節税対策

役員報酬は高くすべき?低くすべき?最適な金額を税理士が解説

役員報酬は高くすべき?低くすべき?最適な金額を税理士が解説
e_zeirishi

役員報酬は高くても低くてもメリットがある。最適な金額設定の考え方を税理士が解説します。

役員報酬の設定は難しい?高くするメリットもある

役員報酬って、最適な金額に設定するのかなり難しいって思ってる方も多いと思いますけど、これってどうなんですか?

サトウ
サトウ

役員報酬については、低くするメリットについて語られることって結構多いんですけど、実は高く設定してもメリットがあるんですよ。

なので最適な役員報酬を設定したいのであれば、それぞれのメリット・デメリットを把握していって、会社や個人に合った金額を見出していくことが重要になってきますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そうなんですね。高くても結構メリットあったりもするんですね。ちょっと詳しく教えてください。

サトウ
サトウ

じゃあ今回は、役員報酬を高くするメリットと低くするメリットを解説した上で、どのくらいの金額にしたらいいのかというところについて解説していけたらなと思います。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

役員報酬を高くするメリット①:経営者個人の生活が充実する

まず役員報酬を高くするメリットですね。高くするメリットはまず単純に、経営者個人が自由に使えるお金が増えるということです。

役員報酬が増えればその分、経営者が生活で使えるお金が増えるので、プライベートが充実していきますよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

確かに、結構大変ですからね。せっかくこうやってやってるわけですから、それなりにやっぱり贅沢したいってのはありますから。

サトウ
サトウ

そうですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

役員報酬を高くするメリット②:会社経営が危ない時の備えになる

もう1つのメリットとしては、会社の経営状況が危ない時の備えになるというところですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

それはちょっとどういうことですか?

サトウ
サトウ

まず会社の業績が悪くなって資金繰りが厳しくなってしまった場合、役員報酬を高くしておいて経営者自身がキャッシュを保有しておけば、経営者から法人に対して役員借入金としてお金を貸すことができるんですよね。

この役員借入金というのは返済期限がなく利息も発生しないんですよ。なので会社の業績が悪化した際の資金確保の手段としては非常に使いやすい手段になってますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

まあ、役員報酬を高くして経営者にお金を移しておくことで、会社が危ない時の資金確保の手段を増やせるみたいなことがあるってことですね。

サトウ
サトウ

そういうことです。また、経営者自身にお金を残しておけば、信用保証付き融資を受けている状態で借入金の返済ができなくなってしまった場合にも備えられるんです。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

信用保証付き融資って何でしたっけ?

サトウ
サトウ

信用保証付き融資というのは、企業が借入金の返済ができなくなった場合に保証協会が融資元への返済の保証をしてくれるという融資のことですね。融資元の金融機関としては保証協会が返済を保証してくれているので、信用の低い中小企業でも融資がしやすくなるということがありますね。

プロパーでの融資が受けられない中小企業にとってはありがたい制度ということですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

まあ、しかしこの信用保証付き融資は責任共有制度という制度の対象になっていることが多いんですよね?

サトウ
サトウ

そうなんですよ。この責任共有制度の対象になっていると、信用保証協会が8割、金融機関が2割で責任を共有することになってます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

じゃあ銀行とかにも責任が生じるってことなんですね。

サトウ
サトウ

そうなんですよ。なのでその責任部分のリスクを避けるために、経営者個人に連帯保証を求める金融機関というのが結構多いんですよ。この場合、借入金の返済ができなくなったら経営者個人の財産で返済をしてね、ということになります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

ちょっとあんまり考えたくないですけどね。

サトウ
サトウ

目をそらしたいであることには同意するんですけども、実際そのような状況になったら個人の財産を売ってでも返済金を用意する必要があります。なので役員報酬を高くしておけば、そういった状況の場合に備えることができるというのがメリットですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

経営者がちゃんとキャッシュ持ってれば、まあそういう最悪の事態に備えることができるってことなんですね。

サトウ
サトウ

役員報酬を低く設定するメリット①:個人と法人を合わせた税額を抑えられる

では続きまして、役員報酬を今度は低く設定することのメリットについても教えていただけますか?

サトウ
サトウ

まずは個人と法人を合わせた際の税額を抑えられるということですね。ご存知の方も多いと思うんですけれども、個人と法人では収入に対してかかってくる税率に大きな違いがあるんですね。

個人の場合、収入には所得税と住民税がかかってくるんですけど、住民税は10%で一律なのに対して、所得税には超過累進課税制度が採用されています。つまり収入が多くなれば多くなるほど税率が高くなって、支払うべき税金が高くなってしまうということですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

対して法人の利益にかかる法人税は、会社の資本金が1億円以下の場合、年間800万円までは税率が15%、800万円を超えると23.2%になります。法人住民税や法人事業税を加えた法人実効税率になると、大体25〜34%になります。それ以上増えていくことはありません。

つまり、個人の所得税率と住民税率の合計が法人の実効税率を超えるような金額の役員報酬を出してしまうと、税金が高くなって損する可能性があるということですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そういうことですね。加えて、基本的に経営者さんって給与所得なんですよね。なので個人で節税する手段が限られてるんですよ。

サトウ
サトウ

なので役員報酬を抑えて、法人で節税対策を行っていく方が結果的にお金を残せる可能性が広がってくるわけですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。役員報酬を調整して法人の方で節税していった方が、税金面では有利になる場合が多いってことですね。

サトウ
サトウ

役員報酬を低く設定するメリット②:社会保険料を抑えられる+役員賞与の活用

さらに、役員報酬を低く設定すると社会保険料も抑えることができるんです。社会保険料は役員報酬の金額が高くなるのにつれて上がってきますよね。役員報酬を抑えることで毎月の社会保険料を抑えていくことが可能なわけですよ。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

まあ馬鹿にならないですからね、大きすぎてね。

サトウ
サトウ

そうですね。この社会保険料を会社と個人で折半して払うことになりますけど、経営者としてはオーナー経営者だと両方負担しているも同然みたいな感じになっちゃうんで、なんとかこれ抑えたいところですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そうですね。でもこの社会保険料を抑えたいからと言って、むやみに役員報酬を減らしちゃうと、今度経営者個人の生活が苦しくなっちゃうから、これもちょっと考え物ですよね。

サトウ
サトウ

そこが実はポイントなんですよ。そういった場合は役員賞与(ボーナス)を活用していくことで負担を減らすことも可能なんですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

役員賞与がいいんですか?役員報酬で出す場合と何が違うんでしょうか?

サトウ
サトウ

実は役員賞与にかかる社会保険料には上限があるんですよ。なのでこの上限以上の賞与を支給してあげれば、その分の社会保険料がかからなくなってくるんですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そんな裏技があるんですね。この上限というのはどのくらいなんですか?

サトウ
サトウ

健康保険の場合は年間573万円ですね。厚生年金保険料の場合は月150万円となっております。年間573万円以上の役員賞与を出すのはちょっと小さい会社だと難しいかもしれないですけど、月150万円という基準は結構クリアできる経営者もいそうですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そうですね。

サトウ
サトウ

例えば200万円の役員賞与を出した場合なら、厚生年金保険料の上限を50万円超えることになるので、この50万円分の厚生年金保険料を支払う必要がなくなってくるわけですよね。令和5年度の厚生年金保険料率は18.3%なので、会社の負担額と個人の負担額を合わせると大体約9万円の社会保険料を削減していくことが可能なわけですよ。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

それはありがたいですね。

サトウ
サトウ

役員賞与(事前確定届出給与)を決算対策のオプションとして活用する

さらに、役員賞与は利益の予想が難しい時の決算対策のオプションとしても活用できるんですよ。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

それってどういうことですか?

サトウ
サトウ

役員報酬には定期同額というルールがあって、よほどの事情がない限り期首から3ヶ月以降に変更してしまうと、変更した部分は損金不算入になってしまうんですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そうなんですね。

サトウ
サトウ

なので大型の案件が入る可能性があるんだけれども確実ではない時とか、そういった利益の予想が難しい期は、役員報酬の設定がかなり難しくなってくるんですよ。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

確かに、役員報酬はね変更できるから、売上が大きくなるんだったら多めに設定したいところですけど、売上が伸びなかったら一気に資金繰りとか厳しくなっちゃうんで難しいとこですよね。

サトウ
サトウ

そうなんですよ。そこで役員報酬を売上が伸びなかった時に合わせて設定しておいて、売上が伸びた場合は利益の予測に沿って賞与を出すようにあらかじめ届け出をしておいてあげることによって、決算の状況を見ながら賞与の支給・不支給を考えていくことができます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。じゃあ売上が伸びなかった場合は不支給でもいいってことですか?

サトウ
サトウ

はい。役員賞与は事前確定届出給与に関する届け出というものを税務署に提出して、その届け出で指定した通りの支給日と金額で支給してあげることによって損金算入が可能になってくるんですね。

逆にその要件を満たさなければ全額損金不算入になってしまうんですけれども、1円も払わなかったのであればそもそも損金不算入にしようがないので、特にペナルティとかはありませんね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。じゃあこれもうまく活用していきたい制度ですね。

サトウ
サトウ

そうですね。ただし、受け取れなかったとしても役員が課税されてしまうという可能性も0ではないんですよ。なので念のため、株主総会で不支給を決議して議事録を作っておくという必要があるので、そこはご注意いただければなと思いますね。

また、不当に高額にしてしまうと一部の損金算入が認められない可能性もあるので、こちらも注意が必要なところになります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

あくまでこれ、常識的な範囲で支給する必要があるってことなんですね。

サトウ
サトウ

結局、役員報酬はいくらに設定すればいい?月100万円が一つの目安

役員報酬が高くても低くてもそれぞれにメリットあるということは分かったんですけども、実際のところ両方のメリットをうまく得つつ、自分の手取りをなるべく増やしていきたいじゃないですか。この役員報酬を増やすんだったらどれぐらいまでいいんですか?

サトウ
サトウ

一般的に役員報酬を決めるのに困ったら月100万円程度がいいと言われてますね。先ほどもお話ししたように、税金面で見ると所得税と住民税を合わせた税率が法人税を超えない程度に報酬を設定していくのがいいかなと思いますね。

個人の所得税率を見てみると、課税所得が900万円を超えると税率が43%になるんですよね。そうすると法人実効税率の約34%を超えてしまうようになってしまいます。つまり税金面を考えたら、課税所得を900万円未満に抑えておいた方がいいということなんですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そういうことなんですね。

サトウ
サトウ

役員報酬を月100万円にすると、年間で額面1200万円の報酬を得ることになるんですけれども、ここからそれぞれの各種控除を差し引いてあげると、大抵の場合は課税所得が900万円未満に収まります。なので、月100万円というのを1つの目安としていくといいかもしれないですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど、そういうことだったんですね。ただ、住宅ローンとか学費の支払いとか色々あって、ちょっと足りないみたいな場合どうしたらいいんですか?

サトウ
サトウ

じゃあ別の表を見てみましょうか。こちらは税率ではなく税負担率で計算した表です。

年収1500万円の時の税負担率が約31%なんですね。年収2000万円の時の税負担率が約35%で、法人実効税率と同等程度になるんですよね。さらに年収を上げて年収3000万円にした場合だと負担率が約40%5000万円だと約44%になっちゃうんですよ。ほぼ半分近く税金で支払っていくということになってしまいます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

ですので、会社と社長の財布が一体となっているオーナー企業の場合ですと、役員報酬で3000万円を取る必要はないのかなと言えますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

結構儲かっていても、2000万円以上取っていない経営者というのは多いですから、まあこういうところも理由にあるのかもしれないですね。

サトウ
サトウ

そうですね。さらに言えば、年収2400万円を超えてくると基礎控除が徐々に少なくなっていって、2500万円になると完全になくなってしまうんですよね。なので利用できる控除も少なくなってくるんで、上げすぎというのも考え物ですかね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど、そういうことなんですね。

サトウ
サトウ

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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