役員報酬の決め方を税理士が解説|ルール・税金・社会保険・法人税の関係

役員報酬の決め方を税理士が解説|ルール・税金・社会保険・法人税の関係
e_zeirishi

役員報酬は一度決めると変更できない。起業家が必ず知っておくべき4つのポイントを解説します。

役員報酬について知っておくべき4つのポイント

起業家の皆さんが役員報酬について知っておいていただきたいことは、次の4点です。

  1. 役員報酬のルールを知る
  2. 役員報酬にかかる個人の税金の特徴を知る
  3. 役員報酬にかかる社会保険について知る
  4. 法人税との関係性について知る

この4点を知っていただければ、役員報酬については十分です。難しい言葉は使わずにわかりやすく説明し、難しい計算もすっ飛ばして目安となる金額の基準をお伝えします。

📝 このセクションのまとめ

  • 役員報酬を正しく設定するには4つの視点が必要
  • ルール・所得税・社会保険・法人税をセットで理解することが重要

役員報酬の基本ルール|変更できるタイミングはいつ?

ネット検索をすると「定時定額支給」や「株主総会で決定」といった難しい言葉が出てきます。しかし本当に簡単に言うと、次のとおりです。

📌 ポイント

会社を作って3ヶ月以内に役員報酬を自分で決めてください。途中で変更はできません。2期目以降は期首から3ヶ月以内であれば変更ができます。

これが役員報酬の最も大事でかつ基本的なルールです。

逆に言えば、期の途中で役員報酬を上げたり下げたりすることは原則できないと思ってください。

⚠️ 注意

役員の賞与については「事前確定届出給与」という規定がありますが、この規定は運用を間違えると大きな税金が発生する怖さを持っています。税理士顧問をつけている方は税理士にしっかり相談して運用してください。税理士顧問をつけていない方にはかなりリスクがありますので、あまりお勧めできません。

📝 このセクションのまとめ

  • 会社設立後3ヶ月以内に役員報酬を決める
  • 期の途中での変更は原則不可
  • 2期目以降は期首から3ヶ月以内なら変更可能
  • 事前確定届出給与は税理士なしでの運用はリスクが高い

役員報酬にかかる税金|所得税・住民税の目安

役員報酬にかかる税金は、所得税住民税の2つです。サラリーマンを経験した方であれば、今までと同じということになります。

  • 所得税:収入が上がると税率が上がっていく「累進課税」という仕組み
  • 住民税:税率は一律10%

以下は、扶養家族なしの場合を前提とした、月額役員報酬別の税金の目安です。

月額役員報酬年収所得税(年間目安)住民税(年間目安)合計税額実質税率
30万円360万円約10万円約20万円約30万円8.3%
50万円600万円約35万円約40万円約75万円12.5%
100万円1,200万円約165万円約97万円約262万円21.8%

※実際には社会保険料控除やその他の控除もありますので、上記より安くなる場合があります。あくまでも目安としてご参照ください。

📌 ポイント

思ったより税率は低いという印象を持った方もいるかもしれません。しかし、これだけで終わりではありません。次に説明する社会保険料を加味すると、実際の負担感はかなり変わってきます。

📝 このセクションのまとめ

  • 役員報酬には所得税と住民税の2種類がかかる
  • 月30万円(年収360万円)の場合、合計税率は約8.3%
  • 月100万円(年収1,200万円)でも合計税率は約21.8%
  • 税金だけで判断するのではなく、社会保険とセットで考える必要がある

役員報酬にかかる社会保険料|税金より大きいインパクト

社会保険についても難しい話はすっ飛ばして、目安の社会保険料だけをお伝えします。

📌 ポイント

月額報酬が66万円までは、額面の約14%が社会保険料として個人負担分として毎月かかります。そして社会保険は会社が半分・個人が半分を負担する仕組みですので、会社の通帳からは約28%が引き落とされます。

起業したばかりの方にとっては、会社イコール自分のようなものです。額面金額の28%の社会保険がかかると思っておくことが実態に合っています。

月額役員報酬個人負担(月額の約14%)会社+個人合計(月額の約28%)
30万円約4.2万円約8.4万円
50万円約7万円約14万円
100万円約11万円(※上限あり)約22万円(※上限あり)

※月額100万円の場合は標準報酬月額の上限(66万円)が適用されるため、計算方法が少し変わります。

⚠️ 注意

税金の税率だけを見て役員報酬を決めるのは危険です。税金よりも社会保険の方がインパクトが大きいのです。税金と社会保険を合算して考えないと、正しい手取り額も実際の負担額も分かりません。

📝 このセクションのまとめ

  • 月額66万円までは額面の約14%が個人負担の社会保険料
  • 会社と個人を合わせると額面の約28%が社会保険として引き落とされる
  • 税金よりも社会保険のインパクトの方が大きい
  • 税金と社会保険を合算して実際の負担額を把握することが重要

法人税との関係|利益を会社に残した方が有利なケースも

最後に法人税との関係を見ておきましょう。法人税も実際は複雑な計算が行われますが、ざっくりと説明します。

📌 ポイント

1年間で残った利益が800万円までは約25%が法人税等としてかかります。800万円を超えると税率が変わりますが、まずは「残った利益の25%が法人税等として取られる」と思っておいてください。

ここで先ほどの社会保険(額面の約28%)と所得税・住民税の話を組み合わせて考えると、次のような結論が見えてきます。

お金の取り方税率・負担の目安特徴
役員報酬として受け取る所得税+住民税+社会保険(合計で額面の30〜40%以上)生活費に使える。ただし負担が大きい
会社に利益として残す法人税等 約25%(利益800万円まで)手残りが多くなる場合がある

単純に言えば、利益を800万円まで会社に残しておく方が、所得税・住民税・社会保険を払って役員報酬で取るよりも手残りが多いという結論になります。

⚠️ 注意

ただし、役員報酬が0円では生活できません。また、法人から役員報酬以上のお金を個人で受け取ると、貸付金扱いになって税務上不利になる場合があります。

📝 このセクションのまとめ

  • 法人の利益800万円までの法人税等は約25%
  • 役員報酬で受け取るより、会社に利益を残す方が手残りが多いケースがある
  • 役員報酬0円は生活できないうえ、法人からの借入が貸付金扱いになるリスクがある

1期目の役員報酬の目安と税理士活用のすすめ

税理士顧問をつけていれば、詳細に役員報酬のシミュレーションをしてもらえます。しかし、すぐに税理士をつけないという場合には、次の目安を参考にしてください。

📌 ポイント

1期目については、「生活費=役員報酬」くらいの目安で設定するのも1つの手段です。必要最低限の生活費を役員報酬として受け取り、残りは会社に利益として残しておくイメージです。

また、年間の利益が800万円以上残る見込みであれば、税理士費用を支払っても、税金や社会保険のことを検討した方が手残りが増えることが多いです。税理士への相談を積極的に検討してみてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 1期目の役員報酬の目安は「生活費=役員報酬」
  • 年間利益が800万円以上見込まれるなら税理士への相談が費用対効果的に有利
  • 税理士顧問があれば詳細なシミュレーションが可能

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル ベンチャーサポートグループチャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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