社会保険料を安くする方法【会社員・個人事業主別】税理士が解説

社会保険料を安くする方法【会社員・個人事業主別】税理士が解説
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社会保険料は仕組みを知るだけで合法的に安くできます。

社会保険とは何か?仕組みをざっくり理解しよう

社会保険というのは、私たちが国・政府に保険料を支出することによって、社会保障を受けられる仕組みです。

社会保険と呼ばれるものの中には、次のようなものが含まれています。

  • 国民年金・厚生年金
  • 国民健康保険・健康保険
  • その他各種社会保険

これらの保険料を払うことで、私たちは社会保障を受けることができます。具体的には、老後に年金を受け取れたり、医者にかかったときの医療費が3割負担になったり(高齢者はさらに負担が少なかったり)します。そのために私たちは社会保険という仕組みの中で保険料を払っているのです。

📝 このセクションのまとめ

  • 社会保険=保険料を払って社会保障を受ける仕組み
  • 年金・医療費負担軽減などのメリットがある
  • 国民年金・厚生年金・国民健康保険・健康保険などが含まれる

働き方別・社会保険の種類と計算の基準

社会保険の仕組みは、働き方によって異なります。大きく「会社員・公務員」と「個人事業主・フリーランス」に分けて確認しましょう。

働き方加入する保険計算の基準
会社員・公務員厚生年金・健康保険給与総額
個人事業主・フリーランス国民年金・国民健康保険国民年金は一律、国民健康保険は所得金額

ここで重要なのが「計算の基準」です。社会保険料を安くするためには、この計算の基準をどう下げるかがカギになります。

個人事業主の「所得金額」とは何かというと、税金や社会保険の計算上で使われる法律用語のようなものです。具体的には次の計算式で求めます。

📌 所得金額の計算式(個人事業主)

所得金額 = 売上 ー 経費 ー 青色申告特別控除

青色申告特別控除とは、厳格な確定申告をした際にもらえる特典のようなものです。この所得金額を基準に国民健康保険料が計算されます。

📝 このセクションのまとめ

  • 会社員は「給与総額」が社会保険料の計算基準
  • 個人事業主の国民健康保険は「所得金額」が計算基準
  • 計算基準を下げることが社会保険料削減の基本

現実的ではない方法 vs 現実的な方法

社会保険料を安くしたいなら、単純に考えれば次のような方法が思い浮かびます。

  • 会社員→給料を下げる
  • 個人事業主→売上を下げる、または経費を増やして所得を減らす

しかし、これらはいずれも現実的ではありません。売上を減らすのは論外ですし、節税・社会保険料削減を「目的」として経費を増やすのも良くないことです。

⚠️ 注意

税金や社会保険料を減らすことを「目的」として出費を増やすのはNGです。何かをした結果として、結果的に社会保険料や税金が安くなるというのが理想的な考え方です。目的ありきの浪費は本末転倒になります。

では、現実的に社会保険料を安くするにはどうすればよいか。それを次のセクションから具体的に見ていきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 給料・売上を単純に下げるのは現実的ではない
  • 社会保険料削減を「目的」にした経費増加はNG
  • 「結果として安くなる」という構造を目指すことが重要

【会社員向け】4月・5月・6月の給与が重要な理由

会社員・公務員の方は厚生年金と健康保険に加入しており、給与を基準に社会保険料が計算されます。そしてさらに重要な基準があります。それが4月・5月・6月の3ヶ月間です。

📌 ポイント:標準報酬月額の決まり方

社会保険料は、4月・5月・6月に支払われた給与の総額をもとに計算されます。この3ヶ月の平均給与が「標準報酬月額」として決定され、その後1年間の社会保険料の基準になります。

ここで注意が必要なのは「支払われた金額」という点です。たとえば「末締め・翌月払い」の会社の場合、4月・5月・6月に支払われるのは3月・4月・5月に働いた分の給与です。つまり、3月・4月・5月の働き(残業など)を減らせば、4〜6月の支払い額が下がり、社会保険料が安くなります。

残業を減らす、あるいはこの時期に有給休暇を取るなどの対応が有効です。もちろん、職場の事情でできない方もいると思います。しかし、大転職時代の現在、環境や状況が変わったときに「そういえばこの時期に残業を減らせば社会保険料が安くなるな」と思い出せることが大切です。

📝 このセクションのまとめ

  • 4・5・6月に「支払われた」給与が社会保険料の基準になる
  • 末締め翌月払いの場合、3・4・5月の残業を減らすことが有効
  • すぐ使えなくても「選択肢」として覚えておくことが重要

【個人事業主向け①】適切な節税で社会保険料も下がる

個人事業主・フリーランスの国民健康保険料は所得金額を基準に計算されるため、適切な節税をすることで社会保険料も連動して安くなります。

ここで言う「適切な節税」とは、たとえば次のようなものです。

  • 来年使う予定の設備投資を今年前倒しで購入する
  • 来年使う機材・消耗品を年内に購入する
  • もともと使うものを前倒しで購入することで今年の所得を減らす

これらは「元々使うものを前倒しで買う」という行為であり、浪費ではありません。その結果として今年の所得が減り、所得をベースに計算される国民健康保険料も安くなる、という構造です。

📌 ポイント

個人事業主の場合、適切な節税 = 社会保険料の削減に直結します。所得税を減らすための正当な節税行為が、そのまま国民健康保険料の削減にもつながるのです。

📝 このセクションのまとめ

  • 国民健康保険料は所得金額が基準なので、節税が直接保険料削減につながる
  • 前倒し購入など「元々使うものを買う」のは適切な節税
  • 節税を目的にした不要な出費はNG

【個人事業主向け②】国民健康保険組合という選択肢

個人事業主・フリーランスは基本的に国民健康保険に加入しますが、実は国民健康保険組合(国保組合)に加入するという選択肢もあります。受けられる社会保障のベースは同じなので、安心して活用できます。

国保組合にはさまざまな種類があります。代表的なものを挙げると次のとおりです。

  • 文芸美術国民健康保険組合(通称:文美国保)
  • 東京芸能人国民健康保険組合
  • その他、職種・業種に応じた多数の国保組合

国保組合を使うことでどれくらい安くなるかはケースバイケースなので、シミュレーションが必要です。たとえば「国民健康保険 vs 文美国保」のシミュレーション例を見てみましょう。

条件国民健康保険文芸美術国保(文美国保)
東京都中央区・所得260万円・35歳・単身(比較基準)年間約4万円安くなる試算

ただし、文美国保には注意点もあります。

⚠️ 注意:文美国保の特性

文美国保は世帯の人数が増えるほど保険料が上がる仕組みになっています。そのため、単身(独身)の方が保険料の削減効果を得やすい傾向があります。目安として、所得が227万円を超える単身の方は検討する価値があります。

文美国保はクリエイター・デザイナー・漫画家などの方が利用する健康保険組合ですが、個人事業主としての業種によってさまざまな国保組合があります。自分の業種に合った国保組合を探してシミュレーションしてみると、保険料が大きく安くなる可能性があります。

📝 このセクションのまとめ

  • 個人事業主は国民健康保険組合(国保組合)への加入という選択肢がある
  • 文美国保などを活用すると年間数万円の削減になるケースも
  • 世帯人数が多いと保険料が上がる組合もあるため、必ずシミュレーションを

最大の効果:副業収入には社会保険料がかからない

ここからが最も重要なポイントです。社会保険の仕組み上、給与に対して社会保険料を払っている人は、それ以外の収入(給与以外)には社会保険料がかかりません。

最もわかりやすい例が「副業」です。給与収入がある人が、副業で事業収入を得ている場合、その事業収入には社会保険料がかかりません。ただし、副業の収入も「給与」の場合は両方にかかってしまうため注意が必要です。

📌 ポイント:副業と社会保険料の関係

  • 給与収入+副業(給与以外の事業収入)→ 給与部分のみ社会保険料がかかる
  • 給与収入+副業(給与)→ 両方に社会保険料がかかる
  • 副業収入が「給与以外」であれば社会保険料は0円

これは合法的に認められている仕組みです。現状ではこのルールが有効であり、副業が当たり前になった現代の働き方にもマッチしています。副業をすることで収入が増え、リスクが分散され、しかも社会保険料まで安くなるという、非常に大きなメリットがあります。

では、具体的にどれくらい差が出るのか見てみましょう。

パターン給与収入副業収入年収合計社会保険料
給与のみ600万円0円600万円高い
給与+副業300万円300万円600万円年間40万円以上安くなることも

同じ年収600万円でも、給与と副業の組み合わせ方によって社会保険料が30〜40万円変わってくることがあります。1つの会社でゴリゴリに残業して給与を得るよりも、残業を抑えて空いた時間で副業収入を増やす方が、手取りが大きく変わってくるのです。

📝 このセクションのまとめ

  • 給与で社会保険料を払っていれば、それ以外の収入には社会保険料がかからない
  • 副業収入(給与以外)は社会保険料0円
  • 同じ年収600万円でも、給与のみと給与+副業では年40万円以上の差が出ることも

さらに極端なケース:給与100万円+事業収入900万円

もっと極端なケースも紹介します。これは特殊な事例ですが、仕組みを理解するうえで参考になります。

フリーランス・個人事業主として売上がたくさんあり、さらに一部の取引先(仲の良い会社など)から定期的に発注を受けているため、その部分を「給与」として支払ってもらい、社会保険もその会社で加入するというケースです。

収入の内訳金額社会保険料
給与収入100万円この部分のみかかる
事業収入(その他)900万円0円
年収合計1,000万円給与100万円分のみで完結

本来であれば1,000万円の事業収入に対してかかるはずの社会保険料が、給与100万円部分にしかかかりません。これは現時点では法律で許されており、何も悪いことはしていません。

さきほどの副業の例で年間40万円の差があると説明しましたが、このケースでは下手をすると100万円近く手取りが変わってくる可能性があります。なかなかここまでの状況に至るのは難しいと思いますが、「こういう仕組みがある」ということは知識として持っておきましょう。

⚠️ 注意

社会保険料を過度に安くする抜け穴については、将来的に法律が改正されて塞がれる可能性があります。現状では合法ですが、制度変更には常に注意が必要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 給与100万円+事業収入900万円の場合、社会保険料は給与100万円分のみ
  • 年収1,000万円でも社会保険料を大幅に抑えられるケースがある
  • 現状は合法だが、法改正により変わる可能性もある

まとめ:社会保険料を安くするための「選択肢」を持とう

今回学んだ内容を整理しましょう。社会保険料を安くするためのポイントは次のとおりです。

対象方法ポイント
会社員4〜6月の支払い給与を下げる残業を減らす・有給取得などで対応
個人事業主①適切な節税で所得を下げる前倒し購入など「結果として下がる」節税
個人事業主②国民健康保険組合に加入する業種に合った国保組合を探してシミュレーション
会社員+副業副業収入(給与以外)を活用する同じ年収でも年40万円以上の差が出ることも
フリーランス+給与一部を給与として受け取る給与部分のみ社会保険料がかかる(特殊ケース)

すぐに使えない知識もあるかもしれませんが、選択肢として持っておくことが大切です。お金についての選択肢をたくさん持っているということは、それすなわち知識があってお金に強い人であるということです。

📌 最後のポイント

「これを使え」ということではなく、選択肢・武器として持っておくことがお金に強い人・弱い人の差につながります。環境や状況が変わるたびに「あの知識が使えないか?」と思い出せることが重要です。

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 大河内薫のマネリテ学園 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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