相続・贈与

不動産を使った相続税対策が2027年から見直しに!税理士が解説

不動産を使った相続税対策が2027年から見直しに!税理士が解説
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2027年から不動産による相続税対策が実質的にほぼできなくなる改正内容を徹底解説します。

不動産を買うと相続税対策になる仕組みとは?

大変なことが起きました。ネットですごい話題のことがありまして、相続に関係することで「不動産節税はもう終わりだ」みたいな記事を見まして、僕には正直ちんぷんかんぷんで、何が終わりなんだろうとか思って。解説をお願いしてもいいですか?

分かりました。実はその通りなんですね。ネット記事でも出ているんですけれども、不動産を買うことによる相続税対策、これ2027年の1月1日から実質的にほぼほぼできなくなります

そもそもどういった考え方だったのかということと、国税の財産評価基本通達6項と呼ばれる最終兵器、こちらについて徹底的に解説をしていきたいと思います。

順を追って解説をしていきましょう。そもそも不動産を買うと節税対策になるという話って聞いたことあります?

それはなんとなく聞いたことあります。

今回のこの令和8年度税制改正。令和8年って2026年なんですけれども、2027年から新しいルールを入れていこうということが発表されました。この新しいルールを理解していくためにはですね、そもそもの考え方が分かってないとちょっといけないので、そこを解説していきましょう。

まず相続税を計算しましょうとなった時に、亡くなった方が不動産をお持ちだったと。相続税の計算って亡くなった時における時価がいくらなのという金額で計算していくんですけど、不動産の時価って言われても結構難しいんですね。それを自分たちで計算しなきゃいけないって言われたら大変ですよね。

大変です。何から計算すればいいかわからないです。

そこですね、国税庁が考えたんですね。誰でも簡単に不動産の金額を計算できるやり方があったらみんな困んなくていいよねと、公式を作ったんです。それがですね、土地の相続税評価額、路線価方式というものがあります。

まず土地から見ていくんですけど、インターネットですね、「路線価」と検索してもらうとこのような日本全国の地図が出てきます。これですね、拡大すると道路1本1本に数字が振ってあります。例えばこれ「530C」、アルファベットのCと書いてあって、これどんな意味だと思いますか?

ここからここまで530ありますよ。

なるほどなるほど。距離ですか。

ちょっと惜しいですね。

でもいい感じですよ。これは何かって言うと、ここに接している土地については1平米あたり53万円で評価してくださいねという意味がこの530に込められています。ゼロが3つ省略されている形になって、530千円とすると53万円になるんですね。

なのでこれは1平米あたり53万円で評価してくださいねといったことで、この金額かけることの面積をしていただければ、ざっくり評価額が計算できます。

で、この地積、これが面積なんですけれども、この面積かけることの路線価なんで、これが評価額。例えば53万円のところに100平米の土地がありますよ。となったらいくらになりますか?

5,300万円。

素晴らしい。その通りですね。5,300万円。これが相続税の評価額。めちゃくちゃ簡単です。

ここポイントがあって、この路線価ってこれ国税庁が決めてるんですね。毎年7月1日に更新されていくんですけれども、これすっごい大事な要素。実際の売買価格の8割になるように設定してくれてます

なので例えば本当は1億円くらいで売れる土地であれば、路線価評価にすると8,000万円くらいになるように設定してくれてるわけなんですね。ちょっと安めなんですよ。

どんな意味が込められているかって言うと、路線価って毎年1回しか更新されないんですけど、土地の価格って365日本当は上がったり下がったりしてるんですよね。そこが1年に1回だと反映できないので、価格を取りすぎちゃうのが1番良くないと。なので、ちょっと低めにつけてこの時価の変動に耐えられるようにっていうことが1つあるのと、この路線価方式ってすごく簡単に評価が計算できるがゆえにですね、かなりざっくりしたやり方なんですね。なんでこう取りすぎちゃいけないよねっていったことから2割引きしてくれているというのがこの路線価方式。

実際の価格の8割に設定されてるっていうのが、今回の税制改正にも実はすごく関係してくるんですね。

📗 このセクションのまとめ
・不動産の相続税評価額は、国税庁が定めた路線価方式で計算する
・路線価は実際の売買価格の約8割に設定されている
・路線価 × 面積 でざっくりとした土地の評価額が算出できる

土地・建物の評価が安くなるメカニズム

さらにここから地型の減額、これは正方形の土地よりもいびつな形の方が売買される時ちょっとディスカウントされるので、まあ低めになったりとか。

これが今回結構重要なんですけど、利用方法の減額、これはですね、自分が自宅として使っている土地よりも例えばアパートの敷地とかにするとですね、評価が少なくなるんですよ。人に貸していると、例えばそこから出ていって欲しいなって思っても借地権があるので簡単には出ていってくれないので、いろんな制約がかかっちゃうんですね。で、こう利用方法で減額されていきます。

アパートの敷地になっていると約20%値引きされます。なので例えば1億円のキャッシュがありますよ。これで土地を買います。その時点で路線価評価にすると8,000万円。で、そこからさらにアパートの敷地にしましたよ。またさらに20%引きされるんで6,400万円なんですよ。

で、ここポイントが、1億円で買ってる土地なんで価値は1億円ちゃんとあるんですよ。ですけど、相続税の計算上は6,400万円で計算していいですよと、そこなんですね。なので今日の冒頭のところに戻ってくるんですけど、不動産買うと相続税がお安くなりますよというのは実はここのメカニズムなんです。

なるほど。

それでさらにお墓の隣だったりするとね、下がったりするっていうのはあるんですけど、今日はこのくらいにしときましょう。

で、まずこれが土地の考え方です。で、次いく、建物です。建物も同じような考え方を取っていきます。亡くなった方が建物持ってますよ。相続税計算していくんですけど、これどういう風に建物の時価って出していくかって言うと、固定資産税評価額というものを使っていきます。

不動産買ったらですね、毎年4月から6月くらいに固定資産税払ってくださいって紙が届くんですよ。で、その紙に必ず「価格」って書いてあったり、「評価額」って書かれていたりする欄があるんですね。この建物の価格はいくらですよ。この図で言うと600万円なんですけれども、これは固定資産税評価額。固定資産税を計算するための評価額なんですね。この金額を相続税の計算でもそのまま使っていきます。

なんで計算がすごい楽なんですけど、ここでポイントになるのがこの固定資産税評価額は売買価格の7割に設定されています。さっきの土地は8割だったんですけど、固定資産税評価額はさらにもっと安い7割なので、例えば1億円でアパート建築しましたよ。いくらになりますか?

7,000万円。

その通り、素晴らしい。教科書的には7割なんですよ。私たち税理士は7割っていうのをこう習うんですけどね。ただ実際問題はですね、実はもっと安くなって、木造だと大体5割くらいまでになったりするんですよね。

で、さらにここからがまたありましてですね、この建物、家を自分で使っている場合と人に貸した場合、さらに評価が落ちます。どのくらい落ちるかというと30%。さっき2割だったんですけど建物の場合は3割落ちるんですね。

なので定期預金1億円ありますよ。ここから家を建てました。この時点で固定資産税評価額が7,000万円になって、で、さらにそれを人に貸しました。アパートとして貸しましたとなるとさらに30%引きになって4,900万円になる。このメカニズムを使って相続税対策をするっていうのがこれまであったんですよ。

なるほど。これが仕組みだったんですね。

そういうことです。なんで定期預金で例えば2億円持っている方がいたとして、で、そのうちの1億円で土地を買います。で、そのうちの1億円でアパートを建築しましょうと。

で、そうすると土地の評価も2割引き、2割引きで6,400万円で、建物の評価も30%オフ、30%オフとなって4,900万円なんで、元々2億円あったものが1億円くらいに評価できるよということで、相続税の圧縮、圧縮っていったことで結構やってたんですよね。

だからお金持ちの方々、不動産買うんですね。

そうなんです。

なるほど。工務店さんとかが「相続税対策でアパート建てましょう」っていうのはあながち間違ってはないんですね。

効果としては本当にあるんですよ。ただ繰り返しになっちゃうんですけど、現金で余ってればね、いざ相続の時に分けやすいので喧嘩しないんですけど、不動産になっちゃうと喧嘩の元になっちゃうこともあるので、まあそこはちゃんとね、見ていかなくちゃいけないんですけど。で、まずこれが大前提です。ここまではバッチリですか?

バッチリです。

📗 このセクションのまとめ
・土地をアパート敷地にすると路線価評価からさらに約20%減額される
・建物の固定資産税評価額は売買価格の約7割、賃貸にするとさらに30%減額
・2億円の現金 → 土地+アパート建築で約1億円の評価に圧縮できていた

タワマン節税とは何だったのか?2024年の改正で封じられた手法

素晴らしい。で、ここからなんですけど、タワーマンション節税、タワマン節税っていうのがですね、一昔前まであったんですよ。

これは2024年の1月1日から実質的にタワマン節税っていうのが封じられた形になるんですね。どんなものだったのかって言うと、ざっくり言うとですね、タワーマンションの特に高層階の部分を買うとですね、例えば1億円ぐらいで買ったタワーマンションが2,000万円くらいで評価されることがあったんです。

さっきは買ったら大体7割になりますよとか2割引きになりますよみたいな話をしてたんですけど、タワマンの場合はですね、買ったら8割引きくらいになったんですね。

すごいですね。

そうなんです。で、なんでそんなこと起きちゃうのっていうことをですね、解説をしていくと、さっきの固定資産税評価額、固定資産税を計算するために役所がつける価格なんですけど、この価格はですね、材料と施工方法だけで決めてるんですよ。

新しく家を建てる時に役所の人がやってきてですね、色々こう点数振ってくんですね。この材料なのねとか、こういう施工方法なのねっていったことで点数つけるんですよ。で、それで出来上がったものが固定資産税評価額。重要なのがですね、人気の度合いが込められないと。

例えばですね、都心の人気のエリアにマンション建てました。人気のないエリアに全く同じ材料で全く同じ施工方法で同じマンション建てました。この2つ同じ材料、同じ施工方法です。となるとこの役所の人がやってきて「この材料なら固定資産税評価額2,000万円くらいかな」と。で、こっちのエリアでも「この材料なら固定資産税評価額2,000万円くらいかな」ということで全く同じ評価額になるんですね。

人気のエリアの東京タワーとか見えちゃったり、レインボーブリッジとか見えちゃったりするところはすごく人気なのですごい高値で取引されるんですよ。で、そうするとどういうことが起きるかって言うと、この2つの物件の固定資産税評価額は同じなんですけれども、取引金額が人気のないエリアだと3,000万円くらいで売買されるマンションが、人気のエリアだと1億円で売買されたりする。そうすると1億円で買ったマンションが2,000万円の固定資産税評価額になるよということで、そういう人が増えたんですよ。

亡くなってしまう直前にかなり年配の90代・100歳代くらいの方がですね、タワーマンションの1番上の階を2億とか3億とかで買って、相続税の評価自体は4,000万円になるみたいなことが多かったんですね。

で、これはちょっとさすがにやりすぎでしょうという話になりましてですね、2024年の1月以降の相続・贈与については相続税評価額に調整計算が必要。大体ですね、時価の60%になるように評価を調整していきましょうというルールが始まっています。

なんで分譲マンションの一室を買っても、昔は下がり幅が80%引きくらいになっていたのが、今でも40%・30%引きくらいには実はなるんですよね。というルールが2024年の1月から始まっています。

実際はこういう非常に難しい算式を使っていくので、ここはご自身でやるよりも専門家でやった方がいいかなと思うんですけれども、いよいよ今回の改正に繋がっていくんですよ。

ようやく。

📗 このセクションのまとめ
・タワマン節税は固定資産税評価額が「材料と施工方法」だけで決まる仕組みを利用していた
・人気エリアの高層階は1億円で買っても評価額2,000万円になるケースがあった
・2024年1月から時価の60%になるよう調整計算が必要になり、タワマン節税は封じられた

タワマン節税の改正でも残っていた「抜け道」

ようやく繋がっていきます。で、この2024年のタワマン節税の改正で不動産節税はなんか実質的に難しくなったよねっていう話があったんですけど、実はですね、このタワマン節税の改正にはですね、抜け道と言うとちょっとあれなんですけど、改正が及ばなかった部分も結構あって

例えばですね、構造上として居住の用に供することができるもの以外のもの、難しく言ってるんですけど、居住用はタワマン節税の改正で評価が厳しくなったんですけど、実はテナント物件などはですね、この改正を受けていなかったんですね。

分譲マンションはタワマン節税の規制になったんですけど、一棟丸ごとはですね、実はこの規制の対象から外されたんですね。なのでこの改正があった後も一棟を丸ごと買ってしまおうっていうアグレッシブな方がいたりとかありまして、実質的にこの節税っていうのは続いてたんですね。

📗 このセクションのまとめ
・2024年のタワマン節税改正はテナント物件や一棟丸ごと購入には及ばなかった
・一棟買いで節税を続けるアグレッシブな手法が残存していた

令和8年度税制改正:貸付用不動産の評価見直しの全容

ここからが令和8年度税制改正「貸付用不動産の評価見直し」ということで、どんな改正が始まっていくのか、まずそのまま文章貼りつけましたので読んでいきます。

「相続人等が課税時期前5年以内に対価を伴う取引により取得または新築をした一定の貸付用不動産については、課税時期における通常の取引価格に相当する金額によって評価する。」

これが国が出したオフィシャルの文章なんですね。ざっくり言うと買ってから5年以内に亡くなってしまったといった場合については、買った金額の80%で相続税を計算しなさいと、そんな改正です。

なんでアパート、土地1億円で買いましたよといった方について、これまでは2割引き、2割引き、3割引き、3割引きでめちゃ安いみたいになったのが、買った金額の80%で5年間は評価しなくちゃいけないよねと。5年経ったらいつも通りに評価していいよと。そんな改正が2027年の1月1日から始まります

💡 ポイント
購入から5年以内に相続が発生した場合、従来の路線価方式・固定資産税評価額ではなく、購入金額の80%で評価しなければならなくなります。

じゃあ、ここからね、3人の方を用意しましたので具体的に見ていきましょう。例えば2025年1月に不動産を買ったAさん、Bさん、Cさんがいたとします。

これから新たに始まるのは「買ってから5年以内に亡くなってしまった時は買った金額の80%で相続税計算してくださいね」というルールなんですけれども、2025年の1月に買った場合っていうのは5年間は2030年の1月ですね。ここに5年の縛りが出てきます。そして新ルールは2027年の1月に新しいルールが始まっていきます。

この前提で、例えばAさんは2026年の12月に亡くなってしまったとします。この場合は買ってからまだ5年経ってはいないんですけれども、新ルールが始まる前です。この場合はどっちのルールでやんなくちゃいけないんですか?

今までの従来のやり方ですかね。

素晴らしい。その通りです。現行のルールですね。なので非常に割安な価格で評価をすることが可能。

じゃあ、Bさん見ていきましょう。Bさんは2027年の4月に亡くなってしまったとします。買ってからまだ5年経っていません。新ルールを迎えてから亡くなりました。この方の場合はどっちのルールになりますか?

改正後ですかね。改正はスタートが確かに1月からなんですけど、2030年の1月経過してないのでセーフですかね?

アウトなんです。

アウトなんですか?

アウトなんです。この新ルールなんですけど、いつの時点で考えていくかっていうことなんですけど、2027年1月以降に亡くなった人にこのルールが適用されます。新ルールはこの亡くなった日をベースに考えていくので、この人の場合は新しいルールが適用されていくことになります。つまり評価高くなっちゃうってことですよね。

じゃあ、Cさん見ていきましょう。Cさんは2031年の4月に亡くなったとします。そうすると新ルールにはなっているんですけれども、5年は経ってるんですね。そして新ルールになってから亡くなりました。これはね、現行のルール使います。

あ、これは現行になるんですか?

2027年の1月から新ルールは始まってるんですけど、新ルールっていうのは「買ってから5年以内に亡くなっちゃったら評価高くしますよ。5年経過してたら今まで通り安い評価額使っていいですよ」なんですね。

このCさんが2025年の1月に不動産を買って2031年に亡くなってるんで、まあ6年ちょっとぐらい不動産持ってます。なのでこの人の場合は新ルールがもう始まってるんですけど、今まで通り低い評価でやっていていいですよ。こんな感じですね。

ケース不動産購入死亡時期5年経過新ルール後適用ルール
Aさん2025年1月2026年12月××現行(割安評価)
Bさん2025年1月2027年4月×新ルール(80%評価)
Cさん2025年1月2031年4月現行(割安評価)

この時期は結構ごっちゃになる時期。

そうなんですよ。自分1人で判断せずにいろんな方から聞きながらやった方がいいかなと思うんですけれども、こんな感じのね、ルールが始まっていくことになりました。

なるほど。なのでこれまでは体調悪くなってきて、ちょっと急いで相続税対策したいなっていう人がですね、駆け込みでアパート建築をされたりとかすることあったんですけれども、この5年のルールが始まってくんで、5年って長いですからね。それまでに亡くなっちゃうとそういう効果っていうのが得られなくなっちゃうということにはなっていきますね。

このルールですね、1つだけありまして。上記の改正は2027年1月以降の相続などにより取得する財産に適用されていきます。ただしこの改正については、当該改正を定める日までに被相続人がその所有する土地、同日の5年前から所有していたものに限る、に新築をした家屋、同日に建築中のものを含む、には適用しない

この「ただし書き」なんですけど、昔から土地を持ってる人については特別にこの取り扱いをしないよっていうルールがあります。例えば2020年の1月に土地を買っていて、そこから5年経ってます。5年以上土地を持ってる人については、そこから新たにアパート建築をした場合、新ルール始まった後に亡くなってしまった場合であったとしても、現行のルールを適用していきますよというですね、こういう措置もありますので、該当する人は覚えておいてもらえるといいかと思います。

📗 このセクションのまとめ
・2027年1月以降の相続で、購入5年以内の貸付用不動産は購入金額の80%で評価
・新ルールの適用は「亡くなった日」が基準(2027年1月以降かどうか)
・5年以上前から所有していた土地に新築した場合は、新ルールの対象外となる特例あり

小口不動産の評価見直し:5年の縛りすらない厳しい改正

そしてもう1個あるんですよ。小口不動産の評価見直しというものもあって、これ何かって言うとですね、かなり売れた不動産の商品があって、小口不動産というものがあります。

これ何かって言うと、1つの大きなマンション、しかもかなりいいところに建てるんですよね。分譲マンションは例えば1015号室を誰々さん買います、2011号室を誰々さん買いますってこう部屋ごとに区切っていくもの。これを分譲マンション区分所有って言うんですけれども、小口不動産はですね、みんなでちょっとずつ一棟丸ごと共有で権利を持っておきましょうっていうのがですね流行ったんですよ。今も流行ってるんですけれども、小口不動産も評価がガツンと下がるんで、1,000万円で買ったものとかが200万円で評価されるみたいなものがあったんですね。

これもちょっとやりすぎでしょということでですね、税制改正が入ることになりました。

この小口不動産についてはですね、本文読んでいくと「不動産特定共同事業契約または信託受益権に係る金融商品取引契約の一定のものに基づく権利の目的となっている貸付用不動産は、その取得の時期に関わらず、課税時期における通常の取引価格に相当する金額によって評価する」と言ってまして。

これ何かって言うと、さっきのは5年間は高くしちゃうぞというルールだったんですけど、小口不動産は5年じゃなくて10年でも20年でも高くしちゃうぞと。もう関係ないと。「取得の時期に関わらず通常の金額によって評価する」、時価で評価しなさいっていう意味なんですけども、なんでさっきの事例とですね、このCさんの部分が変わってくることになります。

この改正について、よく質問受けるのは「これ全く小口不動産買っても評価下がらないですか?買った金額で評価しなくちゃいけないんですか?」っていうですね、質問なんですけれども、これですね、ざっくり言うと買った金額の80%では評価できます。なので全く効果がなくなるわけじゃないんですけれども、だいぶ期待していたものよりは少なくなっちゃうかなっていう、そんな改正が始まっていくことになります。

⚠️ 注意
小口不動産は一般的な貸付用不動産と異なり、5年の猶予期間がありません。取得時期に関わらず時価(購入金額の80%)で評価されるため、節税効果は大幅に縮小します。
📗 このセクションのまとめ
・小口不動産は一棟を共有で持つ仕組みで、1,000万円が200万円評価になるケースもあった
・新改正では取得時期に関わらず時価で評価(5年の猶予なし)
・ただし購入金額の80%での評価は可能なので、完全にゼロにはならない

2026年中の生前贈与は安全か?通達6項という「最終兵器」

で、ここまでがですね、改正の内容なんですけれども、今日の冒頭でお話しした最終兵器、通達6項と呼ばれるもの、ここのお話をしましょう。

それを話す前にですね、この新しいルールというのが2027年の1月に始まっていくので、例えばもうすでに不動産買っちゃってるよという方がこの2026年中に贈与したらどうなるか。もうアパート買ってます、小口不動産買ってますといった方がですね、新しいルール始まるの2027年の1月からですよね。じゃあ2026年中に贈与したらいいですか?新しくなる前の今の割安な評価額で生前贈与ができますか?

できるんじゃないですか?

その通りなんですよ。できます。できるんですけれども、この2026年中であれば新ルールになる前の価格、割安な評価で贈与できるんですけれども、それが絶対安全かって言うと実は言いきれないっていう。

どういうことかって言うとですね、先ほどの土地は路線価方式ですよ、家は固定資産税評価額で評価しますよっていうあのルールをですね、実は法律じゃなくてですね、国税庁が「こういう感じで計算してくださいね」っていうルールブックを出してるんですね。で、このルールブックのことを財産評価基本通達っていう名前のルールブックがあるんですね。

この路線価方式とか固定資産税評価額っていうのを通達に従ってやっていくんですね。私たち税理士も「通達にこうやって書いてあるからこういう風に計算して出していきましょうね」ってやるんですけれども、財産評価基本通達の第6項というところに、「この通達で計算すると著しくみんなと不公平になっちゃうよね」と、「著しくおかしいよね」といった時については、国税庁長官が計算した金額で評価をしなさいというルールがあるんですよ。

それが発動してしまうことっていうのが実はあるんですよ。なんで不動産の評価とかもちゃんと税理士がですね、その通達に基づいてちゃんと計算して、計算した結果「相続税めちゃくちゃ安くなりましたよね」って言って相続税の申告書出したら、国税庁さんがですね、「このやり方で計算しちゃうと他の人たちとの相続税がすごいアンバランスだ」と、「むしろあなた少なすぎる」と、「本当はもっと高い金額払うべきでしょ」といったことで「6項発動だ」と最終兵器発動だと。

この金額はおかしいから私たちが用意した不動産鑑定士の鑑定評価でやりなさいっていうことがあって、それで最高裁まで行って、納税者側が負けたんですね。

納税者側からしたら、「いやいやいや、こっちルールブックに基づいてちゃんと計算した結果がこれなんですけど」と。国税側は「これ認めちゃうとさすがにやりすぎだわ」ということで、どっちが正しいんやっていうことを最高裁まで行って国が勝ったんですね。

⚠️ 注意
通達6項は、ルール通りに計算しても「著しく不公平」と判断された場合に国税庁長官が独自の評価額を適用できる規定です。最高裁でも国税側が勝訴した実績があります。

その考え方っていうのがこの2026年中の生前贈与でも発動する恐れがあります。なので、今は新ルールの始まる前、旧ルールなので、今の割安な価格で贈与するっていうのはちゃんとルールブックに従ったことなんですけれども、その金額が大きかったりすると税務署の人がやってきて「新ルール始まるの確かに来年なんですけど、あまりにも評価との乖離が大きすぎるから6項発動だ」と言われるリスクがありますので、2026年中の贈与をご検討されている方は税理士さんとしっかりお話をした上でやっていただけるといいかなと思います。

税理士側としても6項を簡単に認めさせないためにですね、「通達通りやってるわけじゃないですか」っていうことで言うんですけど。

恐ろしいですね。

恐ろしいんです。なのでルールブック上は2026年中は旧ルールなんですけれども、必ずしもそれがセーフかどうかっていうのは難しいところですね。

📗 このセクションのまとめ
・2026年中の贈与はルール上、旧ルール(割安評価)で可能
・ただし通達6項(最終兵器)が発動されるリスクがある
・通達6項は最高裁でも国税側が勝訴した実績あり
・2026年中の贈与は必ず税理士に相談してから実行すべき

通達6項はどのくらい発動されるのか?

今日はネットで話題の「不動産節税がもう終わってしまう」ってことについて解説していただきましたけど、まとめお願いします。

2027年の1月1日からですね、新しいルールが始まっていきます。購入してから5年以内の相続または贈与で渡す物件については、買った金額の大体80%で評価をしなければいけないというルールが始まっていきますので、不動産を購入して相続税を圧縮していくアプローチっていうのは少し難しくなっていくのかなというのが正直なところなんですけれども、まあ相続税の対策っていうのは不動産以外にもたくさんありますのでね。

是非ね、通達6項を発動させないように気をつけないといけないですね。

そうですね。2026年中に贈与する方がおそらくすごく多くなると思うので、全員が6項適用されるっていうことは可能性少ないと思うんですけどね。ただ本当に簡単ではないですね。

思った以上にその通達6項にびっくりで、王様の言うことは絶対だみたいなルールがあるんだってことにびっくりしちゃって。意外とあるものなんですか?

意外とあります。通達6項が発動するというケースはあって、で、おそらく裁判に至らない6項っていうのもですね、たくさんあると聞いているので。まあ、ただ6項ってすごい批判もあって、6項が乱発されちゃうと私たち納税者側、ちゃんとルールに従ってやってるのになんでみたいな話になっちゃうので、乱発するべきじゃないよねと。

それになんか従わないとやっぱ罰則みたいのあるんですか?

裁判まで行って最高裁が「やっぱり国税庁が正しいよ」っていうんであれば、その国税庁の言った金額の税金を納めなくちゃいけない。そしてその時は延滞税っていう利息もかかってくることになるので。

納税者側が勝ったっていうケースもあるんですか?

勝ったのもあります。取消しですね。そこが1つ税理士の腕の見せ所じゃないんですけどね。ありますよね。

なるほど。

📗 このセクションのまとめ
・通達6項の発動は裁判に至らないケースも含め意外と多い
・6項で国税側が勝てば、追加の税金+延滞税が発生する
・納税者側が勝訴して取り消されたケースもある
・6項の乱発は批判もあり、慎重に運用されるべきとの声がある

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 円満相続ちゃんねる(橘慶太) の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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