確定申告の領収書を捨ててOK!スキャナ保存で7年保管を劇的に時短する方法を税理士が解説
領収書の7年保存義務、スキャナ保存(電子帳簿保存法)を活用すれば紙を廃棄してOKになります。個人事業主・フリーランス向けに、書類整理を劇的に時短する方法を解説します。
そもそも確定申告とは何か
確定申告とは、個人のメインの国税である所得税を自分で計算・確定させ、申告・納税まで行う手続きです。このように自ら集計・計算・申告・納付まで行う税金のことを申告納税方式の税金と言います。
申告期限は基本的に翌年2月16日〜3月15日です。令和7年分(2025年分)の申告期限は3月17日(月)となっています(土日に該当するため期限が延長)。個人の税金は1月1日〜12月31日の歴年に稼いだ所得に対してかかるため、翌年の2月16日以降に申告を行います。
個人事業主・フリーランスの方には所得税のほか、以下の税金もかかります。
- 住民税(地方税):所得税の確定申告をすれば自動的に計算される(付加課税)
- 事業税:所得税の確定申告情報が地方自治体と共有され自動計算
- 消費税:インボイス登録済み、または2年前の課税売上が1,000万円超の場合は別途申告が必要
📌 ポイント
住民税・事業税は所得税の確定申告書の情報が地方自治体と共有されるため、別途申告しなくても自動的に計算されます。これを賦課課税(付加課税)と言います。
📝 このセクションのまとめ
- 確定申告は所得税を自分で計算・申告・納税する手続き
- 令和7年の申告期限は3月17日
- 住民税・事業税は自動計算、消費税は条件次第で別途申告が必要
確定申告の計算の流れ
確定申告では、以下の流れで所得税を計算します。
- 売上の集計
- 必要経費の集計(売上を獲得するためにかかった費用)
- 事業所得の算出(売上 − 必要経費 = 利益)
- 所得控除を差し引いて課税所得を算出(医療費控除・配偶者控除・扶養控除など個人の生活事情を考慮した控除)
- 超過累進税率をかけて所得税を計算
- 税額控除を差し引いて最終所得税を算出
税率は超過累進税率が適用されており、所得が大きくなるほど税率も上がる仕組みです。所得税と住民税を合わせた最低税率は約15%、最高税率はなんと55%にもなります。
| 税金の種類 | 税率・概要 |
|---|---|
| 所得税 | 超過累進税率(最低5%〜最高45%) |
| 住民税 | 一律10% |
| 復興特別所得税 | 所得税額の2.1%を上乗せ |
| 事業税 | 業種により異なる(かかる場合あり) |
| 所得税+住民税の合計最低税率 | 約15% |
| 所得税+住民税の合計最高税率 | 55% |
税額控除として特に覚えておきたいものが2つあります。
- 定額減税(令和6年分のみの特別措置)
- 住宅ローン控除
売上から事業所得の計算までは青色申告決算書(白色の場合は収支内訳書)で行い、それ以降の所得税などの計算は確定申告書で行います。確定申告とはこの1年間の作業全体を指します。
📝 このセクションのまとめ
- 確定申告は「売上集計→経費集計→所得控除→税率適用→税額控除」の流れで計算
- 所得税+住民税の最高税率は55%と非常に高い
- 特に必要経費の集計が最も大変な作業になる
確定申告に必要な書類一覧
経費の集計をするために、様々な書類が必要になります。必要経費の集計が確定申告の中で最も大変な作業です。主な必要書類は以下のとおりです。
| 区分 | 必要な書類 |
|---|---|
| 売上関係 | レジペーパー・タブレットデータ、売上請求書(BtoB)、支払調書(クリエイター等) |
| 経費関係 | 領収書、請求書、クレジットカード明細 |
| 資金関係 | 通帳・ネットバンクのデータ |
| 設備・工事関係 | 工事請求書の明細、工事請負契約書 |
| 所得控除関係 | 医療費の領収書、寄付金の証明書、保険料の証明書、住宅ローンの証明書 |
📌 ポイント
これらの書類は税務署に提出する必要はありません。ただし、将来の税務調査に備えて、きちんと整理した上で社内(自宅・事務所)に保管しておく必要があります。
📝 このセクションのまとめ
- 売上・経費・資金・所得控除に関するさまざまな書類が必要
- 書類は税務署への提出は不要だが、税務調査に備えた保管が必須
- 特に必要経費の領収書・請求書の管理が重要
青色申告・白色申告別の書類保存期間
確定申告の書類には法律で定められた保存期間があります。青色申告か白色申告かによって、保存期間が若干異なります。
まず、青色申告と白色申告の違いをざっくり説明します。青色申告は「アメとムチ」のような制度で、帳簿をしっかり作らなければならない代わりに、様々な税制上の特典が認められており節税しやすい申告方法です。一方、白色申告は帳簿がざっくりでよい代わりに、節税の特典がほとんどありません。
| 申告種別 | 書類の種類 | 保存期間 |
|---|---|---|
| 青色申告 | 帳簿類(仕訳帳・総勘定元帳など) | 7年 |
| 領収書・預金通帳・請求書など | 7年(請求書・見積書などは5年) | |
| 白色申告 | 収入・経費に関する法定帳簿 | 7年 |
| 棚卸表・領収書・請求書など | 5年 |
⚠️ 注意:インボイス登録事業者は7年保存が必須
消費税の課税事業者(2年前の課税売上が1,000万円超の方)やインボイス登録をしている事業者は、経費の領収書・請求書について青色・白色を問わず7年間の保存が義務付けられています。インボイス番号(「T」から始まる適格請求書番号)が記載されていない書類は消費税控除の要件を満たさないため、保存管理が以前より厳格になっています。
7年という期間は、小学校1年生が卒業して中学1年生になるほどの長さです。領収書を紙のまま保管し続けると、お店やオフィスのスペースがどんどん圧迫されます。これは実質的に無駄な家賃コストを払っているのと同じことです。また、領収書を紙に貼り付けて税理士に郵送するような作業も大変な手間がかかります。
📝 このセクションのまとめ
- 帳簿・領収書は基本的に7年間の保存が必要
- 白色申告の領収書・請求書等は5年間(法定帳簿は7年)
- インボイス登録事業者は青色・白色を問わず領収書等を7年間保存する義務がある
- 紙のまま保管し続けると保管スペースのコストが膨大になる
紙の領収書を捨ててOKにする方法:スキャナ保存とは
実は1998年から「電子帳簿保存法」という法律が存在しており、この法律に沿って対応することで、紙ではなくデータで書類を保管することが認められています。この電子帳簿保存法の中に「スキャナ保存」という制度があります。
スキャナ保存とは、紙の書類をスキャンしてデータ化し、一定の条件を満たした形で保存することで、紙の原本を廃棄してよいという制度です。以前は税務署への事前承認が必要でしたが、現在はその手続きも不要になりました。
スキャナ保存を行うための主な条件は以下のとおりです。
- スキャナの解像度(画質)要件を満たしていること
- 書類受領から約2ヶ月以内にデータ化すること
- 事務処理規程を備え付けること
📌 ポイント
スキャナ保存の条件を満たせば、スキャン後の紙の書類は廃棄してOKです。ファイリング作業が不要になり、保存スペースが不要になるため、コスト削減が実現します。書類をデータ化しておけば紙の紛失リスクもなくなります。
📝 このセクションのまとめ
- 電子帳簿保存法のスキャナ保存制度を使えば紙の原本を廃棄できる
- 税務署への事前承認は現在不要
- 画質要件・2ヶ月以内のデータ化・事務処理規程の備え付けが主な条件
- ファイリング不要・保管スペース不要でコスト削減が実現する
スキャナを活用した超時短術:入力作業もゼロにする方法
スキャナを活用するメリットは、紙を捨てられることだけではありません。クラウド会計ソフトが一般化した現在、スキャンした画像データを会計ソフトに取り込んで連携することで、入力作業もいらなくなるのです。
具体的な流れは以下のとおりです。
- スキャナで領収書・レシートをスキャンし、綺麗な画像データにする
- AI-OCR機能を搭載した会計ソフトに画像データを読み込ませる
- 会計ソフトが画像データをもとに自動仕訳してくれる
- 読み込んだレシートデータをCSV形式に変換して一覧表にする
- CSVを会計ソフトに一括取り込み・一括仕訳する
従来は領収書1枚ごとに1件ずつ仕訳を切らなければなりませんでした。日付・店舗名・金額を入力し、消費税の課税事業者であれば課税か非課税かも判断し、さらにインボイス番号の有無まで確認する必要があります。インボイス制度の導入により、確認・入力すべき項目が以前よりも増えているのが現状です。
一括取り込み機能を使えばこれらの作業がまとめて処理されるため、手書きの現金出納帳も不要になります。現金出納帳が必要であれば、会計ソフトから出力するだけで済みます。
📌 スキャナ活用のメリットまとめ
- 紙の書類を廃棄できる(スキャナ保存の条件を満たした場合)
- ファイリング作業が不要になる
- 保管スペースのコストが削減できる
- AI-OCRによる自動仕訳で入力作業がなくなる
- CSV一括取り込みで仕訳作業が劇的に効率化される
- 手書きの現金出納帳が不要になる
📝 このセクションのまとめ
- スキャン画像をAI-OCR搭載の会計ソフトに読み込ませるだけで自動仕訳が完了する
- CSV一括取り込みにより、領収書1枚ずつの入力作業が不要になる
- 手書きの現金出納帳も会計ソフトからの出力で代替できる
スキャンスナップIX1600の7つの強み
スキャナの中でも特に「スキャンスナップ」シリーズは多くの税理士事務所でも活用されています。特にスキャンスナップ IX1600が非常に便利です。スキャンスナップの主な強みは以下のとおりです。
| 強み | 詳細 |
|---|---|
| 法令対応 | 改正電子帳簿保存法のスキャナ画質要件に完全対応 |
| コンパクト・軽量 | サイズが小さく、デスクに置いても邪魔にならない |
| スキャン速度 | 他のスキャナと比べてもスピードが早い |
| 自動フォルダ保存 | 宛先を指定すれば自動でフォルダに保存される |
| 会計ソフト連携 | 弥生・マネーフォワード・freeeなど主要ソフトに対応 |
| ペーパーレス推進 | DX化・ペーパーレス化を強力にサポート |
| 補助金対応 | IT導入補助金が使える場合がある |
形の違う領収書を詰め込みすぎると紙詰まりが起きることがありますが、それでも他のスキャナよりスピードが早いという実感があります。
⚠️ 注意:いきなり紙を捨てないこと
スキャナ保存に慣れるまでの間は、紙のデータとデジタルデータの両方を保存しておくことをおすすめします。パソコンの故障やデータの消失リスクに備え、しばらくは並行して管理する方が安全です。
📝 このセクションのまとめ
- スキャンスナップIX1600は電子帳簿保存法の画質要件に完全対応
- 弥生・マネーフォワード・freeeなど主要会計ソフトと連携可能
- IT導入補助金が使える場合もあるため導入コストを抑えられる可能性がある
- 慣れるまでは紙とデータの両方を保存しておくのが安全
税理士事務所でもペーパーレス化が進んでいる
時代はDX化・ペーパーレス化に向かっています。税理士事務所でもペーパーレス化をどんどん進めており、お客様からいただく資料についても現在は紙ではなくデータでいただくことを基本としています。
ペーパーレス化を進めることで、以下のようなメリットが生まれます。
- 資料受領のタイミングが早くなり、タイムラグをなくせる
- 大阪でも東京でも同じデータで作業できる
- 拠点間での申告書のチェック依頼がスムーズになる
- 紙の紛失・劣化リスクがなくなる
スキャナを活用したペーパーレス化による資料整理の時短術は、個人事業主・フリーランスの方にとっても非常に有効な手段です。まずはスキャナと会計ソフトを組み合わせて、確定申告の準備作業を劇的に効率化してみてください。
📝 このセクションのまとめ
- ペーパーレス化により資料受領のタイムラグをなくせる
- 場所を問わず作業できるため業務効率が大幅に向上する
- スキャナ+クラウド会計ソフトの組み合わせが確定申告の時短に直結する
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!
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