役員変更登記を忘れると会社が自動解散?みなし解散の仕組みと対策を司法書士が解説

役員変更登記を忘れると会社が自動解散?みなし解散の仕組みと対策を司法書士が解説
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役員変更登記を放置すると、あなたの会社は自動的に解散させられる可能性があります。

「みなし解散」とは何か?会社が勝手になくなる制度の概要

株式会社を経営していると、会社設立のタイミングで司法書士にお世話になることはあっても、その後はほとんど関わりがないという方も多いのではないでしょうか。しかし、会社設立後も定期的に司法書士が関わるべき重要な手続きがあります。それが役員変更登記です。

この役員変更登記を長期間放置すると、「みなし解散」という制度によって会社が強制的に解散させられる可能性があります。今回は、このみなし解散の仕組みと、会社を守るための対策について詳しく解説します。

📌 ポイント

みなし解散とは、役員変更登記を長期間行わなかった会社に対して、法務局が「この会社はまだ事業をしていますか?」と確認し、何も対応しなかった場合に会社を強制的に解散させる制度です。完全に突然なくなるわけではなく、法務局から事前に通知が届きます。

📝 このセクションのまとめ

  • 役員変更登記を放置すると「みなし解散」で会社が強制解散される
  • 法務局から事前に通知が届くが、対応しないと解散が確定する

役員の任期はいつまで?会社の種類ごとに異なるルール

まず前提として、役員には法律上「任期」が定められています。会社の種類によってその期間が異なります。

会社・法人の種類役員任期の最長みなし解散の基準
株式会社10年12年以上登記がない場合
一般社団法人・一般財団法人4年5年以上登記がない場合
合同会社任期なしみなし解散の対象外
特例有限会社基本的に任期なし(定めることも可能)任期を定めた場合は手続き必要

重要なのは、同じ人物が再び役員に就任する「再任」の場合でも、必ず登記が必要という点です。「自分が1人オーナー社長で、ずっと同じ役員だから登記は不要」と思っている方は要注意です。

また、役員変更に限らず、会社に何らかの変更が生じた場合は原則として2週間以内に登記しなければなりません。2週間を超えると、裁判所から過料(罰金)が科される可能性があります。

⚠️ 注意

「再任だから登記は不要」は誤りです。同じ人物が引き続き役員を務める場合でも、任期ごとに必ず役員変更登記を行う必要があります。

📝 このセクションのまとめ

  • 株式会社の役員任期は最長10年、みなし解散の基準は12年
  • 一般社団・財団法人は最長4年、基準は5年
  • 合同会社はみなし解散の対象外
  • 再任でも登記は必ず必要
  • 変更が生じたら2週間以内に登記しないと過料の対象になる

みなし解散の通知はいつ届く?法務局からの「お尋ね」の流れ

株式会社の場合、役員変更登記をしないまま12年以上が経過すると、法務局から通知が届きます。この通知は「会社がまだ事業を継続していますか?」というお尋ねの内容です。

通知が届いたら、以下の2つのいずれかの対応が必要です。

  1. 役員変更登記を行う(最も確実な対応)
  2. 「まだ事業を行っています」という届け出を法務局に提出する(応急処置)

②の届け出はあくまでも応急処置です。届け出をしても登記を放置していると、翌年もまた同じ通知が届き続けます。根本的な解決にはなりませんので、できるだけ早く登記手続きを行うことが重要です。

📌 通知のスケジュール(令和5年の例)

  • 毎年10月第2週に法務局から一斉に通知書が送付される
  • 令和5年は10月12日(木)に通知書が発送された
  • 12月第2週(令和5年は12月12日火曜日)までに手続きを行わないとみなし解散が確定する

⚠️ 注意

通知書は会社の本店として登記されている住所に郵送されます。本店の住所に人がいない・郵便物を確認していないという状況では、通知を見落としてそのままみなし解散になるケースがあります。登記上の本店住所では必ず郵便物を受け取れるようにしておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 12年以上登記を放置すると法務局から通知が届く
  • 通知は毎年10月第2週に一斉送付される
  • 12月第2週までに登記または届け出をしないとみなし解散が確定する
  • 届け出は応急処置に過ぎず、根本解決には登記が必要

登記を放置するとどうなる?過料・信頼失墜・事業制限のリスク

役員変更登記を怠ることには、みなし解散だけでなく複数のデメリットがあります。

① 取引上の信頼を損なう

登記をしないということは、会社の最新の状態が公的に把握できない状態に放置しているということです。取引先や金融機関から見ると「やるべきことをやっていない会社」として信頼を失う可能性があります。

② 過料(罰金)が科される

変更が生じてから2週間以内に登記しなかった場合、100万円以下の過料が科される可能性があります。過料の金額は放置期間によって異なり、目安は以下のとおりです。

放置期間の目安過料の目安金額
約1年4〜5万円
約20年22万円前後

⚠️ 注意

過料は経費として計上できません。税金の延滞税と異なり、金額も事前に確定しているわけではなく、裁判所が個別に決定します。なお、過料は行政上のペナルティであり、前科はつきません。金額に異議がある場合は申し立てをすることも可能で、減額された事例もあります。

③ みなし解散になると事業活動が大幅に制限される

みなし解散になった会社は「清算会社」と同じ扱いになります。具体的には以下のことができなくなります。

  • 通常の営業活動・事業拡大
  • 新たな資産の取得・設備投資
  • 印鑑証明書の取得

基本的に「会社を閉じていくための動き」しかできなくなります。さらに、税務上も解散事業年度として法人税の申告書を提出する必要があり、コストと手間が発生します。

📝 このセクションのまとめ

  • 登記放置で取引上の信頼が失われる
  • 100万円以下の過料が科される(経費計上不可)
  • 1年放置で4〜5万円、20年放置で22万円前後の過料が目安
  • みなし解散になると営業活動・設備投資・印鑑証明書取得ができなくなる
  • 解散事業年度の法人税申告が必要になりコストも発生する

みなし解散を防ぐための事前対策3つ

みなし解散を防ぐためには、日頃からの管理が重要です。具体的な対策を3つ紹介します。

  1. 定款を確認して役員任期を把握する
    会社の定款(会社のルールブック)には役員の任期が記載されています。まず定款を確認して、何年任期なのかを把握しましょう。次に、最初に取締役が就任した日(または前回の登記日)からその年数を足して、次の登記期限がいつかをスケジュールに登録しておくことが重要です。
  2. 本店住所の郵便物を必ず確認できる体制を整える
    法務局からの通知書は登記上の本店住所に届きます。営業所や自宅と本店住所が異なる場合、郵便物を見落とすリスクがあります。本店住所で確実に郵便物を受け取れる体制を整えるか、住所変更を検討しましょう。
  3. 司法書士に管理・アナウンスを依頼する
    顧問税理士は毎月関わりがあるため「任期管理もしてくれているだろう」と思いがちですが、登記管理は税理士のサービス範囲外であることがほとんどです。登記の専門家である司法書士に「次の任期が来たらアナウンスしてください」と依頼しておくのが最も確実です。

📌 ポイント

顧問税理士は登記の専門家ではありません。役員任期の管理や登記のアナウンスは、司法書士に別途依頼するのが確実です。税理士事務所によってはエクセルなどで管理しているケースもありますが、登記専門の司法書士に依頼するほうが安心です。

📝 このセクションのまとめ

  • 定款で役員任期を確認し、次回登記期限をスケジュール管理する
  • 本店住所の郵便物を確実に受け取れる体制を整える
  • 司法書士に任期管理・アナウンスを依頼するのが最も確実
  • 顧問税理士への登記管理の期待は禁物(サービス範囲外が多い)

万が一みなし解散になってしまったら?会社を復活させる方法

もし気づかないうちにみなし解散になってしまった場合でも、一定期間内であれば会社を復活させることができます

手続きの名称は「会社継続の登記」です。この手続きを行えば、みなし解散後でも会社を復活させることが可能です。

⚠️ 注意:復活できる期限は3年以内

みなし解散から3年以内に会社継続の登記を行わないと、復活は不可能になります。3年を超えると完全に会社を閉じるしかなくなります。また、復活の登記を行っても、登記を怠っていた期間に応じた過料の通知が代表取締役に届く可能性が高いので注意が必要です。

「おかしい、もしかしてみなし解散されているのでは?」と気づいた場合は、1日でも早く司法書士に相談して登記手続きを進めることが重要です。時間が経てば経つほど、復活の選択肢が狭まります。

📝 このセクションのまとめ

  • みなし解散後も「会社継続の登記」で復活できる
  • ただし復活できるのはみなし解散から3年以内に限られる
  • 3年を超えると完全に会社を閉じるしかなくなる
  • 復活後も過料の通知が届く可能性が高い
  • 気づいたら1日でも早く司法書士に相談することが大切

まとめ:役員変更登記は会社を守る最重要手続き

今回解説した内容を整理します。株式会社の役員変更登記は、任期(最長10年)が終わるたびに2週間以内に行う必要があります。これを放置して12年以上経過すると、法務局から通知が届き、対応しなければみなし解散が確定します。

  • 登記放置の過料は経費にならず、1年で4〜5万円、20年で22万円前後が目安
  • みなし解散後は営業活動・設備投資・印鑑証明書取得ができなくなる
  • みなし解散後3年以内なら「会社継続の登記」で復活可能
  • 3年を超えると完全アウト、会社を閉じるしかなくなる

「自分の会社は大丈夫だろう」と思っている方も、まずは定款を確認して役員の任期と前回の登記日を確認することをお勧めします。不安な方は司法書士に相談して、今後の任期管理を依頼しておくと安心です。ある日突然、自分の会社がなくなっているという事態を防ぐために、今すぐ確認してみてください。

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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