資産管理会社(プライベートカンパニー)の節税・相続対策メリットを税理士が解説
富裕層だけの話じゃない!資産管理会社を作ることで得られる節税・相続対策の全メリットを税理士が徹底解説。
プライベートカンパニー(資産管理会社)とは何か?
そもそも、このプライベートカンパニーってどういう会社なんですか?

プライベートカンパニーは、オーナーの方が資産管理を目的として設立する会社になっています。通常の会社が行うような事業活動は行わず、資産管理のための会社として存在するので、そのように言われています。
例えば現金ですとか株式、あと不動産といった自らの資産を管理することが主な業務になっているので、別名「資産管理会社」とも呼ばれたりしています。

でも、資産の管理なんて別に個人でできるものじゃないですか?なんでわざわざ法人を作ってまで管理させるっていう面倒くさいことをやるんですか?

実は、税制上さまざまな税務メリット(タックスメリット)があるからになっています。富裕層の間では、このプライベートカンパニーを持つことは常識みたいになりつつあるんですけども、実はそのメリットを享受できるのは富裕層に限った話じゃないんです。
今回はそのメリットと注意点についても解説していきたいと思います。

節税メリット①:所得税と法人税の税率差を活用する
じゃあ、まず早速このプライベートカンパニーのメリットから教えてください!

節税になるということと、相続税対策・相続対策になるという2つの大きなメリットがあります。それぞれ細かく見ていきましょう。
まず節税でのメリット1つ目なんですが、所得税率と法人税率の差を利用して節税できるということです。皆さんご存知の通り、所得税は累進課税が適用されているので、高収入であればあるほど税負担が重くなっていきます。住民税も合わせると最大で約55%の税率になります。
一方、法人の実効税率は大体高くても約34%程度になってくるので、高収入のサラリーマンの方が負担する所得税率よりも低くなってきます。ですので、年収1,000万円を超えるようなサラリーマンの方ですとかスポーツ選手などが副業や資産運用を行っていくような場合は、資産管理会社で運用して資産管理会社の収入にした方が、結果的に税負担を低くできる可能性が出てくるということです。

そういうことなんですね。

節税メリット②〜④:経費範囲の拡大・損益通算・赤字繰越
節税での2つ目のメリットなんですが、経費にできる範囲が広がるということです。

これ、具体的にどういったものがあるんですか?

実は個人だと、役員社宅だったりとか生命保険料ですとか出張手当てですとか、こういったものがいろいろできないんですけども、この辺の枠が広がるというイメージで思っておいてください。
今回はその中から役員社宅についてちょっと簡単に説明しますね。法人名義で借りたお部屋・物件を役員に社宅として貸し出した時に、法人の負担分は経費として計上できるものになっています。役員の住居を法人名義で契約して、役員からは一定額の家賃を徴収すれば、少なくとも家賃の50%を経費にすることができます。
家賃が20万円とすると、少なくとも10万円は経費になる。年間120万円の経費を作れるということになるわけなので、これは結構大きいですね。

これ結構大きいですね!

節税の3つ目のメリットは、収入と経費の範囲が広がる、つまり相殺し合える範囲が広がるということです。個人所得税の計算方式の中には「損益通算」という考え方があります。
この損益通算というのは、個人の場合、事業所得ですとか不動産所得とか給与所得とかいろいろ所得があるんですけども、その黒字部分の所得と赤字部分の所得を相殺した上で所得税を計算する方法になっています。所得は10種類に分類されていくんですけども、個人の場合は原則として不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得のこの4つの所得でしかこの損益通算できないんです。黒字と赤字の通算ができないんですね。
一方、法人の場合は損益通算という考え方はないんですけども、そもそも所得を分けるんじゃなくて、法人の収益全体・かかっている経費の全体をまとめて法人の損益として計算していくことになります。

なるほど。じゃあ、ある意味全部がこう損益通算みたいな感じで相殺されている感じになっているってことなんですね。

そうなんです。もう全部ごちゃ混ぜで計算していくことができます。こういった個人のような制限がないので節税につなげやすいというのがメリットですね。
節税面の4つ目のメリットとしては、法人は赤字を最長10年間繰り越しすることができます。ですので大きな損失が出た翌年度以降に節税しやすくなるということになっています。

なるほど。個人事業主だと最大3年しか赤字を繰り越せないですもんね。特に資産運用とかでは損することも多いですから、長期間赤字の繰り越しができるというのは助かりますね。

はい、そうなんです。

節税メリット⑤:所得を家族に分散して税負担を軽減する
節税対策でのメリットの5つ目は、所得を分散できるということです。

この所得を分散というのはどういった意味ですか?

先ほどもお話ししてきたんですけども、個人の収入が多ければ多いほど所得税は高くなっていきます。すでにサラリーマンとしての収入がある本人がさらに追加で全額を個人の収入としてもらうよりは、例えば収入が低い奥様やご家族に渡して利益を分散した方が、ご家族全体で見た税金は少なくて済みます。
さらに、会社の利益を自分と奥さんに役員報酬として受け取ってもらって、会社の法人の損金として算入することができるので、会社側の利益が減って税金を減らすこともできます。個人と会社の双方にメリットがあるということです。

1人が高額の税率で税金を支払っていくよりも、何人かでそれより低い税率で税金を払った方が、家計全体の手取りが増えるってことですかね。

はい、そうなんです。

相続対策メリット①②:生前の資産移転と財産の公平な分配
それでは次に相続対策でのメリットです。相続税がどのくらいかかる人ならプライベートカンパニー設立のメリットがあるんですか?

相続人が何人いるかによっても異なってくるんですけども、見込みの遺産額が1億円を超えてくるようであれば設立を検討してもいいんじゃないかなと思っています。

そうですね。

相続対策でのメリット1つ目は、生前に資産の移転ができるということです。先ほど所得の分散というところでお話ししたんですけども、実はこれ相続対策にもつながっていくんです。プライベートカンパニーを作っていただいてプライベートカンパニーからご家族にお給料を払うことによって、本来自分1人のものになるはずだったそのお金がご家族に先に流れていくんです。
所得税・住民税を減らすという意味でもプライベートカンパニーを活用するのは有効なんですけども、最初からご家族に分散させておけば、貯めすぎずに相続税対策にもなっていくということですね。

資産を自分から親族に移転するというのは、生前贈与に近いお金の流れになってくってことなんですかね。

そうですね。ただその生前贈与という税法上の考え方でやってしまうと、贈与税って結構高くて税率が最高55%にもなってしまうので、贈与でドンと渡すよりも、資産管理会社から給料・報酬という形でご家族にお金を払うと、より低い税率の所得税・住民税で抑えることができるという話ですね。
またこのご家族への報酬もちゃんと資産管理会社の経費になってくるので、資産管理会社の法人税も抑えることができます。つまり、より多くのキャッシュを残して親族に渡すことができるということですね。

はい、その通りですね。

さらに、このプライベートカンパニーからの報酬として親族に移転した資産は、相続税の納税資金にもなります。相続税は相続が発生してその10ヶ月以内に現金で一括で納付しないといけないんです。なので、ちゃんとお金を用意させておかないといけないんですね。

現金一括納付って相当きついですからね。キャッシュが用意できなくて、大事な土地とか建物を手放すことになってしまったなんて話もよく聞きますからね。

はい、そうなんです。ですので、生前に資産を移転して相続税の納税資金を用意しておくということが重要になってきます。

そういうことなんですね。

相続対策の2つ目のメリットなんですが、財産を公平に分けやすいということです。遺産相続の時に親族同士で争う、いわゆる「争族」になってしまったみたいな話もよく聞きますからね。
特に不動産などの実物資産が遺産の大部分を占める場合、遺産分割の難度が高くなってきて争いに繋がりやすくなったりもします。これに対して、プライベートカンパニーに一括して不動産を所有させれば、株式を分配して相続させることもできるので、不公平感がなくなって相続争いの防止にもなります。

株式だったら公平に分けやすいってことなんですかね。

はい、そうですね。また、相続人の数だけプライベートカンパニーを作るという方法も取ることができます。

相続争いの防止になるというのも結構大きなメリットですね。

はい、そうなんです。

相続対策メリット③:自社株の安定した事業承継を実現する
相続対策の3つ目のメリットなんですが、安定して事業承継ができるということです。オーナー社長にとって大きな課題の1つが自社株の相続になっています。

そうですね。

自社株を生前にご家族に贈与することで相続税の節税を図ることが可能なんですけども、経営権の確保に影響が出るのが難点になっています。

大塚家具みたいな問題が起きると本当に大変ですからね。

はい、そうですよね。このような場合に自社株を資産管理会社に移して、資産管理会社の株を贈与するケースですと、株を贈与された親族も自社株を簡単に換金することはできないです。また相続が発生した場合でも、対象となる資産はあくまで資産管理会社の株式なので、自社株が社外に流出する可能性も減っていきます。
資産管理会社を設立することで、経営権を安定的に確保しながら自社株の相続税対策を進めることができるというメリットがあります。

デメリット・注意点:設立コストとランニングコストを把握しよう
ここまで見てきたように自分の会社を持つことには様々なメリットがあるんですけども、デメリットとか注意点も教えていただけますか?

やっぱりデメリットは手間がかかるということですね。会社を作るためですとか、作った後の運営とか、一定の費用と手間がかかってしまうということです。会社を作るのもいろいろ手順があるので結構大変です。面倒くさければ司法書士などにポンと丸投げしてみるのがいいと思いますが、コストがかかりますね。

続いてそのコストの話なんですが、会社を作るのも設立費用と、維持するのにもランニングコストがかかっていきます。
まず設立費用なんですが、株式会社にするか合同会社にするかということになってきます。株式会社の場合、大体合計24万円程度になってきますし、一方合同会社の場合は大体10万円前後で済むかなと思っています。また収入次第で細かいんですが、電子定款にすれば4万円が不要になってきます。この他、先ほどお伝えした司法書士に丸投げしてしまうのであれば専門家報酬も必要になってくるということです。

コスト面では合同会社の方がいいってことですよね。

はい、そうですね。ただ、信用力という点では株式会社の方がまだまだ世の中的には勝っているかなと思っていますので、対外的な信用が必要であれば株式会社にしておいた方がいいんじゃないかなと思います。

そうですね。これ、ちなみにランニングコストってどのくらいかかるんですか?

仮に赤字、つまり収入がなくて経費だけの会社だったとしても、法人の住民税の均等割りというものがあります。場所代みたいな税金なんですが、これは毎年最低7万円払わないといけないんですね。
また法人として確定申告が必要になってくるので、そのための人件費ですとか、私たちみたいな会計事務所を使うのであれば税理士への外注費も必要になってくるわけですね。一定の維持費がかかってしまうということです。

デメリット2つ目なんですが、会社自体の価値は低いということです。この節税目的で作られたプライベートカンパニーって事業をやっているわけじゃないので、企業自体の価値が低くなる傾向があります。なので、会社を売却とか譲渡しようとしても買い手がつかない可能性が高いので注意してほしいと思います。

つまりプライベートカンパニーというのは、オーナーの資産管理を目的として設立する会社ということですね。所得税と法人税の税率の差であったり、経費にできる範囲が広がるということが節税にも繋がってメリットになるということですね。また相続対策としても有効なんですけれども、コストも踏まえた上で検討していく必要があるということでしたね。今日も大変勉強になりました。ありがとうございます!

終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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