役員借入金の強烈なメリットと効率的な返済方法を税理士が解説
役員借入金には「利息ゼロ」「返済期限なし」など知られていない強力なメリットがあります。
役員借入金とは何か?役員貸付金との違い
会社で緊急にお金が必要になることってあるじゃないですか。結構困るんですけど、金融機関から借りるのに審査とか時間がかかるので、なにかいい方法ないかなと思っていまして。

わかりました。すぐに会社でお金が必要というのであれば、まずは役員借入金というのを利用する手があります。

役員借入金ということは、役員が会社にお金を貸すということですか?

そうです。

なんかそれ、ちょっと怖くて使ったことはないんですけど。

怖いですか?確かに字面だけ見ると不安かもしれないんですけど、融資のように時間もかかりませんし、資金を調達できます。条件も結局会社と自分との約束なので柔軟に決められるじゃないですか。なのでうまく活用できれば本当に使い勝手がいいものになりますね。

そうなんですか。

ただ重要なデメリットもちろんあるので、利用する際はしっかりと把握しておく必要があります。

じゃ、ちょっとその点も含めて解説お願いできますか?

はい、承知しました。
役員借入金は名前の通り、法人が役員からお金を借りている状態のことを言います。法人は資金繰りが厳しくなった時に経営者からお金を借り入れることができて、それも選択肢の1つになってきます。逆に言うと、役員から会社に貸し付けているお金とも言えます。

だから会社が役員に借金するってことですね。

そうですね。いつでも利用することができるので、特に開業したての頃とか、業績が悪化した時とか、資金繰りが厳しくなった時など、様々な場面で活用できるものになります。
金融機関からお金を借りる場合、審査期間などの影響でどうしても早くても1ヶ月とかかかっちゃうじゃないですか。役員借入れであれば、その役員にお金さえあればすぐにできるので、かなり便利なものになってますね。

あと、対になる役員貸付金ってあるじゃないですか。あれはどういうものなんですか?

会計に慣れていないと貸付金・借入金、あれどっちだっけ、というのもよくあるんですけども、役員貸付金は役員借入金とは真反対で、役員が法人からお金を借りている状態のことを言います。だから法人がお金を貸している、役員に貸している状態のことなんですね。
こちらは社長が生活費に困っているとか、急な支払いでまとまったお金が必要な時などに利用されることが多いですね。

なんかそっちの方が使いそうですよ。

そうですか。

- 役員借入金:法人が役員からお金を借りている状態(役員→会社へ貸し付け)
- 役員貸付金:役員が法人からお金を借りている状態(会社→役員へ貸し付け)
役員借入金のメリット①:利息を自由に設定できる(ゼロも可能)
役員借入金はいつでも借り入れできるのがメリットということなんですけど、他になにかないですか?

もちろん他にもメリットがあって、主なメリットはいくつかあります。1つ目のメリット、利息を自由に設定できるということです。
先ほど出てきた役員貸付金、つまり会社から役員への貸し付けの場合は、利息を受け取る必要があるんですね。会社はあくまでも法人税法の中でも利益を求める存在として整理されていて、社長に対しての貸し付けでも第三者への貸し付けと同等なんですよ。だから会社は利益を求めているから利息を取らないといけないわけなんですね。

そうなんですね。

しかし反対に、役員からの借入れについては利息を自由に決めることができます。適正な利率より低い場合でも、役員が同意すれば利息を0にするなんてことも可能なんですね。

無利息でもいいってことなんですね。それは会社にとってありがたいことですよね。

そうですよね。銀行から借りる時は当然利息がかかってくるんですけども、この役員借入金であれば利息の負担なしに資金支援を受けられるという点がメリットになってます。

なるほど。

また利息を取ってもいいんです。別に取っちゃダメというルールもないですし。ただ、理由もなく役員借入金の利息を高くしすぎると、税務署から給与として認定されて課税対象になってしまうこともあるのでそこは注意してほしいんですよね。

そうなんですか。これどれぐらいの利息だったらOKなんですか?

基本的に金融機関などの融資で適用されているいわゆる市中金利、銀行から借りてくる時の金利を参考にしていれば、指摘される可能性は低いと言えます。利息を設定する場合はこの市中金利を参考に設定してみることをお勧めします。

利息を設定する場合は市中金利(銀行の融資金利)を参考にしてください。根拠なく高い利息を設定すると、税務署から役員報酬として認定され、課税対象になる可能性があります。
役員借入金のメリット②③:返済期限なし・税優遇をそのまま維持
2つ目のメリットは返済期限がないということです。金融機関などから融資を受けていた場合、基本的には返済期間が決まるじゃないですか。もちろん期限以内に返済できないと会社の信用を大きく失ってしまいますよね。またその支払いの遅れが長くなってくると差し押さえといったリスクもあったりします。

まあ、これ借入れを活用する際の最大の懸念点ですよね。

そうですよね。返せない心配ですよね。もし返済のタイミングで会社の状況が良くなかったらと考えて、融資を受けることをためらってしまう経営者もいますからね。

そうですよね。

まあ、本当にこの役員借入金って返済期限とか返済スケジュールがあるようでないというか、結局自分と会社の約束ごとなのでその辺は柔軟に対応できるということですね。資金に余裕が出てきたタイミングでまとめて返済することも可能になってきます。

まあ、これ柔軟で結構メリット大きいですよね。

そうですね。そして資本金扱いにもならないので税優遇が適用し続けるというメリットもあります。
法人税においては資本金によって優遇される税が変わってきたりもしまして、資本金を一定以下に抑えておくことで税優遇を受けられることがあります。例えば資本金1億円以下は軽減税率が適用されますし、資本金1,000万円以下だと均等割という地方税を抑えることも可能になっています。

逆に、借入金で会社にお金を入れた場合はあくまでもそれって借入金なんですね。だから資本金扱いされないで、この税優遇をそのまま続けることができるということなんです。
一方、増資でお金を入れる場合は払込額の半分以上を資本金とする必要がありますので、例えばこれによって資本金が1億円を超えたなんて場合は軽減税率が適用されなくなってしまいますし、地方税においては外形標準課税など税額が大きくなってくるというデメリットも出ます。

なるほど。そういうことなんですね。

- 利息を0にすることも可能(役員が同意すれば)
- 返済期限・返済スケジュールを柔軟に設定できる
- 資本金扱いにならないため、軽減税率など税優遇が継続できる
役員借入金のデメリット:銀行評価の低下と相続税リスク
まあ、ここまで役員借入金のメリットについてお話いただいたんですけど、デメリットってなんかあるんですか?

役員借入金が増え続けていると、どんな印象があると思いますか?

なんかちょっと危なそうな感じはありますよね。

そうですよね。資金繰りがきつな印象があるので、やっぱり経営管理が「この会社大丈夫なんじゃないの」みたいな風に思われる。要は銀行からの評価がマイナスになる可能性もあるので気をつけてほしいなと思います。
一方で銀行によっては、役員からの借入金って返す必要がないものでもあるじゃないですか。だから資本と同等にいい評価をしてくれることもあったりするんですけども、本当に杜撰な管理だと思われないようにしていただければなと思います。

役員借入金は会社の資金繰りが厳しい場面で利用することも多いでしょうから、資金調達の手段が限られてしまうのは嫌ですよね。

そうですね。

また役員借入金は、役員からすると会社にお金を貸している状態なんですよ。だから役員からすると返済を請求する権利を持っているじゃないですか。この状態のまま亡くなると、その債権って相続財産になってきて相続税の対象になってしまうんですね。人によってはその相続財産が多い人は相続税が課税されてしまうという可能性があるんですね。

ああ。

ということになると、役員借入金が膨れ上がっちゃっていると、実際には現金がないのに相続する人にとっては相続税がかかるという状態ができちゃうので、かなり迷惑がかかるということですね。

そうなんですよ。

役員借入金は運転資金を借りる場合以外にも、社長が会社の経費をポケットマネーから払っている場合とか、役員報酬の未払いなどでも発生して、気がつくと溜まっていることがあります。
会社に億単位で貸している状態になった場合、これが億の財産に当たるので、もしこれで相続税がかかってきたら場合によっては納税資金が不足するリスクもあったりします。

これ怖いですよね。

めっちゃ怖いと思いますよ。なのでデメリットが表に出てくる前にしっかりと返済していくことが重要だということなんですね。

- 銀行評価の低下リスク:増え続けると「資金繰りが苦しい会社」と見られ、融資審査に悪影響が出る場合がある
- 相続税リスク:役員が亡くなると債権が相続財産となり、実際の現金がなくても相続税が課税される可能性がある
役員借入金の返済方法①:債務免除
じゃあ、この役員借入金はどうやって返済したらいいんですか?

解消方法としてはいくつかの方法があります。それぞれ詳しく見ていきます。
まず1つ目は債務免除です。一番楽かなと思うんですけども、貸し付けをしている役員が会社の債務を免除してしまうという方法ですね。

ほう。

債務免除を行うと役員借入金が減ります。で、その免除してもらった分は要は得をしているということなので、利益が発生することになるんですね。

ええ、利益が増えるということはじゃあ法人税が増えるということですか?

もちろんそうなんでございます。ただでは増えることもないんですけど。ただ、債務免除するようなケースってやっぱり資金繰りが困っている時とかじゃないですか。だから大抵は会社の業績が悪くなっている時も多かったりするんですね。
そうすると赤字が出ているのであればそこと相殺できますし、もしくは繰越欠損金という過去の赤字があるのであれば、この繰越欠損金と相殺できるのであれば問題ないということですね。

役員借入金の返済方法②:役員報酬の減額充当
2つ目は役員報酬を減額して、減額した分を借入金の返済として充てていくという方法です。
例えば役員報酬が月100万円の方であれば、その一部、例えば半分の50万円を役員借入金の返済に充てることで、会社から個人に移る金額はそのままに役員借入金の返済が可能だということですね。

これはまあじゃあ金額は変わんないけど、役員報酬として扱われるお金自体は少なくなっているということですか?

はい、そうなんです。なので役員報酬が減る分、損金算入できる金額も減って、その分法人税が増えるんですね。
100万円という費用だったんですけど、今度は50万円という費用で、残りの50万円は返済という形で充てるんですけども、一方で法人税が増える可能性があるのはちょっと注意が必要ということです。
代わりに、この返済された借入金については給与として扱われないので、ただの返済じゃないですか。返済なので住民税・所得税の対象にならないし、社会保険の対象にもならないということですね。

なるほど。まあ会社の利益は増えるけど、個人の負担は少なくなるみたいな感じですからね。

はい、そういうことです。なので、それを踏まえて返済額とか返済スケジュールというのを考えていくことが重要になりますね。

役員借入金の返済方法③:DES(デット・エクイティ・スワップ)
3つ目の方法はDESの活用です。

なんですかそれ?

DESなんですけども、デット・エクイティ・スワップの略で、文字通り会社の債務を株式に交換することを意味しています。要は債務である借入金を会社の資本として組み込んでしまうということなんですね。

そんなことできるんですか?

そんなことができるんです。これを活用すると借入金が資本金に振り替わり、法人としては負債が減り、自己資本比率が向上する結果、融資が受けやすくなるかもというメリットがあります。

なるほど。

ただしいいことばかりではなくて、資本金が増加するということは先ほどお伝えした税優遇が受けられなくなる可能性もあります。また債務免除益に対して課税されるリスクもあります。条件次第では法人税が増える可能性があるということですね。

これはちょっと注意が必要ですよね。

なのでもしやる時は事前に税理士に相談してシミュレーションすることはこれ必須になってきますね。

なるほど。

以上のような方法で役員借入金を解消したり、デメリットを軽減すれば、役員借入金のメリットを最大限に生かすことができるんじゃないかなと考えております。

ありがとうございます。

- ①債務免除:役員が債務を免除する。免除益が発生するが、赤字や繰越欠損金と相殺可能な場合も
- ②役員報酬の減額充当:報酬の一部を返済に充当。個人の税・社会保険負担は減るが法人税は増える可能性あり
- ③DES(デット・エクイティ・スワップ):借入金を資本に転換。自己資本比率が改善するが、税優遇が失われる可能性あり。事前に税理士へ相談必須
終わりに
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