健康保険を使い倒せば家計改善・手取り増加|公的医療保険の仕組みを専門家が解説

健康保険を使い倒せば家計改善・手取り増加|公的医療保険の仕組みを専門家が解説
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世界ナンバーワンの公的医療保険を理解して使い倒せば、家計改善・手取り増加につながります。

公的医療保険を理解することが家計改善の第一歩

今回のテーマは公的医療保険、いわゆる健康保険です。これをしっかり理解して使い倒せば、家計も改善するし手取りも増えます。

この国には強制加入の制度がたくさんありますが、医療保険もその一つです。強制加入である以上、強制的に受けられる特典が必ずあります。それらを全部理解した上で、補足として民間保険を検討するのが正しい順序です。この順序を間違えると、保険に入りすぎてしまいます。

📌 ポイント

「医療保険に入っていますか?」と聞かれると、多くの日本人は民間の保険を思い浮かべます。それほど健康保険は当たり前の存在ですが、その保険としての役割を私たちは忘れがちです。まず公的保険の特典を把握してから、民間保険を検討しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 公的医療保険は強制加入だからこそ、必ず受けられる特典がある
  • 公的保険の特典を理解してから民間保険を検討するのが正しい順序
  • 順序を間違えると保険に入りすぎて家計を圧迫する

ここがすごい!日本の公的医療保険① 国民全員加入で医療費が安い

まず日本の公的医療保険が優れている点の一つ目は、国民全員が加入していることです。これは当たり前ではありません。全員が加入しているということは、全員が少ない医療費で日本の医療を受けられるということです。

諸外国では、とんでもない医療費を払わないと医療を受けられない国がたくさんあります。そういった国では医療を諦めている、治療することを諦めているという人も多くいます。国民全員が加入し、安く医療を受けられるというのは、決して当たり前のことではないのです。

対象者自己負担割合
現役世代3割
高齢者(所得に応じて)1割〜3割

📝 このセクションのまとめ

  • 国民全員加入は世界的に見ても非常に恵まれた制度
  • 現役世代の自己負担は3割、高齢者は所得に応じて1〜3割

ここがすごい!日本の公的医療保険② 充実した手当金制度

二つ目の特徴は、手当金が充実していることです。公的医療保険には、医療費の補助だけでなく、さまざまな手当金が用意されています。

手当金の種類対象者内容
出産育児一時金全員出産した世帯に50万円(令和5年度から金額引き上げ)
出産手当金会社員・公務員産前42日+産後56日まで、給与の約3分の2が支給
傷病手当金会社員のみ業務外の病気・怪我で4日以上働けない時、給料の3分の2が支給

⚠️ 注意

民間の医療保険には、これらの手当金に似た給付内容のものがあります。公的保険でもらえる手当金を把握せずに民間保険を選ぶと、ほぼ確実に重複して入りすぎになります。民間保険を検討する前に、まず公的保険で何がカバーされるかを確認しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 出産育児一時金は全員が受け取れる(50万円)
  • 出産手当金・傷病手当金は会社員・公務員が対象
  • これらの手当金を把握してから民間保険を検討すること

ここがすごい!日本の公的医療保険③ 高額療養費制度のしくみ

今回の本題・メインディッシュが、高額療養費制度です。一言で言えば、1か月の医療費の上限が決められている制度です。年収のレンジによって金額は変わりますが、多くの人は月8万円を超えた分が還付されます。あるいは事前に手続きをしておけば、その上限額しか払わなくて済む仕組みになっています。

たとえば3割負担の状態で月100万円の医療費がかかったとすると、その3割で30万円の自己負担になります。それが6か月連続となれば、かなりの負担です。そういった事態を防ぐのが高額療養費制度の趣旨です。

📌 ポイント

高額療養費制度の上限額は厚生労働省のウェブサイトで確認できます。5つの区分に分かれており、年収に応じた上限額が一覧表で掲載されています。まずは自分がどの区分に当てはまるかを確認しましょう。

高額療養費制度 年収別の上限額一覧(69歳以下)

区分年収の目安1か月の自己負担上限額
住民税非課税世帯35,400円
区分Ⅳ約370万円まで57,600円
区分Ⅲ約370万円〜770万円80,100円+α(概ね約8万円)
区分Ⅱ約770万円〜1,160万円167,400円+α(概ね約17万円)
区分Ⅰ約1,160万円以上252,600円+α(概ね約25万円)

また、大企業にお勤めの方は付加給付という制度があり、高額療養費の上限がさらに下がって約2〜3万円になる可能性があります。お勤めの企業によっては付加給付が設けられていることがあるので、ぜひ確認してみましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 高額療養費制度により、1か月の医療費には上限額が設定されている
  • 多くの現役世代は月約8万円が上限の目安
  • 大企業の付加給付があればさらに上限が下がる場合がある
  • 自分の区分を確認し、実際にどれくらいの負担になるかを把握することが重要

日本人の平均医療費と民間保険の必要性を考える

「月8万円の上限額を1年間払い続けたら結構な負担だから、民間保険で備えている」という方もいると思います。その判断をするためにも、日本人が実際に医療費にどれくらい使っているかを見てみましょう。

厚生労働省「国民医療費の概計2022」によると、年間の平均医療費は約37万円です。ただし、この数字は高齢者に大きく偏っています。

年齢層年間平均医療費
全年齢平均約37万円
15歳〜44歳約14万円
45歳〜64歳約29万円

これらのデータと高額療養費制度の上限額を踏まえた上で、「自分はどれくらい医療費がかかるだろうか」を考えてみましょう。公的保険では足りないと判断した方が、初めて民間保険を視野に入れるわけです。

なお、最も気になる方が多いがんの治療費については、各生命保険会社の資料によると平均約60万円〜120万円程度とされています。根拠となるのは厚生労働省「患者調査2022」で、がんの平均入院日数は20日を切るという資料もあります。

📌 ポイント:民間保険が必要かどうかの判断軸

  • 高額療養費の上限額程度の負担なら、貯金で賄えるか?
  • 賄えるなら民間の医療保険は不要
  • 賄えないなら、掛け捨てでも民間保険を検討する
  • ある程度の資産形成ができているなら、医療保険はほぼ不要
  • 独身・社会人で1人で働いて1人で生活しているなら、民間の医療保険は基本的に不要

公的保険というのは、何か有事の時にお金がもらえるわけではありません。「これくらいの負担ですよ」という上限を示してくれるものです。その金額をなんとか賄えるかどうかが、民間保険の要否を判断するポイントです。

📝 このセクションのまとめ

  • 15〜44歳の年間平均医療費は約14万円と比較的低い
  • がんの平均治療費は約60〜120万円、入院日数は20日未満が目安
  • 高額療養費の上限額を貯金で賄えるかどうかが、民間保険の要否の判断軸

高額療養費制度の改定議論と今後の見通し

2024年末から2025年3月頃にかけて、高額療養費制度という単語がニュースを賑わせました。理由は改定(上限額の引き上げ)という話が出てきたからです。

結論として、2025年3月の時点では見送りになりましたが、一部の改定内容は漏れ伝わっていました。その内容は以下のようなものでした。

時期改定内容(案)状況
2025年8月〜全体的に数百円〜数万円の上限額引き上げ見送り
2027年8月〜高齢者に関して数十万円の上限額引き上げ見送り

今後どうなるかは分かりません。ただ、この議論はなくなるのではなく、一時的に見送られているだけです。いつかどこかで再燃すると考えるべきでしょう。

日本における超高齢化社会は世界でも初体験です。介護費・医療費・年金などの社会保障費は想像を絶する負担になっていきます。その中で高額療養費制度が改善(負担軽減)されることはありえませんから、改定という話は今後もどこかで出てくると思います。

⚠️ 注意

高額療養費制度の上限額は将来的に引き上げられる可能性が高いです。「今は大丈夫」という判断が、数年後には通用しなくなるかもしれません。定期的に制度の動向を確認し、家計の見直しを行いましょう。

大切なのは今日の考え方です。「高額療養費の上限は自分にとってどれくらいになるか」「その金額をどういう状況でどれくらい払ったら貯金で賄えるか、賄えなくなるか」という判断ができるようになれば、どんな時代でも家計を整えることができます。

当然、負担は増えていくので、その穴埋めをどうするかは別の話になります。収入を増やすこと、投資で良い成績を上げることなど、さまざまな対策が必要になってきます。しかし考え方の基礎として、今日の内容をしっかり押さえておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 2025年の高額療養費制度改定(上限額引き上げ)は見送りになった
  • ただし超高齢化社会の進展により、改定議論は今後も再燃する可能性が高い
  • 「自分の上限額はいくらか」「貯金で賄えるか」という判断軸を持っておくことが重要
  • 公的保険の理解なくして家計改善はありえない

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 大河内薫のマネリテ学園 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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