“良い税理士”を選ぶためのポイントは?


友人から「独立するなら税理士は早めに探しておいた方がいいよ」と言われたんですが、そもそも税理士ってどうやって選べばいいんでしょうか?何を基準に選べばいいのか全然わかりません。良い税理士の選び方を教えてください。
サトウさん、ご質問ありがとうございます。税理士選びは事業の成功に大きく影響する重要な決断です。単なる税務申告の代行者ではなく、経営のパートナーとして長くお付き合いする相手だからこそ、慎重に選ぶべきでしょう。
まず最初に知っておいていただきたいのは、「安さ」だけで選ぶべきではないということです。適切な税務アドバイスによって数十万円、場合によっては数百万円の節税効果が生まれることもあります。ここからは、良い税理士を選ぶための具体的なポイントをお伝えしていきますね。

1. 業種に合った専門性を確認する
税理士にも得意分野があります。飲食業に強い税理士、IT企業に強い税理士、不動産オーナーに強い税理士など、業種によって必要な専門知識は異なります。
例えば、IT企業であれば、ソフトウェア開発費の資産計上か経費計上かの判断や、外注費の取り扱いなどに詳しい税理士が適しています。飲食業なら、原価率の管理や従業員の労務管理に詳しい税理士が望ましいでしょう。
専門性の見極め方としては、ホームページの「対応業種」確認や、過去の顧問先実績を直接質問する方法が効果的です。「〇〇業の顧問先は何社ありますか?」と聞いてみましょう。

なるほど。専門性は大事なんですね。税理士との連絡や相談はどのくらいできるものなのでしょうか?

2. コミュニケーションと対応の良さをチェック
税理士事務所によって相談回数や対応方法は大きく異なります。以下のような点を確認しましょう:
・相談頻度:回数無制限なのか、月に〇回までなのか
・対応方法:メール、電話、オンライン面談、訪問などどの方法に対応しているか
・対応の迅速さ:質問への返答がどれくらい早いか
特に創業間もない時期は質問が多くなりがちなので、回数無制限のプランがあるかどうかは重要です。初回相談からの返信スピードや質問への回答の丁寧さは、将来のサービス品質を示す重要な指標となります。契約前に必ず「月に何回まで相談できるのか」「メールや電話での質問は料金に含まれるのか」を確認しておきましょう。

3. サービス内容と料金体系を比較する
料金は安ければ良いというものではなく、含まれるサービス内容をしっかり確認することが重要です。一般的な料金の目安は、個人事業主で月額1〜5万円、法人で月額3〜10万円程度ですが、このような点を確認しましょう:
・記帳代行は含まれるのか、自分で入力する必要があるのか
・税務調査の立ち会いは含まれるのか、別途費用がかかるのか
・経営アドバイスや資金繰り相談は含まれるのか
・決算申告だけでなく、経営計画の策定支援はあるのか
特に注意すべきは「オプション料金」の存在です。基本料金は安くても、実際に必要なサービスをすべて含めると高額になるケースもあります。また、契約期間や解約条件も確認し、「決算料」のような別途発生する費用についても事前に把握しておきましょう。

なるほど。税理士事務所の規模によっても違いがあるのでしょうか?

4. 事務所の規模と担当者を確認する
事務所の規模によって特徴が異なります:
【大規模事務所】
・メリット:組織的なサポート体制、専門性の幅広さ
・デメリット:担当者が変わることがある、費用が比較的高い
【中小・個人事務所】
・メリット:費用が抑えられる、経営者と直接やり取りできる
・デメリット:担当者不在時の対応、専門外の相談
重要なのは、実際に誰が担当するのかを確認することです。代表税理士との面談で契約したものの、日常業務は経験の浅い職員が担当するというケースもあります。「普段の連絡は誰が担当するのか」「決算時に相談できるのは誰か」を明確にしておきましょう。

5. デジタル対応力を見極める
現代の税理士業務では、クラウド会計ソフトの活用が一般的になっています。以下のようなデジタルツールの対応状況をチェックしましょう:
・freee、マネーフォワード、弥生会計などのクラウド会計ソフトへの対応
・電子帳簿保存法への対応状況
・オンライン面談システムの利用
・インボイス制度への対応
経費精算アプリとクラウド会計ソフトを連携させることで、レシートを撮影するだけで経費計上できるなど、日々の経理作業が大幅に効率化できます。特に2023年10月から始まったインボイス制度については、自社の事業形態に合わせた具体的な対応策を提案できる税理士を選ぶことが望ましいでしょう。

ITツールの活用も大事なんですね。ところで、税理士との相性はどうやって見極めればいいですか?

6. 相性と価値観の一致を確認する
税理士との関係は長期にわたることが多いため、人間としての相性も重要です。初回相談で以下のような点を意識してみましょう:
・質問に対して丁寧に回答してくれるか
・専門用語をわかりやすく説明してくれるか
・こちらの話をきちんと聞いてくれるか
・将来のビジョンや目標に共感してくれるか
特に重要なのは「税務に対する姿勢」です。積極的な節税策を好む税理士もいれば、安全策を重視する保守的な税理士もいます。「グレーゾーンになるような節税策はどう考えるか」「税務調査での対応方針」などを聞いてみると、税務に対する姿勢がわかります。自分のリスク許容度と税理士の姿勢が合っているかどうかを確認しましょう。

7. 実績と専門知識を評価する
信頼できる税理士かどうかを判断する際に、実績や専門知識の確認は欠かせません。以下のポイントをチェックしましょう:
・過去の顧問先数や業種
・創業何年の事務所か
・税理士以外の資格(社会保険労務士、行政書士、CFP、中小企業診断士など)
・セミナーや執筆活動の実績
創業支援に強い税理士であれば、「過去に何件の起業相談に乗ったか」「どのような業種の開業支援をしたか」を具体的に聞いてみることで実績がわかります。また、自分のビジネスに関連する具体的な質問をして、回答の質で専門性を判断することも効果的です。

最後に、税理士を探す際のアドバイスはありますか?

8. 税理士探しのまとめ
税理士選びでは、複数の候補と面談することをおすすめします。初回相談は多くの事務所で無料で受け付けているので、少なくとも2〜3社は比較してみましょう。その際、以下のことを心がけてください:
・事前に自分の事業内容や悩みを整理しておく
・具体的な質問リストを用意する
・料金やサービス内容を詳細に確認する
・契約条件や解約条件を明確にする
良い税理士は単なる税務処理の代行者ではなく、事業の成長を支える重要なパートナーです。少し時間をかけてでも、自分に合った税理士を探すことが長期的には大きなメリットになります。
また、税理士との相性は実際に付き合ってみないとわからない部分もあるので、必要であれば契約期間の縛りが少ない事務所を選ぶことも一つの方法です。何よりも大切なのは、自分の事業にとって最適なパートナーを見つけることです。

とても参考になりました!税理士選びのポイントがよくわかりました。これから事業を始めるにあたって、しっかりと比較検討してみます。

お役に立てて嬉しいです!ぜひ複数の税理士と面談して、サトウさんの事業にとって最適なパートナーを見つけてください。税理士選びは経営の土台作りの第一歩です。良いパートナーを見つけることで、事業の成長がより確かなものになるでしょう。ご成功をお祈りしています!

あなたに最適な税理士を見つけませんか?
税理士選びでお悩みの経営者の方へ。"良い税理士"では、全国の優秀な税理士事務所をご紹介しています。
完全無料でご利用いただけます
地域密着 or 全国オンライン対応の税理士をご紹介
業種・規模に応じた最適なマッチング
複数の事務所から比較検討可能