給付付き税額控除とは?仕組みと得する人・損する人を税理士が解説

給付付き税額控除とは?仕組みと得する人・損する人を税理士が解説
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税金を多く払う人ほど損をするかもしれない「給付付き税額控除」。その仕組みと誰が得して誰が損するのかを徹底解説します。

給付付き税額控除とは何か?導入の背景

「税金を真面目にたくさん払っている人ほど損をするかもしれない」——そんなやばい制度が今、本気で導入されそうになっています。それが給付付き税額控除です。

新内閣が誕生し、維新との連立を組んだことで、この給付付き税額控除が一気に現実味を帯びてきました。ニュースで耳にした方も多いかと思いますが、「新しい給付金なの?」「去年の定額減税と何が違うの?」「自分は得するの?損するの?」と疑問だらけの方も多いのではないでしょうか。

今回はこの給付付き税額控除について、その概要・誰が得して誰が損するのか・制度自体のデメリットについて、まるっと解説していきます。

📌 ポイント

給付付き税額控除は「税金の徴収」と「低所得者への給付金」という2つの仕組みがドッキングした制度です。国税庁が行う税金徴収の仕組みと、役所が行う給付金支給の仕組みが一体化するイメージで、日本の税制が根本的なところから変わる大改革と言えます。

📝 このセクションのまとめ

  • 給付付き税額控除は新内閣・維新との連立を機に一気に現実味が増した
  • 「税金の徴収」と「給付金の支給」を一体化させた制度
  • 日本の税制を根本から変える大改革になる可能性がある

従来の税額控除との違いを図解で理解する

給付付き税額控除を理解するために、まず従来の税額控除がどういうものかを確認しましょう。税額控除の代表例は住宅ローン控除です。これは「それぞれの税額から税金を引くだけ」のものです。

仮に税額控除額が4万円だとして、4人の登場人物で比較してみます。

所得層納税額従来の税額控除(4万円)の効果
住民税非課税世帯0円メリットなし(そもそも税金を払っていないため)
低所得者2万円税負担が0円になる(2万円の控除のみ、残り2万円は切り捨て)
中所得者5万円税負担が1万円になる(5万円-4万円)
高所得者多額税負担が4万円だけ減る

このように従来の税額控除では、住民税非課税世帯には何らメリットがありませんでした。中所得者や高所得者はメリットが大きい一方で、最も生活が苦しい層が恩恵を受けられないという問題があったわけです。

📝 このセクションのまとめ

  • 従来の税額控除は「税額から税金を引くだけ」の仕組み
  • 住民税非課税世帯(税金を払っていない人)には一切メリットがなかった
  • 中所得者・高所得者ほど恩恵が大きい制度だった

給付付き税額控除になるとどう変わる?所得層別シミュレーション

では、この制度が「給付付き税額控除」になるとどう変わるのでしょうか。同じく4万円の枠で1人ずつ見ていきましょう。

所得層納税額給付付き税額控除(4万円)の効果
住民税非課税世帯0円4万円を現金給付(引き切れなかった4万円全額が現金で支給)
低所得者2万円税額控除2万円+残り2万円を現金給付
中所得者5万円税額控除4万円で税負担1万円(給付なし)
高所得者多額税額控除4万円で税負担が4万円減(給付なし)

つまり、税額控除の枠を使い切れなかった分(引き切れなかった差額)が現金で給付されるというのが給付付き税額控除の核心です。

📌 ポイント:定額減税との違い

昨年の定額減税と「結局一緒じゃないか」と思われるかもしれませんが、実は似て非なるものです。

  • 定額減税:1回限りの一時的な特例措置(臨時的)
  • 給付付き税額控除:恒久的・普遍的な制度として導入するもの(イギリスなど諸外国でも導入済み)

また、定額減税はもともと「税金を安くするだけの税額控除」だったため、税金が少ない人に恩恵がなく、後から「調整給付」「不足額給付」が付け足しで追加されるという経緯がありました。給付付き税額控除はこれを最初から一体化した制度です。

📝 このセクションのまとめ

  • 税額控除で引き切れなかった差額が現金で給付されるのが最大の特徴
  • 住民税非課税世帯・低所得者が初めて制度の恩恵を受けられる
  • 定額減税は一時的措置、給付付き税額控除は恒久的な制度として設計される

誰が得して誰が損するのか?

給付付き税額控除の損得について、整理してみましょう。

得をする可能性が高い人は以下の通りです。

  • 住民税非課税世帯・低所得者:税金をほとんど納めていないため、これまで様々な減税制度の恩恵を受けにくかった方々。給付という形でお金が直接届くようになる可能性がある
  • 子育て世帯:子育てには生活コストがかかる。昨年の定額減税でも1人当たり4万円と、家族が多いほどメリットが大きかった。給付付き税額控除でも、不要控除や特定親族特別控除よりも直接的な支援になる可能性が高い

一方、損をする可能性が高い人は次の通りです。

  • 高所得者:高所得者の場合、4万円という控除枠を税額控除だけで使い切ってしまうため、給付まで回ることはほとんどない。金銭面だけで言えば明らかに損する可能性が高い

給付の財源はもちろん皆さんが払っている税金です。つまり給付付き税額控除は所得の再分配機能が非常に強い制度です。高所得者が払った税金が低所得者に給付という形で移っていくため、相対的に見れば高所得者の負担が増えることになります。

📌 ポイント:不公平感について

コロナ禍の一律10万円給付のように、公平に配られる制度と異なり、給付付き税額控除では「自分は税金だけ取られて、もらえるものは一切ないのか」という不公平感を感じる高所得者が一部出てくる可能性があります。ただし、国家全体として見れば所得の再分配機能が働いており、社会全体のメリットは大きいとも言えます。

📝 このセクションのまとめ

  • 得をするのは住民税非課税世帯・低所得者・子育て世帯
  • 損をする(メリットを受けにくい)のは高所得者
  • 所得の再分配機能が非常に強い制度であり、財源は税金

制度のデメリット①:事務手続きが膨大になる恐れ

給付付き税額控除には様々なデメリットもあります。まず1つ目は事務手続きが大変になる可能性が高いという点です。「誰がどのように計算するのか」という問題です。

昨年の定額減税を思い出してください。会社の経理担当者や税理士・会計事務所で働く人たちにとって、あの制度の事務手続きは非常に大変でした。所得税で3万円の控除が1か月で引き切れない方が多数おり、引き切れなかった分を翌月に繰り越して差額計算をして、またさらに繰り越して……という作業を延々と繰り返す必要がありました。

ちなみに約20年前にも定率減税という制度がありましたが、あちらは一律で毎月の税額を安くしていく制度だったため、事務的な負担はほとんどありませんでした。しかし今回の定額減税、そしてこの給付付き税額控除は、何らかのシステム構築などをしなければ非常に大変になる恐れがあります。

⚠️ 注意

減税・給付の恩恵以上に、世の中全体の手間やロスコストが膨大になる可能性があります。制度の恩恵よりも事務コストが上回るという本末転倒な事態にならないよう、システム整備が不可欠です。

📝 このセクションのまとめ

  • 昨年の定額減税でも事務手続きは非常に煩雑だった
  • 給付付き税額控除も同様に膨大な事務負担が生じる恐れがある
  • 減税・給付の恩恵を上回るコストが発生する可能性もある

制度のデメリット②:新たな年収の壁が生まれる可能性

デメリットの2つ目は、新たな年収の壁が創設される可能性です。これが非常に大きな問題です。

現在、106万円の壁の撤廃や160万円の壁の誕生など、様々な「壁」の話が出ています。この給付付き税額控除によって、さらに新しい壁が生まれる可能性があります。

たとえば、

  • 年収100万円までの人に10万円給付
  • 年収200万円までの人に5万円給付

といった一定のラインが設けられるはずです。そうなると、そのラインを超えないように労働時間を減らして稼ぎを減らそうという動きが出てくる可能性があります。

現在、様々な業界で人手不足問題が深刻化しています。民間企業、特に中小企業は何としてでも人手を確保したいというニーズがあります。給付付き税額控除による「働き控え」の問題は、そのニーズと逆行してしまう恐れがあるのです。この働き控えの問題をどう解消するかがポイントになってくるでしょう。

⚠️ 注意

給付付き税額控除の所得ラインが設定されると、そのラインを超えないように意図的に収入を抑える「働き控え」が発生する可能性があります。人手不足が深刻な中小企業にとっては大きな痛手となり得ます。

📝 このセクションのまとめ

  • 給付の所得ラインが設定されることで新たな「年収の壁」が生まれる可能性がある
  • 壁を超えないよう働き控えが発生し、人手不足問題をさらに深刻化させる恐れがある
  • 働き控えの問題をいかに解消するかが制度設計の重要課題

制度実現のための課題:公平な設計・システム連携・海外事例

給付付き税額控除を実現するためには、様々なハードルがあります。主な課題を整理します。

①公平な制度設計をどうするか

たとえばイギリスでは給付付き税額控除が毎月給付されます。年1回ではなく毎月給付されるため、低所得者の生活支援として非常に助かる仕組みです。ただし、条件があります。

  • 求職活動をしていること
  • リスキリング(学び直し)活動をしていること

このため「勤労税額控除」「就労税額控除」という呼び名があるほどです。求職活動をしていない人は対象外ですし、イギリスでは年金受給者もこの制度の対象となっていません。身体的な障害や病気で働けない方もいる中で、公平性をどう担保するかが非常に重要になります。

②個人別か世帯単位かの判断

給付を個人別に行うのか、それとも世帯単位で捉えるのか、この点もまだ決まっていません。

③所得把握とシステム連携

膨大な手間が世の中で発生する恐れがあるため、所得の把握とシステム連携をどう進めるかが課題です。マイナンバーを活用すれば所得の把握は容易になりますが、マイナンバーカードの普及率はまだ約8割にとどまっています。せっかく作った仕組みをうまく活用して、世の中全体の手間や労働コストをできるだけ最小限に抑えることが求められます。

課題具体的な問題点
公平な制度設計求職活動・リスキリングの条件設定、障害者・年金受給者の扱い
給付単位の決定個人別か世帯単位かが未決定
所得把握・システム連携マイナンバーカード普及率が約8割にとどまる
事務コスト経理・税務現場への膨大な負担増加
働き控え対策新たな年収の壁による労働意欲低下の防止

📝 このセクションのまとめ

  • イギリスでは毎月給付・就労要件ありの形で導入されている
  • 個人別か世帯単位かなど、制度設計の詳細はまだ未決定
  • マイナンバーの活用による所得把握とシステム連携が普及のカギ

まとめ:給付付き税額控除のメリット・デメリット総整理

給付付き税額控除はまだ具体的な内容は何も決まっていませんが、新内閣の誕生によって一気に進む可能性があります。制度の詳細(いつから始まるのか、所得制限はどうなるのか)については今後の議論を注視する必要があります。

最後に、今回の内容をまとめます。

項目内容
制度の概要減税(税額控除)と給付が一体化した制度
メリット①住民税非課税世帯・低所得者が給付という形で恩恵を受けられる
メリット②子育て世帯への直接的な支援になる可能性がある
デメリット①(高所得者)金銭面では何もメリットを受けられない可能性が高い
デメリット②(制度)事務手続きの手間が膨大になる恐れがある
デメリット③(制度)新たな年収の壁が創設され、働き控えが発生する可能性がある

📌 ポイント

制度設計やシステム連携など様々なハードルはあるものの、国家全体としては所得の再分配機能が強化される良い仕組みです。今後の具体的な議論の動向をしっかりとチェックしていきましょう。

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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