レシート・領収書の整理保管方法を税理士が解説|電子帳簿保存法・インボイス制度対応版

レシート・領収書の整理保管方法を税理士が解説|電子帳簿保存法・インボイス制度対応版
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個人事業主・フリーランス必見!レシート・領収書の整理保管から電子帳簿保存法・インボイス制度対応まで丸ごと解説します。

レシート・領収書を保管しなければいけない理由

経費として計上できるのは、自分の売上につながる支出、つまり事業に必要な支払いです。そういった支払いのレシートや領収書は、必ず保管しておく必要があります。捨ててしまうのはNGです。

なぜ保管が必要なのかというと、税務調査に入られた際に「レシート・領収書を見せてください」と求められるからです。その時にレシートや領収書がないのに経費として計上していると問題になります。

📌 ポイント

レシート・領収書の保管は「税務署のために用意するもの」ではなく、自分の身を守るための証拠です。経費を正しく計上したことを証明するために、しっかり保管しておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 事業に必要な支払いのレシート・領収書は必ず保管する
  • 税務調査の際に提出を求められる
  • 保管は自分を守るための証拠になる

レシート・領収書の整理整頓の基本コツ

レシートや領収書の管理で最初に意識すべきことは、まず1箇所に集めることです。お財布の中や封筒、車の中などバラバラに置いてある状態はNGです。「このファイルに入れる」「この入れ物に片付ける」という場所を1か所決めて、そこに集める癖をつけましょう。経費の漏れを防ぐためにも、この習慣はとても大切です。

次に、生活用のレシート・領収書とビジネス用の経費レシート・領収書は必ず分けて保管しましょう。一緒にしてしまうと、後から分ける作業に手間がかかります。家計簿をつけている方は、家計簿用のレシートとも別の場所に区別して片付けるようにしてください。

  • 1箇所に集める場所を決める
  • 仕事用とプライベート用を分ける
  • 家計簿用のレシートとも別管理にする
  • ファイルや封筒を使って月ごと・日付順に並べる
  • 何年何月分か分かるように表紙やペンで記載する

ファイルや封筒を使って月ごと・日付順に整理しておくと、確定申告の時期に自分が非常に助かります。日付順に並べる際は、わざわざ机の上に広げて並べ直す必要はありません。「新しいレシートを上に置く」または「新しいレシートを下に入れる」というルールを自分で決めておけば、自動的に日付順になります。なるべく効率的にやることが大事なポイントです。

⚠️ 注意

現金払いのレシートとカード払い・銀行振込のレシートは必ず分けて保管してください。ごちゃ混ぜになっていると、カードで払ったものを現金払いとして入力してしまい、二重で経費を計上してしまうミスが発生しやすくなります。

📝 このセクションのまとめ

  • まず1箇所に集める場所を決める
  • 仕事用・プライベート用・家計簿用を分ける
  • 月ごと・日付順に整理し、何年何月分か明記する
  • 現金払いとカード払い・銀行振込は別管理にする

具体的な整理保存の方法と使える文房具

より具体的な整理方法を見ていきましょう。まず月ごとにまとめることがコツです。さらに日付順に並べ、量が多い日はホッチキスでまとめるのも一つの方法です。

  1. 日付順にレシート・領収書を並べる(量が多い日はホッチキスで止める)
  2. 月ごとに封筒またはクリアファイルに分ける
  3. 封筒・ファイルの表面に「何年何月分」と明記する
  4. 12か月分(1年分)をダンボールや衣装ケースにまとめる
  5. ダンボール等にも「何年度の確定申告用」とラベルをつける

また、レシート・領収書だけでなく、関連する契約書など他の書類も一緒に別のファイルや封筒に入れて保存しておくと分かりやすくなります。

使える文房具としては以下のようなものがあります。

  • 月ごとに色分けされたファイル
  • クリアファイル(何月分か記載して分類)
  • 領収書専用ファイル
  • スクラップブックに貼る方法(探しやすいが手間がかかる)

スクラップブックに貼る方法は、レシートをすぐに探せるというメリットがあります。ただし、貼る作業の時間がかかるため、個人的にはあまりお勧めしていません。自分が作業しやすく、保管しやすいものを選ぶことが大切です。

📌 ポイント

税務調査が入った際、レシート・領収書がきちんと整理されていると「この事業者はしっかりされている」という良い第一印象を与えられます。整理整頓が直接すべての問題を解決するわけではありませんが、印象を上げることには確実につながります。

なお、青色申告をしている方は科目ごとに分ける必要はなく、月ごと・日付順にしておくのがベターです。白色申告の方は科目ごとに分けておくと確定申告が楽になる場合もあります。もちろん青色申告の方でも科目ごとに分けることが好みであれば、それ自体はNGではありません。

📝 このセクションのまとめ

  • 日付順→月ごと封筒→年間ダンボールの3段階で整理
  • 各段階でラベル・記載を忘れずに
  • 青色申告は月ごと日付順でOK、白色申告は科目ごとも有効
  • 現金払いとカード払いは分けて管理する

レシート・領収書の保管期間は何年?

レシートや領収書を一体何年間保管しておけばいいのか、法律で決まっているルールがあります。青色申告と白色申告で少し違いがありますが、以下の表で確認してください。

申告区分書類の種類保管期間
青色申告帳簿7年
青色申告書類(領収書等)7年または5年
白色申告帳簿・書類最大7年

青色・白色それぞれで細かく「これは7年、これは5年」と覚えるのは難しいので、最大7年取っておけば問題ないと統一して覚えましょう。

さらに、7年経ったら本当に捨てていいのか不安な方は、10年保管しておいて、10年経ったものから順番に処分していく方法がおすすめです。そうすれば、万が一税務調査が入った際に手元に書類がないという事態を確実に防げます。

📌 ポイント

ルール上は最大7年保管すればOK。不安な方は10年保管しておくと安心です。

📝 このセクションのまとめ

  • 青色・白色ともに最大7年の保管が必要
  • 不安なら10年取っておくと確実
  • 保管書類は自分を守る証拠になる

電子帳簿保存法の基本と対応が必要なポイント

電子帳簿保存法は令和4年(2022年)1月1日からスタートしました。ただし、世の中の対応が追いつかないとして2年間の猶予期間が設けられ、令和6年(2024年)1月から本格スタートとなっています。

電子帳簿保存法は実は3つの区分に分かれており、それぞれ対象者が異なります。

区分内容対象者
①電子帳簿等保存自分で作成した帳簿・書類を電子データで保存利用したい方が任意で利用
②スキャナ保存紙の書類をスキャンして電子保存することで紙の保存が不要に利用したい方が任意で利用(主に大企業向け)
③電子取引データ保存電子データでやり取りした書類はデータで保存全事業者・フリーランスが対応必須

①と②は「利用したい方が利用する制度」です。大企業など書類の量が膨大で紙保存が難しい規模の事業者が活用するケースが多く、要件を満たせば帳簿や書類の紙保存が不要(捨ててもOK)になります。

個人事業主・フリーランスの皆さんに関係するのは③番です。メール添付で送られてきた請求書・領収書・見積書・納品書などの電子データ、またECサイト(Amazonなど)の購入明細も電子取引データに該当します。これらは電子データのまま保存することが義務となっています。

⚠️ 注意

電子帳簿保存法には「①任意で利用する制度」と「③全員が対応しなければならない制度」の2種類があります。ここを混同すると理解が難しくなるので、③の電子取引データ保存が全員対応必須という点をしっかり押さえてください。

電子帳簿保存法の要件緩和措置と実務対応

2年間の猶予期間が終了したものの、対応が難しいという声が多く上がったため、税制改正で要件が緩和されました。

2024年1月以降も、多くの中小企業・個人事業主は今まで通りの保存方法でOKという緩和措置が設けられています。具体的には「相当な理由」によってシステム対応が間に合わなかった事業者は、書面(紙)で保存しておけばセーフとなります。

⚠️ 注意

「相当な理由」として認められるのは、たとえばシステム導入の資金がなかった経理担当者を割く余裕がなかったなどの理由です。「めんどくさかった」「やろうと思っていたけどできなかった」というサボりに近い理由はNGになります。

緩和措置が適用される場合でも、1点だけ重要な条件があります。税務署の職員から「この請求書をデータで見せてください」と求められた際に、データで見せられるようにしておくことが必要です。

⚠️ 注意

データを削除して紙保存だけしている状態はNGです。データは消さずに必ず残しておきましょう。メールに埋もれて探せない状態を防ぐためにも、パソコンのデスクトップなど分かりやすい場所にダウンロードして保存しておくことをおすすめします。

緩和措置のポイントをまとめると以下の通りです。

  • 印刷(紙保存)はOK
  • ただしデータは必ず残しておく(削除はNG)
  • 求められた際にデータで提示できる状態を保つ
  • 紙の領収書・郵送で届いた請求書は紙保存のままでOK(データ保存不要)

📌 ポイント

紙の領収書や郵送で届いた請求書・領収書は、今まで通り紙で保管すればOKです。データ保存に変える必要はありません。電子データでやり取りしたものだけがデータ保存の対象となります。

📝 このセクションのまとめ

  • 電子帳簿保存法は令和6年1月から本格スタート
  • 全員対応必須なのは「③電子取引データ保存」のみ
  • 相当な理由があれば書面保存でもOKの緩和措置あり
  • ただしデータは削除せず残しておくことが条件
  • 紙でやり取りした書類は紙保存のままでOK

インボイス制度とレシート・領収書保存の関係

令和5年(2023年)10月からスタートしたインボイス制度も、レシート・領収書の保存・整理に関わってきます。

インボイス制度が関係してくるのは以下の事業者です。

  • 課税売上高が1,000万円以上で消費税の申告をしている課税事業者
  • インボイス制度に登録した事業者(免税事業者だった方も登録すると課税事業者となり消費税申告が必要)

消費税の申告が必要な事業者が仕入税額控除を受けるためには、適格請求書(インボイス)を保存しておくことが前提条件となっています。

ただし、消費税の計算方法によって対応が変わります。

計算方法インボイス(適格請求書)保存の必要性
原則課税保存義務あり(仕入税額控除の要件)
簡易課税保存義務なし
2割特例保存義務なし

原則課税で計算している方は、仕入税額控除をするために適格請求書の保存が必須です。適格請求書とは、「T」から始まるインボイス番号が記載されていること税率が明記されていることなど、6つの要件を満たした請求書・領収書のことです。

簡易課税や2割特例を使っている方は、そもそも仕入税額控除のためのインボイス保存が必要ないため、この点はあまり深く考えなくて大丈夫です。

また、インボイスについても電子帳簿保存法と同様に、データで受け取った領収書・請求書はデータで保存する必要があります。ただし相当な理由が認められる場合は書面保存でOKという緩和措置が同様に適用されます。

📌 ポイント

最近のレシート・領収書の管理は、電子帳簿保存法とインボイス制度の両方が絡んできて複雑になっています。自分がどの計算方法で消費税を申告しているか、またどの書類が電子取引データに該当するかを把握した上で、適切に保管・整理することが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 課税事業者・インボイス登録事業者は適格請求書の保存が必要
  • 原則課税の方は仕入税額控除のためにインボイス保存が必須
  • 簡易課税・2割特例の方はインボイス保存義務なし
  • 電子データで受け取ったインボイスはデータで保存(緩和措置あり)

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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