海外移住で節税する方法を徹底解説|条件・注意点・向いている人
海外移住は究極の節税策になり得るが、条件と落とし穴を知らなければ意味がない。
海外移住が「究極の節税」と言われる理由
節税情報をいろいろ発信してきましたが、この時代、狭い日本だけにこだわる必要はありません。世界には日本より税金が安い国がたくさんあります。そういった国に移住することで、大きな節税効果を得られる可能性があります。
移住する国や地域によっては、法人税率が低い国もありますし、消費税が安い、所得税が安い、住民税がない、相続税・贈与税がないといった税制上のメリットを受けられる場合があります。
代表的な国・地域の税率を日本と比較すると、その差は一目瞭然です。
| 国・地域 | 法人税率 | 所得税(最高) | 住民税 | 相続税・贈与税 |
|---|---|---|---|---|
| シンガポール | 17% | 22% | なし | なし |
| マレーシア | 24%(中小企業17%) | — | — | なし |
| マレーシア・ラブアン島 | 3%(要件充足時) | — | — | なし |
| ドバイ(UAE) | 9%(2023年6月以降) | なし | なし | なし |
| 日本 | 約34%(実効税率) | 45%+住民税10%=最高55% | あり(最高10%) | 最高55% |
📌 ポイント
ドバイ(UAE)はかつて法人税・所得税・相続税・贈与税・固定資産税などがかからない国でしたが、2023年6月以降は9%の法人税が導入されました。それでも日本の約34%と比べると大幅に低い水準です。また、シンガポール・マレーシア・香港・オーストラリア・カナダなどは相続税がない国として知られています。
📝 このセクションのまとめ
- 世界には日本より税率が大幅に低い国・地域が多数存在する
- 法人税・所得税・相続税などあらゆる税目で有利な国がある
- ただし「そんなに簡単ではない」ことを前提に理解する必要がある
最重要条件①:日本の「非居住者」であること
海外移住で節税を実現する上で、最も重要なポイントが「日本の非居住者」であることです。これが認められないと節税効果はほぼ得られません。
日本の所得税法では、居住者と非居住者で課税の扱いが大きく異なります。日本は全世界所得課税主義をとっており、日本の居住者であれば国内・国外どこで稼いだお金でも日本で課税されます。逆に非居住者であれば、海外で得た所得は日本での課税が生じません。
⚠️ 注意
非居住者の判定は滞在日数だけで決まるわけではありません。1年の半分以上を海外で過ごしていても、日本の居住者と判断されることがあります。
税務上の非居住者かどうかは、形式的な基準ではなく実態を総合的に判断されます。具体的には以下の要素が考慮されます。
- 国内に資産(不動産等)があるかどうか
- 生活の本拠地がどこか
- 職業・業務内容
- 家族の居住地(生計を一にしているか)
- 海外への転出届を提出しているかどうか
たとえば、海外に移住したとしても日本の会社の代表取締役を続けていたり、家族が日本に住んで生計を同一にしている場合は、生活の拠点は日本にあるとみなされる可能性が高くなります。こうなると非居住者の要件を満たせず、節税効果が薄れてしまいます。
📝 このセクションのまとめ
- 非居住者かどうかは滞在日数だけでなく実態で総合判断される
- 日本に代表取締役の地位・家族・資産があると居住者とみなされやすい
- 「海外に住んでいるつもり」でも日本で課税されるリスクがある
最重要条件②:日本国内に不動産を保有しないこと
海外移住による節税を実現するための2つ目の条件が、日本国内に不動産を保有しないことです。
海外移住した場合、その国に移した資産は日本の税制上では非課税となります。一方、日本に置いてある資産は日本で課税対象となります。
⚠️ 注意
たとえ相続税のない国に移住したとしても、日本で不動産を所有し続けていると、その不動産は日本の相続税の課税対象となります。管理費などのコストもかかり続けるため、本気で節税を目指すなら相続財産の処分も視野に入れる必要があります。
📝 このセクションのまとめ
- 日本国内の不動産は移住後も日本の相続税課税対象になる
- 節税効果を最大化するには、国内不動産の処分も検討が必要
最重要条件③:相続対策には10年超の海外居住が必要
海外移住で相続税対策を行う場合、被相続人(亡くなる方)と相続人(受け取る方)の両方が、日本国外に10年を超えて居住している必要があります。
📌 ポイント
以前は必要居住期間が5年でしたが、現在は10年に延長されています。相続税のない国に移住したからといって、すぐに相続税対策が完了するわけではありません。「ちょっと海外に住みました」レベルでは節税効果は見込めず、本当に完全移住しなければならないということです。
10年超の居住要件を満たさないと、日本での相続税の課税対象となってしまいます。相続させる側だけでなく、相続する側も海外に住んでいないといけない点に注意が必要です。
📝 このセクションのまとめ
- 相続税対策には被相続人・相続人ともに10年超の海外居住が必要
- 以前の5年から10年に延長されており、要件はより厳しくなっている
- 移住してすぐに相続税対策が完了するわけではない
海外移住による節税に向いている人
ここまでの条件を踏まえると、海外移住による節税に向いているのは次のような方です。
| 条件 | 向いている人の特徴 |
|---|---|
| 国内不動産の保有 | 日本で不動産を保有していない方 |
| 生活・業務拠点 | 拠点が物理的に日本にある必要がない方 |
| 仕事のスタイル | ネット環境があれば世界中どこでも仕事ができる方 |
国内の不動産を保有し続けていると課税対象になってしまうため、節税という観点からのメリットはだいぶ薄くなります。その意味では、不動産を保有していない方の方が向いています。
また、テレワークがかなり浸透した現代では、ネットでビジネスをやっている方や投資家にとっては節税のチャンスが広がっています。拠点が物理的に日本にある必要がなく、ネット環境があれば世界中どこでも仕事ができる方にとっては大きなメリットがあるでしょう。
📝 このセクションのまとめ
- 国内不動産を持たない方が節税効果を得やすい
- ネットビジネス・投資家など場所を選ばない働き方の方に向いている
- 日本に生活・業務拠点が必須でない方がメリットを享受しやすい
海外移住を検討する際の3つの注意点
海外移住に興味がある方、または実行を検討している方に向けて、特に重要な注意点を3つ解説します。
注意点① 節税できても生活コストが高くなる場合がある
シンガポール・香港・ドバイなどはそもそも物価が高い地域です。節税対策として海外移住したにもかかわらず、日本にいる時よりも生活コストがかかってどんどん現金がなくなっていく、ということもあり得ます。それでは本末転倒です。
また、生活の拠点が海外であっても、ビジネスや家族の都合で日本に戻ることもあるでしょう。その際の滞在費や飛行機代なども、コストとしてあらかじめ見込んでおく必要があります。
注意点② 国外転出時課税(出国税)に注意
日本国外に転出して非居住者となる方を対象に、国外転出時課税(いわゆる出国税)という制度があります。
⚠️ 注意
1億円以上の有価証券等を所有している場合、出国時点で資産の含み益が実現されたものとして扱われ、所得税および復興特別所得税が課税されます。オーナーの自社株も対象に含まれるため、特に注意が必要です。
また、海外にある資産は把握されないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、CRS(共通報告基準)という国際的な情報交換の仕組みがあります。世界100カ国以上の税務当局間で情報共有ができる体制が整っており、日本の国税当局も海外資産の情報を入手できます。
さらに、その年に5,000万円を超える国外財産を所有している場合は、「国外財産調書」としてその内容を提出しなければなりません。日本国内の資産はもちろん、国外の資産も当局に把握されていると考えておくべきです。
注意点③ 制度の急な変更に対応し続ける必要がある
海外の税制は、予告なく変更されることがあります。具体的な例として以下のケースがあります。
- マレーシア・ラブアン島の法人税:かつては要件を満たすと法人税率が3%でしたが、2020年に改正法が施行され、実態要件を満たしていない場合は24%が適用されるようになりました。
- マレーシアの課税範囲の拡大:以前はマレーシア国内で得られた所得は基本的に課税対象外でしたが、2022年の税制改正により、2022年1月1日以降は国外源泉所得についても課税対象となりました。
- ビザ取得要件の見直し:移住に必要なビザの要件が変更される場合もあります。
移住を考えるのであれば、こういった制度変更にも随時対応していかなければなりません。また、海外の税務に詳しくない税理士も多いため、セカンドオピニオンを積極的に求めることも重要です。
📝 このセクションのまとめ
- シンガポール・ドバイ等は物価が高く、節税しても生活コストで相殺される場合がある
- 1億円以上の有価証券を持つ場合、出国時に「国外転出時課税(出国税)」が課される
- CRSにより海外資産も当局に把握される。5,000万円超の国外財産は調書の提出義務あり
- 海外の税制は急に変更されることがあり、継続的な情報収集と対応が必要
まとめ:海外移住節税はリスクを理解した上で検討を
海外には日本より税率が低い国があり、そういった国に移住することで個人・法人ともに大きなメリットを得られる可能性があります。
ただし、非居住者という判定は単に滞在日数だけでなく様々な実態を考慮して判断されます。また、現状では有利な制度であっても急な変更が起こることもあります。こういったリスクを十分に理解した上で検討することが大切です。
📌 海外移住節税の3大条件まとめ
- 日本の非居住者であること(滞在日数だけでなく実態で総合判断)
- 日本国内に不動産を保有しないこと(保有し続けると相続税の課税対象)
- 相続対策には被相続人・相続人ともに10年超の海外居住が必要
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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