節税対策

領収書をなくしても経費にする方法と絶対やってはいけないことを税理士が解説

領収書をなくしても経費にする方法と絶対やってはいけないことを税理士が解説
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領収書がなくても条件を満たせば経費計上できます。正しい対処法とNG行為を解説します。

そもそも経費とは何か?領収書が必要な理由

経費とは、企業や個人が事業活動を行う際に支払う必要がある費用のことを指します。具体的には以下のようなものが経費に含まれます。

  • 原材料の購入費用
  • 人件費
  • 広告宣伝費
  • オフィス機器の購入費用

企業は売上からこれらの経費を差し引いて所得を算出し、これに応じて税額が決まってきます。経費を適切に管理することで利益を最大化できるわけです。経費にできるものはしっかり経費化して、会社に多くのお金を残すことが重要です。

会社が経費を払ったことを証明するために必要なのが領収書です。たとえ事業のための支出だったとしても、領収書がなければその支払いの事実が証明できない経費になってしまいます。ですからそういった場合には、経費として計上することができないのが基本です。

⚠️ 注意

例えば取引先との会食で10万円を支払い、その領収書をなくしてしまった場合、経費計上ができないと見かけ上の利益が発生してしまいます。税率が30%だとすると、3万円の余計な税負担が生じることになります。本来支払う必要のない税金を払わなくて済むよう、経費にできる支払いの領収書はしっかりと保存しておくことが大原則です。

📝 このセクションのまとめ

  • 経費とは事業活動に必要な費用のこと。売上から差し引いて所得・税額が決まる
  • 経費の証明には領収書が必要。なければ経費計上できないのが原則
  • 10万円の経費を証明できなければ、税率30%で3万円の余計な税負担が発生する

領収書をなくした・もらい忘れた時の対処法

酔っ払って領収書をもらい忘れたり、なくしてしまうことは実際によくあります。そんな時の対処法としては、以下のものがあります。

対処法内容・注意点
①領収書の再発行を依頼する最も確実な方法。店舗や取引先に連絡して再発行を依頼する。ただし応じてくれない場合もある
②レシートを保管する領収書がなくてもレシートがあれば証憑として可能。ただし文字が滲んで読めなくなることがあるので注意
③クレジットカードの利用明細を取得する支払者側で改ざんできない記録なので証憑として機能する
④出金伝票に記録するそもそも領収書が出ない支払い(冠婚葬祭のご祝儀・自販機など)に有効。必要事項を記載して保存する

📌 ポイント

領収書・レシートなどの紙の証憑は、電子帳簿保存法に対応した形でスマートフォンのカメラで撮影して電子データとして保存することも可能です。レシートはそのままにしておくと印字が消えてしまうことがあります。証憑類は7年間の保存義務があるため、電子保存を活用して確実に管理しましょう。

出金伝票はあくまでも自己申告の書類になりますので、疑われることを前提に考えておく必要があります。出金伝票だけでなく、業務日報や支出があったことを前後関係で裏付けられる資料があるとより安心です。例えば会議用に買ったジュースを経費にしたい場合、その会議の記録が残っていた方が証拠力が高まります。

出金伝票に記載すべき必要事項は以下の通りです。

  • 日付
  • 相手の名称
  • 支払った金額
  • 支払い目的(「お客様用」など)

📝 このセクションのまとめ

  • 最も確実なのは領収書の再発行依頼。応じてもらえない場合は他の方法で代替する
  • レシート・クレジットカード明細・出金伝票などで代替が可能
  • 証憑は7年保存が必要。電子帳簿保存法を活用してスマホで撮影保存がおすすめ
  • 出金伝票は自己申告なので、業務日報など裏付け資料とセットで保管する

領収書とレシート、どちらが証憑として優れているか?

「領収書の方がちゃんとした証憑書類だ」と思っている方も多いかもしれませんが、実は領収書とレシートは証憑書類としての違いはないと考えられています。場合によってはレシートの方が信頼性が高かったりします。

領収書・レシートの定義は「金銭または有価証券の受理を証明するために作られた受取書」です。必要な事項が書いてあればレシートでも証憑として有効です。必要な事項は以下の通りです。

  • 日付
  • 商品を購入した店舗名
  • 購入した商品の内訳
  • 購入した商品の金額
  • 宛名(高額な支払いの場合)

📌 ポイント

消費税の計算では、原則としてこれらの項目が1つでも記載されていないと仕入税額控除ができないことになっています。さらにインボイス制度が始まると、レシートや領収書にインボイス番号(登録番号)がちゃんと書いてあることも重要になります。

領収書は金額だけ書いてあることが多い一方、レシートには商品名や金額などの必要項目が細かく機械的に記載されます。例えばご家族やお子さんと一緒に食事をした場合、領収書では合計金額だけが書かれた1枚になってしまいますが、レシートなら内訳が明確なため信憑性はレシートの方が高いと言えます。

ただし、レシートと領収書の大きな違いは宛名があるかどうかです。タクシーの支払いなどであればレシートで問題ないのですが、高額な支払いの場合は宛名がないと税務調査で指摘されることがあります。高額の支払いが宛名なしで複数出てくると「怪しい」と判断され、税務調査が長引く原因になります。

⚠️ 注意

本当に正しい支払いであっても、宛名がないだけで税務調査が長引き、余計な時間と労力を取られてしまいます。正しい支払いであれば、宛名をしっかり記載してもらうことで税務調査の心証も良くなります。宛名と内訳の両方が書いてあるのが最も望ましい形です。

📝 このセクションのまとめ

  • 領収書とレシートは証憑としての法的な差はなく、必要事項が揃っていれば両方有効
  • 内訳が記載されているレシートの方が信頼性が高い場合もある
  • 高額な支払いは宛名が必須。宛名なしだと税務調査で長引くリスクがある
  • インボイス制度開始後はインボイス番号の記載も重要

具体例①:取引先との飲食で割り勘した場合

取引先と飲食して割り勘で払った場合、可能であれば領収書を分けて発行してもらうのが最も確実です。ただし「分けて発行できない」と言われることもあります。

その場合は出金伝票やメモ書きで代替することが可能です。ただし先ほど説明したように、以下の項目をしっかりと記載する必要があります。

  • 日付
  • 相手の名称
  • 金額(自分の負担分)
  • 支払い目的

📝 このセクションのまとめ

  • 割り勘の場合はまず領収書の分割発行を依頼する
  • 断られた場合は出金伝票・メモ書きで必要事項を記載して代替できる

具体例②:公共交通機関を利用した場合(Suicaなど)

公共交通機関を利用した場合には、1点重要な注意があります。SuicaなどのICカードにチャージした際の領収書・レシートは経費になりません。

最近は交通系電子マネーで買い物ができる店舗が増えているため、チャージしたお金がどこに使われたか明確にすることが難しいからです。交通系電子マネーへのチャージは「現金から電子マネーに変換しただけ」とみなされ、経費にすることができません。

📌 ポイント

経費化できるタイミングは、チャージした時ではなく電子マネーを実際に使用した時です。この点を必ず押さえておきましょう。

領収書が出ない公共交通機関を利用した際の経費を記録する方法は以下の通りです。

方法内容・注意点
出金伝票を作成する最も確実な方法。日付・区間・金額・目的を記載する
駅の券売機で利用履歴を印字する確実に思えるが、明細の保存は100件が上限。頻繁に利用すると過去の履歴を取得できない可能性がある
モバイルSuicaで明細を取得・保存するこまめに明細を取得することが重要

冠婚葬祭などのご祝儀や慶弔費については、招待状やお礼状などを保管しておき、金額をメモしておくと確実です。招待状は捨てずにとっておくことをおすすめします。

📝 このセクションのまとめ

  • Suicaなどへのチャージは経費にならない。経費化できるのは使用した時点
  • 駅の利用履歴明細は100件が上限なので、こまめな取得が必要
  • 公共交通機関利用は出金伝票が最も確実な記録方法
  • 冠婚葬祭は招待状・お礼状と金額メモを合わせて保管する

具体例③:事務所の家賃が口座振替の場合

事務所の家賃が口座振替(自動引き落とし)になっている場合、基本的に領収書は発行されません。この場合は以下の書類を組み合わせて証憑とします。

  • 請求書または契約書(金額が確認できるもの)
  • 引き落とし口座の通帳コピー

消費税の納税義務がある場合でも、帳簿に「口座振替のため」と記載した上で支払先の住所などを記載すれば問題ありません。ただし以下の内容をしっかりと記録しておく必要があります。

  • 支払先の名称
  • 支払いの目的(例:「〇月分の家賃」)

家賃は金額が大きいため、書類の管理は特にしっかりと行うことが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 家賃の口座振替は請求書・契約書+通帳コピーで証憑として代替できる
  • 帳簿には「口座振替のため」と明記し、支払先・目的・対象月を記録する

絶対やってはいけないこと:領収書に関するNG行為

最後に、領収書に関して絶対にやってはいけないNG行為を2つ紹介します。いずれも税務調査で問題になるだけでなく、場合によっては脱税として扱われる可能性があります。

⚠️ NG行為①:領収書のコピーを提出する

コピーでも内容がわかれば問題ないように思えますが、原本であれば内容を改ざんした時に判別できます。しかし内容を改ざんした上でコピーされてしまうと、改ざん内容が分かりにくくなってしまいます。よって、領収書の原本がなくコピーしか提出できない場合は怪しまれます。コピーそのものがダメというわけではありませんが、疑われる原因になります。
電子帳簿保存法が始まっているので、紙で保管しなくてもデータで保管すれば問題ありません。スマートフォンのカメラで撮影し、改ざんできないよう適切な形で電子データとして保存する方法を取りましょう。

⚠️ NG行為②:領収書の金額を自分で記載する

そもそも自分で金額を記載して証明書類とするのはおかしな話です。実際に支払った金額以上の金額を記載することも可能になってしまうからです。実際に支払っていないものを記載したり、実際に支払った以上の金額を記載することは明確な脱税行為です。お店のスタッフに「金額は書かなくていいですか?」と聞かれるケースがあっても、必ず金額を入れてもらうようにしましょう。絶対にやめてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 領収書のコピーのみの提出は怪しまれる原因になる。電子帳簿保存法を活用して電子データで保存する
  • 領収書の金額を自分で記載することは厳禁。実際の金額以上を記載すれば脱税行為になる
  • お店から「金額は書かなくていいですか?」と言われても、必ず金額を記載してもらう

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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