社会保険料滞納で倒産急増!2024年10月から深刻化する社保倒産の原因と対策を解説

社会保険料滞納で倒産急増!2024年10月から深刻化する社保倒産の原因と対策を解説
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社会保険料の滞納を原因とする「社保倒産」が過去最高水準で急増中。2024年10月の適用拡大でさらに深刻化する理由と、経営者・会社員が知っておくべき対策を詳しく解説します。

社保倒産が急増中――帝国データバンクの最新データ

帝国データバンクの最新レポートによると、社会保険料や税金の滞納を直接の引き金とした倒産件数が過去最高水準に達しています。借入過多や業績悪化ではなく、社会保険料・税金の滞納そのものが倒産のきっかけになるケースが急増しているのです。

大企業でも例外ではありません。大手パチンコホールのガイアや、韓国食材スーパーのAさんなど、社会保険料の滞納が差し押さえのきっかけとなり、最終的に倒産に至った事例が報告されています。

📌 中小企業でも多発する社保倒産の実例

  • 岩手のタクシー会社:社会保険料を長期滞納→車両を差し押さえ→破産→従業員85名が全員解雇
  • 東京のIT企業:保険料を分納していたが行き詰まり→取引先からの売掛金(入金)を差し押さえ→さらに社長の別会社の銀行口座も差し押さえ

特に注目すべきは差し押さえの手法です。レジの現金をその場で差し押さえるケースも報告されており、日本年金機構による徴収は税務署と同等かそれ以上に厳しいという声が現場から上がっています。

⚠️ 注意

税務署は会社の経営状況をある程度考慮し「来月払ってください」といった配慮を見せることもありますが、日本年金機構の担当者の中にはキャッシュフローの概念が乏しく、「今すぐ回収する、会社が倒産しようと関係ない」というスタンスで差し押さえを行うケースがあると言われています。滞納は絶対に長期化させないことが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 社会保険料・税金の滞納倒産が過去最高水準で急増している
  • 大企業・中小企業を問わず差し押さえ→倒産の事例が多発
  • 日本年金機構の徴収姿勢は税務署以上に厳しいケースがある

社保倒産が増えた7つの理由

なぜ今、社保倒産がこれほど増えているのでしょうか。主な理由を整理します。

No.理由内容
コロナ後の回復遅れコロナ禍では社会保険料が猶予されていたが、猶予終了後に2年分をまとめて支払う必要が生じた。しかし売上回復は遅れたまま。
円安・物価高仕入れコストや光熱費が上昇し、経営を直撃。
ゼロゼロ融資の返済開始コロナ禍に無利息・無担保で借りた融資の返済が2023年7月以降に本格化。社会保険料の負担と重なった。
年金事務所の徴収強化かつては緩かった徴収姿勢が激変。現在は税務署と同等かそれ以上の厳しさで差し押さえが実施されている。
赤字でも発生する固定費社会保険料は法人税・所得税と異なり、赤字でも人件費が発生する限り必ず支払い義務が生じる。消費税も同様。
社会保険料率の値上がり2005年時点は給与の約23%だったが、現在は約30%にまで上昇。
賃上げ・人件費アップの流れ給与を増やすと、それに連動して社会保険料の会社負担分も増加する。

社会保険料の負担率はここまで上がった

社会保険料の会社負担がどれほど重くなっているか、内訳を確認しておきましょう。会社員・パート従業員に給与を支払う場合、以下の保険料が発生します。

保険の種類従業員負担会社負担合計
健康保険料約5%約5%約10%
介護保険料約1%約1%約2%
厚生年金保険料約9%約9%約18%
合計約15%約15%約30%

つまり、会社は毎月、従業員の給与に対して約15%分を上乗せして日本年金機構に納付しなければなりません。税金よりも社会保険料の方が負担額が大きいケースは珍しくありません。

📝 このセクションのまとめ

  • コロナ猶予の終了・ゼロゼロ融資返済・徴収強化が重なって倒産が急増
  • 社会保険料率は2005年の約23%から現在は約30%に上昇
  • 赤字でも人件費がある限り発生する「固定費」という性質が経営を直撃する

賃上げで会社のキャッシュはどう変わるか――具体的なシミュレーション

「賃上げをすれば社会保険料も増える」という構造を、具体的な数字で確認しましょう。

賃上げ前(現状)

項目金額
売上3億円
経費(人件費以外)1億円
人件費1億5,000万円
社会保険料(会社負担)2,200万円
法人税900万円
消費税2,000万円
年間キャッシュ増減▲100万円

賃上げ後(給与6%アップした場合)

項目金額変化
人件費1億5,900万円+900万円
社会保険料(会社負担)2,400万円+200万円
法人税500万円▲400万円(経費増で減少)
支払い増加合計+1,100万円
年間キャッシュ増減▲800万円

⚠️ 注意

賃上げ前でも年間▲100万円だったキャッシュが、6%の賃上げだけで▲800万円に悪化します。ここにゼロゼロ融資の返済(仮に年1,000万円)が加わると、合計で▲1,800万円のキャッシュアウトとなり、会社の資金繰りは一気に危機的な状況になります。

📝 このセクションのまとめ

  • 給与を6%引き上げると、社会保険料を含む支払い増加は約1,100万円になる
  • 法人税は経費増で減少するが、それ以上に人件費・社保の増加が大きい
  • ゼロゼロ融資の返済と重なると、資金繰りが一気に悪化するリスクがある

2024年10月から何が変わる?106万円の壁と社会保険の適用拡大

社保倒産がこれからさらに増えると言われている最大の理由が、2024年10月からの社会保険適用拡大です。

社会保険に加入が必要な5つの条件(現行)

  1. 週の労働時間が20時間以上であること
  2. 月額賃金が8万8,000円以上(年換算で約105万6,000円=いわゆる「106万円の壁」)であること
  3. 勤務期間が2ヶ月を超える見込みがあること(短期バイトは対象外)
  4. 学生は適用除外
  5. 勤め先の従業員数が100人超の会社であること

この5つの条件をすべて満たす場合、パート・アルバイトであっても勤め先の社会保険に強制加入となります。加入すると手取りが単純計算で約15%減少しますが、将来受け取れる年金額は増加します。

2024年10月からの変更点

📌 ポイント

上記5番目の「従業員数の要件」が、100人超→50人超に引き下げられます。これにより、ちょっとした工場やサービス業でも適用対象となるケースが大幅に増え、新たに約65万人が社会保険の加入対象になると見込まれています。

100人以下の会社の場合は「130万円の壁」

従業員数が100人以下(2024年10月以降は50人以下)の会社に勤めるパートの方には、従来からある130万円の壁のルールが適用されます。年間130万円以上の収入が見込まれる場合、配偶者の扶養から外れ、自分で国民健康保険に加入するか、勤め先の社会保険に加入するかを選択することになります。

会社の規模(従業員数)適用される壁加入先
2024年10月以降:50人超(改正前:100人超)106万円の壁勤め先の社会保険に強制加入
50人以下130万円の壁国民健康保険 または 勤め先の社会保険

📝 このセクションのまとめ

  • 2024年10月から社会保険の適用要件が「従業員50人超」に拡大される
  • 新たに約65万人が社会保険加入対象となる見込み
  • 会社の社会保険料負担がさらに増加し、社保倒産がさらに増えるリスクがある

会社が社保倒産したら従業員はどうなる?

「もし自分の会社が社保倒産してしまったら、自分の保険料や給与はどうなるのか」という疑問に答えます。

個人事業主の場合

個人事業主が自己破産しても、社会保険料や税金は免責されません。つまり、破産後も払い続けなければならない義務が残ります(生活保護を受けた場合は一時停止などの例外はあります)。

法人(会社)の場合

法人が倒産した場合、税金も社会保険料も原則として支払い義務は消滅します(一部例外あり)。そのため、そこで働いていた従業員への基本的な影響は限定的です。

項目従業員への影響
社会保険料の未払い分会社が払っていなくても、従業員は「払ったとみなされる」ため、健康保険・厚生年金は有効
資格喪失届が提出されていた場合その期間分の年金が払われていないことになるため、将来受け取れる年金が減少する可能性あり
未払い賃金「未払賃金立替払制度」により、未払い給与の約8割が国から支給される

📌 未払賃金立替払制度とは

会社が倒産して給与が数ヶ月未払いになった場合でも、厚生労働省の「未払賃金立替払制度」によって未払い給与の約8割が支給されます。この制度は、会社が社会保険料を払っていたか否かに関わらず利用できます。

なお、社保倒産は借金が多いことが原因ではなく、社会保険料の滞納だけが直接の原因であるため、経営者や従業員への影響が比較的小さいという側面もあり、実行しやすい倒産の形態であるとも言われています。だからこそ、倒産件数が増えているという現実があります。

📝 このセクションのまとめ

  • 法人倒産の場合、従業員の社会保険は「払ったとみなされる」ため基本的に有効
  • 未払い給与は「未払賃金立替払制度」で約8割が補填される
  • ただし資格喪失届が出されていた場合は将来の年金が減る可能性がある

社会保険料を削減・猶予する6つの方法

社保倒産を防ぐために、経営者が取り組むべき社会保険料の削減・猶予策を紹介します。

削減方法(3つ)

  1. 4月〜6月の残業代を減らし、昇給は7月以降に行う
    社会保険料の標準報酬月額は4〜6月の給与をもとに決定されます。この期間の残業代を抑えることで、1年間の保険料を抑制できます。昇給タイミングも7月以降にずらすのが有効です。
  2. 企業型DC(確定拠出年金)や確定給付企業年金の導入
    給与の一部を企業型DCなどに振り替えることで、社会保険料の算定基礎となる給与額を下げることができます。
  3. 社宅制度の活用
    家賃補助を現金で支給するのではなく、会社が社宅を提供する形にすることで、給与額(=社会保険料の算定基礎)を抑えられます。

⚠️ 注意

社員を業務委託に切り替えることで社会保険料を回避する方法もありますが、これは相当グレーな手法です。実態が雇用関係であるにもかかわらず業務委託契約を結んでいると、後から問題になるリスクがあります。安易に採用しないことをお勧めします。

助成金・猶予制度の活用(3つ)

  1. 年収の壁・支援強化パッケージの活用
    手続きの手間はかかりますが、労働者1人当たり最大50万円の支援金が受け取れる制度です。106万円の壁に対応するための助成金として活用できます。
  2. 換価の猶予
    納期限から6ヶ月以内であれば、年金事務所に申し出ることで差し押さえの実行を猶予してもらえる制度です。資金繰りが苦しい場合はまず相談してみましょう。
  3. 納付の猶予
    災害や事業上の著しい損失が発生した場合などに、社会保険料の納付期限を延長してもらえる制度です。

📌 ポイント

「換価の猶予」「納付の猶予」はすべてのケースで認められるわけではなく、断られる事例もあります。しかし申請しなければ差し押さえは止まりません。まずは年金事務所に相談し、使える制度を積極的に活用することが重要です。

📝 このセクションのまとめ

  • 4〜6月の残業代削減・企業型DC・社宅活用で社会保険料を合法的に削減できる
  • 年収の壁・支援強化パッケージで労働者1人あたり最大50万円の支援金が受けられる
  • 滞納してしまった場合は「換価の猶予」「納付の猶予」を活用して差し押さえを防ぐ
  • 業務委託への切り替えは相当グレーな手法であり安易な採用は禁物

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル オタク会計士ch【山田真哉】 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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