令和7年確定申告の基礎控除大改正を税理士が解説|扶養ラインも大幅引き上げ

令和7年確定申告の基礎控除大改正を税理士が解説|扶養ラインも大幅引き上げ
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令和7年分確定申告は基礎控除が大改正。扶養ラインや新制度の要点を完全解説。

令和7年確定申告の変更点:まず5つの改正ポイントを押さえよう

今年の所得税の確定申告期限は3月16日、消費税は3月31日となりました。3月15日が日曜日にあたるため、1日期限がずれています。

令和7年分の確定申告書は、ぱっと見では何も変わっていないように見えますが、金額的にはかなりインパクトのある項目があります。大きく分けて以下の5つが主な変更点です。

  • 基礎控除の大改正(最大95万円に引き上げ)
  • 給与所得控除の最低ラインが引き上げ(55万→65万円)
  • 年収103万の壁が160万に拡大
  • 扶養に入れるラインの引き上げ(103万→123万円)
  • 特定親族特別控除の新制度創設

なお、2024年のみの制度だった定額減税は今年からなくなります。その点は特段の解説は不要ですが、上記①〜⑤については詳しく見ていきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 確定申告期限は所得税が3月16日、消費税が3月31日
  • 令和7年分は基礎控除・給与所得控除・扶養ラインが大きく変わる
  • 定額減税は2024年のみの制度で令和7年分からは廃止

年収160万の壁とは?給与所得控除と基礎控除の改正内容

従来は「年収103万の壁」として知られていたラインが、令和7年分から160万円に拡大されました。この160万円が何を意味するかというと、所得税がかからないラインです。

この160万という数字は、以下の2つの控除を合算したものです。

控除の種類改正前(令和6年以前)改正後(令和7年分)
給与所得控除(最低額)55万円65万円
基礎控除(最大額)48万円95万円
合計(所得税非課税ライン)103万円160万円

給与所得控除の最低ラインが55万円から65万円に引き上げになりました。ただし、これは給与収入190万円以下の人だけが増額の対象となります。

基礎控除については、最大95万円へと大幅に引き上げになりましたが、条件付きです。所得の大きさによって5段階以上に分かれており、全員が95万円を受けられるわけではありません。

📌 ポイント

年収160万の壁とは「給与所得控除65万円+基礎控除95万円=160万円」の合計ライン。この160万円以下であれば所得税がかかりません。ただし、住民税の基礎控除は43万円のまま変わっていないため、税負担全体で見ると効果は限定的です。

📝 このセクションのまとめ

  • 年収103万の壁が160万に拡大(所得税の非課税ライン)
  • 給与所得控除の最低額が55万→65万円(給与収入190万以下が対象)
  • 住民税の基礎控除は43万円のままで変わらない

基礎控除の5段階制:自分の所得でいくらになるか確認しよう

令和7年分の確定申告では、基礎控除が所得の大きさに応じて5段階以上に分かれます。改正前は原則48万円(所得2,350万円超の高額所得者は段階的に減少して最終的に0円)でしたが、令和7年分からは以下のようになります。

合計所得金額給与収入換算(目安)基礎控除額
132万円以下200万3,999円以下95万円
132万円超〜(次段階)88万円
(中間段階)68万円
(中間段階)63万円
655万円超〜2,350万円以下58万円
非居住者(海外在住者等)58万円(一律)

⚠️ 注意

基礎控除の金額は所得に応じて変わります。何も考えずに昨年と同様に48万円と記載してしまうと、控除額が小さくなり、せっかくの減税チャンスを失うことになります。必ず自分の合計所得金額を確認して正しい金額を記載してください。

申告書への記載方法は、申告書の25番の欄に基礎控除額を記入します。記入する金額は、申告書の「合計所得金額」(所得の合計を記載する欄)の数字を確認し、上記の表に当てはめて判定します。

たとえば合計所得金額が817万400円の場合、「655万円超〜2,350万円以下」のランクに該当するため、基礎控除額は58万円となります。この58万円を申告書の25番の欄に記載します。

📌 ポイント

会計ソフトやタックスソフトを最新版にアップデートして使用していれば、合計所得金額をもとに基礎控除額を自動判定してくれます。手書きや古いソフトを使う場合は、必ず自分で確認しましょう。

また、非居住者(海外に住所がある方など)については、所得金額にかかわらず一律58万円の基礎控除となりますのでご注意ください。

なお、令和8年以降はこの基礎控除がさらに変わり、最大104万円となる予定です。今回の確定申告とは直接関係ありませんが、今後の税制改正として覚えておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 基礎控除は所得に応じて5段階以上に分かれ、最大95万円
  • 申告書25番の欄に自分の所得に対応した金額を記載する
  • 非居住者は所得にかかわらず一律58万円
  • 令和8年以降はさらに改正され最大104万円になる予定

扶養に入れるラインが103万から123万・160万へ大幅引き上げ

所得税・住民税には、子どもや親御さんを扶養に入れることで税負担が軽くなる「扶養控除」と、配偶者を対象とした「配偶者控除」があります。それぞれ扶養親族の種類・年齢に応じて控除額が異なります。

扶養親族の区分控除額
16歳以上19歳未満38万円
19歳以上23歳未満(特定扶養)63万円
23歳以上70歳未満38万円
老人扶養(70歳以上)48万円(同居の場合+10万円)
配偶者控除(基本)38万円

扶養控除を受けるためには「同一生計であること」「扶養親族の所得が一定ライン以下であること」などの要件があります。その「扶養に入れるライン」が今回大きく変わりました。

対象改正前(令和6年以前)改正後(令和7年分)
一般の扶養親族(給与収入ベース)103万円123万円
配偶者(配偶者控除)103万円123万円(控除額38万円)
配偶者(配偶者特別控除)150万円まで160万円まで(控除額38万〜1万円)

📌 ポイント

扶養に入れるかどうかのラインは、103万円ではなく123万円(または配偶者は160万円)を基準に判断するようになりました。配偶者の年収が160万円を超えていても、約201万円までは配偶者特別控除(金額は減少)が受けられます。

なお、ここで言う「扶養」は税金上の扶養(扶養する側の所得税・住民税が安くなる)であり、社会保険の扶養(扶養される側が社会保険料を払わずに済む)とは意味が異なります。混同しないよう注意しましょう。

⚠️ 注意

配偶者控除・扶養控除には、扶養する側にも所得制限があります。扶養される側の年収だけでなく、扶養する側の所得も確認が必要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 一般の扶養ラインが給与収入ベースで103万→123万円に引き上げ
  • 配偶者控除の対象は123万円以下、配偶者特別控除は約201万円まで
  • 税金上の扶養と社会保険の扶養は別物なので混同しないこと

特定親族特別控除とは?大学生世代のアルバイト収入に朗報

19歳以上22歳未満のお子さんは、大学や専門学校など学費が最もかかる時期です。そのため、この年齢層の扶養控除は63万円と一般より高く設定されています。

ところが、お子さんのアルバイト収入が103万円を超えてしまうと、この63万円の控除が消滅してしまうという問題がありました。国としては生産年齢人口の労働力を少しでも確保したいという背景から、このラインを引き上げて緩和しようという動きが出てきました。

そこで令和7年分の確定申告から、特定親族特別控除という新制度が創設されました。

📌 特定親族特別控除の対象要件

  • 扶養する側と同一生計であること
  • 対象のお子さんが19歳以上22歳未満であること
  • お子さんの給与収入が150万円超〜188万円以下であること
  • 扶養する側の所得制限はなし

お子さんの年収が150万円以下であれば、従来通り63万円の扶養控除が受けられます。150万円を超えた場合でも、188万円以下であれば特定親族特別控除として一定の控除が受けられます。

お子さんの給与収入(年収)親側で受けられる控除額
123万円以下63万円(扶養控除)
123万円超〜150万円以下63万円(扶養控除)
150万円超〜(段階的に減少)61万円〜(特定親族特別控除)
180万円超〜185万円以下(例)6万円(特定親族特別控除)
〜188万円以下3万円(特定親族特別控除・最低額)
188万円超控除なし

⚠️ 注意:個人事業主・フリーランスのお子さんは対象外

個人事業主(フリーランス)の方がお子さんに仕事の手伝いをしてもらっている場合、特定親族特別控除の対象外となります。その場合は、特定親族特別控除青色事業専従者給与による経費計上のどちらが税負担的に有利かを比較・検討することをおすすめします。

また、社会保険においても足並みを揃える形で改正が行われました。令和7年10月1日以降に扶養認定を受ける19歳以上23歳未満のお子さん(配偶者除く)については、従来の年間収入130万円未満という基準が150万円未満に引き上げられます。

📝 このセクションのまとめ

  • 19〜22歳のお子さんを対象に「特定親族特別控除」が令和7年分から新設
  • 年収150万円以下なら従来通り63万円の控除、188万円まで段階的に控除あり
  • 扶養する側の所得制限はなし
  • 個人事業主がお子さんに仕事を手伝わせている場合は対象外
  • 社会保険の扶養年収基準も130万→150万円未満に引き上げ(19〜23歳未満対象)

特定親族特別控除の申告書への記載方法

特定親族特別控除を申告書に記載する際は、2段階の作業が必要です。

  1. 確定申告書 第二表の「配偶者・親族に関する事項」欄に、対象のお子さんの情報(マイナンバー・生年月日など)と特定親族特別控除額を記入する
  2. 確定申告書 第一表24番の欄に控除額(人数)を記入し、控除金額を記載する

たとえばお子さんの年収が180万円超185万円以下の場合、特定親族特別控除額は6万円となります。この6万円を第二表の該当欄と第一表の24番に記載します。

⚠️ 注意:控除額の計算は自分で行う必要あり

申告書には特定親族特別控除額を自動算定するような別表や計算表が添付されていません。お子さんの年収に応じた控除額を自分で計算して記入する必要があります。控除額の早見表を確認しながら正確に記載しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 第二表の「配偶者・親族に関する事項」欄にお子さんの情報と控除額を記入
  • 第一表の24番の欄に人数と控除額を記入
  • 控除額の計算は自動計算表がないため自分で行う必要がある

令和7年分の扶養・配偶者控除の全体像を一覧で整理

今回の改正で複雑になった扶養・配偶者控除について、わかりやすく一覧表で整理します。

対象給与収入ライン控除の種類・金額扶養する側の所得制限社会保険の扶養基準
配偶者123万円以下配偶者控除 38万円あり106万・130万円(従来通り)
配偶者123万円超〜約201万円以下配偶者特別控除 38万〜1万円あり
19〜22歳のお子さん123万円以下扶養控除 63万円なし150万円未満(改正後)
19〜22歳のお子さん123万円超〜188万円以下特定親族特別控除 63万〜3万円なし150万円未満(改正後)
一般の扶養親族(16〜18歳等)123万円以下扶養控除 38万円あり130万円未満(従来通り)

📌 ポイント

大学生世代(19〜22歳)のお子さんのアルバイト収入が103万円を超えているからといって諦めないでください。令和7年分からは123万円まで扶養控除(63万円)が受けられ、さらに188万円まで特定親族特別控除が受けられます。

📝 このセクションのまとめ

  • 配偶者控除は123万円以下、配偶者特別控除は約201万円まで段階的に受けられる
  • 19〜22歳のお子さんは123万円まで扶養控除63万円、188万円まで特定親族特別控除
  • 19〜22歳のお子さんの社会保険扶養基準も130万→150万円未満に引き上げ
  • 今回の改正は基本的に減税方向の内容なので、書き漏れのないよう注意

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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