個人の税金の基本を税理士が解説!所得税・住民税・事業税の仕組みとスケジュール
節税を学ぶ前に押さえておきたい、個人の税金の基本構造を解説します。
税金とは何か?政府の収入だけではない本当の役割
「税金とは何ですか?」と子供に聞かれたら、皆さんはどう答えますか?「政府の収入」と答える人が多いかもしれませんが、それは合っているようで足りない答えです。税金はそんなに単純なものではなく、めちゃくちゃ複雑なんです。
この国には国家予算というものがあって、その大半を占めるのが税収です。ただし、政府の収入には税金以外にもさまざまなものがあります。
- 社会保険料として徴収するお金
- 国が借金をして国債を発行して集めたお金
- 税収そのもの
つまり、税金は「収入・予算の一部」ではあるものの、それだけではないということです。
📌 ポイント:税金のもう一つの役割「市場流通するお金の調整」
税金には、市場に流通するお金の量を調整するという役割もあります。お金をばら撒いて市場に出回りすぎるとインフレになります。お金の総量が多すぎると物の値段が上がっていくため、税金でその総量を引き絞るという調整機能が歴史上、事実として存在してきました。税金は「財源」という単純な話ではないのです。
なぜ私たちは税金を納めるのか?憲法に定められた義務
そもそも、なぜ私たちは税金を納めているのでしょうか。その根拠は法律を超えて、憲法にあります。国民の3大義務の中に「納税」が含まれているのです。
⚠️ 注意:納税は義務なのに学校で教えられない矛盾
「金融教育」も3大義務の一つとして社会やメディアでよく取り上げられますが、同じ3大義務である「納税」については学校でほとんど教えられません。正しい知識が伝えられることもほぼないのが現状です。税金は複雑で、長らくブラックボックスとして蓋をされてきた部分があると感じます。
とはいえ、私たちが個人レベルでやりたいことはただ一つ。法律の範囲内でどれだけ税金を安くできるか、つまり節税をどうするか、という話です。その前提知識として、今日の内容をしっかり確認しておきましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 税金は「政府の収入」だけでなく、市場のお金の量を調整する役割もある
- 納税は憲法で定められた国民の3大義務の一つ
- にもかかわらず、学校ではほとんど正しく教えられていない
日本には70以上の税目がある!主な税金の一覧
この国には現在70以上の税目があると言われています。その中から代表的なものを見てみましょう。
| 税金の名称 | 概要 |
|---|---|
| 所得税 | 個人の所得にかかる税金 |
| 住民税 | 都道府県・市区町村に納める税金 |
| 消費税 | 商品・サービスの購入時にかかる税金 |
| 事業税 | 個人事業主の事業所得にかかる税金 |
| 固定資産税 | 土地・建物などの資産にかかる税金 |
| 法人税 | 法人の所得にかかる税金 |
| ガソリン税 | ガソリンにかかる税金(近年注目度が高い) |
| タバコ税 | タバコにかかる税金 |
税金は多種多様で、さまざまな場面で増税・減税が繰り返されています。特にガソリン税はここ半年〜1年ほどで注目を集め、「下がるのか下がらないのか」と話題になりましたね。
📝 このセクションのまとめ
- 日本には70以上の税目が存在する
- 所得税・住民税・消費税・固定資産税・法人税など、名前は聞いたことがあるものが多い
- 税金はさまざまな場面で増税・減税が繰り返されている
税金は「誰が計算するか」で大きく変わる
税金は数字なので、「誰々さんはこれだけ納めてください」という金額が必ず存在します。その金額を誰が計算するのかを整理すると、税金の仕組みがスッキリ理解できます。
| 計算する主体 | 該当する税金 |
|---|---|
| 自分で計算する | 法人税、消費税 |
| 国・行政・会社が計算する | 住民税、固定資産税、事業税、タバコ税、ガソリン税 |
| どちらのケースもある | 所得税 |
ここで重要なのが、「誰が計算するか」によって自分がやるべきことのスケジュール感が変わるという点です。
- 国・行政が計算してくれる場合:納税スケジュール(納期限)だけ確認しておけばOK。納付書が送られてくるのを待って、金額をざっくり確認して納税の準備をすればよい
- 自分が計算する場合:計算のための資料収集、会計ソフトでの計算、申告書の作成・申告、納税という一連のスケジュール管理が必要になる
📌 ポイント:個人の税金で押さえるべきは3つ
個人の税金として特に重要なのは 所得税・住民税・事業税 の3つです。なお、事業税は会社員・公務員には関係ありません。この3つについて「誰が計算するか」「いつ納めるか」を理解することが節税の土台になります。
📝 このセクションのまとめ
- 税金は「自分が計算するもの」と「国・行政が計算するもの」に分かれる
- 所得税はどちらのケースもある特殊な税金
- 個人が押さえるべきは所得税・住民税・事業税の3つ
所得税の計算は「会社員・公務員」と「フリーランス・個人事業主」で異なる
所得税は、自分で計算するパターンと自分では計算しないパターンの2つに分かれます。それぞれ見ていきましょう。
【パターン①】会社員・公務員:年末調整で計算される
会社員の場合は会社が、公務員の場合は役所・自治体・行政が計算してくれます。ただし、毎月の給与から天引きされる所得税は「概算の金額」です。表に当てはめて「このくらいの給料の人はこのくらい引いておきましょう」という形で天引きされているため、厳密な計算ではありません。しかも、この概算の天引き額は少し多めに設定されています。
だからこそ、年末調整があるのです。年末調整とは、1年分の所得税を正確に計算して、毎月天引きしてきた合計額と比較し、差額を精算する作業です。天引きしすぎていた場合(ほとんどのケースがこれ)はお金が戻ってきます。
⚠️ 注意:年末調整は「節税イベント」である
年末調整で所得税を正確に計算するためには、税金が安くなる情報(各種控除の情報など)を会社や役所に提出する必要があります。この情報は個人側にしかないため、適切な情報を渡さないと所得税が多めに計算されたままになってしまいます。年末調整をしっかり行うことは、そのまま節税につながります。
【パターン②】フリーランス・個人事業主:確定申告で自分が計算する
確定申告とは、所得税を自分で確定させて税務署に申告する作業のことです。申告と同時に納税も行います。フリーランスや個人事業主を毎年悩ませる、年末から3月15日に向けての一大イベントになっています。
「会社員や公務員は税金を向こうが計算してくれるのに、なぜ個人事業主は自分で計算しなければならないのか」と感じる人も多いでしょう。確かに手間はかかります。しかし、自分で計算するということは、法律の範囲内であれば節税の余地が大きいということでもあります。
📌 ポイント:フリーランスが節税しやすい理由
会社員・公務員は税金を「勝手に計算される」構造のため、節税の余地が限られています。一方、フリーランス・個人事業主は自分で計算するため、0から10の間で法律の範囲内であれば自由に節税の工夫ができます。税金の計算という意味では手間がかかりますが、節税という意味ではフリーランス・個人事業主のほうが有利な構造になっています。
📝 このセクションのまとめ
- 会社員・公務員は年末調整で所得税が計算される(自分では計算しない)
- フリーランス・個人事業主は確定申告で自分が計算する
- 年末調整は節税イベント。適切な情報を提出しないと税金が多くなる
- 自分で計算するフリーランスのほうが節税の余地が大きい
所得税・住民税・事業税の納税スケジュールを整理する
所得税が決まれば、住民税と事業税は自動的に確定します。そのため、まず所得税が決まるタイミングを押さえることが重要です。
| 税金の種類 | 計算のタイミング | 主な納期限 | 対象者 |
|---|---|---|---|
| 所得税(年末調整) | 12月 | 12月(会社が処理) | 会社員・公務員 |
| 所得税(確定申告) | 翌年2〜3月 | 3月15日 | フリーランス・個人事業主 |
| 住民税 | 6月頃(所得税確定後) | 第1期:7月10日頃(個人事業主は6月末) | 全員 |
| 事業税 | 7〜8月頃 | 第1期:8月末 | 個人事業主 |
流れをまとめると、12月または3月15日に所得税が決まり、その情報をもとに6月頃に住民税が計算されます。最初の住民税の納期限は7月10日頃(個人事業主は6月末)です。その後、7月〜8月頭頃に事業税が計算され、第1期の納期限は8月末となります。
📌 ポイント:所得税が決まれば住民税・事業税も決まる
住民税と事業税は、自分では計算しません。所得税の金額が確定すると、役所などがその情報をもとに計算してくれます。つまり、所得税さえしっかり理解・管理できれば、住民税・事業税は納期限だけ確認しておけばよいということです。
📝 このセクションのまとめ
- 所得税は12月(年末調整)または3月15日(確定申告)に確定する
- 住民税は6月頃に計算され、第1期の納期限は7月10日頃(個人事業主は6月末)
- 事業税は7〜8月頃に計算され、第1期の納期限は8月末
- 住民税・事業税は自分で計算しないため、納期限だけ把握しておけばOK
この知識が節税の土台になる。次のステップへ
個人の税金の基本構造として、所得税・住民税・事業税の3つについて「誰が計算するのか」「どのようなスケジュールで納めるのか」を確認してきました。このスケジュール感や計算体系を理解した上で節税を考えると、知識の吸収率が大きく変わります。
次のステップとして、以下のテーマが重要になってきます。
- 所得税とは何か(詳細な仕組みの理解)
- 年末調整とは何か(節税イベントとしての活用)
- ふるさと納税(手元にお金を残す具体的な方法)
📌 今日の全体まとめ
- 個人の税金で最重要なのは所得税。所得税が決まれば住民税・事業税も自動的に確定する
- 会社員・公務員は年末調整(12月)、フリーランス・個人事業主は確定申告(3月15日)で所得税が確定する
- 住民税は6月頃計算・7月10日頃納期限、事業税は7〜8月頃計算・8月末納期限
- 年末調整は節税イベント。適切な情報を提出することが節税につながる
- フリーランス・個人事業主は手間がかかる分、節税の余地が大きい
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 大河内薫のマネリテ学園 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。 本サイトは 大河内薫のマネリテ学園を応援しています!
関連記事
個人の税金を税理士が解説|所得税・住民税・事業税の全体像をざっくり理解しよう
源泉徴収票の見方を税理士がゼロからわかりやすく解説【完全ガイド】
確定申告の基本を税理士が解説|経費・青色申告・白色申告の違いと手のつけ方
東京エリア
千代田・中央・港区から副都心各区まで、東京の優良税理士法人ランキング
関西エリア
大阪・京都・兵庫・岡山など関西圏の信頼できる税理士法人ランキング
関東エリア
首都圏の神奈川・埼玉・千葉・北関東で実績のある税理士法人ランキング
中部エリア
製造業の集積地、中部・北陸圏で企業支援に強い税理士法人ランキング
九州・沖縄
九州・沖縄地域で地域密着型サービスに定評のある税理士法人ランキング
その他地域
北海道・東北・中国・四国地方の地域に根ざした税理士法人ランキング
