小規模企業共済の貸付制度と借換えで起こる節税効果を税理士が解説
小規模企業共済の貸付制度を使いこなすと、節税効果がさらに大きくなります。
小規模企業共済の貸付制度を活用できている人は少ない
小規模企業共済に加入している経営者って結構多いと思うんですけど、この貸付制度までしっかり活用できている人って、そんなに多くないんじゃないですかね。

そうですね。節税メリットが強力な分、この貸付制度については付属のメリットと考えている人も多いですし、そもそも知らないという方も多かったりしますしね。
ただ、この貸付制度をうまく活用していただければ、もっとお得に小規模企業共済を利用できたり、事業の成長につながるんじゃないかなと思っています。

そうなんですか。これ、ちょっと詳しく教えていただけますか?

はい、承知しました。では今回は小規模企業共済の強力な貸付制度とその活用方法についてお話ししていきます。

小規模企業共済とは?基本情報と加入条件
借入れの話の前に、改めてちょっとこの小規模企業共済自体について教えていただけますか?

はい。小規模企業共済は、小規模企業の経営者・役員・個人事業主が退職金を積み立てるための制度になっております。毎月一定額の掛金を積み立てていくことで、積み立ててきた金額に応じたお金を将来共済金として受け取ることができます。
加入条件は従業員数が大きなポイントになってきます。業種によっては従業員数が5人を超えると加入できなくなってしまうので注意が必要です。一度加入してしまえば、その後従業員数が条件を超えて増えたとしても加入し続けられるので、早めの加入がおすすめです。

掛金の所得控除と共済金受け取り時の税制メリット
これ、加入することでどんなメリットがあるんですか?

はい。まず掛金が全額所得控除になります。掛金は月1,000円から7万円までの範囲で選択することができまして、後から増額や減額が可能になります。
もし年間所得1,000万円の方が毎月満額の7万円、つまり年間で84万円を積み立てた場合は、掛金は全額所得控除になりまして、年間36万7,000円の節税になります。30年続けていただくと合計1,101万円の節税に繋がってきます。

これじゃあ手元に残るキャッシュが1,000万以上増えちゃうわけですね。これかなりお得ですよね。

そうなんです。また、掛金の払い込みが困難になった場合は、半年または1年の間払い込みを止めることも可能です。

これ、柔軟でありがたいですね。

そうですね。共済金を受け取る際にも税制メリットがあります。共済金を一括で受け取ると退職所得として扱われまして、退職所得控除という特別な控除を受けることができます。
退職所得控除の算出方法は勤続年数で変化してきまして、20年を超える場合は最低でも800万円の控除を受けることができます。さらに課税所得を算出するには、退職金から退職所得控除を引いた金額をさらに1/2することになりますので、結果として所得税をかなり抑えることができます。しかもこの退職所得は社会保険料の対象にならないところもありがたいです。

社会保険料もかかんないんですか。そう考えるとかなりの金額が手元に残りそうですね。

そうなんです。なお、この共済金は年金のように分割で受け取ることも可能です。その場合は公的年金等控除が適用されまして、年齢や金額に応じた控除を受けることができます。例えば65歳以上で年金収入が200万円の方の場合は、公的年金等控除額が110万円になります。

これはどっちの方がお得になるんですか?

基本的には一括で受け取った退職所得の方がいいんじゃないかなと思っています。ただし、受け取る共済金の他に会社から多額の退職金を受け取っている場合は、分割で受け取った方がお得になるということもありますね。

なるほど。退職金が多すぎるような場合は分割の選択肢に入るってことですね。

なので、もらい方を一度シミュレーションしてみるというのがおすすめかなと思います。
そしてもう1つのメリットが、今回の本題である貸付制度です。小規模企業共済に加入していると、事業資金などで借り入れすることもできます。貸付の種類も豊富で、状況によって様々な貸付を受けることが可能になっています。いずれも低金利で担保や保証人が不要というのがありがたいところですね。
ただし、借入れできるようになるのは加入から1年以上が経過している場合で、借り入れできる金額はそれまでに納めた掛金の7割から9割程度となっております。

貸付制度の種類:一般貸付と特別貸付の違い
なるほど。貸付にいろんな種類がありますけれども、それぞれどういったものになるんでしょうか?

まず一般貸付。最も利用されることが多い貸付制度になります。資金使途は自由です。10万円から最大2,000万円まで、5万円単位で借りることができます。他の制度では最大で1,000万円までしか借りることができないので、この点は大きなメリットなんじゃないかなと思います。

他の制度よりも多く借りることができるってことですね。

はい、そうなんです。ただし金利については年間1.5%となっておりまして、他の貸付制度よりちょっと高いのでそこはご注意ください。

なるほど。とはいえそれでもかなり低めなのはありがたいですよね。ちなみにこれ、借入れ期間ってどれぐらいになるんでしょうか?

はい。実は借入れした金額によって変わってきます。基本的には金額が多くなるほど長期の借入れ期間を選択することが可能です。505万円以上借り入れした場合は最長で60ヶ月借り入れすることができます。
なお、借入れ期間によって返済方法が異なります。借入れ期間が6ヶ月または12ヶ月の場合は一括での返済となりまして、それ以上の期間を選択した場合は6ヶ月ごとの元金均等割賦償還になってきます。

借入れ期間で返済方法も変わってくるってことなんですね。これはしっかりと把握しておく必要がありますね。

そうですね。一般貸付以外の貸付制度には特別貸付というものがありまして、特別貸付は50万円から1,000万円まで借入れできる金額の範囲は一般貸付よりも狭いんですけども、借入れ期間はこの金額によらず36ヶ月または60ヶ月となっておりまして、余裕を持って返済することが可能になってきます。また金利も年間0.99%と先ほどの一般貸付よりも低くなっています。

一般貸付よりも返済が楽ってことですね。

そうなんです。ただし、この借入れには条件がついておりまして、まず傷病災害時貸付の場合は、疾病または負傷で5日以上入院した場合ですとか、災害により被害を受けた場合に利用することができます。基本的には1,000万円までしか借りられませんけども、こちらの形式で計算して結果が1,000万円を超えた場合は算出された金額まで借入れが可能となっております。

これ、場合によっては1,000万円より多く借入れできるってことですね。

はい、そうなんです。創業転業時・新規事業展開等貸付というものもありまして、新規開業ですとか転業などの際に利用できる制度になっております。
そして福祉対応貸付というものもありまして、共済契約者やそのご家族が高齢ですとか障害によって住宅の改築や福祉機器の購入が必要な時に利用できる制度となっております。

そんなかゆいところに手が届く制度もあるんですね。意外ですよね。

他にもですね、一時的な売上の減少で資金繰りが苦しくなった時に利用できる緊急経営安定貸付ですとか、事業承継に必要な資金を借り入れできる事業承継貸付、個人事業の廃止や会社の解散の準備に必要な資金を借り入れできる廃業準備貸付というものもあります。
基本的には資金使途が限定されていないこの一般貸付を利用して、要件に当てはまる場合は他の貸付を利用していくのがいいんじゃないかなと思います。

せっかくねこれ、低金利で借りられて返済期間も余裕があるんですから、これうまく活用したいですよね。

一般貸付の「借換え」で返済期間を延長する仕組み
はい。さて、この貸付制度には返済期間があるというお話をしてきたんですけども、一般貸付については返済期間を実は後ろ倒しにすることができます。

えっ、そうなんですか?

実はですね、一般貸付には借換えという仕組みがありまして、窓口で更新手続きを行えば利息分だけを払うことで返済期間を延長することができます。例えば返済期間を12ヶ月、つまり1年に設定して借入れをしていた場合などであれば、更新手続きを行うことで返済期間を1年間延長させることができます。しかもこの借換えは何度でも行えるというメリットがあります。

てことは、何度も借換えすれば借入れ期間を好きなだけ延長できちゃうってことですか?

そうなんです。しかもですね、増額借換えを行えば、借換えをしつつ借入れ金額を増額させることも可能です。

これはどういうことですか?

はい。増額借換えはすでに借りている借入れ金の全額返済と新規の借入れを同時に行うものになってきます。
例えばすでに500万円を借入れしている状態で、掛金総額が増えて700万円まで借り入れできるようになっていたとします。その場合、増額借換えをすることで元々借りている500万円を返済すると同時に新規で700万円を借り入れすることができます。結果的に借入れ金額が200万円増加するとともに、借換えによって返済期間が延長されてきます。

返済までの期間を伸ばせる上に借入れ金を増やすこともできるなんて、これちょっと至れり尽くせりですよね。これ使わない手ないですよ。

まそこだけ強調するとそうなってきますね。はい。ただしですね、先ほどもお話ししたように、更新の際には利息の支払いが必要なことに注意が必要です。また、返済期間が延長できると言っても最終的には返済する必要があるので、返さなくていいと言っているわけではないのでお気をつけください。いつでも返せる分、返済のタイミングについてはある程度考えておきたいところですかね。

はい、そうですね。

貸付制度の活用法①:借入れ金で資産運用を行う
ここからは小規模企業共済の借入れの活用方法について紹介していこうと思います。
1つ目の活用方法。実はですね、最近この借入れ金を元にして資産運用を行うという方がちょこちょこ増えていらっしゃいます。

そんなことしてもいいんですか?

はい。金融機関からのお金の借入れの場合は、どうしてもこの資金使途って決まってくるじゃないですか。

そうですね。運用のために貸してって言っても、お金貸してくれなかったりするのでは。

ただ、この小規模企業共済の一般貸付の場合は先ほどもお話ししたように資金使途は限定されていないので、会社や個人の資産運用に活用することも可能です。

そうなんですね。

それこそ新NISAと組み合わせればかなりお得に資産運用を行うことができるんじゃないかなと思います。

これどうやって運用していくのがいいんですか?

基本的には借換えをする前提になってきますので、更新時の利息の支払いよりも利回りのいい金融商品で長期分散投資をしていくのがおすすめです。新NISAを利用すれば、その2つの枠を合わせて年間360万円まで非課税で投資していきますので、今割と利息の差が少なくても資産を増やしていくことが可能です。

資産運用にはこの元本割れのリスクもありますから、投資先はしっかりと吟味する必要がありそうなんですけれども、長期分散投資ならリスクも結構抑えられますし、うまくいけばかなり得できそうですよね。

貸付制度の活用法②:借入れ金を掛金の元手にする裏技
でもう1つの活用方法は、借入れ金を掛金の元手にしてしまうということです。

さすがにそれはまずくないですか?

そんなことなくてですね、一般貸付は用途が限定されていないというのは繰り返しお伝えしていますけども、この掛金の元手に使うこともできなくはないんです。
なので、借換えで返済期間を延長しつつ、借入れ金で掛金を支払うことで、実質更新手続きの利息の支払いだけで節税と積み立てが可能になってきます。

これ、かなり裏技的なテクニックですね。

そうですね。ここまでちょっと色々できると、貸付制度これ使わない手はないですよね。なので、せっかく加入者なのであれば誰でも使える制度ですので、できる限り有効活用していきたいところかなと思います。

これはいいこと聞きました。

長期分散でちゃんと複利運用されている方って利益が出たりもしますので、2つ目の今の借入れしつつまた投資するのも節税効果もちゃんと出てくるのでいいんじゃないかなと。ほとんどキャッシュを使わないで節税効果を大きく取っていけるようなこともできちゃうってことですよね。

はい。でもこれ、今思ったんですけどYouTubeで言ってもいいんですかね?あんまり広めないようにしてきますよ。

終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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