年金未納を60歳以降の就労で解消!経過的加算の仕組みを徹底解説
追納しなくても、60歳以降に働くだけで年金未納を実質解消できる方法があります。
国民年金の満額と受給額の計算方法
国民年金は20歳で加入して60歳で脱退となります。加入の始まりと終わりの両方に年齢制限があり、その間40年間・480ヶ月の保険料を払い続けてはじめて満額の年金を受け取ることができます。
令和7年度の国民年金満額は83万1,700円です。自分がいくら国民年金をもらえるかは、単純な比例計算で求められます。
📌 受給額の計算例
学生だった2年間(24ヶ月)猶予を受けていて納付していなかった場合:
- 納付期間:480ヶ月 ー 24ヶ月 = 456ヶ月
- 受給額:83万1,700円 × 456ヶ月 ÷ 480ヶ月 = 79万115円
満額との差額は約2万円強少なくなる計算です。
📝 このセクションのまとめ
- 国民年金は20歳〜60歳の40年間・480ヶ月が満額の基準
- 令和7年度の満額は83万1,700円
- 受給額は「満額 × 納付月数 ÷ 480」で比例計算できる
会社員・公務員と国民年金の関係
国民年金には自営業者・無職の人・扶養されている配偶者などが加入していますが、会社員や公務員も同様に加入しています。会社員・公務員は厚生年金に加入していますが、厚生年金は国民年金と2階建ての構造になっており、厚生年金保険料の中に国民年金部分の保険料も含まれています。
厚生年金の加入期間は勤務開始から70歳までですが、このうち国民年金の加入期間としてカウントされるのは20歳から60歳までの期間だけです。
⚠️ 注意
20歳前・60歳以降は厚生年金に加入していても、国民年金には加入していません。それにもかかわらず、国民年金に加入していた時と同額の保険料が取られています。つまり20歳前・60歳以降の国民年金部分の保険料は、国民年金が増えないのにただ支払うだけに見えます。しかし、ここから「経過的加算」という年金が発生してきます。
📝 このセクションのまとめ
- 厚生年金保険料には国民年金部分が含まれている
- 国民年金としてカウントされるのは20歳〜60歳の期間のみ
- 60歳以降の国民年金部分の保険料は「経過的加算」として機能する
年金が未納になる原因と免除・猶予制度
年金が未納になる主な原因として、所得が少なくて納付が困難なケースがあります。この場合、申請して承認されれば免除や納付猶予を受けることができます。
免除には以下の4種類があります。
| 免除の種類 | 年金額への反映 | 国の負担 |
|---|---|---|
| 全額免除 | 半額分が反映される | 全額(国が半額負担) |
| 3/4免除 | 一定額が反映される | 国負担分を反映 |
| 半額免除 | 一定額が反映される | 国負担分を反映 |
| 1/4免除 | 一定額が反映される | 国負担分を反映 |
一方、猶予は全額が未納扱いとなり、年金額の計算に全く反映されません。ただし、免除・猶予ともに国民年金に加入していた期間としてはカウントされます。
📌 学生納付特例について
所得が少ない学生は申請することで納付を猶予される「学生納付特例」を利用できます。社会人になってから追納した人・していない人がいますが、追納していない人が多いようです。免除・猶予・学生特例の追納には10年以内という期限があります。10年を超えると追納はできなくなります。
未払いの場合は少し事情が異なります。未払いは2年以内に支払わないと支払い義務は消滅しますが、催告状や特別催告状が届くと時効がリセットされます。さらに財産差押えのリスクもあるため、免除や猶予の申請をするか、分割払いの相談をすることが望ましいです。しかし実際には未払いのままになっているケースも多いようです。
📝 このセクションのまとめ
- 免除は国の負担分が年金額に反映されるが、猶予は全く反映されない
- 追納の期限は10年以内
- 未払いは2年で支払い義務が消滅するが、催告状でリセットされる
未納解消の手段①:任意加入制度
未納を解消する方法の一つが「任意加入」です。以下の条件を満たす方が加入できます。
- 60歳以上65歳未満で日本国内に住所がある
- 厚生年金に加入中ではない
- 老齢基礎年金の繰り上げ受給をしていない
5年間のうちに満額、あるいはできるだけ満額に近づけたい人が年金受給直前に利用されているようです。
追納・任意加入で国民年金の受給額がいくら増えるかは、比例計算で簡単に求められます。
| 項目 | 計算式 | 金額 |
|---|---|---|
| 12ヶ月分の年金増加額 | 83万1,700円 × 12ヶ月 ÷ 480ヶ月 | 年間約2万792円 |
| 12ヶ月分の保険料 | 1万7,510円 × 12ヶ月 | 21万120円 |
| 元を取るまでの期間 | 21万120円 ÷ 2万792円 | 約10年 |
何ヶ月分を追納しても元を取るには約10年かかる計算です。65歳から年金を受給すれば10年後は75歳となり、ほとんどの方は支払った保険料以上の国民年金を受け取ることができます。国が半額を負担してくれているからです。
📌 追納しないで運用する考え方も
「元を取るのに10年もかかるなら、追納せずに運用した方がいいのでは」という意見もあります。では、追納せずに未納年金を埋め合わせる方法はあるのでしょうか。実は意外と単純な方法があります。
📝 このセクションのまとめ
- 任意加入は60〜65歳未満・非厚生年金加入・繰上げ受給なしの方が対象
- 12ヶ月分の追納で年間約2万円の年金増加
- 元を取るには約10年かかるが、国が半額負担しているため有利
未納解消の手段②:60歳以降も働く(経過的加算)
60歳以降も働き続けるだけで、未納だった年金の埋め合わせができます。知っているか知らないかだけの問題で、知らないうちに未納だった年金の埋め合わせができている人が驚くほど多くいます。
具体的な例で見てみましょう。
📌 経過的加算の具体例
【前提条件】
- 20〜21歳の2年間:学生納付特例を受けて未納
- 22歳で就職し、70歳まで継続勤務
- 学生特例分は追納していない
【計算の流れ】
- 国民年金の加入期間:22歳〜60歳 = 38年間(満額まで2年不足)
- 60歳以降も2年間働くことで、不足する2年分が「経過的加算」として老齢厚生年金に上乗せされる
- 追納なしで国民年金が満額になったのと同じ結果になる
経過的加算の計算式を整理すると、「40年を上限として厚生年金に加入していた月数分の国民年金相当額を支給する」という仕組みです。厚生年金に40年加入していれば国民年金は満額になるということです。
| 加入期間 | 支給の仕組み |
|---|---|
| 20歳〜60歳までの厚生年金加入期間 | 老齢基礎年金(国民年金部分)として支給 |
| 60歳以降の厚生年金加入期間 | 経過的加算として老齢厚生年金に上乗せ支給 |
上記の例では、20歳〜60歳までの厚生年金加入期間は38年です。満額の40年に満たない2年間は、60歳以降の厚生年金加入期間からピックアップされ、経過的加算として支給されます。
📝 このセクションのまとめ
- 60歳以降も厚生年金に加入して働くと「経過的加算」が発生する
- 国民年金の未納・不足分を経過的加算で実質的に補填できる
- 追納しなくても満額と同等の結果を得られるケースがある
経過的加算に取り込まれなかった保険料はどうなる?
では、経過的加算にピックアップされなかった残りの加入期間の国民年金保険料はどうなるのでしょうか。
⚠️ 注意
経過的加算に取り込まれなかった残りの加入期間分の国民年金保険料は、残念ながら何にもなりません。払っても年金は一切増えない「払い損」になってしまいます。
この点を踏まえて、「それなら最初から就職を遅らせればいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。例えば次のようなケースです。
📌 払い損をなくす戦略(理論上の試算)
【シナリオ】70歳まで働くつもりなので、30歳まではスキルを磨きながらフリーターでいて、30歳から就職する。
- 60歳までの厚生年金加入期間:30年間
- 60歳以降10年間の国民年金部分:全額が経過的加算に取り込まれる
- 払い損はなくなる(ただし、キャリアや収入面での影響は別途考慮が必要)
確かに払い損はなくなりますが、キャリア形成や収入面など、年金以外の観点からも総合的に判断することが重要です。
📝 このセクションのまとめ
- 経過的加算に取り込まれなかった60歳以降の国民年金保険料は払い損になる
- 就職時期と70歳までの勤務年数の組み合わせによって払い損の有無が変わる
- 年金の最適化だけでなく、キャリア全体で総合的に判断することが重要
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士KOBAYASHIちゃんねる の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 税理士KOBAYASHIちゃんねるを応援しています!
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