副業の確定申告のやり方を税理士が解説|雑所得と事業所得の違いも分かる
副業の確定申告は難しくない。収入の種類・申告ルール・記入方法を順番に解説します。
この記事で学べること
副業をしてみたいけれど、税金や確定申告が不安でなかなか一歩が踏み出せない。あるいは、今年初めて副業の確定申告をしなければならないけれど、どうすればいいか分からない。そういった方に向けて、副業の確定申告について基本から順番に解説します。
本記事では以下の順番で解説します。
- 収入には種類がある(所得の分類)
- 雑所得と事業所得の違い・判断基準
- 副業の確定申告のやり方・記入方法
- おすすめの計算シートの紹介
📌 ポイント
この記事のゴールは「副業をしている方が確定申告の基本を学んで不安を解消すること」です。税金や確定申告が不安で副業への一歩がなかなか踏み出せない方、ぜひ最後まで読んでみてください。
📝 このセクションのまとめ
- 確定申告の基本を順番に学べば副業の申告は難しくない
- 所得の種類・判断基準・記入方法の3ステップで理解できる
収入には種類がある|所得の分類を押さえよう
まず最初に押さえておくべき重要なポイントとして、「収入には種類がある」ということを理解しておきましょう。
一般的な会社員・パート・アルバイトの方の収入は給与所得に分類されます。では副業をしている方はどういった所得に該当するのかというと、雑所得という分類になります。
| 所得の種類 | 該当する収入の例 |
|---|---|
| 給与所得 | 正社員・パート・アルバイトの給与 |
| 雑所得 | 副業収入・公的年金・暗号資産(仮想通貨)・印税 など |
| 事業所得 | 個人事業主・フリーランス・独立起業した方の収入 |
| 一時所得 | 懸賞・保険の満期金 など |
| 不動産所得 | 家賃収入 など |
| 山林所得 | 山林の売却益 など |
所得は実は全部で10種類あります。今回の動画で主に関係してくるのは上の表の上3つ、給与所得・雑所得・事業所得です。副業をしている会社員の方は、給与所得と雑所得の両方が関係してきます。
📝 このセクションのまとめ
- 所得は全部で10種類ある
- 副業収入は原則「雑所得」に分類される
- 個人事業主・フリーランスの収入は「事業所得」に分類される
雑所得と事業所得の違い|令和4年法改正の判断基準
副業をしている方が最も迷いやすいのが「自分の副業は雑所得なのか、それとも事業所得なのか」という点です。この判断基準は実は曖昧で難しく、税務署の担当者が税務調査に行って実態を確認して判別することは、現実問題として不可能に近い状況でした。
そこで令和4年分から法改正が行われました。時代背景によって働き方や仕事の種類が増え、ますます判断基準が難しくなってきたため、法改正によって対応することになったのです。
事業所得と雑所得の基本的な違い
| 区分 | 対象者・収入の例 |
|---|---|
| 事業所得 | ビジネスをスタートした方、独立起業した方、個人事業主、フリーランス、自営業 |
| 雑所得 | 副業収入、年金、現行料(原稿料)、講演料、印税 など |
法改正後の判断基準(3つのポイント)
法改正により、事業所得か雑所得かを判断するための基準が明確化されました。以下の3つのポイントを総合的に判断して分類されます。
- 社会通念上、事業と言える程度に行っていること(独立性・継続性・反復性があるかどうか)
- 収入金額が300万円を超えているかどうか
- 取引を記録した帳簿書類の保存があること
📌 ポイント:独立性・継続性・反復性とは?
年1回や2回の単発的な仕事の場合は事業所得とは言えず、雑所得として申告することになります。一方で継続的・反復的に独立した形で行っている仕事であれば、事業所得と認められる可能性が高くなります。
⚠️ 注意
収入金額が300万円を超えていれば確実に事業所得というわけではありません。あくまでも判断基準の1つです。3つのポイントを総合的に判断して分類されます。
| 収入金額 | 帳簿書類の保存 | 判断の方向性 |
|---|---|---|
| 300万円超 | あり | 事業所得と認められる可能性が高い |
| 300万円超 | なし | 総合的に判断 |
| 300万円以下 | あり | 総合的に判断 |
| 300万円以下 | なし | 雑所得として申告する方向 |
📝 このセクションのまとめ
- 令和4年分から事業所得・雑所得の判断基準が法改正された
- 判断基準は「社会通念上の事業性」「収入300万円超か」「帳簿書類の保存」の3つ
- 3つのポイントを総合的に判断して分類される
副業の「確定申告不要ルール」を正しく理解する
副業の確定申告について、まず大事なルールを押さえておきましょう。
📌 確定申告不要ルール(基本ルール)
1か所から給与所得がある方(会社員として働きながら副業している方)で、給与所得以外の所得の合計額が20万円以下であれば、確定申告は不要です。
ここで言う「所得20万円」とは、売上(収入)が20万円ではありません。以下の計算式で求めた金額が20万円以下かどうかで判断します。
| 計算式 |
|---|
| 1年間の収入 ー 1年間にかかった必要経費 = 所得 |
具体的な計算例
例えば、会社員をしながら副業で月3万円稼いでいる方の場合を見てみましょう。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間収入(月3万円 × 12か月) | 36万円 |
| 必要経費 | 20万円 |
| 所得(収入 ー 経費) | 16万円 |
| 20万円以下か? | ✅ 以下のため確定申告不要 |
この場合、所得が16万円となり、20万円以下のため確定申告は不要となります。もちろん、20万円以下でも確定申告を提出すること自体は問題ありません。税務署は受け取ってくれます。
⚠️ よくある2つの誤解に注意
- 誤解①:個人事業主(事業所得)も所得20万円以下なら申告不要
→ これは間違いです。この「確定申告不要ルール」は1か所から給与所得がある会社員の副業(雑所得)に限った話です。個人事業主には適用されません。 - 誤解②:所得20万円以下なら、ふるさと納税や医療費控除の申告もしなくていい
→ これも間違いです。ふるさと納税や医療費控除は確定申告が必要なものです。副業の所得が20万円以下であっても、これらがある場合は確定申告をすることでお得になるケースが多いので、必要な確定申告はきちんと行いましょう。
📝 このセクションのまとめ
- 「所得20万円以下なら確定申告不要」は会社員の副業(雑所得)限定のルール
- 所得=収入ではなく、収入から必要経費を引いた金額
- ふるさと納税・医療費控除がある場合は、副業所得が20万円以下でも確定申告を行う方がお得
確定申告書の書き方|第二表(2表)の記入方法
確定申告書は第一表(1表)と第二表(2表)の2枚1セットで提出します。まず第二表(2表)の書き方から解説します。
副業の方(雑所得の方)は、2表の「所得の内訳」欄に記入します。記入する項目は以下の通りです。
| 記入欄 | 記入内容 |
|---|---|
| 所得の種類 | 「雑」と記載する |
| 種目 | 「報酬」「原稿料」など該当するものを記載。特に該当するものがなければ空欄でも可 |
| 収入金額 | 1年間の収入金額を記載(例:36万円) |
| 源泉徴収税額 | 企業から仕事をもらって源泉徴収されている場合は、支払調書を見て記載する |
📌 ポイント:源泉徴収について
副業の働き方によっては、企業からお仕事をもらって源泉徴収された状態で報酬が支払われる場合があります。全員ではありませんが、該当する場合は源泉徴収税額の欄に支払調書を見て記載してください。
📝 このセクションのまとめ
- 確定申告書は1表・2表の2枚セットで提出
- 2表の「所得の内訳」欄に所得の種類(雑)・種目・収入金額・源泉徴収税額を記入
確定申告書の書き方|第一表(1表)の記入方法
次に第一表(1表)の書き方を解説します。副業(雑所得)の場合、1年間の収入金額から経費を引いた金額を記入します。記入箇所は主に2か所です。
| 記入欄 | 場所 | 記入内容 |
|---|---|---|
| 収入金額 | 「雑所得(業務)」の欄(丸イ) | 1年間の収入金額を記載 (例:収入40万円 → 40万円と記載) |
| 所得金額 | 「雑所得(業務)」の欄(丸8) | 収入から経費を引いた金額を記載 (例:収入40万円 ー 経費5万円 = 35万円) |
⚠️ 注意:年金受給者の方は記入欄が異なります
公的年金の雑所得は「雑所得(業務)」の欄ではなく、その上の「雑所得(公的年金等)」の欄に記入します。副業収入と混同しないよう注意してください。
具体的な記入例
収入が40万円、経費が5万円だった場合の記入例です。
- 収入金額欄(丸イ):400,000円
- 所得金額欄(丸8):350,000円(40万円 ー 5万円)
これだけで副業部分の確定申告の記載は終了です。1年間の収入と支払った経費の金額が分かれば、副業の確定申告の記入は完了します。
📝 このセクションのまとめ
- 1表の記入箇所は「収入金額(雑・業務)」と「所得金額(雑・業務)」の2か所
- 所得金額=収入金額 ー 必要経費
- 年金の雑所得は記入欄が異なるので注意
おすすめ|国税庁の副業計算シートとスマホ申告の入力例
副業の収入と経費を計算するにあたって、便利なツールが国税庁から公表されています。
- 副業にかかる雑所得の金額の計算表:国税庁が公表している計算シートです。自分の副業の収入金額と経費を欄に埋めていき、合計額を計算して確定申告書に転記するだけで使えます。
- スマートフォンでの確定申告入力例:1か所から給与所得があり年末調整済みの方が副業を申告する場合の、スマートフォン画面での入力例です。実際の画面を見ながら入力手順を確認できます。
📌 ポイント
国税庁の計算シートを使えば、副業の収入と経費を整理して所得金額を計算し、そのまま確定申告書に転記することができます。スマートフォンで確定申告する方は、入力例の画面を見ながら進めると今年の確定申告をスムーズに終えることができます。
📝 このセクションのまとめ
- 国税庁から「副業にかかる雑所得の金額の計算表」が公表されており、無料で利用できる
- スマートフォンでの申告入力例も公表されており、画面を見ながら入力できる
- これらのツールを活用すれば、初めての方でも確定申告をスムーズに進めやすい
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士河南のYouTubeチャンネル! の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 税理士河南のYouTubeチャンネル!を応援しています!
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