年金にも税金がかかる!年金受給者の確定申告を税理士がわかりやすく解説
年金にも税金がかかる。確定申告が必要かどうか、正しく理解しておきましょう。
まず結論:年金収入が年間400万円を超えたら確定申告が必須
今回のテーマは「年金の確定申告」です。年金をもらっていても、確定申告が必要かどうかよくわからないという方は多いと思います。まず結論から押さえましょう。
📌 ポイント
年間の年金収入が400万円を超える場合は、確定申告が必須です。必ず申告しなければなりません。
ただし、この「400万円」に積み上げるのは課税される年金のみです。非課税の年金はこの400万円の中に含まれません。だからこそ、課税される年金と課税されない年金をしっかりと区別しておくことがとても重要になります。
📝 このセクションのまとめ
- 年金収入が年間400万円超なら確定申告は必須
- 400万円のカウント対象は「課税される年金」のみ
- 課税される年金と非課税の年金の区別が重要
課税される年金と課税されない年金の違い
年金には「課税されるもの」と「課税されないもの」があります。それぞれ確認していきましょう。
| 区分 | 具体例 |
|---|---|
| 課税される年金 | 老齢年金(65歳を基準とした老後の年金)、iDeCo・企業年金・退職金の年金受け取り |
| 課税されない年金 | 障害年金、遺族年金 |
課税される年金の代表は、いわゆる老齢年金です。現在は65歳を基準として老後にもらえる年金がこれにあたります。また、iDeCo(個人型確定拠出年金)や企業年金、退職金を「年金受け取り」にした場合も、年金として課税されます。これらはすべて400万円の範囲に含まれます。
課税されない年金は、一言で言えば「弱者救済の年金」です。障害年金や遺族年金がこれにあたります。老齢年金が年金の基盤であり、一般的には65歳以上にもらえるものというイメージがありますが、何らかの理由でそれを前倒しにしてもらうことがありますよね。障害を負ったから年金がもらえる、亡くなったから遺族に年金が支払われる、こういったケースは税金を課税してはいけないという法律になっています。
📌 ポイント
障害年金・遺族年金は非課税のため、確定申告の要否を判断する「400万円」のカウントに含まれません。自分が受け取っている年金の種類を確認しておきましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 老齢年金・iDeCo・企業年金・退職金の年金受け取りは課税対象
- 障害年金・遺族年金は非課税
- 非課税の年金は400万円のカウントに含まれない
申告不要になる3つの要件
年金収入が年間400万円を超えたら確定申告が必須になる、という話をしました。では、それ以外は全部申告不要かというと、そうではありません。申告不要になるためには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 年間の年金収入が400万円以下であること
- その年金収入が源泉徴収(所得税の天引き)されていること
- 年金収入以外の所得が年間20万円以下であること
それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 年間の年金収入が400万円以下
これは先ほどの結論の裏返しです。課税される年金の合計が400万円以下であることが、申告不要の土台となります。なお、給与の場合は2か所以上から受け取っていると確定申告が必須になりましたが、年金の場合は2か所以上から受け取っていても申告不要の要件に影響しません。この点は給与との大きな違いとして覚えておいてください。
② 源泉徴収されていること
給与をもらうときに所得税が天引きされているのと同じように、年金にも受け取る都度、所得税が引かれます(源泉徴収)。給与の場合は年末調整で会社が税金を精算してくれますが、年金には年末調整はありません。ただ、源泉徴収がされていることが申告不要の要件の1つになります。基本的には年金収入があれば源泉徴収はされているはずなので、ここはあまり気にしなくてよい部分です。
③ 年金収入以外の所得が年間20万円以下
年金収入以外にアルバイト収入や副業収入などがある場合、その所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。20万円以下であれば申告不要です。
⚠️ 注意
「年金以外の所得が20万円以下なら申告不要」というのは所得税の話です。住民税には申告不要制度がありません。所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が別途必要になる場合があります。この点をしっかり覚えておきましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 申告不要の3要件:①400万円以下、②源泉徴収済み、③他の所得20万円以下
- 年金は2か所以上受け取りでも申告不要の要件に影響しない(給与との違い)
- 20万円以下の申告不要は所得税のみ。住民税には申告不要制度がない
年金の税金はどうやって計算されるのか
申告しなくてもいいと言われても、申告した方がお得なケースもあります。そのためには、年金の税金がどのように計算されるかを理解しておく必要があります。
所得税の計算は、大きく次の流れになります。
- 収入(年金収入)
- − 公的年金等控除(給与でいう給与所得控除に相当)
- − 所得控除(医療費控除・寄付金控除など)
- = 課税所得(ここに税率をかけて所得税を計算)
公的年金等控除は、給与における給与所得控除と同じようなもので、自動的に計算されます。自分の努力で増やしたり減らしたりできるものではありません。
📌 ポイント
年金の税金計算で自分がコントロールできるのは所得控除の部分です。使える所得控除があれば、しっかりと確定申告に盛り込むことで税金を安くすることができます。
📝 このセクションのまとめ
- 年金収入 − 公的年金等控除 − 所得控除 = 課税所得
- 公的年金等控除は自動計算で変えられない
- 所得控除を積み上げることが節税のポイント
申告不要でも確定申告した方がお得なケース
申告しなくてもよい状況であっても、確定申告をすることで税金が戻ってくる(お得になる)ケースがあります。会社員の場合と基本的に変わらないのですが、年金受給者ならではの注意点もあります。
| 控除の種類 | 内容 | 年金受給者の注意点 |
|---|---|---|
| 医療費控除 | 年間の医療費が一定額を超えた場合に控除 | 確定申告でのみ対応可能 |
| 寄付金控除(ふるさと納税など) | 寄付した金額に応じて控除 | 確定申告でのみ対応可能 |
| 住宅ローン控除 | 住宅ローン残高に応じて税額控除 | 年末調整がないため、毎年確定申告が必要 |
会社員の場合、住宅ローン控除は1年目だけ確定申告し、2年目以降は年末調整で会社が計算してくれます。しかし年金受給者には年末調整がありません。そのため、住宅ローン控除を受けるためには2年目以降も毎年確定申告をしなければ税金が安くなりません。
⚠️ 注意
年金受給者が住宅ローン控除を受ける場合、毎年確定申告が必要です。年末調整はないため、申告を忘れると控除が受けられず税金が損になります。なお、現行制度では住宅ローン控除の最大期間は10年または13年のため、対象者は50歳前後でローンを組んだ方が中心になります。今後制度が変わる可能性もありますので、知識として覚えておきましょう。
確定申告をしないとどうなるかというと、延滞税や加算税がかかるリスクがあります。一方で、申告しなくてもよい状況でも、医療費控除や寄付金控除など得になる項目がたくさんあります。法律の範囲内で自分が一番得になる選択をすることが大切です。
📝 このセクションのまとめ
- 医療費控除・寄付金控除は確定申告でのみ適用できる
- 住宅ローン控除は年金受給者の場合、毎年確定申告が必要
- 申告不要でも、得になるなら積極的に申告するのが賢い選択
全体のまとめ:年金と確定申告のポイント整理
ここまでの内容を整理します。年金にも税金がかかる、というのがこの話のスタートです。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 確定申告が必須になる条件 | 課税される年金の年間収入が400万円超 |
| 課税される年金 | 老齢年金、iDeCo・企業年金・退職金の年金受け取り |
| 課税されない年金 | 障害年金、遺族年金 |
| 申告不要の3要件 | ①400万円以下、②源泉徴収済み、③他の所得20万円以下 |
| 住民税の注意点 | 住民税には申告不要制度がない |
| 申告すると得するケース | 医療費控除・寄付金控除・住宅ローン控除がある場合 |
今すぐ年金受給の段階でなくても、いずれ自分に該当する現実です。知識は裏切りませんので、今のうちにしっかりと頭に入れておきましょう。法律が変わった際にも、最新情報をキャッチアップしていくことが大切です。
📌 ポイント
知識をしっかりと踏まえた上で、法律の範囲内で自分が一番得になる選択を突き詰めて考えることが、税金をどんどん安くしていく近道です。
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 大河内薫のマネリテ学園 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 大河内薫のマネリテ学園を応援しています!
関連記事
年末調整とは何か?税理士が解説する仕組みと節税のポイント完全保存版
確定申告しないとどうなる?延滞税・加算税・刑事罰まで徹底解説
源泉徴収票の見方を税理士がゼロからわかりやすく解説【完全ガイド】
東京エリア
千代田・中央・港区から副都心各区まで、東京の優良税理士法人ランキング
関西エリア
大阪・京都・兵庫・岡山など関西圏の信頼できる税理士法人ランキング
関東エリア
首都圏の神奈川・埼玉・千葉・北関東で実績のある税理士法人ランキング
中部エリア
製造業の集積地、中部・北陸圏で企業支援に強い税理士法人ランキング
九州・沖縄
九州・沖縄地域で地域密着型サービスに定評のある税理士法人ランキング
その他地域
北海道・東北・中国・四国地方の地域に根ざした税理士法人ランキング
