新NISAを税理士が解説|成長投資枠・つみたて枠の使い方と視聴者アンケート結果
新NISAの成長投資枠とつみたて枠、どう使い分ける?視聴者アンケートの結果とともに徹底解説します。
そもそもNISA口座とは?証券口座の種類をおさらい
株式投資をするときは証券口座を開設します。口座には大きく分けて一般口座と特定口座があります。基本的には特定口座を使うケースが多いですが、特定口座にはさらに2種類あります。
| 口座の種類 | 税金の計算 | 税金の徴収 | 確定申告 |
|---|---|---|---|
| 一般口座 | 自分で行う | 自分で行う | 必要 |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 証券会社が行う | 自分で行う | 必要 |
| 特定口座(源泉徴収あり) | 証券会社が行う | 証券会社が行う | 原則不要 |
| NISA口座 | ― | ― | 不要(非課税) |
特定口座(源泉徴収あり)は税金の計算も徴収も証券会社がやってくれるので、確定申告の手間がなく利便性が非常に高いです。一方、一般口座は税金の計算も徴収も何もしてくれません。
そしてこれらとは別にNISA口座があります。NISA口座の中で購入した株式や投資信託については、いくら値上がりしようが配当金をもらおうが税金がかかりません(非課税)。正式名称は「少額投資非課税制度(NISA)」といいます。
📌 ポイント
iDeCo(イデコ)は年金の上乗せ制度ですが、NISAはそれとは全く異なります。NISAは株式投資に関する非課税口座です。混同しないよう注意しましょう。NISA口座は18歳以上であれば1人1口座開設できます。
📝 このセクションのまとめ
- 証券口座には一般口座・特定口座(源泉徴収なし/あり)・NISA口座がある
- 特定口座(源泉徴収あり)は確定申告不要で便利
- NISA口座は株式投資の利益・配当が非課税になる制度
- NISAはiDeCoとは全く別の制度
旧NISAから新NISAへ|何がどう変わったのか
2023年までは積立NISAと一般NISAのどちらかを選ぶ形でした。それぞれの概要は以下のとおりです。
| 区分 | 年間投資上限 | 非課税期間 |
|---|---|---|
| 旧・積立NISA | 40万円 | 20年間 |
| 旧・一般NISA | 120万円 | 5年間 |
2024年からはこの両者が合体するような形で新NISAに生まれ変わりました。旧・積立NISAは「つみたて投資枠」に、旧・一般NISAは「成長投資枠」にそれぞれ引き継がれています。
| 区分 | 年間投資上限 | 非課税期間 | 生涯投資上限 |
|---|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 無期限 | ― |
| 成長投資枠 | 240万円 | 無期限 | 1,200万円 |
| 合計(新NISA) | 360万円 | 無期限 | 1,800万円 |
最大のポイントは非課税期間が無期限になったことです。旧NISAのように「5年」「20年」といった期限がなくなりました。また、生涯の非課税投資枠の合計は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円が上限)です。年間上限の360万円フルで投資した場合、約5年で満額になる計算です。
📌 ポイント:枠の再利用が可能(簿価残高方式)
新NISAでは簿価残高方式が採用されており、一度投資した分を売却すると、その購入額分の枠が翌年以降に再び使えるようになります。例えば600万円分の株式を売却した場合、その600万円分の枠が復活します(ただし年間上限360万円の範囲内での再投資になります)。
なお、旧NISAの積立NISAや一般NISAはそれぞれの非課税期間(20年・5年)が終わるまでそのまま継続できます。新NISAは旧NISAとは別枠でスタートするイメージです。
📝 このセクションのまとめ
- 新NISAは旧・積立NISAと旧・一般NISAが合体した制度
- 年間360万円、生涯1,800万円まで非課税投資が可能
- 非課税期間が無期限になった
- 売却すると枠が翌年以降に復活する(簿価残高方式)
- 旧NISAと新NISAは別枠で管理される
視聴者アンケート①:新NISAをやる?やらない?
視聴者向けにチャンネルアンケートを実施しました。まず1つ目の質問は「来年から始まる新NISAでの投資をされますか?」です。結果は以下のとおりです。
| 回答内容 | 割合 |
|---|---|
| 年360万円は無理だけど、少額ならやってみたい | 45% |
| 年360万円フルで投資する | 34% |
| しばらく様子見する | 12% |
| 投資は損することもあるので何もやらない | 5% |
| iDeCoだけで十分 | 3% |
視聴者には自営業で儲かっている方が多いと思われますが、それでも3割超の方が年360万円(月30万円)をフル投資するという結果には驚きました。
📌 ポイント:投資初心者はまず少額から
すでに投資に慣れている方は全額投資もありですが、投資初心者でよくわからないという方は、まずつみたて投資枠から少額でスタートするのが一つの選択肢です。つみたて投資枠はインデックスファンドなど比較的リスクの低い商品がメインになっています。
📝 このセクションのまとめ
- 最多回答は「少額ならやってみたい」で45%
- 「年360万円フル投資」という方も34%と高水準
- 投資初心者はつみたて投資枠から少額でスタートするのがおすすめ
視聴者アンケート②:成長投資枠で何に投資する?
2つ目の質問は「成長投資枠(年間240万円)で何に投資しますか?」です。成長投資枠は旧・一般NISAを引き継いだもので、個別株(トヨタ・東京海上・JTなど)も対象になります。つみたて投資枠に比べてリスクの高い商品も選べる枠です。
| 回答内容 | 割合 |
|---|---|
| インデックスファンド(リスク低めの投資信託) | 51% |
| 個別株の高配当投資 | 14% |
| 個別株のキャピタルゲイン(売却益)狙い | 13% |
| 成長投資枠は使わず、つみたて投資枠1本のみ | 12% |
| まだ考え中 | 11% |
成長投資枠でもインデックスファンドを選ぶ方が51%と過半数を占めました。eMAXIS Slim S&P500や全世界株式(オールカントリー)など、米国・世界の有名銘柄に分散投資する商品が人気です。
個人的な観点でいうと、新NISA口座で投資したものは利益がどれだけ大きくなっても非課税になるので、できるだけ大きく儲けられるものに投資した方が非課税メリットを最大化できます。その観点では配当金を非課税にする高配当投資よりも、売却益(キャピタルゲイン)狙いの方が理論上は有利です。
📌 ポイント:キャピタルゲイン狙いは初心者には難しい
キャピタルゲイン(売却益)狙いで大きく儲けるのは、簡単そうに見えて実は非常に難しいです。投資初心者がいきなり挑戦するのはリスクが高いため、まずはインデックスファンドや高配当投資から始めるのが現実的でしょう。
📝 このセクションのまとめ
- 成長投資枠でもインデックスファンドを選ぶ人が51%と最多
- 非課税メリットを最大化するにはキャピタルゲイン狙いが理論上有利
- ただしキャピタルゲイン狙いは初心者には難易度が高い
視聴者アンケート③:どこの証券会社を使う?SBI vs 楽天
3つ目の質問は「新NISAの資産運用にどこの証券会社を使いますか?」です。
| 証券会社 | 割合 |
|---|---|
| SBI証券 | 53% |
| 楽天証券 | 35% |
| マネックス・松井証券など(その他ネット証券) | 5% |
| 銀行で購入 | 5% |
| 店頭証券会社で購入 | 2% |
SBI証券が楽天証券を大きく引き離して1位となりました。銀行や店頭証券会社で購入するとどうしても手数料が高くなりがちです。多くの方がネット証券(SBIか楽天)を選んでいるのは合理的な判断といえます。
さらに、SBI証券・楽天証券はいずれも日本株の売買手数料を無料化することを発表しています。これは日本株にとどまらず、米国株やETFも無料化するという、ネット証券同士の激しい競争の結果です。
⚠️ 注意:手数料無料化には手続きが必要
株式売買手数料の無料化は、放っておいても自動的に無料になるわけではありません。SBI証券・楽天証券いずれも、パソコン画面上での操作(手続き)が必要なようです。SBI証券・楽天証券をお使いの方は、くれぐれもお忘れのないようご確認ください。
SBIと楽天のどちらを選ぶかは迷うところですが、目安として以下のように考えると整理しやすいです。
- 楽天経済圏(楽天市場・楽天カードなど)をよく使っている方 → 楽天証券が便利
- IPO株(新規上場株式)への投資を狙っている方 → SBI証券の方が有利といわれている
- ポイント還元率など総合的なメリット → SBI証券が有利な面も多い
📝 このセクションのまとめ
- SBI証券53%、楽天証券35%でネット証券2強が圧倒的シェア
- SBI・楽天ともに日本株・米国株・ETFの売買手数料を無料化予定
- 手数料無料化には別途手続きが必要なので要注意
- 楽天経済圏ユーザーは楽天証券、IPO狙いはSBI証券が有利
視聴者アンケート④:成長投資枠とつみたて枠、どう使い分ける?
4つ目の質問は「新NISAの2つの枠をそれぞれどのように活用する予定ですか?」です。
| 回答内容 | 割合 |
|---|---|
| 成長投資枠240万+つみたて枠120万の合計360万を毎年フル活用(5年で満額) | 30%超 |
| 年360万円は無理だけど、両方の枠を組み合わせて投資する | 22% |
| インデックスファンド中心なのでつみたて投資枠のみ(120万円/年、15年で満額) | 18% |
| 年360万は無理だけど、つみたて枠だけで安全に少額を続ける予定 | 15% |
| 新NISAは一切しない | 11% |
ここでよく誤解されるのが「年360万円も投資できないと新NISAは意味がない」という考え方です。そんなことはありません。年間360万円でも、年間3万6,000円でも、全然かまいません。
📌 ポイント:無理のない金額でOK
投資はリスクがつきものです。しっかり勉強して理論武装した上で、無理のない金額の範囲で行うことが大切です。年360万円フルで投資する必要は全くありません。月数千円の積立から始めることも立派な新NISAの活用です。
📝 このセクションのまとめ
- 年360万円フル活用する予定の方が3割超
- 「年360万円投資しないと意味がない」は大きな誤解
- 無理のない金額で始めることが最も重要
新NISAのデメリット|損失が出たときの注意点
新NISAにはデメリットもあります。投資の勉強をする気がない方はやめておいた方がいいかもしれません。その理由は、損失が出たときに税制上の優遇が一切受けられないからです。
新NISAの最大のメリットは「利益が出た際の約20%の税金が非課税になること」です。逆にいえば、損失が出てしまうとそのメリットはゼロになります。
| 口座の種類 | 利益が出たとき | 損失が出たとき |
|---|---|---|
| 特定口座・一般口座 | 約20%課税 | 損益通算・繰越控除が可能(節税になる) |
| NISA口座(新NISA) | 非課税(0%) | 損益通算・繰越控除が使えない(何の手当もなし) |
特定口座や一般口座で株式の売却損が出た場合、配当金や他の売却益と損益通算することができます。「損はしたけれど結果的に節税につながる」というメリットがあるわけです。また、損失が残った場合は翌年以降3年間の繰越控除も可能です。
⚠️ 注意:新NISAで損失が出ると最悪のパターンに
新NISA口座で損失が出た場合、損益通算も繰越控除もできません。利益が出ても非課税、損失が出ても何の救済もないのが新NISAです。新NISAをやるなら絶対に儲けることが前提になります。そのためにも投資の勉強は必須です。
📝 このセクションのまとめ
- 新NISAは利益が出た場合の約20%の税金が非課税になるのが最大のメリット
- 損失が出た場合は損益通算・繰越控除が使えず、何の救済もない
- 投資の勉強をせずに始めるのはリスクが高い
米国株を新NISAで買う際の落とし穴|外国税額控除が使えない
新NISAで米国株を購入する際には、配当金に関する重要な注意点があります。
米国株の配当金には、まず米国で約10%の税金(外国所得税)が源泉徴収されます。通常の特定口座であれば、その後日本で約20%の税金がかかり、合計で約28%の税金が引かれます。
| 口座の種類 | 米国での課税(約10%) | 日本での課税(約20%) | 外国税額控除 | 実質税率 |
|---|---|---|---|---|
| 特定口座 | あり | あり | 確定申告で一部〜全額取り戻し可能 | 約20%程度に圧縮可能 |
| 新NISA口座 | あり | なし(非課税) | 使えない(10%払いっぱなし) | 約10% |
特定口座であれば確定申告をして外国税額控除の手続きをすることで、米国で引かれた約10%の税金を一部または全額取り戻せる場合があります。ところが新NISA口座ではこの外国税額控除が使えません。
⚠️ 注意:米国株の配当は新NISAでも10%課税される
新NISA口座で米国株を保有していると、配当金に対して米国側で約10%の税金が引かれ、それを取り戻す手段がありません。「とにかくお得に投資したい」という方は、米国株(特に配当目的)は特定口座で保有し、外国税額控除を活用することを検討してください。
📝 このセクションのまとめ
- 米国株の配当金には米国側で約10%の外国所得税がかかる
- 特定口座なら確定申告で外国税額控除により一部〜全額取り戻し可能
- 新NISA口座では外国税額控除が使えず、10%は払いっぱなしになる
- 米国株(配当目的)は特定口座での保有を検討する価値あり
タイプ別・新NISAの活用方針まとめ
新NISAの活用方法に「これが正解」という唯一の答えはありません。投資はケースバイケースであり、自己責任で行うものです。ただし、大まかな方向性として以下のように整理できます。
| タイプ | おすすめの活用方針 |
|---|---|
| 投資初心者・資金が少ない方 | つみたて投資枠のみで月数千円〜の積立からスタート(インデックスファンド中心) |
| 保守的・安全重視の方 | つみたて投資枠のみ、または両枠ともインデックスファンドで運用 |
| 積極的・資金が潤沢な方 | 成長投資枠をフル活用し、高配当株やキャピタルゲイン狙いの個別株も組み合わせる |
| 米国株の配当を重視する方 | 米国株は特定口座で保有し、外国税額控除を活用する |
個人的な方針としては、SBI証券を活用する予定です(現在SBI証券を使用しているため)。つみたて投資枠(月10万円)については引き続きS&P500やオールカントリー型のインデックスファンドを継続する予定です。
一方、成長投資枠については、高配当銘柄(JT・東京海上・KDDI・武田薬品など)がそれぞれ値下がりしたとき、あるいは暴落したときにまとめ買いをしていく方針を考えています。
⚠️ 注意:高利回り・元本保証を謳う投資話には要注意
「利回り10%・元本保証・あまり出回っていない商品」などと紹介されるような投資話には十分注意してください。こうした話は詐欺的商品である可能性が非常に高く、何百万・何億円もの損失につながるケースがあります。新NISAのような公的制度を正しく理解した上で、地道に資産形成していくことが大切です。
📝 このセクションのまとめ
- 新NISAの活用方法に唯一の正解はなく、ケースバイケース
- 初心者はつみたて投資枠・インデックスファンドからスタートが無難
- 資金が潤沢な方は成長投資枠を活用して高配当株や個別株も検討
- 高利回り・元本保証を謳う怪しい投資話には絶対に乗らない
- 投資は必ず自己責任で、勉強した上で無理のない範囲で行う
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。 本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!
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