役員社宅で家賃の90%を経費に!一人社長も使える節税制度を徹底解説
家賃20万円なら18万円が経費に。役員社宅で会社も社長も得をする節税術を解説します。
役員社宅とは?一人社長にも関係ある制度
役員社宅とは、会社が役員向けに安い家賃で貸し出す住宅のことです。一般的に「社宅」と聞くと従業員向けのイメージがありますが、役員社宅は会社の規模に関係なく適用できるため、一人社長でも活用できます。
役員社宅制度を使えば、やり方次第で自宅家賃の90%を経費にすることも可能です。例えば家賃が月20万円であれば、18万円を経費にできる計算になります。
📌 ポイント
役員社宅制度は会社と役員(社長)の双方にメリットがある、いわば「Win-Winの節税制度」です。会社は家賃の一部を経費にでき、役員は手取りを増やすことができます。
📝 このセクションのまとめ
- 役員社宅は一人社長を含む全ての法人で活用できる
- 家賃の最大90%を会社の経費(損金)にできる
- 会社・役員の双方にメリットがあるWin-Winの制度
役員社宅の仕組みと導入手順
役員社宅を導入する手順は以下の流れになります。
- 役員が住む物件を会社名義で借りる
- 会社が大家さんに家賃を支払う
- その物件を社宅として役員に貸し出す
- 役員から会社が設定した「家賃相当額」を受け取る
この仕組みにより、会社が支払う家賃と役員から徴収する家賃相当額の差額が、会社の損金(経費)として計上できます。
制度を正しく機能させるためには、以下の2つのポイントを必ず押さえてください。
⚠️ 注意:必ず守るべき2つのルール
- 賃貸契約は必ず法人名義で行い、支払いも法人が直接行う。役員個人の名義で契約すると、会社側の家賃負担分は「住宅手当」扱いとなり課税されます。また、支払いを個人が行う場合は経費計上が否認される恐れがあります。
- 役員本人が家賃の一部を必ず自己負担する。国税庁によれば、役員から一定額の家賃を受け取っていれば給与として課税されません。しかし一定額を超えて、あるいは全額を会社負担にしてしまうと、税務調査で役員への現物給与とみなされ課税される恐れがあります。
役員社宅として認められる要件を整理するとこのようになります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ①契約名義 | 必ず法人名義で賃貸契約を締結する |
| ②家賃の支払い | 法人が大家さんへ直接支払う |
| ③役員の自己負担 | 役員が家賃の一部を必ず負担する |
📝 このセクションのまとめ
- 契約・支払いは必ず法人名義・法人払いで行う
- 役員個人名義にすると住宅手当扱いになり課税される
- 役員は家賃の一部を必ず自己負担しなければならない
役員社宅の3つのメリット
役員社宅制度には、大きく3つのメリットがあります。
- 会社負担分が全額損金扱いになる
- 役員(社長)の手取りが増える
- 社会保険料の負担が減る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【メリット①】会社負担分が全額損金扱いになる
会社が大家さんに支払う家賃と、役員から徴収する家賃相当額の差額が、会社の損金として計上できます。詳しい計算方法は後述しますが、元々の家賃の少なくとも50%は損金にできると考えてください。
例えば家賃が月30万円であれば、15万円以上を損金にできます。また、家賃以外にも契約時の仲介手数料や引っ越し費用などの初期費用についても、あらかじめ社内規定で定めておけば経費に計上することができます。
📌 ポイント
仲介手数料や引っ越し費用などの初期費用も経費になります。この論点は忘れがちなので、必ず計上するようにしましょう。
【メリット②】役員(社長)の手取りが増える
役員社宅制度を導入することで、役員が個人で負担する税金などを減らして、実質的な手取りを増やすことが可能です。かなり単純化した例でイメージを説明します。
| 項目 | 役員社宅なし | 役員社宅あり(家賃の50%を会社負担) |
|---|---|---|
| 役員報酬(月額) | 100万円 | 85万円(15万円を家賃相当額として天引き) |
| 家賃の自己負担 | 30万円(全額個人負担) | 15万円(半額のみ) |
| 所得税・住民税・社会保険 | 報酬100万円ベースで計算 | 報酬85万円ベースで計算(負担減) |
| 実質的な自由に使えるお金 | 少ない | 増える |
一見すると報酬が15万円減って損したように見えますが、会社が家賃の15万円を負担しているため、実質的な報酬額は変わりません。報酬額が85万円に下がることで課税対象が減り、結果として自由に使えるお金が増えます。
【メリット③】社会保険料の負担が減る
社会保険料は標準月額報酬から算出されます。報酬を低く抑えると社会保険料も安くなる仕組みです。会社負担の家賃分を役員報酬から引き下げることで社会保険料額も下がります。
社会保険料は会社と役員で折半するため、会社・役員の双方に社会保険料を減らすメリットが生まれます。この負担はかなり重いため、経営者にとって非常にありがたい効果です。
📝 このセクションのまとめ
- 会社が支払う家賃と役員から徴収する家賃相当額の差額が損金になる
- 役員報酬を実質的に下げることで所得税・住民税の負担が減り手取りが増える
- 社会保険料は会社・役員の双方で削減できる
- 仲介手数料・引っ越し費用も社内規定に定めれば経費になる
役員が負担すべき家賃相当額の計算方法(3つの区分)
役員社宅で節税するには、役員本人が一定の家賃を負担する必要があります。この「一定額」は、住宅の床面積によって3つのパターンに分かれます。
| 区分 | 定義 | 役員の自己負担額の目安 |
|---|---|---|
| 小規模な住宅 | 鉄筋:床面積99㎡以下 木造:床面積132㎡以下 | 計算式による(50%以下になることが多い) |
| 小規模でない住宅 | 上記を超える床面積の住宅(自社所有・賃貸で計算が異なる) | 賃貸物件の場合は家賃の50%が目安 |
| 豪華な住宅 | 床面積240㎡超で賃料が高額・内外装が豪華など(個別判断) | 全額役員負担(節税効果なし) |
【小規模な住宅の計算式】
小規模社宅の場合、役員から徴収すべき家賃相当額は以下の計算式で求めます。
📌 小規模社宅の家賃相当額の計算式
① その年度の建物の固定資産税の課税標準額 × 0.2%
② 12円 × その建物の総床面積(㎡)÷ 3.3㎡
③ その年度の敷地の固定資産税の課税標準額 × 0.22%
①+②+③ の合計額 が役員から徴収すべき家賃相当額
この計算式に出てくる「固定資産税の課税標準額」とは、固定資産税を算出する際に課税対象となる金額のことです。これを把握するには、以下の方法で調べることができます。
- 所有者(不動産管理会社など)に確認する
- 市区町村の固定資産税課で物件の「公課証明書」を取得する
なお、小規模な住宅の定義である「99㎡以下」は、3LDKや4LDK以上に相当する広さです。マンションの場合は共有部分の面積も按分して専用部分に加えて考える必要がありますが、それを差し引いても結構な広さになります。
📌 ポイント:計算すると節税効果が高い
実際に計算してみると、家賃相当額が50%以下になることが多く、その分節税効果も高くなります。少し手間はかかりますが、ぜひ計算してみることをおすすめします。
【豪華な住宅の判断基準】
豪華な住宅とみなされると役員社宅制度が適用されず、家賃全額が役員の負担となり節税効果はゼロになります。豪華社宅の明確な定義はなく個別ケースごとに判断されますが、目安は以下の通りです。
- 床面積が240㎡を超えていて、賃料が高額
- 内装・外装が豪華
- 床面積が240㎡以下であっても、プールがあるまたは個人的な趣向が反映された設備がある場合
📝 このセクションのまとめ
- 住宅は「小規模」「小規模でない」「豪華」の3区分で家賃相当額が変わる
- 鉄筋99㎡以下・木造132㎡以下が「小規模」で、自己負担が最も少なく節税効果が最大
- 固定資産税の課税標準額は不動産管理会社か市区町村で確認できる
- 豪華社宅に該当すると全額自己負担となり節税効果はない
- 役員社宅を検討するなら、まず「小規模住宅」に該当する物件かどうかを確認する
家賃以外にも経費にできる費用一覧
役員社宅では家賃以外にも、さまざまな費用を経費にできます。ただし費用ごとに税務上の扱いが異なるため、それぞれ正しく理解しておく必要があります。
| 費用の種類 | 税務上の扱い | 損金算入のタイミング |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 経費(損金) | 支払い時に全額損金算入可能 |
| 引っ越し費用 | 経費(損金)※社内規定に定めた場合 | 支払い時に全額損金算入可能 |
| 敷金 | 損金不可(預け金扱い) | 退去時のクリーニング代・原状回復費用として使われた時点で損金算入 |
| 礼金(20万円未満) | 繰延資産(少額) | 支出時に全額損金算入可能 |
| 礼金(20万円以上) | 繰延資産 | 原則5年で償却 |
📌 ポイント
敷金は契約解除後に借主に返還されるお金なので、支払った時点では損金になりません。退去時にクリーニング代や原状回復費用として使われた時点で初めて損金算入が可能になります。
📝 このセクションのまとめ
- 仲介手数料・引っ越し費用(社内規定に定めた場合)は経費になる
- 敷金は支払い時には損金にならず、退去時の費用充当時に損金算入
- 礼金は20万円未満なら全額即時損金、20万円以上は5年償却
役員社宅を導入する際の注意点
役員社宅は非常に有効な節税手段ですが、導入にあたっていくつかの注意点があります。
【注意点①】初期費用が大きい
敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用が発生します。導入の際は、これらの費用が資金繰りを圧迫しないか、また毎月無理なく支払い続けられるかをしっかり確認してください。
【注意点②】社内規定の整備が必要
役員社宅制度を導入する際は、社内規定を整備することをおすすめします。従業員向けの社宅制度がすでにある場合でも、役員と一般従業員では税務上の取り扱いが異なるため、役員向けの規定を別途作成することが基本です。
社内規定に定めておくべき内容の例は以下の通りです。
- 役員の家賃負担割合
- 諸費用(敷金・礼金・仲介手数料など)の支払い方法
- 引っ越し代を経費にする場合はその旨を明記
⚠️ 注意:光熱費・駐車場代は役員本人の負担
駐車場代・光熱費などは役員本人の負担となります。もし会社がこれらを負担してしまうと、給与とみなされて所得税が高くなる可能性があります。家賃以外の費用は個人負担が原則です。
⚠️ 注意:住宅ローン控除は対象外
役員社宅として会社で物件を購入する場合、住宅ローン控除は適用されません。この点は見落としがちなので、購入前に必ず確認してください。
📝 このセクションのまとめ
- 初期費用が大きいため、資金繰りへの影響を事前に確認する
- 役員向けの社内規定を別途整備することが必要
- 駐車場代・光熱費は役員個人の負担(会社が負担すると給与課税される)
- 会社名義で物件を購入した場合、住宅ローン控除は適用されない
役員社宅節税のポイントまとめ
役員社宅制度は、正しく活用すれば会社と社長の双方にとって大きなメリットをもたらす節税手段です。最後に全体のポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット① | 会社負担分(家賃との差額)が全額損金になる |
| メリット② | 役員報酬を実質的に下げることで手取りが増える |
| メリット③ | 会社・役員双方の社会保険料が減る |
| 必須条件① | 契約・支払いは必ず法人名義・法人払い |
| 必須条件② | 役員は家賃の一部を必ず自己負担する |
| 注意点① | 社内規定の整備が必要 |
| 注意点② | 光熱費・駐車場代は個人負担 |
| 注意点③ | 会社購入の場合、住宅ローン控除は対象外 |
📌 節税効果を最大化するなら「小規模住宅」を選ぶ
役員社宅の節税効果は住宅の区分によって大きく異なります。節税効果が最も高いのは「小規模な住宅」(鉄筋99㎡以下・木造132㎡以下)です。役員社宅を検討する際は、まずこの小規模住宅に該当する物件かどうかを確認することから始めましょう。
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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