節税対策

中小企業の超特権!経営強化税制の即時償却と税額控除を税理士が解説

中小企業の超特権!経営強化税制の即時償却と税額控除を税理士が解説
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設備投資で即時償却か税額控除か。中小企業だけが使える特別減税制度を数値シミュレーションで徹底比較します。

中小企業経営強化税制とは?制度の概要と延長情報

今回は、設備投資で税制優遇が受けられる中小企業経営強化税制について解説していきます。この制度は元々2023年3月31日で終了する予定だったんですけれども、2025年3月31日まで延長されることになったんですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。じゃあこれ、あと1年近くありますから、今なら余裕を持って取り組めるものってことですよね。

サトウ
サトウ

そうなんです。今回は中小企業経営強化税制の内容と、具体的な節税効果のシミュレーションを含めて徹底解説していきます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

早速この中小企業経営強化税制の中身について教えていただけますか。

サトウ
サトウ

簡単に言ってしまうと、機械装置だったり器具備品、あとソフトウェアなど、そういった対象となる設備を取得することで、即時償却または取得価格の10%の税額控除を受けることができるという制度になっています。

ただし、資本金3,000万円超1億円以下の法人は、税額控除の率が10%ではなくて7%になります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

この即時償却か税額控除か、どっちかを選べるっていうことですね。それぞれの違いについて教えていただけますか。

サトウ
サトウ
【制度概要まとめ】
・対象:青色申告書を提出する中小企業者等
・優遇内容:即時償却 または 取得価格の10%(資本金3,000万円超1億円以下は7%)の税額控除
・期限:2025年3月31日まで(延長済み)

減価償却の基本と即時償却の仕組み

まず前提として、減価償却の仕組みについて簡単に確認しておきましょう。通常、設備を購入した場合、その代金の額、つまり設備の取得金額というのは、耐用年数に応じて数年にわたって経費化していくということになります。この処理のことを減価償却と言います。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

多額の設備投資を行ったとしても、原則は初年度に一気に経費にすることはできないってことですよね。

サトウ
サトウ

しかしですね、例外として設備取得金額を初年度に全額経費にできるというのが即時償却なんですよ。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。

サトウ
サトウ

通常の減価償却の定額法の処理だと、例えば耐用年数5年で500万円の機械を購入した場合、5年間で100万円ずつ償却していきますよね。ですが即時償却が適用されると、初年度に一気に500万円全て償却できるということになります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。1年で一気に経費化できるっていうのはありがたいですよね。

サトウ
サトウ

設備を導入した年に大幅な節税になるんですよね。なので手元により多く資金を残せて、キャッシュフローが改善されるというメリットがありますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

これかなり魅力的な制度なんですけれども、何か注意点というのはあるんでしょうか。

サトウ
サトウ

即時償却は1年目に全額経費で落とせるんですけれども、償却費の合計額は通常の減価償却と同じなんですよ。つまり、トータルでの納税額は変わらないということになります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。収める税金が減るわけじゃないっていうことですね。

サトウ
サトウ
【即時償却の注意点】
即時償却は課税の「繰り延べ」であり、トータルの納税額は通常の減価償却と変わりません。初年度のキャッシュフロー改善が主なメリットです。

税額控除の仕組みと即時償却との違い

じゃあ続きまして、税額控除というのはどういうものなんですか。

サトウ
サトウ

税額控除は、初年度の法人税から一定割合を直接控除できるというものですね。所得からの控除ではなく、税額からの直接控除になってくるので、これ結構でかいですよね。

中小企業経営強化税制での税額控除というのは、取得価格の10%、資本金3,000万円超1億円以下の場合は7%の税額控除になります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。

サトウ
サトウ

減価償却を通常通り行うタイミングで、さらに控除できるので、トータルでの納税額というのはこの税額控除の分少なくなってくるということですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

じゃあさっきの例と同じく、耐用年数5年で500万円の機械装置を取得した場合どうなるんでしょうか。

サトウ
サトウ

その場合ですと、10%の税額控除を適用できるので、500万円×10%で50万円を税金から直接控除できるということになります。

減価償却費は通常と同じく、1年目から5年目までで毎年100万円ずつ償却していきます。それとは別で、初年度に50万円を税金から直接控除できるという形になりますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

税額控除を選ぶと、通常通りの減価償却をした上で、初年度の税金から控除が受けられるってことなんですね。

サトウ
サトウ

そうなんですよ。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

単純に考えると、これ税額控除の方がトータルの納税額が安くなるし、こっちの方がいいってことなんじゃないですかね。

サトウ
サトウ

一概にそうとも言えないんですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

あ、そうなんですか。

サトウ
サトウ

税額控除は税金から直接控除するので、初年度に利益が発生していない場合は控除できる税金がそもそもないんですよ。なので節税効果をあまり得られないってことになっちゃうんですよ。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

じゃあ、ちゃんと利益が出てる年にやらないとあまりメリットないってことですね。

サトウ
サトウ

そうなんですよ。即時償却を選んだ方がいいのか、税額控除を選んだ方がいいのかというのは、後ほど詳しく解説していきます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

対象設備の要件と制度の適用条件

即時償却と税額控除の仕組みは分かったんですけれども、これどんな設備が対象になるんですか。

サトウ
サトウ

対象になる設備は、機械装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウェアが該当していきますね。機械装置であれば取得価格が160万円以上、ソフトウェアであれば70万円以上という風に定められていて、A類型からD類型までそれぞれ異なる要件があるんですよね。

また、国内への投資であることと、中古物件は対象でないということも条件になったりします。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。この制度自体、中小企業の特権ってことだったんですけれども、これどういった条件があるんですか。

サトウ
サトウ

この税制の対象になってくるのは、青色申告書を提出する中小企業者等になりますね。ここでの中小企業者というのは、

  • 資本金額または出資金額が1億円以下の法人
  • 資本金または出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
  • 常時使用する従業員数が1,000人以下の個人などの事業者

のことを言います。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そして、対象になる事業者が2025年3月31日までに中小企業経営強化税制の認定を受けた経営力向上計画に基づき取得して事業用に使うことで、税制優遇が適用できるということになりますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

計画も作らなきゃいけないんで、結構面倒くさそうですね。

サトウ
サトウ

そうなんですよね。経営力向上計画の認定に加えて、工業会の証明書なども取り寄せていく必要があって、時間と手間がかかってくるんですよね。この制度は今のところ来年の3月31日までとなっていますので、使いたい場合は早めに動いていくことをお勧めします。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー
【注意】申請には時間がかかります
経営力向上計画の認定取得や工業会の証明書取り寄せには相当の期間が必要です。2025年3月31日の期限に間に合わせるため、早急に動き出すことが重要です。

節税シミュレーション:通常償却・即時償却・税額控除を比較

この制度を使ってお得に設備投資したい場合、即時償却と税額控除の2つがあると思うんですけど、どっちを選ぶのがおすすめなんですか。

サトウ
サトウ

結論から言うと、本当にケースバイケースということになりますね。今回はシミュレーションの数値を見ながら、どのように効果があるのかを見ていきましょう。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

はい。

サトウ
サトウ

先ほどから例に出ている耐用年数5年・500万円の機械を購入した場合で簡単にシミュレーションしていきたいと思います。条件としては以下の通りです。

  • 減価償却前の利益:1,000万円
  • 設備投資の額:500万円
  • 耐用年数:5年
  • 毎年の償却額:100万円(定額法)
  • 税額控除の割合:10%
  • 法人実効税率:30%(簡略化のため)
税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

まずですね、どちらの優遇も使わない通常の減価償却の場合はこのようになります。毎年の減価償却費100万円を差し引いた税引前利益900万円に30%の法人税がかかってくるので、法人税額は270万円になります。毎年100万円の減価償却費が計上されて、法人税の5年間の合計は1,350万円となります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

じゃあ続いては即時償却を利用した場合ですね。こちらを見ていきましょう。

サトウ
サトウ

初年度に500万円全てが償却できるので、税引前利益は500万円になります。初年度の法人税は150万円になるということですね。通常の減価償却では初年度の法人税が270万円でしたので、120万円も負担を減らすということができます。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

これ結構な節税効果ですよね。

サトウ
サトウ

そうなんですよ。ただし、2年目からは減価償却費の額が0になるので、年間の法人税の支払いは増えていくということになってしまいます。なので結果としては、トータルでの法人税の合計は1,350万円で通常の減価償却と変わらないという結果になりますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。初年度は節税効果があるように見えるんですけど、長い目で見たらその税負担は変わらないってことですね。

サトウ
サトウ

そうなんですよ。じゃあ最後に税額控除を適用した場合を見ていきましょう。通常の減価償却を行った上で、設備投資額500万円×10%で50万円を税額から直接控除できるということでしたよね。ですので初年度の法人税額は220万円になってくるということになります。

2年目からは通常の減価償却になるんですけれども、初年度に50万円の税額控除がある分、法人税の合計は1,300万円になり、即時償却に比べて税負担が少なくなっておりますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

税額控除だと課税の繰り延べじゃなくて、実際に節税効果があるってことですね。

サトウ
サトウ
比較項目通常の減価償却即時償却税額控除(10%)
初年度の法人税270万円150万円220万円
5年間の法人税合計1,350万円1,350万円1,300万円
初年度の節税効果▲120万円▲50万円
トータルの節税効果なし(繰り延べのみ)▲50万円

税額控除の2つの注意点:利益がない場合と控除限度額

ただ、注意点が2つあります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

はい。

サトウ
サトウ

1つ目は先ほども説明した通り、初年度に利益が発生していない場合は控除できる税額がないんですよね。なので節税効果を得られないということになります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

うん。

サトウ
サトウ

2つ目は、法人税の20%という控除限度額が存在するということですね。税額控除は法人税の20%の金額で頭打ちになってしまうってことですね。なので本来認められていた控除額の一部が適用できないという場合もあり得るんですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。控除額を上回る金額については翌期に繰り越して控除できるんですけれども、繰り越しできるのは1年だけなんですよね。

サトウ
サトウ

そうなんですね。例えば、減価償却前の利益が750万円だった場合、税引前利益は650万円で、本来の法人税額は650万円×30%で195万円なんですよね。控除限度額はこの20%になるので、195万円×20%で39万円ってことになります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

てことは、39万円分しか控除できないってことですか。

サトウ
サトウ

そうなんですよ。実際に支払う法人税は195万円-39万円で156万円になります。残りの11万円は翌期に繰り越されるということになります。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そうなんですね。

サトウ
サトウ

11万円であれば翌年に使い切れる可能性が高いんですけれども、減価償却前利益が500万円だった場合、控除限度額は24万円になって、残りの26万円は繰り越しになりますよね。そして翌年も限度額24万円だった場合、使いきれない2万円は消えてしまうということになりますね。この繰り越しができるのが1年だけっていうことですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そういうことですね。

サトウ
サトウ
【税額控除の2大注意点】
①初年度に利益(税額)がない場合は控除できず、節税効果がゼロになる
②控除限度額は法人税額の20%。超過分は翌年1年のみ繰り越し可能で、使い切れなかった分は消滅する

どちらを選ぶべきか?経営状況別の判断基準

この即時償却と税額控除、自分の会社にどっちが有利なのか、どうやって見極めればいいんでしょうか。

サトウ
サトウ

その会社の経営状況によってどちらが有利かというのは変わってくるんですよね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

なるほど。

サトウ
サトウ

突発的な大きな利益が出た場合だったり、業績に少しでも不安がある場合は、一気に償却できる即時償却がおすすめですね。それによって当面のキャッシュは確保ができるので、急激な景気後退にも対応しやすくなってくるというメリットがありますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

この大きな利益が出た場合は、その年の経費を多くして利益を減らしたいですからね。

サトウ
サトウ

そうですね。コロナやリーマンショックみたいなリスクを考えると、即時償却で手元資金を確保しておくというのも一理あるかなと思いますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

はい。

サトウ
サトウ

一方で、安定した利益が見込まれる場合は、税額そのものが減らせる税額控除が有効になってきますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

確かに、税金が実際に減るというのは大きいですよね。

サトウ
サトウ

大きいですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

実際のところ、即時償却と税額控除どっちを活用する企業が多いんですか。

サトウ
サトウ

直近のキャッシュフローをやっぱりよくしたいという経営者さんが多いので、即時償却を使われている会社さんが多いですね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー

そうなんですね。

サトウ
サトウ

ただ、あくまでもケースバイケースで答えは変わってくるので、状況に応じて専門家と共に判断していただくというのがいいのかなと思いますね。

税理士アドバイザー
税理士アドバイザー
【選択の目安まとめ】
即時償却が向いているケース:突発的な大きな利益が出た年、業績に不安がある、手元キャッシュを確保したい
税額控除が向いているケース:安定した利益が継続して見込まれる、実際の納税額を減らしたい
・最終判断は必ず専門家に相談を

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛ch の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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