住民税が去年より増えた理由2つと通知書チェック方法を税理士が解説

住民税が去年より増えた理由2つと通知書チェック方法を税理士が解説
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住民税通知書が届いて「去年より増えた」と感じたら、増額の理由と計算ミスを自分でチェックしよう。

住民税の基本をおさらい

住民税は、都道府県民税市町村民税に分かれており、両者を合算して「住民税」と呼んでいます。住民税の内訳は大きく2種類に分かれます。

種類内容
所得割稼ぎ(所得)に応じてかかる税金
均等割自治体に住所を構えるだけでかかる定額の税金(約4,000〜5,000円)

住民税は賦課課税といって、自治体が税額を計算して一方的に通知してくる仕組みです。会社員の方は年末調整の結果が住民税に連動し、確定申告をしている自営業・フリーランスの方は所得税の申告書の情報が自治体に共有されて自動的に計算されます。

📌 ポイント

住民税は自分で計算して納めるのではなく、自治体が計算した金額が通知されてくる「賦課課税」です。だからこそ、自治体側のミスが起こりえます。

📝 このセクションのまとめ

  • 住民税=都道府県民税+市町村民税
  • 所得割(稼ぎに応じた税)+均等割(定額の税)の2種類
  • 自治体が計算して通知する「賦課課税」なので、ミスが起こりうる

住民税の納め方:特別徴収と普通徴収の違い

住民税の納め方は、会社員か個人事業主かによって異なります。

区分通知書の届き先納付方法分割回数
個人事業主・フリーランス個人の自宅自分で納付(普通徴収)年4回(1回あたりの金額が大きい)
会社員勤務先の会社給与から天引き(特別徴収)6月〜翌年5月の12回
会社員(副業あり)本業分は会社、副業分は自宅副業分のみ普通徴収を選択可副業分は年4回

📌 副業バレを防ぐポイント

会社員で副業をしている方は、確定申告の際に副業分の所得だけ普通徴収を選択することができます。これにより、副業分の住民税は自宅に通知書が届くため、会社への副業バレを防ぐことが可能です。

📝 このセクションのまとめ

  • 会社員は給与天引き(特別徴収)で年12回払い
  • 個人事業主は自分で納付(普通徴収)で年4回払い
  • 副業がある会社員は、副業分のみ普通徴収を選べる

住民税通知書の見方:ここをチェックする

住民税の通知書には、主に3つの重要な確認ポイントがあります。

  • 左上:合計所得金額 給与であれば給与所得控除後の金額、個人事業主であれば売上から経費を引いた所得が反映される
  • 中央:所得控除 医療費控除・配偶者控除など、個人の生活事情を考慮した控除の合計(社会保険料控除・生命保険料控除なども内訳に記載)
  • 左下:課税標準額(課税所得) 所得から所得控除を引いた金額。この金額に税率をかけて税額を計算する

住民税の税率は、所得税のように所得が増えるほど税率が上がる超過累進税率とは異なり、都道府県民税と市町村民税を合わせて一律10%というルールになっています。大阪府を例にすると、市民税(市町村民税)が6%、府民税(都道府県民税)が4%です。

具体的な計算例(課税所得413万2,000円の場合)を見てみましょう。

項目市民税(6%)府民税(4%)
課税所得×税率247,920円165,280円
調整控除(端数処理)▲42,974円▲28,649円
均等割3,000円1,300円
合計(所得割+均等割)206,400円136,900円

通知書の右上に「税額控除」として42,974円(市民税)と28,649円(府民税)が記載されており、「寄付」と書かれているこの金額の大部分はふるさと納税の控除額です。

📌 確認のポイント

  • 会社員・会社経営者で確定申告をしていない方:源泉徴収票の数字と大きな差がないか確認
  • 確定申告をしている方:確定申告書の数字と照合する

📝 このセクションのまとめ

  • 住民税の税率は一律10%(市町村6%+都道府県4%)
  • 通知書の「合計所得金額」「所得控除」「課税標準額」の3点を確認
  • 通知書の「税額控除(寄付)」欄がふるさと納税の控除額

住民税が去年より増えた2つの理由

住民税通知書を見て「去年より増えた」と感じる場合、その理由は大きく2つあります。

📌 住民税が増えた2大理由

  1. 所得が上がっている、または控除が減っている
    個人事業主であれば売上増加、会社員であれば給与・年収の増加。あるいはお子さんが独立して扶養控除が減ったなど、課税所得が増えたケース。さらに、昨年(2023年分)は住民税でも定額減税(1人1万円)がありましたが、今年はそれがなくなったため、その分も上乗せになっています。
  2. 自治体での計算ミス
    特にふるさと納税の控除反映漏れが非常に多く報告されています。自治体が誤った計算をしているケースが実際にあるため、自分でチェックすることが重要です。

⚠️ 注意

住民税は自治体が計算して通知してくるものですが、自治体側が計算ミスをしているケースは実際に存在します。通知書が届いたら「自治体が計算したから正しい」と思わず、必ず自分でチェックする習慣をつけましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 所得増加・扶養控除減少・定額減税終了が増額の主な理由
  • 自治体の計算ミス(特にふるさと納税の反映漏れ)も実際に多い
  • 通知書が届いたら必ず自己チェックを行う

ふるさと納税の控除額チェック方法(確定申告なし・ワンストップ特例の場合)

ふるさと納税を活用している方は、住民税通知書でその控除額が正しく反映されているかを確認することが非常に重要です。まずは確定申告をしていない方(ワンストップ特例を利用した方)のチェック方法を解説します。

ワンストップ特例とは、寄付先が5箇所以内であれば、あらかじめ申請書を提出することで確定申告をしなくてもふるさと納税が住民税に反映される制度です。ワンストップ特例を適用した場合は、住民税のみから控除されます(所得税からは控除されません)。

チェック手順はシンプルです。

  1. 通知書の市民税の税額控除額と府民税の税額控除額を合計する(例:42,974円+28,649円=71,623円
  2. その合計額に2,000円を加算する(例:71,623円+2,000円≒73,000円
  3. この金額が昨年実際にふるさと納税した合計金額と一致するか確認する

📌 控除されていない場合の注意点

「ふるさと納税をしたのに控除されていない」という場合、ふるさと納税の限度額を超えてしまっている可能性があります。ふるさと納税の限度額は、皆さんの課税所得や住民税の額によって異なります。限度額を超えた分は控除されないため、ふるさと納税はご自身の限度額の範囲内で計画的に行いましょう。

⚠️ 注意

ふるさと納税の限度額を超えて寄付しても、超過分は控除されません。寄付した金額の全額が控除されると思っていると、実際の控除額とのズレが生じます。必ず事前に自分の限度額を確認してから寄付しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • ワンストップ特例ではふるさと納税は住民税のみから控除される
  • 通知書の税額控除合計+2,000円=ふるさと納税した金額かどうかを確認
  • 一致しない場合は限度額超過か自治体の計算ミスを疑う

ふるさと納税の控除額チェック方法(確定申告をしている場合)

確定申告をしている方の場合は、ふるさと納税の控除が所得税と住民税の両方からダブルで控除されます。ただし、控除が多めになるわけではなく、ふるさと納税した金額から2,000円を引いた分が合計として控除されるという点は同じです。

確定申告をしている方のチェック方法は少し複雑です。確定申告書の「寄付金控除」欄に、寄付した金額から2,000円を引いた金額が反映されています。

所得税からの控除額を計算するには、課税所得に適用される最も高い税率を使います。所得税は超過累進課税(税率5%〜45%)なので、課税所得によって適用税率が異なります。

具体例(課税所得337万円、ふるさと納税263,000円の場合)で確認しましょう。

ステップ計算内容金額
①ふるさと納税の寄付金控除額263,000円(寄付265,000円−2,000円)263,000円
②所得税からの控除額263,000円×最高税率20%52,600円
③住民税から控除されるべき額263,000円−52,600円210,400円

通知書の市民税と府民税の税額控除合計が約21万円になっているかどうかを確認してください。

📌 確定申告者向け:シンプルな考え方

計算が複雑に感じる場合は、次のように考えましょう。
寄付金控除額(寄付金額−2,000円)×自分の課税所得に適用される最高税率」が所得税からの控除分です。残りが住民税から控除されます。

📝 このセクションのまとめ

  • 確定申告者はふるさと納税の控除が所得税と住民税の両方から行われる
  • 所得税からの控除額=寄付金控除額×適用最高税率
  • 住民税からの控除額=寄付金控除額−所得税からの控除額
  • 通知書の税額控除合計がこの金額と一致するかを確認する

謎の税金「森林環境税」1,000円の正体

住民税の通知書をよく見ると、均等割の欄に「森林環境税 1,000円」という見慣れない税金が加算されているケースがあります。これは一体何なのでしょうか。

森林環境税とは、国内に住所を有するほぼすべての個人から年間1,000円を徴収する税金です。住民税と一緒にセットで徴収され、賦課課税なので強制的に徴収されます。

対象外となる方は以下のとおりです。

  • 合計所得が一定額(45万円など)以下の方
  • 障害者の方
  • 未成年者で一定所得以下の方
  • 生活保護を受けている方

森林環境税の目的は、森林が持つ以下のような機能を守るための財源確保です。

  • 国土の保全・水源の維持
  • 地球温暖化の防止
  • 森林の適切な整備・管理

近年は林業の担い手不足や、所有者不明の土地などで森林の管理・整備に支障をきたしており、地方財源を安定的に確保するためにこの税が創設されました。活用事例としては、間伐などの森林整備や、小学校の内装の木質化などが挙げられます。

📌 復興特別税との関係

令和5年(2023年)までは、東日本大震災復興基本法に基づき、住民税の均等割に復興特別税として合計1,000円が上乗せされていました。令和6年(2024年)以降はこの復興特別税がなくなりましたが、代わりに森林環境税1,000円が新設されたため、均等割を含む住民税の総額は実質的に変わりません。いわば「復興特別税が森林環境税に付け替えられた」ようなイメージです。

⚠️ 注意

財源は集まっているものの、森林整備を担う人手不足により財源が集まっているのに使いきれない市町村も存在するという問題が指摘されています。税の使途についても注視していく必要があります。

📝 このセクションのまとめ

  • 森林環境税は2024年から住民税と一緒に徴収される年間1,000円の税金
  • ほぼすべての国民が対象(一部例外あり)
  • 令和5年まであった復興特別税1,000円がなくなり、代わりに森林環境税が新設されたため、住民税の総額は実質変わらない
  • 森林整備・国土保全・温暖化防止が目的

今すぐ住民税通知書をチェックしよう

住民税の通知書が届いたら、以下のポイントを確認しましょう。

  • 所得が増えていないか・控除が減っていないかを確認する(増額の最も多い原因)
  • 定額減税がなくなった分が上乗せされていることを把握しておく
  • ふるさと納税の控除額が正しく反映されているかチェックする(自治体のミスが非常に多い)
  • 森林環境税1,000円が加算されていることを確認する

ふるさと納税をご利用の方は、ふるさと納税は計画的に、限度額の範囲内で行うことが重要です。限度額を超えて寄付しても控除されず、実質的に損をしてしまう可能性があります。

📌 通知書チェックの総まとめ

  1. ワンストップ特例利用者:税額控除合計+2,000円=ふるさと納税額かを確認
  2. 確定申告者:寄付金控除額−(寄付金控除額×最高税率)=住民税からの控除額かを確認
  3. 森林環境税1,000円が加算されていることを確認
  4. 金額が合わない場合は自治体に問い合わせる

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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