オペレーティングリースで株価を下げて事業承継する節税スキームを税理士が解説
自社株の評価額を下げてコストを抑えた事業承継を実現する方法を解説します。
事業承継と自社株の税負担問題
相続のこととか、もう考えてますか?僕は全然考えてないですよ。お客様の相続のことだけでいっぱいいっぱいです。

税理士なんでそこら辺の手続きは問題ないと思うんですけれども。

最近ちょっと相続のこととか考えるようになってきたんですけど、やっぱりそういうね、年齢にだんだんなってきまして。

まあ、相続って色々大変じゃないですか。

そうですね。しかもそれから発展して、自分が死んだ後の相続を考え始めちゃってますよ。自分の相続は税理士さんにやってもらうとして、会社はどうしようかなっていうふうに悩んでるとこなんですよね。

確かに、会社の相続というか事業承継ですね。いろいろ面倒ですからね。特に自社株の移転がネックになることがほとんどですね。

これ、かなり税金が高いって聞きますよね。税負担をめちゃくちゃ下げちゃう方法とかってないんですかね?

もちろんございます。今回はオーナー社長に向けて、ある方法を活用することで迅速かつ低コストな事業承継を実現する方法をお教えします。

これは大事な情報になりそうなんでよろしくお願いします。

なぜ自社株の株価対策が重要なのか
オーナー企業の事業承継では、特にこの自社株の株価対策は重要になってきます。

なんでこの自社株の対策っていうのが重要なんですか?

事業承継では、自社株の評価額が高いと相続税・贈与税・譲渡税の負担が高くなってしまうからなんですね。
オーナー社長は会社の運転資金に自己資金を投入していることも多くて、自社株以外の個人財産が意外とないんですよ。目先の現金はちょっとずつあると思うんですけど、本当に大きなまとまったお金がないってことも珍しくないですね。オーナー社長にありがちですよ。

はい。

ちなみに自社株の評価額の算出方法なんですけども、類似業種比準方式というのは上場しているような同業者を参考にするやり方だったり、純資産価額方式は会社の資産や負債から一株あたりの株価を求めていく方法があります。もしくはその両方の折衷法みたいな形で計算していくやり方もあります。

はい。

業績の良い会社ほどやっぱり評価額が高くて、後継者がこの株を引き継ぐにあたって納税資金を確保するのが大変ということが多いですね。この税負担が重すぎるがゆえに引き継げないということで、せっかく育った会社を廃業させてしまうこともあったりします。

経営者としては自社株の評価額が高い方がいいと思いがちなんですけど、それが意外とネックになっちゃうってことなんですね。

はい。このバトンタッチという局面においてやっぱりネックになりがちですね。

自社株を売却してキャッシュにする方法の問題点
でもそれなら株を売却してキャッシュにしちゃえばいいんじゃないですか?そっちの方が対策しやすいと思うんですけど。

その場合はですね、見逃せない問題点があって、1つ目が自社株は残念ながら換金しにくい資産になってます。

どういうことですか?

日本の株式会社のうち99%は非上場会社です。中小企業の皆さんですね。この非上場会社の株式って売買する市場がないんですよ。なのでこの非上場の株式を持てたとしても、要はキャッシュにしにくいということが問題ですね。

なるほど。

デメリットの2つ目がですね、会社の経営権を危うくする・不安定にさせてしまうということです。そもそも自社株を売却するということは株式の分散につながるので、外部からのコントロールを受けるようになり得ます。

具体的な基準ってどれくらいなんでしたっけ?

3分の1になってきます。それを超える株式を保有していると、取締役の選任や解任などの重要事項に対して拒否権を発動することができるため、3分の1を超える株式は外部に分散することは何としても避けたいところでございます。

なるほど。経営者としては避けなきゃいけないってことですね。そのままだと相続税とかたくさん取られちゃうじゃないですか。どうしたらいいんですか?

落ち着いてほしいです。それにはですね、経営権を損なわない範囲で自社株の評価を下げていくということが必要になってきます。自社株の評価を下げることで後継者の税負担を軽くしてあげて、事業承継しやすい環境を作っていきます。

自社株の評価を下げちゃうんですか?

はい。その方法についてはこの後じっくりと解説していきます。

事業承継税制の概要と問題点
具体的に株価を下げる方法について教えていただけますか?

その前に、実はですね無税で承継していく方法もあります。

え、なぜですか?じゃあわざわざ評価を下げる必要ないんじゃないですか?

そうなんですけど、実際のところ方法がすごく複雑ですし、条件もすごくついてきちゃうんですよ。これが事業承継税制という表現でされているものがあるんですけども、事業承継時の相続税や贈与税について一定の要件を満たしていると、税金が猶予もしくは免除されるというものになってます。

はい。

これは事前に特例計画を提出していく必要があるんですけども、例えば後継者が5年以上社長であることとか、後継者が自社株を保有していることとか、雇用の8割を維持し続けることとか、そういったものが要件となってきます。
でこの要件を満たさなくなってしまうと、納税の猶予が打ち切りになってしまって、猶予されていた間の利息もついて納税しないといけなくなっちゃうんですね。

いや、それかえって負担が増えるんですよね。それちょっと嫌ですね。

そうなんです。免除になってしまうとさらに要件が複雑になってくるので、この後紹介するやり方の方がシンプルかと思います。

わかりました。改めて株価を下げる方法を教えていただけますか?

オペレーティングリースの仕組みと株価引き下げ効果
はい。その方法なんですけども、オペレーティングリースになります。

これはどんな方法ですか?

オペレーティングリースなんですけども、10年とかの長い期間にわたって航空機や船舶などのリース資産を貸し出して、その間のリース料を得るという賃貸借取引のことを言います。
特徴として初年度の減価償却費がすごく高額・損金算入額が高額になりますので、利益を圧縮して自社株の評価を下げることが可能になります。

なるほど。詳しい仕組みについてもちょっと教えていただけますか?

オペレーティングリースでは、出資者は匿名組合を通じて事業体に出資していきます。賃貸人は出資者からの出資に加えて金融機関から融資を受けて、飛行機や船舶やコンテナなどの物件を購入して、それを航空会社などにリースします。つまり貸し出しを行うということですね。
このリース事業から生じたリース料や売却益や減価償却費などは、出資額に応じて出資者に分配されていきます。これが損益として計上できるという仕組みになってます。

利益だけじゃなくて損失も分配されてくるということですね。はい。ちなみにこれ、いくらぐらいからできるんですか?

金額はですね、安いものでだいたい一口1,000万円ぐらいから出資できます。だいたい多いのは3,000万・5,000万とかなのかなと思いますし、上限はなくて場合によっては億単位の案件もあったりします。

だからその時は巨額の損金を作ることが可能ってことですね。じゃあかなり大きな損失を作れるってことですね。

はい。そうですね。オペレーティングリースで扱うリース資産は数十億円などの超高額になったりするので、出資金だけじゃなくて金融機関からの借り入れも含めた規模になってます。
銀行借入金によってレバレッジが効かれている状況を作るんですけども、多額の減価償却費を初年度に計上することができます。このためレバレッジリースという風に呼ばれたりもします。
オペレーティングリースの減価償却費の計算は定率法で計算していきますが、定率法は取得当初の償却率が高くなることが特徴になってます。

はい。じゃあ、どれくらいの目安なんですか?

出資者はですね、出資額のおよそ70〜80%ぐらいを初年度に損金算入できることになります。例えば1億円出資しますと初年度に約7,000万〜8,000万の損金を作ることができます。かなり大きいです。
でこの状況を作ることによって自社株の評価を下げることもできたりします。株価が下がったタイミングで自社株を移すことで、株式移転にかかる税金負担を大きく抑えることができるという話ですね。

なるほど、そういう仕組みなんですね。

それに加えて、オペレーティングリースによる減価償却費は特別損失の扱いとなることもメリットになります。

特別損失ってどんなものなんですか?

臨時損失のことを言いまして、その期間だけ例外的に発生した損失のことを意味します。なので特別損失として大きな損失計上がされていたとしても、それだけの理由で金融機関がその会社の営業状態が悪いとは言わないってことですね。

なるほど。最初の評判に傷をつけないということで、融資を受ける上ではすごく大事なポイントなんじゃないかなと思いますね。いざという時にキャッシュ調達できるかって、会社の存続に関わりますから。自社株の評価だけを下げて、金融機関からの評価は下がらないお得な制度ですね。

はい。そうだと思います。

退職金を活用した出口戦略
先ほども触れたんですけども、オペレーティングリースの本質って利益の繰り延べになります。リース期間が終わると出資額の100%前後あるいはそれ以上の額が分配金として戻ってきます。でこれは収益になってくるわけですね。

つまりこれ、対応策を講じないと重い法人税がかかってしまうということですよね。結局法人税がかかってしまうということですね。じゃあ出口戦略を考えなくちゃいけないってことですね。

オペレーティングリース活用の出口戦略として有効なのが、事業承継に伴う現社長の退職金ですね。

これはどういう流れになりますか?

オペレーティングリースの出資で多額の損失が計上されて自社株の評価が下がったところで後継者に株を移転させます。この段階では社長はまだ退任しなくて、リース期間の満了まで待ってもらいます。
リース期間が満了して分配金が支払われたら、この分配金で社長の退職金を支給するというものになります。何も対策しなかった場合よりも全体にかかる税金コストを低く抑えることができます。
あとオペレーティングリースの分配金は収益として計上されるんですけども、同時期に退職金を支払うことで、この分配金の収益と退職金の費用とで相殺させ合うということになってきますね。

なるほど。じゃあオペレーティングリースに戻ってくる分と退職金で出てくるマイナス分が相殺できて、税負担はその時なくなるってことですね。

少なくすることができるということです。あと支給される側としても、退職所得は優遇されていて、分離課税・退職所得控除・1/2課税などになるので、税金面でも退職金でもらっている方がいいんじゃないかなと思います。

なるほど、これは合理的な感じがしますね。使って自社株を下げた後に息子とかに移転して、出口は退職金に当てるってことですね。

はい。その通りですね。

覚えておきます。

オペレーティングリース投資の注意点
ところで、このオペレーティングリース投資を行う上での注意点みたいのはないんですか?

はい、ございまして。商品にもよるんですけど、リース期間は短くて5年、長いもので10年・11年・12年とかっていうものがあります。でポイントがその間は解約できないってことなんですよ。

なるほど。じゃあこれ、事業承継の対策として行うんだとすると、かなり長期的に見る必要があるってことですね。

はい。その通りです。あと基本的にはドルベースでの投資案件になってきますので、為替リスクも一緒についてまわるってことですね。今から10年前の2013年は1ドル98円前後でしたが、今は130円前後なんで円安かなり進んでますよね。数年から10年以上を想定するとこれ為替リスクを考慮しないといけないってことですよね。

先が読めないってことで調べている人がいるんですけど。

あとはですね、オペレーティングリースはすごく人気商品でしてすぐに売り切れてしまいます。なので買いたいと思った時にいつでも買えるわけではないということを知っておいてほしいです。これが問題といえば問題なんじゃないかなと思いますね。

これ結構計画性が重要になってくる手法だってことですね。ありがとうございます。

まとめ:オペレーティングリースを使った事業承継スキーム
では今回の内容をまとめます。
オーナー企業の事業承継では自社株の株価対策が重要になってくるということ。オペレーティングリースを使って初年度に大きな損金を作ることで自社株の評価が下がりますので、そのタイミングで後継者に株を移転することで移転コストを下げることが可能だということですね。
でちなみに最後に分配金が戻ってくる時は収益になるんですけど、それを社長の退職金として支給することで相殺ができます。
注意点としては長期的な計画が必要であることと、元本割れリスクもあるということですね。

ありがとうございます。

終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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