合は?

確定申告の期限を過ぎても影響がない人を税理士が解説|還付申告・赤字の場合は?
e_zeirishi

確定申告の期限を過ぎると必ずペナルティが発生すると思っていませんか?実は、全く影響がない人もいます。あなたがそれに当てはまるなら、無理に期限に間に合わせる必要はありません。

期限後申告のペナルティとは?まず2つを押さえよう

確定申告の期限に遅れた場合、期限後申告のペナルティとして主に次の2つがかかります。

  • 本来払うべき税金(本税)に加えて、加算税延滞税が追加でかかる
  • 青色申告で65万円の特別控除を使って申告していた人は、期限に遅れると控除額が10万円に減額される

逆に言えば、これら2つのペナルティを回避できる状況であれば、期限後申告となっても基本的には問題ありません。

📝 このセクションのまとめ

  • 期限後申告のペナルティは「加算税・延滞税」と「青色申告特別控除の減額」の2つ
  • この2つを回避できる人は、期限を過ぎても実質的な不利益がない

期限後申告でも影響がない人①|還付申告になる人

最も典型的なケースは、還付申告(還付になる確定申告)となる人です。確定申告の義務はないけれど、申告することで税金が戻ってくる人が該当します。

還付申告になりやすいのは、給与や報酬から源泉徴収された税額や予定納税額が、年間の実際の税額よりも多い場合です。つまり、前払いした税金が多すぎる状態になっているケースです。

📌 ポイント

サラリーマンの方でも、ふるさと納税を行っていたり、医療費控除を申告する場合は還付申告になるケースが非常に多いです。こうした方はペナルティの対象とならないため、期限後申告でも不利益はありません。

📝 このセクションのまとめ

  • 源泉徴収税額・予定納税額が年間税額より多い人は還付申告になる
  • ふるさと納税・医療費控除を申告するサラリーマンは還付になりやすい
  • 還付申告の場合、加算税・延滞税のペナルティは発生しない

期限後申告でも影響がない人②|課税所得がゼロの人

還付申告にならなかったとしても、事業所得が赤字の人収支がトントンで課税所得がゼロの人も、ペナルティは発生しません。

その理由は、無申告加算税・延滞税の仕組みにあります。これらはいずれも、本税(確定申告によって払うべき税金)に対して何%という形で計算されます。本税がゼロであれば、どんな税率をかけてもゼロになるからです。

状況本税加算税・延滞税
課税所得あり(黒字)発生する本税に対して課される
課税所得ゼロ(収支トントン)ゼロゼロ×税率=ゼロ
事業所得が赤字ゼロゼロ×税率=ゼロ

📝 このセクションのまとめ

  • 加算税・延滞税は本税に対して計算されるため、本税がゼロなら両方ともゼロになる
  • 赤字・課税所得ゼロの事業者は期限後申告でもペナルティなし

無申告加算税の詳細|免除・切り捨てのルールを理解しよう

無申告加算税とは、期限後申告を行った場合やそもそも申告を行わなかった場合に課されるペナルティです。具体的な税率は次の通りです。

申告のタイミング無申告加算税の税率
税務調査の通知前に自主的に期限後申告した場合5%
税務調査の通知後・更正等の予知なしに申告した場合状況により変動
更正等を予知して申告した場合さらに高率

基本的には、きちんと期限後申告を行えば5%で済むことが多いです。さらに、次の条件に当てはまる場合は無申告加算税が免除(ゼロ)になります。

  • 期限から1ヶ月以内に申告した場合(その他一定の要件あり)
  • 本税が1万円未満の場合(そもそも無申告加算税がかからない)
  • 本税が1万円超でも、計算の結果、無申告加算税が5,000円未満の場合(切り捨て)

📌 ポイント

期限から1ヶ月以内に申告して、後述の延滞税もかからない場合は、結果としてペナルティがゼロになることがあります。つまり、本来払うべき税金だけで済む可能性があります。

📝 このセクションのまとめ

  • 自主的な期限後申告なら無申告加算税は5%
  • 期限から1ヶ月以内の申告なら免除されるケースあり
  • 本税1万円未満・加算税5,000円未満は切り捨てでゼロになる

延滞税の詳細|税率・免除・切り捨てのルール

延滞税とは、本来納付しなければならない日に遅れた場合に、遅延した日数に応じてかかる遅延利息のような税金です。

遅延期間延滞税の年率(令和6年の場合)
納期限の翌日から2ヶ月以内年率 2.4%
2ヶ月を超えた部分年率 8.7%

2ヶ月を超えると税率がかなり高くなるため、期限後申告をする場合はできるだけ早めに申告・納税することが重要です。

ただし、延滞税にも次の免除・切り捨てルールがあります。

  • 本税が1万円未満の場合は延滞税がかからない
  • 本税が1万円以上でも、計算の結果、延滞税が1,000円未満の場合は切り捨て(ゼロ)

つまり、本税が少額の場合や、遅延期間が短い場合は延滞税が切り捨てられることがあります。

⚠️ 注意

延滞税は、たとえ期限内に申告していたとしても、納付が遅れた場合はかかります。申告と納付はセットで期限を守ることが必要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 延滞税は2ヶ月以内なら年率2.4%、超えると年率8.7%(令和6年)
  • 本税1万円未満・延滞税1,000円未満は切り捨てでゼロになる
  • 申告は期限内でも納付が遅れれば延滞税が発生する

「とりあえず白紙で出す」はNG|正しい対処法とは

期限に間に合わないからといって、「とりあえず白紙で出せば無申告加算税を回避できる」というアドバイスを見かけることがあります。確かに、不完全な状態でも期限内に申告すれば義務を果たしたことになり、後から修正申告をしても無申告加算税は回避できます。

⚠️ 注意

しかし、極端に白紙に近い状態で提出することはお勧めしません。場合によっては、税務署の判断で「きちんと申告していないもの」とみなされることがあります。

やむを得ず期限内に完成できない場合の推奨する対応は次の通りです。

  1. 80〜90%完成した状態でとりあえず期限内に申告する
  2. 期限後に修正申告で正確な内容に修正する

ただし、修正申告によって税額が増える場合は延滞税がかかる可能性があるので注意が必要です。

一方、申告した税額が多すぎた場合(払いすぎた場合)は修正申告ではなく、更正の請求という手続きになります。更正の請求は修正申告と異なり、税務署内で審査が行われ、還付の根拠となる証票や書類の提出が求められることがあります。提出書類に加えて、追加の質問や追加書類の提出を求められることもあるため、注意が必要です。

📌 ポイント:還付申告(更正の請求)の期限

還付申告(更正の請求)には期限があります。対象となる年の翌年1月1日から5年以内です。5年を超えてしまうと、いくら税務署にお願いしても還付申告できないため、注意してください。

📝 このセクションのまとめ

  • 白紙での提出は「申告なし」とみなされるリスクがある
  • やむを得ない場合は80〜90%完成した状態で提出し、後で修正申告する
  • 払いすぎた場合の更正の請求は翌年1月1日から5年以内が期限

青色申告・重加算税・税務調査に関する重要ポイント

青色申告特別控除の65万円が10万円に減額されるペナルティについては、赤字の事業者には関係ありません。青色申告特別控除は黒字の場合にその黒字から差し引けるものであり、赤字の場合はそもそも適用の余地がないためです。

また、「2期連続で期限に遅れると青色申告が取り消される」という情報をインターネット上で見かけることがありますが、これは法人の規定であり、個人には適用されません。会計事務所のホームページでも誤って記載しているケースが見受けられますが、個人の場合は2期連続の遅延で即座に青色申告が取り消されることはないので、安心してください。

⚠️ 法人の場合は要注意

法人の場合は、2期連続で申告が遅れると有無を言わさず青色申告が取り消され、白色申告になります。青色申告に戻るまでにしばらく期間がかかるため、法人は特に期限を守ることが重要です。

次に、重加算税についても触れておきます。重加算税は無申告加算税よりも税率が高く(35%以上)、隠蔽や仮装などの悪質な行為があった場合に課されます。本税が1万円未満の場合は重加算税も免除されるケースがありますが、重加算税が課された場合はその履歴が税務署内に残ります。

⚠️ 注意

重加算税が免除されてお金を払わなくて済んだとしても、税務署内のブラックリストには記録が残ります。加算税がかからないからといって100%安心というわけではありません。

なお、無申告だからといって、いきなり税務署や国税局の職員が家や事業所にやってくることはありません。無予告調査や強制調査(査察)が行われるのは、多額の脱税・無申告が見込まれる場合のみです。税額が少額であれば、突然職員が訪問してくることはありませんので、過度に心配する必要はありません。

📝 このセクションのまとめ

  • 青色申告の2期連続遅延による取り消しは法人のみのルール(個人には適用なし)
  • 重加算税は35%以上と高率で、免除されても税務署の記録に残る
  • 税務調査の無予告訪問は多額の脱税が見込まれる場合のみ
  • いずれにせよ、期限後であっても早めに申告・納税することを推奨

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士ナガイ の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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