節税対策

小規模企業共済とiDeCoどっちがお得?税理士が解説する8項目比較

小規模企業共済とiDeCoどっちがお得?税理士が解説する8項目比較
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経営者の老後資金準備に最適な制度はどちら?小規模企業共済とiDeCoを8項目で徹底比較します。

小規模企業共済とiDeCoの基本概要

老後の資金を貯めるにあたって、小規模企業共済とiDeCoのどちらがいいのか、それぞれいろんな特徴や違いがあるため、パッと見ではどちらを選んだらいいか分かりづらいところがあります。

結論から言うと、2つとも加入するのがベストです。金銭的に難しい場合は、ご自身に合う方を選ぶとよいでしょう。

まず、それぞれの制度の概要を確認しておきましょう。

小規模企業共済iDeCo
運営主体中小機構国民年金基金連合会
制度の性格積立による退職金制度自分で運用する私的年金制度
対象者中小企業の経営者・役員・個人事業主原則として20歳以上の国民年金被保険者

どちらも国が運営している制度ですので、日本が崩壊しない限りなくなることはありません。安心してお金を預けられる制度と言えます。

📝 このセクションのまとめ

  • 小規模企業共済は中小機構が運営する退職金積立制度
  • iDeCoは国民年金基金連合会が運営する私的年金制度
  • 両方とも国が運営しており、安全性は高い
  • 理想は両方加入。難しければ自分に合う方を選ぶ

①加入資格の違い

小規模企業共済はその名の通り、規模が比較的小さな企業や個人事業主が対象です。具体的な数値は業種や従業員数によって異なります。

業種従業員数の上限
製造業・農業など(ある程度の人員が必要な事業)10名以下
小売業・サービス業など(少人数でも行える事業)5名以下

一方、iDeCoは20歳以上60歳未満であれば原則として誰でも加入できます。また、2022年からは国民年金の被保険者であれば原則65歳までiDeCoに加入できるようになりました。

⚠️ 注意

小規模企業共済は事業規模が大きくなってしまうと入れなくなります。加入資格を満たしているうちに、早めに加入しておくことをおすすめします。

📝 このセクションのまとめ

  • 小規模企業共済は業種・従業員数による規模の制限あり
  • iDeCoは原則20歳以上なら誰でも加入可能
  • 小規模企業共済は規模が拡大する前に早めの加入が重要

②加入期間と③掛け金の違い

小規模企業共済もiDeCoも、長期で積み立てることを前提とした制度です。

  • 小規模企業共済:廃業時や退職時まで積み立てないと、元本割れしてしまうこともある
  • iDeCo:原則的に60歳になるまでは引き出せない

次に掛け金の上限を比較します。小規模企業共済は加入者間で上限の差がありませんが、iDeCoは職業などによって掛け金の最大額が大きく異なります。

制度掛け金の下限掛け金の上限
小規模企業共済月額 1,000円月額 7万円(全加入者共通)
iDeCo(自営業者)月額 5,000円月額 6万8,000円
iDeCo(会社員・公務員等)月額 5,000円月額 1万2,000円〜2万3,000円
iDeCo(企業経営者)月額 5,000円条件によっては最大 1万2,000円

📌 ポイント

企業経営者の場合、iDeCoの掛け金上限は条件によって最大でも月額1万2,000円までとなるケースがあります。一方、小規模企業共済は月額7万円まで自由に設定できるため、経営者にとっては小規模企業共済の方が積立の自由度が高いと言えます。

📝 このセクションのまとめ

  • どちらも長期積立が前提の制度
  • 小規模企業共済の掛け金上限は月7万円で全員共通
  • iDeCoの上限は職業によって大きく異なり、経営者は上限が低くなりやすい

④税制優遇の内容

小規模企業共済もiDeCoも、掛け金の全額が所得控除の対象です。積み立てながら節税できる点は共通しています。

最終的に受け取るお金については、受け取り方によって課税の扱いが異なります。

受け取り方所得区分税制上の扱い
一括で全額受け取る退職所得退職所得控除+1/2課税が適用され、税負担が大きく抑えられる
年金として受け取る雑所得公的年金等控除が適用され、税負担が軽くなる

📌 ポイント

小規模企業共済のパンフレットには、国が運営しているにもかかわらず「節税」とはっきり記載されています。国公認で節税できる非常に手堅い制度であり、なおかつ経営者の老後の資金も準備できる点が大きな魅力です。

📝 このセクションのまとめ

  • 掛け金全額が所得控除の対象(両制度共通)
  • 一括受け取りは退職所得扱いで退職所得控除+1/2課税が適用
  • 年金受け取りは雑所得扱いで公的年金等控除が適用
  • どちらも積立中・受取時ともに税制優遇が受けられる

⑤手数料と⑥お金が増えるかどうか

手数料の面では、両制度に大きな違いがあります。

  • 小規模企業共済:基本的にかかる費用は掛け金のみ
  • iDeCo:初期費用や掛け金を納付する際などに手数料がかかる

この点は小規模企業共済の方が運用しやすいと言えます。

次に、お金が増えるかどうかという観点での比較です。

小規模企業共済iDeCo
元本保証あり(3年以上継続で掛け金総額以上を受取保証)なし(運用方法次第)
元本確保型の選択肢定期預金型あり(ただし金利が低く、手数料差引後に元本割れの可能性あり)
増加の可能性確実に増える(3年以上継続の場合)投資信託型なら大幅増も可能(元本割れリスクあり)

⚠️ 注意

iDeCoの元本確保型(定期預金型)は投資信託型より安全性が高い反面、金利が低いため増える額が少なくなります。手数料などを差し引くと、受け取り金額がそれまでに納めた掛け金を下回るケースもあります。

📝 このセクションのまとめ

  • 手数料は小規模企業共済の方が有利(掛け金のみ)
  • 小規模企業共済は3年以上継続で元本保証あり
  • iDeCoは運用次第で大幅増も可能だが元本割れリスクもある
  • iDeCoの元本確保型でも手数料差引後に元本割れの可能性あり

⑦途中解約と⑧貸付金制度の違い

途中解約については、両制度に大きな違いがあります。

小規模企業共済iDeCo
途中解約可能原則不可(死亡・障害状態等の例外あり)
解約手当金加入期間12ヶ月以上で受け取り可能
元本割れなしの条件加入期間240ヶ月(20年)以上で解約

次に貸付金制度についてです。小規模企業共済には、それまでに納めた掛け金の範囲内(7割〜9割、かつ2,000万円以内)で事業関連の資金を借りられる貸付制度があります。一方、iDeCoにはこのような貸付制度がありません。

経営者や個人事業主はまとまった資金が必要になることもありますから、貸付制度があるというのは大きなメリットです。

📌 貸付制度の具体例

例えば、小規模企業共済で満額の掛け金を20年間支払い続けた場合、掛け金総額が約1,600万円ほどになります。その場合、約1,200万円〜1,500万円を借りられることになります。

貸付の利率は以下の通りです。

ケース金利(年率)
通常の貸付年1.5%
病気・怪我による入院で経営安定のための貸付年0.9%
特例(過去に実績あり)金利ゼロ

ビジネスローンでは年15%程度かかるものもありますから、それと比べると非常に低金利です。

さらに小規模企業共済の貸付制度には、次のような特徴があります。

  • 他社からの借り入れがあっても、本人確認のみで審査なし
  • 保証人不要
  • 掛け金の範囲内であれば何度でも借り入れ可能
  • 追加借り入れも可能(例:1,000万円借りた後にさらに1,000万円の追加借り入れも可)

⚠️ 注意

貸付制度を利用するには、1年以上の加入期間が必要です。急な資金需要に備えて、早めに加入しておくことが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 小規模企業共済は12ヶ月以上で途中解約・解約手当金の受け取りが可能
  • iDeCoは原則として途中解約・引き出し不可
  • 小規模企業共済には低金利(年1.5%)の貸付制度あり、iDeCoにはなし
  • 貸付は無審査・保証人不要で、掛け金の範囲内なら何度でも利用可能

結論:どちらを優先すべきか

8つの項目で比較した結果を踏まえて、どちらを優先すべきかをまとめます。

両方加入することが理想ですが、どちらか一つを選ぶとすれば、小規模企業共済を優先することをおすすめします。その理由は以下の通りです。

  • 掛け金を納め続ければ確実に受け取れる金額が増える(安全性が高い)
  • いざという時には途中解約して解約金を受け取ることが可能
  • 担保も保証人も不要で資金を借りられる(柔軟性がある)
  • 加入資格を満たしているうちに入っておく必要がある

ただし、両方加入できる余裕があるならiDeCoにも加入するのがベストです。iDeCoのメリットとして、運用次第では小規模企業共済よりお金を大幅に増やせる点が挙げられます。もちろん元本割れの危険性はありますが、しっかり運用したいならiDeCoもおすすめです。

📌 ポイント

iDeCoと小規模企業共済にお金を分散させることで、リスクと安全性のバランスを取るという考え方もあります。余裕があればiDeCoも活用してみましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 理想は両方加入。どちらか一つなら小規模企業共済を優先
  • 小規模企業共済は安全性・柔軟性ともに優れている
  • iDeCoは運用次第で大幅増が狙えるが元本割れリスクあり
  • 両制度を組み合わせてリスクと安全性のバランスを取るのが最善策

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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