国民健康保険・後期高齢者医療制度・介護保険の違いをわかりやすく解説

国民健康保険・後期高齢者医療制度・介護保険の違いをわかりやすく解説
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似ているようで異なる3つの公的保険制度の違いをスッキリ整理します。

国民健康保険とは?対象者と基本的な仕組み

国民健康保険とは、自営業者や学生など、健康保険に加入していない方で市区町村に住所がある75歳未満の人を対象とした公的医療保険です。

会社員が加入する「健康保険」と名前は似ていますが、対象者が大きく異なります。サラリーマンではない方、そして75歳未満の方が対象です。なぜ75歳未満かというと、75歳以上になると後期高齢者医療制度に移行するためです。

⚠️ 注意

国民健康保険には「被扶養者」という概念がありません。健康保険では、会社員の夫に扶養される専業主婦や子どもは「被扶養者」として保険料を別途払わなくてよいのですが、国民健康保険では妻も子どもも全員が「被保険者」となり、その人数分の保険料を負担する必要があります。

項目健康保険(会社員向け)国民健康保険
対象者会社員・公務員など自営業者・学生など75歳未満
被扶養者制度あり(家族は追加保険料なし)なし(家族全員が被保険者)
保険者(運営主体)健康保険組合・協会けんぽ都道府県・市区町村
保険料の決め方標準報酬月額に基づく市区町村ごとに異なる
会社の負担あり(労使折半)なし(全額自己負担)

保険者(運営主体)は都道府県と市区町村が共同運営しています。国が運営しているわけではありません。そのため、窓口は基本的に市区町村の窓口となります。住民票などの手続きと同じ窓口でできるイメージです。

保険料は市区町村ごとに異なります。所得に応じた「所得割」と、全員一律の「均等割」などで構成されており、住民税の仕組みと似ています。これは市区町村が運営しているためです。また、前年の所得に基づいて世帯単位で計算され、世帯主がまとめて納付します。会社という存在がないため、保険料は全額自己負担となります。

💡 補足:動画では触れていませんが…

国民健康保険料には上限額(賦課限度額)が設けられており、高所得者でも一定額以上は課されません。また、低所得世帯には保険料の軽減制度もあります。保険料が払えない場合は市区町村に相談することで減額・猶予の対応が受けられる場合があります。

📝 このセクションのまとめ

  • 国民健康保険は自営業者・学生など健康保険未加入の75歳未満が対象
  • 被扶養者の概念がなく、家族全員が被保険者として保険料を負担する
  • 運営は都道府県・市区町村で、保険料は市区町村ごとに異なる
  • 会社負担がないため保険料は全額自己負担

後期高齢者医療制度とは?75歳以上が対象の独立した医療保険

後期高齢者医療制度とは、一言でいえば75歳以上の後期高齢者を対象とした公的医療保険です。なぜ75歳以上の方を別の制度に分けたのでしょうか?

高齢になると収入は年金が中心となり、大きな保険料を負担することが難しくなります。一方で、高齢であるほど病気にもなりやすく、医療費も多くかかります。そこで、医療費がかかりやすい高齢者を現役世代が多く加入する健康保険や国民健康保険とは分けて、独立した制度として運営することになりました。この制度はおよそ20年ほど前に創設されたものです。

📌 ポイント

後期高齢者医療制度の対象年齢は原則75歳以上ですが、障害認定を受けている場合は65歳以上75歳未満(前期高齢者)でも対象となります。

項目内容
対象年齢(原則)75歳以上
対象年齢(障害認定あり)65歳以上75歳未満
被扶養者制度なし(国民健康保険と同様)
自己負担割合(原則)1割
自己負担割合(一定以上の収入)2割
自己負担割合(現役並み所得)3割
保険料都道府県によって異なる

後期高齢者医療制度も国民健康保険と同様に、被扶養者の概念がありません。たとえば80歳で収入がある夫がいたとしても、妻は被扶養者にはならず、それぞれが被保険者として保険料を納める必要があります。

保険料の徴収方法には「特別徴収」と「普通徴収」の2種類があります。

  • 特別徴収:年金から直接天引きする方法。後期高齢者の多くが年金を受け取っているため、年金から引き落とすのが効率的です。
  • 普通徴収:年金額が少なく、天引きするとほとんど残らない方などは、納付書などで自分で納める方法が選ばれます。

💡 補足:動画では触れていませんが…

後期高齢者医療制度の財源は、被保険者が納める保険料のほか、現役世代からの支援金(後期高齢者支援金)と公費(税金)で賄われています。現役世代が高齢者の医療費を支える仕組みになっています。

🔄 最新アップデート

2022年10月より、一定以上の収入がある後期高齢者の自己負担割合が1割から2割に引き上げられました。単身世帯で年収200万円以上、複数世帯で合計年収320万円以上が2割負担の対象となります。現役並み所得者(3割負担)の基準は従来通りです。

📝 このセクションのまとめ

  • 後期高齢者医療制度は75歳以上(障害認定があれば65歳以上)が対象
  • 被扶養者の概念がなく、全員が被保険者として保険料を負担する
  • 自己負担割合は原則1割(収入により2割・3割)
  • 保険料の徴収は年金からの特別徴収が基本

公的介護保険とは?医療保険との違いを理解しよう

医療保険と介護保険は、似ているようで役割が異なります。医療保険は病院での治療など「医療」を受けるための保険です。一方、介護保険は怪我や病気の結果として寝たきりになってしまった場合など、介護サービスを受けるための保険です。フェーズが違うのです。

公的介護保険とは、40歳以上の方が加入して介護保険料を納め、介護が必要となった時に所定の介護サービスを受けられる社会保険です。社会保険ですので、強制加入となります。40歳になると自動的に介護保険に加入することになります。

📌 ポイント

会社員の方は40歳になると、給与明細の社会保険料の欄に「介護保険料」が追加されます。健康保険料に上乗せして徴収されるため、40歳を境に天引き額が増えます。これは強制加入によるものです。

💡 補足:動画では触れていませんが…

介護保険の財源は、被保険者が納める保険料(第1号・第2号)と公費(税金)で約半分ずつ賄われています。保険料だけでなく、税金も介護サービスの支え手になっています。

📝 このセクションのまとめ

  • 医療保険は「治療」、介護保険は「介護サービス」のための保険
  • 介護保険は40歳以上が強制加入
  • 40歳になると給与から介護保険料が天引きされ始める

介護保険の第1号・第2号被保険者の違いをわかりやすく解説

介護保険の被保険者には「第1号被保険者」と「第2号被保険者」の2種類があります。年金制度にも第1号・第2号・第3号がありますが、ここでは介護保険の区分です。混同しないよう注意しましょう。

まず第1号被保険者は、介護保険の「主役」です。介護保険と聞いてイメージするのは、高齢者が介護サービスを受ける場面ではないでしょうか。その通りで、主に給付(サービス)を受ける世代が第1号被保険者です。対象は65歳以上の方です。

一方、第2号被保険者は、主に保険料を納付する役割を担う現役世代です。対象は40歳以上65歳未満の方で、まだ年金暮らしではなく、バリバリ働いている世代です。介護保険制度を成り立たせるために、親が介護を必要とする年代の現役世代にも保険料を負担してもらう仕組みになっています。

区分第1号被保険者第2号被保険者
対象年齢65歳以上40歳以上65歳未満
主な役割介護サービスを受ける(給付の主役)保険料を納める(制度を支える)
保険料の徴収方法年金から天引き(特別徴収)が原則健康保険料に上乗せして徴収
受給要件原因を問わず要介護・要支援認定を受けた場合老化が原因の特定疾病により介護が必要になった場合に限る

保険料の徴収方法も異なります。第1号被保険者(65歳以上)は年金を受け取っているため、原則として年金から天引きされます。第2号被保険者(40〜64歳)は会社員であれば健康保険に加入しているため、健康保険料などの公的医療保険料に上乗せして徴収されます。自営業者であれば国民健康保険料に上乗せされます。わざわざ別の仕組みで徴収する必要がないため、既存の医療保険の仕組みを活用しているのです。

💡 補足:動画では触れていませんが…

第2号被保険者が介護保険の給付を受けられる「特定疾病」は16種類が定められており、がん(末期)・関節リウマチ・筋萎縮性側索硬化症(ALS)・脳血管疾患などが含まれます。事故による負傷は含まれません。

📝 このセクションのまとめ

  • 第1号被保険者:65歳以上、原因を問わず要介護認定を受ければ給付対象
  • 第2号被保険者:40〜64歳、老化が原因の特定疾病による場合のみ給付対象
  • 第1号は年金から、第2号は医療保険料に上乗せして保険料を納める

介護保険の受給要件:第1号と第2号で異なる条件

介護保険のサービスを受けるためには、介護が必要であることの認定(要介護認定)を受ける必要があります。要介護状態や要支援状態であると認定された場合に、介護サービスを利用できます。

受給要件は第1号と第2号で異なります。

第1号被保険者(65歳以上)は介護保険の主役ですので、原因を問わず要介護・要支援認定を受けた方が対象となります。転んで骨折した、認知症になったなど、どのような理由であってもサービスを受けられます。

一方、第2号被保険者(40〜64歳)はまだ現役世代ですので、介護が必要になるケースは想定外として扱われます。そのため、老化が原因の特定疾病によって介護が必要になった場合に限り、介護保険のサービスを受けることができます。

⚠️ 注意

第2号被保険者(40〜64歳)の場合、交通事故などによって寝たきりになっても介護保険は適用されません。特定疾病(老化が原因の疾病)が要件となるため、事故による負傷は対象外です。この場合は健康保険や自動車保険などで対応することになります。

📝 このセクションのまとめ

  • 要介護認定は市区町村が行う
  • 第1号(65歳以上):原因を問わず要介護認定があれば給付対象
  • 第2号(40〜64歳):老化が原因の特定疾病に限り給付対象(事故はNG)

介護保険の給付内容:要介護認定からケアプランまで

介護保険のサービスを受けるためには、まず要介護認定を受ける必要があります。「要介護状態」や「要支援状態」であるかどうかを、市区町村が認定します。介護保険の窓口も市区町村です。国民健康保険と同様に、住民サービスの一環として市区町村が担っています。

認定区分は以下の通りです。

区分段階状態のイメージ
要支援要支援1・要支援2(2段階)日常生活に一部支援が必要な状態
要介護要介護1〜5(5段階)要介護5が最も重度の介護が必要な状態

介護サービスを受けるためには、ケアプラン(介護サービス計画)の作成が必要です。何でもかんでも介護サービスを受けてよいわけではなく、どのような介護を受けるかという計画を立てる必要があります。このケアプランはケアマネージャー(介護支援専門員)が作成するのが一般的ですが、自分で作成することも可能です。

介護サービスを利用する際の自己負担割合は原則1割です。健康保険の3割負担と同様に、残りは介護保険から給付されます。また、1か月の介護サービス費用が高額になった場合には、高額介護サービス費という制度があります。これは健康保険の「高額療養費」と仕組みが似ており、一定額を超えた分が払い戻されます。

📌 ポイント

介護保険の自己負担割合は原則1割。後期高齢者医療制度の自己負担割合(原則1割)と同じです。なお、65歳以上の第1号被保険者で一定以上の収入がある方は2割または3割負担となる場合があります。

💡 補足:動画では触れていませんが…

介護保険で受けられるサービスには、訪問介護・通所介護(デイサービス)・短期入所(ショートステイ)・特別養護老人ホームへの入所など多岐にわたります。また、介護用ベッドや車椅子などの福祉用具のレンタル・購入費用も介護保険の対象です。

📝 このセクションのまとめ

  • 要介護認定は市区町村が行い、要支援1〜2・要介護1〜5の7段階
  • 介護サービスを受けるにはケアマネージャーによるケアプランの作成が必要
  • 自己負担割合は原則1割(高収入者は2割・3割)
  • 費用が高額になった場合は「高額介護サービス費」で払い戻しあり

3つの制度を横断比較:国民健康保険・後期高齢者医療制度・介護保険

ここまで解説してきた3つの制度を横断的に比較してみましょう。似ている部分と異なる部分を意識して整理することが、制度理解の近道です。

比較項目国民健康保険後期高齢者医療制度介護保険
対象年齢75歳未満(健康保険未加入者)75歳以上(障害認定は65歳以上)40歳以上
被扶養者制度なしなしなし(第1号・第2号で区分)
運営主体都道府県・市区町村後期高齢者医療広域連合市区町村
窓口市区町村市区町村市区町村
自己負担割合原則3割原則1割原則1割
保険料の決め方市区町村ごとに異なる都道府県ごとに異なる第1号:市区町村ごと/第2号:医療保険に上乗せ
高額給付制度高額療養費高額療養費高額介護サービス費

3つの制度に共通しているのは、被扶養者の概念がない点と、窓口が市区町村である点です。また、後期高齢者医療制度と介護保険は自己負担が原則1割という点でも共通しています。

一方、健康保険(会社員向け)との大きな違いは、被扶養者制度の有無です。健康保険では家族を扶養に入れることで保険料の追加負担なしに医療保険の恩恵を受けられますが、国民健康保険・後期高齢者医療制度・介護保険にはその仕組みがありません。

📌 ポイント

似ている部分を意識しながら、違いをあえて比較することが制度理解を深めるポイントです。「国民健康保険と後期高齢者医療制度はどちらも被扶養者なし」「後期高齢者医療制度と介護保険はどちらも自己負担1割が原則」という形で関連づけて覚えると記憶に定着しやすくなります。

📝 このセクションのまとめ

  • 3制度とも被扶養者の概念がなく、窓口は市区町村
  • 後期高齢者医療制度・介護保険は自己負担が原則1割
  • 国民健康保険の自己負担は原則3割(健康保険と同じ)
  • 似ている点・異なる点を対比して理解することが大切

📋 この記事を読んだら次にやること

  1. 自分や家族が現在どの医療保険・介護保険に加入しているかを確認する(健康保険証・介護保険証を確認)
  2. 40歳を迎えた場合は給与明細で介護保険料の天引きが始まっているか確認する
  3. 75歳以上の家族がいる場合、後期高齢者医療制度の自己負担割合(1割・2割・3割)を確認し、医療費の見通しを立てる
  4. 介護が必要になった場合の手続きとして、市区町村の介護保険窓口への要介護認定申請の流れを把握しておく

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル ほんださん / 東大式FPチャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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