中小企業社長が不動産投資をすべき理由を税理士が解説|節税×資産運用の二刀流経営
利益が出た中小企業の社長が取るべき最善の資産運用戦略とは何か。不動産投資の節税効果と収益性を、年商220億円超の不動産会社社長との対談をもとに徹底解説します。
なぜ車・飲食店ではなく不動産なのか
利益が出た時にそれをどう使うか、社長さんによって本当に人それぞれです。北新地で飲みに使う人もいれば、高級車を買う人、時計を買う人など様々な方がいらっしゃいます。
よくあるパターンとして「飲食店を始める」という社長さんが多いですが、これが非常に危険です。「俺はいつもいい飯食ってるから舌が肥えてる」「行きつけの料理人を引っ張れる」と思って始めても、大体1年ほどでこけてしまいます。
⚠️ 注意
飲食店は「物件・金融・人材・経営能力」を全部揃えてやらないといけない労働集約型のビジネスです。時間が長くかかり、華やかに見えて結構泥臭い仕事。よほどの資金力があってガチでやらないと事業として成立しません。実際、実業に手を出してやられる方の約9割は失敗しています。
赤字でもいいから自分の店を持ちたいというスタンスであればよいのですが、利益を出そうとしてやっているなら話は別です。中小企業の方が節税もしたい、新たな事業もやりたいというときに最もおすすめなのが不動産投資(賃貸経営)です。
📝 このセクションのまとめ
- 利益が出た時の使い道として飲食店参入は失敗率が高い
- 飲食店は労働集約型で経営難易度が高く、約9割が失敗
- 節税と資産形成を両立させるなら不動産投資が最適解
不動産投資が最強の資産運用と言える理由
不動産投資の最大の特徴は、株式投資と比べて価格変動が非常に穏やかな点です。株式投資はボラティリティが激しく、下がった時に自分で何か手を施すことが難しい。経営者は日々忙しいので、毎日マーケットを見ていくのは現実的ではありません。
一方で不動産投資は、不動産市況の波はあるものの株と比べると非常に穏やか。基本的には放置でいいという特徴があります。
📌 ポイント:不動産投資の最大のメリットはレバレッジ
株式投資では銀行からお金を借りて運用することはほぼ不可能です。会社で借りたお金を個人の株式運用に回すと「資金流用」と見なされ、発覚した場合は期限の利益喪失(一括返済義務)が生じる危険があります。不動産なら金融機関からの融資を活用できるため、少ない自己資金で大きな資産を運用できます。
具体的な数字で見てみましょう。1億円の物件を購入する場合、必要な自己資金は物件価格の約10%程度。購入諸費用も(仲介手数料なしの場合)300〜400万円程度です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 物件価格 | 1億円 |
| 必要自己資金(頭金) | 約1,000〜1,500万円 |
| 購入諸費用(仲介手数料なし) | 約300〜400万円 |
| 年間手残り(返済後) | 約150万円 |
| 自己資金に対する利回り | 10〜20% |
自己資金1,000万円に対して年間150万円の手残りが残るということは、自己資金に対する利回りが非常に高くなります。これは株式投資では到底太刀打ちできない水準です。
さらに不動産投資には、株式投資にはないもう一つの大きなメリットがあります。それは「自分の裁量で運用パフォーマンスを高められる」点です。賃料を上げる意思決定をしたり、入居者を入れるための営業活動(管理会社に依頼)をしたり、自分のさじ加減で収益を改善できます。これは他の投資にはない特徴です。
また、建物部分については減価償却費を計上できるため、不動産を持つことによる課税所得はそれほど上がらないケースも多いです。最終的に売却する際にはキャピタルゲインも得られる。つまり「持ってよし、売ってよし」の投資です。
📌 ポイント:リートとの違い
リートは利回り5〜6%程度ありますが、融資を受けられない・税制優遇を受けられないという弱点があります。さらに市場に晒されているため、6%の配当を受け取っても資産価値が6%下がっていたら意味がありません。不動産の現物投資は自己資金に対する利回りが10数%〜15%程度になる上、価格変動も穏やかです。
📝 このセクションのまとめ
- 価格変動が穏やかで、放置型の運用が可能
- 融資(レバレッジ)を活用できるのが最大の強み
- 自己資金1,000万円で1億円の資産を運用でき、利回り10〜20%も可能
- 自分の裁量で収益改善できる点が株・リートにはない特徴
- インカムゲイン+キャピタルゲインの両取りが可能
不動産価格が下がりにくい理由
アベノミクス以降、不動産価格はずっと右肩上がりでした。金融緩和の影響もありますが、最近はインフレによって実質的なモノとしての価値もどんどん上がっています。
特に注目すべきは建築原価の上昇です。この10年間で建築費は1.5倍〜2倍近く上がっています。これが下がる要因はなかなかありません。
- 日本の人口減少・建築資材の高騰
- 職人の人口減少により工期が長くなり、立てたくても立てられない状況
- 既存物件のリフォームコストも同様に上昇
これらの要因が重なることで、建物の希少性が高まり価格が維持されやすい環境になっています。
もちろん田舎すぎる物件はダメですが、一定の都市とその周辺であれば、マクロ的には人口がちょっとずつ減っても、都市部の賃貸需要がゼロになることは考えにくい。バブル崩壊のように価格がバーンと下がるような局面は考えにくいです。
仮に価格が下がったとしても、インカムゲイン(家賃収入)が入り続けているので損失を吸収できます。長く持てば持つほど残債が減っていき、市場価格が下がっても残債との差額で売却益を取れるという構造になっています。
📝 このセクションのまとめ
- 建築原価がこの10年で1.5〜2倍に上昇しており、不動産価格の下支え要因になっている
- 都市部・その周辺エリアであれば価格が大きく下落するリスクは低い
- 価格が下がっても家賃収入と残債減少で損失を吸収できる構造
目的別・不動産の種類の選び方
不動産投資といっても目的によって選ぶべき物件の種類が変わってきます。大きく分けると「儲けたい(インカムゲイン重視)」と「節税したい(減価償却重視)」の2パターンです。
| 目的 | おすすめ物件 | ポイント |
|---|---|---|
| 手堅く儲けたい | 新築アパート(木造・軽量鉄骨) | 利回り6〜7%台、15年程度保有後に売却 |
| 節税したい | 法定耐用年数超えの中古木造・軽量鉄骨 | 4〜5年で建物価格を全額償却、その後売却 |
儲けたい方向けの新築アパートについては、エリアにもよりますが利回り6%台で提供できます。物件金額の90%程度の融資を引っ張ると、1億円の物件で返済後の年間手残りが約150万円残ります。1,000万円を投資して150万円残るということは、5〜6年持てば自分の投資額が回収できる計算です。
節税したい方向けの中古物件(法定耐用年数超え)については、仕組みを詳しく見てみましょう。
📌 ポイント:法定耐用年数超え物件の減価償却の仕組み
法定耐用年数を超えた木造・軽量鉄骨の中古物件は、法定耐用年数の20%の年数で減価償却できます。
- 木造:法定耐用年数22年 → 耐用年数超え後は4年で償却
- 軽量鉄骨:法定耐用年数27年 → 耐用年数超え後は5年で償却
例えば土地5,000万円・建物5,000万円の合計1億円の木造物件を購入した場合、建物5,000万円を4年間で償却できます。つまり年間1,250万円の減価償却費を計上できます。
自己資金は1,000万円程度しか出していないのに、5,000万円の減価償却資産を手に入れて年間1,250万円を4年間償却できる。これは非常に大きな節税効果です。
⚠️ 注意:生命保険との違い
以前は全額損金算入型の生命保険が節税商品として使われていましたが、解約時に収益として課税されるため「税の繰り延べ」にしかなりません。戻ってくるお金も80数%程度で、税効果を反映して「120%戻ります」と説明されても、解約時に課税されることを考えると実質的な節税効果は限定的です。不動産の減価償却とは仕組みが根本的に異なります。
不動産売却時の税率差を活用した節税効果
不動産投資の節税効果は保有中だけではありません。売却時にも大きな税率差を活用できます。
具体的な例で見てみましょう。1億円で購入した物件(土地5,000万円・建物5,000万円)を個人で保有し、4〜5年後に建物帳簿価額が1円になった後、同じ1億円で売却したとします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売却価格 | 1億円 |
| 帳簿価額(土地のみ残) | 5,000万円 |
| 売却益 | 5,000万円 |
| 保有中の課税方式 | 総合課税(役員報酬等と合算) |
| 高所得者の総合課税税率 | 約50%(所得税+住民税) |
| 不動産売却時の課税方式 | 分離課税 |
| 不動産売却時の税率 | 20.315% |
| 税率差による節税効果 | 約30%分が節税(50%−20%) |
役員報酬が年間2,000〜3,000万円規模の社長さんは所得税・住民税合わせて約50%の税率が適用されます。一方、不動産の売却益は分離課税で20.315%です。この税率差約30%分が丸ごと節税になるわけです。5,000万円の売却益であれば、約1,500万円の節税効果になる計算です。
📌 ポイント:法人保有と個人保有の違い
法人で不動産を保有している場合、売却益には通常の法人税率(30〜33%程度)が適用されるため、税の繰り延べにしかなりません。個人で保有することで、売却時の分離課税(20.315%)との税率差を最大限に活用できます。
📝 このセクションのまとめ
- 儲けたい→新築アパート(利回り6%台、15年保有後売却)
- 節税したい→法定耐用年数超えの中古木造(4年で全額償却後売却)
- 個人保有の場合、売却益は分離課税20.315%で総合課税50%との差30%分が節税になる
- 物件の種類を変えることで「儲けたい」「節税したい」両方のニーズに対応できる
区分所有・タワーマンション・戸建て・中古物件の比較
不動産投資といっても様々な種類があります。それぞれの特徴とリスクを整理します。
タワーマンション(区分所有)については、この10年間振り返ると立地の良いタワマンは物件価格が2倍になったケースもあります。しかし、これは株式投資に似たキャピタルゲイン狙いの投資です。値段が上がりやすい物件は下がるのも早い。バブルでも証明されているように、キャピタルゲイン狙いでタワマンを買いに行くのはリスキーです。
タワマンは自宅として購入して住み、結果として値段が上がっていたというのであれば投資としてアリです。自宅であれば3,000万円特別控除も使えます。ただし値上がり期待だけで投資物件として複数購入するのはかなりしんどいと言えます。
| 物件種類 | メリット | デメリット・注意点 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 新築アパート(木造・軽量鉄骨) | 利回り6〜7%台、安定インカムゲイン、融資が引きやすい | 派手さはない | ◎ 最もおすすめ |
| 中古物件(耐用年数超え) | 短期間で全額償却可能、節税効果大 | 売却時に課税あり(繰り延べ効果) | ◎ 節税目的なら最適 |
| タワーマンション(投資用) | 値上がり時のキャピタルゲインが大きい | 値下がりリスク大、複数購入が難しい、融資枠を消費 | △ 自宅兼用なら1戸まで |
| 新築ワンルームマンション(区分) | 節税効果あり(帳面上) | 毎月キャッシュが2〜3万円出ていく、値上がり期待の投資になりがち | ✕ 基本的に非推奨 |
| 中古戸建て(1,000万円以下) | 表面利回り15%程度も可能 | 融資が付きにくい、レバレッジが効かない、修繕費が高い | △ 現金がない会社員向け |
新築ワンルームマンション(区分所有)については特に注意が必要です。節税はできたとしても毎月キャッシュが2〜3万円出ていく構造になっていることが多い。「10万円節税するために毎月3万円のキャッシュが出ていく」というのは本末転倒です。最終的に値上がり期待の投資になってしまい、キャピタルゲインがなければ終わりという状態になります。
この10年間を振り返ると、10年前に新築ワンルームマンションを買った人は今ちょっと利益が出て出口を迎えられているケースもあります。しかしそれは「結果として」の話であり、同じ資金で一棟のアパートマンションを買っていたら、インカムゲインでも値上がりでも、さらに大きく儲かっていたはずです。
中古戸建て(1,000万円以下)については、リノベーションして入居者をつけると表面利回り10〜15%程度回るケースもあります。しかし融資がなかなか付かないため、全額現金で買うとレバレッジが効きません。さらに1戸出るたびにリフォーム費用が数十万〜100万円かかるため、1,000万円の物件で年間家賃収入150万円あっても、数年に1回の修繕で吹き飛んでしまうことも。ちまちました管理が必要で、経営者向きとは言えません。
⚠️ 注意:立地が良くても投資として儲かるとは限らない
「不動産は立地が全て」と考えている方が多いですが、立地の良さと投資としての収益性は別の話です。梅田のグランフロント大阪のような超一等地の物件でも、投資として儲かるかどうかはまた別の問題。地味なエリアの一棟アパートの方が実際には手堅く儲かるケースが多いです。
📝 このセクションのまとめ
- 新築ワンルームマンション(区分)は毎月キャッシュが出ていく構造で基本的に非推奨
- タワーマンションは自宅兼用で1戸まで。投資目的での複数購入はリスクが高い
- 中古戸建ては融資が付きにくくレバレッジが効かないため経営者向きではない
- 経営者には新築一棟アパートまたは節税目的の中古物件(耐用年数超え)が最適
- 立地の良さと投資収益性は別物。地味なエリアの一棟アパートの方が手堅く儲かる
良い物件の探し方と不動産会社の選び方
不動産投資で失敗しないためには「どこで物件を買うか」が非常に重要です。金額が大きいだけに、選び方を間違えると大きなダメージになります。
まず、ネット広告や新聞広告に掲載されている物件には飛びつかないことが原則です。
⚠️ 注意:広告に出ている物件は要注意
広告に掲載されている物件は「売れていないから広告に出ている」可能性が高いです。本当に良い物件は、不動産業者が自社で買うか、特定の顧客に水面下で紹介するため、一般公開される前に売れてしまいます。広告に出てくる物件は「さらし物件」と呼ばれ、何らかの問題がある可能性も否定できません。
良い物件を探す方法は大きく2つあります。
- 掘り出し物を探しに行く方法:ありとあらゆる不動産屋さんに声をかけまくる。財務内容が非常に良い会社の社長であれば、そういう話が舞い込んでくることもある。ただしこれはなかなか難しい。
- 手堅い業者から買う方法:掘り出し物ではないが、失敗しにくい物件を適切な利回りで提供してくれる業者から購入する。長期的に入居付けができる間取りで開発し、賃貸管理まで一括でサポートしてくれる業者を選ぶ。
良い不動産業者の特徴として、プライベート相談のような形でお客さんの資産状況・年収・会社の財務内容を確認した上で、その人に合った物件を個別に紹介するスタイルが挙げられます。物件を開発したら特定の1〜3人にご紹介して買い付けが入るため、広告には出ない。こういった業者は水面下で物件が売れていきます。
また、自社にゼネコン機能(設計・施工)を持つ業者は、土地の仕入れから設計・施工・販売・管理まで一貫して行えるため、中間コストが削減でき、お客さんにとって良い利回りで物件を提供できます。仲介手数料がかからない直販スタイルも購入コストを抑えられる要因です。
📌 ポイント:今の市場における利回りの目安
- 新築木造・軽量鉄骨アパート(標準):6.5〜7%
- 立地が良くなると:6%前後
- 東京都内の好立地:5%台
- RC(鉄筋コンクリート):4%台
融資を受けた際にお客さんが儲かる利回りから逆算して物件価格を設定している業者であれば、お客さんの利益と業者の利益が一致した健全なビジネスモデルと言えます。
📝 このセクションのまとめ
- 広告掲載物件は「売れ残り」の可能性が高く、基本的に飛びつかない
- 良い物件は業者間や水面下で売れてしまうため、信頼できる業者との関係構築が重要
- 設計・施工・販売・管理を一貫して行う業者は中間コストが削減でき利回りが高くなりやすい
- 今の市場では新築アパートで6.5〜7%の利回りが一つの目安
- 掘り出し物を探すか、手堅い業者から買うか、自分のスタンスを明確にする
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士を応援しています!
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