相続・贈与

二次相続で相続税が跳ね上がる3つの理由と今すぐできる4つの対策【相続専門税理士が解説】

二次相続で相続税が跳ね上がる3つの理由と今すぐできる4つの対策【相続専門税理士が解説】
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一次相続では相続税がゼロだったのに、二次相続で多額の税負担が発生するケースが急増しています。相続税対策の「盲点」とも言える二次相続の仕組みと具体的な対策を詳しく解説します。

一次相続と二次相続の違いとは?

相続税の対策はしっかりやっているという方でも、意外と見落としがちなのが二次相続の対策です。一次相続はスムーズに分割が進んだけれど、二次相続で思わぬ税負担が大きく、遺産分割で揉めてしまったというご相談は、相続専門の現場でも非常に多く寄せられています。

まず、一次相続と二次相続の違いを整理しましょう。

用語内容相続人の例
一次相続最初に発生する相続(例:お父様が亡くなる)お母様+お子様
二次相続その後に発生する相続(例:お母様が亡くなる)お子様のみ

一次相続では配偶者に多くの財産を渡しても、配偶者の税額軽減が使えるため、配偶者はほとんど相続税がかからないケースが多くなります。しかしその分、二次相続で子供たちにかかってくる相続税額が一気に膨らむ可能性が出てくるのです。

📌 ポイント

一次相続で相続税がほとんどかからなかったことが、むしろ二次相続で税金が増える原因となってしまうケースがあります。これが相続税の大きな落とし穴です。

📝 このセクションのまとめ

  • 一次相続:最初の相続(例:父→母・子)
  • 二次相続:その後の相続(例:母→子のみ)
  • 一次相続で節税できても、二次相続で税負担が急増する落とし穴がある

二次相続で税負担が重くなる3つの理由

二次相続で税負担が重くなるのには、大きく分けて3つの理由があります。それぞれ詳しく確認していきましょう。

理由①:配偶者控除(配偶者の税額軽減)が使えなくなる

一次相続では、配偶者が相続する分については1億6,000万円、または法定相続分までは相続税がかからないという「配偶者の税額軽減」が適用できます。この制度を活用することで、一次相続では税金がゼロというケースも珍しくありません。

しかし二次相続では、配偶者はすでに亡くなっているため、相続人は子供たちだけになります。つまり、この強力な税額軽減を使えなくなってしまうのです。

一次相続二次相続
配偶者の税額軽減適用できる(最大1億6,000万円または法定相続分まで非課税)適用不可(配偶者が既に死亡)
相続税の負担ゼロになるケースも多い子供だけで全額負担

理由②:基礎控除額が減る

相続税の基礎控除は、以下の計算式で求められます。

📌 基礎控除額の計算式

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の人数

相続人の人数が変わると、基礎控除額も変わります。具体的な数字で比較してみましょう。

相続人人数基礎控除額
一次相続母+子供2人3人4,800万円(3,000万円+600万円×3)
二次相続子供2人のみ2人4,200万円(3,000万円+600万円×2)

基礎控除が600万円減るということは、それだけ課税対象額が増えるということです。

理由③:税率が上がる

相続税は、財産が多ければ多いほど税率が高くなる累進課税を採用しています。

一次相続で配偶者が全財産を受け取ってしまうと、二次相続ではその財産が一気に子供に渡ることになります。その結果、1人当たりの相続する金額が大きくなり、税率も上がり、結果として相続税が高くなってしまうのです。

⚠️ 注意

一次相続で「配偶者に全財産を渡せば税金がかからない」という判断は、二次相続での税負担を大幅に増やす可能性があります。一次相続・二次相続をトータルで考えた設計が不可欠です。

📝 このセクションのまとめ

  • 理由①:配偶者の税額軽減(最大1億6,000万円非課税)が二次相続では使えない
  • 理由②:相続人が減ることで基礎控除額が減少し、課税対象額が増える
  • 理由③:財産が一度に子供へ移転することで累進税率が上がる

二次相続の税負担を抑える4つの具体的対策

では、二次相続での税負担を抑えるためにはどうすれば良いのでしょうか。相続専門の現場でよく提案されている4つの具体策をご紹介します。

  1. 一次相続の遺産分割を工夫する
  2. 生命保険を活用する
  3. 生前贈与を行う
  4. 配偶者居住権を活用する

それぞれ詳しく解説します。

対策①:一次相続の遺産分割を工夫する

一次相続の時に全ての財産を配偶者に相続させるのではなく、子供にも一定割合を相続させるように分割することで、二次相続の課税対象を減らすことができます。

たとえ一次相続で多少の税金が発生したとしても、一次相続と二次相続のトータルで見れば税額を抑えられるケースも多いのです。

📌 ポイント

「一次相続で税金ゼロ」を目指すのではなく、一次相続・二次相続の合計税額を最小化する視点で遺産分割を設計することが重要です。

対策②:生命保険を活用する

生命保険には「500万円 × 法定相続人の人数」という非課税枠があります。特に二次相続では、納税資金の確保や税額の軽減手段として生命保険が非常に有効です。

例えば、二次相続が発生する前にお母様が生命保険を契約し、子供を受取人にしておけば、相続発生後に非課税で現金を受け取ることができ、納税資金にも充てることができます。

法定相続人の人数生命保険の非課税枠
1人500万円
2人1,000万円
3人1,500万円
4人2,000万円

対策③:生前贈与を行う

年間110万円までの贈与には基礎控除があり、贈与税はかかりません。生前にコツコツ贈与を行っていくことで、将来の相続税を減らし、贈与税の負担を軽くすることができます。

⚠️ 注意:令和6年からの贈与の持ち戻し期間延長

令和6年からは贈与の持ち戻し期間が3年から7年に延長されました。節税効果を出すには、早めに贈与を始めることが重要です。先延ばしにするほど、持ち戻しの対象となる期間が長くなるリスクがあります。

対策④:配偶者居住権を活用する

令和2年にスタートした配偶者居住権は、所有権を子供に渡しながら、配偶者が住み続ける権利を確保していく仕組みです。

不動産の評価額を「所有する権利」と「居住する権利」に分けて、配偶者は居住権を相続することができます。

権利の種類相続する人二次相続での扱い
所有権子供そのまま子供が保有
配偶者居住権配偶者(お母様)配偶者の死亡により消滅→課税財産が減少

二次相続の時に居住権は消滅するため、財産が減ることになり、結果的に相続税の節税につながります。

📌 ポイント

配偶者居住権を活用することで、「配偶者が自宅に住み続ける」という生活の安心を確保しながら、二次相続での相続税負担を軽減することができます。

📝 4つの対策まとめ

  • 遺産分割の工夫:一次相続で子供にも一定割合を相続させ、二次相続の課税財産を減らす
  • 生命保険の活用:500万円×法定相続人数の非課税枠を活用し、納税資金も確保
  • 生前贈与:年間110万円の非課税枠を活用。令和6年以降は早めの開始が重要
  • 配偶者居住権:居住権の消滅により二次相続時の課税財産を圧縮

対策は組み合わせて設計することが重要

こういった対策は、組み合わせて設計することで節税効果が最大化します。ただし、家族構成や財産内容によって有効な方法は異なりますので、一度相続専門の税理士に相談されることをお勧めします。

今回解説した内容を改めて整理すると、以下のとおりです。

  • 一次相続で配偶者が多く相続することで、結果的に二次相続で税負担が増えてしまうことがある
  • 遺産分割の工夫・生命保険・生前贈与・配偶者居住権などの対策で税金を抑えられる可能性がある
  • 二次相続を見据えた対策は、家族構成や財産状況によって異なる

⚠️ 注意

二次相続対策は「早ければ早いほど効果的」です。特に生前贈与は令和6年の税制改正により持ち戻し期間が7年に延長されたため、対策の開始が遅れるほど節税効果が薄れます。ご不安な方は早めに相続の専門家にご相談ください。

📝 このセクションのまとめ

  • 対策は単独ではなく組み合わせることで節税効果が最大化する
  • 有効な方法は家族構成・財産内容によって異なるため、専門家への相談が不可欠
  • 生前贈与は令和6年以降、持ち戻し期間が7年に延長されたため早期着手が重要

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】を応援しています!

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