2025年4月から130万円の壁はどう変わる?社会保険の壁を税理士が解説
2025年4月から社会保険の130万円の壁の判定基準が変わります。何がどう変わるのか、税理士が詳しく解説します。
130万円の壁とは何か?社会保険の扶養の仕組み
今年の4月から130万円の壁・扶養の判定基準が変わるって聞いたんですけど、これ何が変わるんですか?

130万円の壁、知ってます?

知ってます。年間130万円を超えると社会保険料が変わる、みたいな。

そう、社会保険料の壁ですね。年末に178万円の壁っていうのが税制改正でありましたけど、あれは所得税の壁です。この4月に変わるのは社会保険の壁、130万円の壁ですよ。ちょっとだけ良くなります。

良くなるんですか?

ちょっとだけ良くなります。でも本当に良くなるのかっていう話もあってね。私はずっと「所得税の壁よりも社会保険の壁の方が負担が大きい、なんとかしてくれ」と言ってきたわけですよ。

確かに。そうですね。

国民民主党はそれをなんとかするみたいなことを掲げてましたけど、選挙も終わってどうなってるかわからないけど、とりあえず4月からは130万円の壁が変わります。あなたの働き方も変わってきますよ。

大事ですね。

大事。じゃあ、この130万円の壁について、変わった結果何が変わるのか、そこを解説しましょう。

お願いします。

1番負担が大きい社会保険料の壁が、この4月から変わるということで、130万円の壁はもうめんどくさい壁なんですよ。これが若干緩くなるので、今日はその辺りを解説したいと思います。
社会保険の壁をなんとかしてもらわないと、手取りは増えませんよ。178万円に税制が変わったところで、社会保険の適用が増えていたら何の手取りも増えませんから、ずっと「なんとかしてくれ」と言ってます。それが少しはこの4月から変わるということです。

130万円の壁って、さっきのじゃないんですか?

さっきのは中途半端でしたよね。改めて説明しましょう。例えば万が一あなたが結婚していて、奥さんが働いていて、あなたの年収が130万円未満だったとします。そうしたら奥さんの社会保険の扶養に入れるんですよ。つまり、あなたは社会保険を払わなくていいというわけ。

扶養に入れる。130万円を超えたら扶養から外れちゃう。

そう、外れちゃうんです。130万円以内なら第3号被保険者になれる、つまり扶養に入れるわけです。

扶養ってことですね。

そう、扶養。そういうことなんです。それが今まで130万円の壁で、年間130万円収入が超えないように、12月ぐらいになったら「このまま12月も働きすぎると社会保険が130万円を超えてしまう」ということで働き控えをして、また130万円に抑えるという人がいるわけですよ。

そうですね。年末になったらちょっと働き控えしますよね。

2025年4月からの変更点:労働契約書ベースの判定へ
そういう働き控えをなくそうということで、130万円のこの壁をちょっと是正しようということで、この4月から少し緩やかになります。これがどうなるかというと、ぶっちゃけ130万円を多少超えてもいいよという話なんですよ。
どういう風に判定するかというと、扶養の判定基準は「実際に130万円を超えたか超えていないか」ではなくなります。この4月からは労働契約書が年間130万円を超えるか超えないかで、扶養に入るか入らないかを判定しますよということです。

労働契約書。

例えば、あなたを雇ったとして、「年間130万円以内、例えば129万円で雇うよ」という労働契約書を結ばせれば、それで扶養に入れるということです。

なるほど。今までなら130万円いかないように働き控えをするわけですよね。でも実際に130万円いったかいってないかはもう関係ないっていうルールに変わるんですか?

そうです。労働契約書で年間の給料が130万円いかなければ、扶養に入ってもいいというルールに変わるんですよ。

もう何でも放題じゃないですか?勝手に129万円にしてがっつり働いてもらうのもオッケーってことですよね?

そういう悪いことを考える人がいる。それはダメです。社会通念上妥当な範囲内で超えるぐらい、例えば140万円ぐらいだったら「結果的に140万円になってもまあしょうがないかな」みたいな感じです。
基本的には時間外労働を考慮せずに働いてもらうということで、「時間外労働はありませんよ」という契約を組むわけです。時間外労働というのは、どうしても仕事が終わらないとか、どうしても納期が迫っているとかという臨時的に発生するもの。その時間外労働はカウントしませんという話です。

ほう。

だから、労働契約書に例えば固定残業を「毎月何時間か固定残業してくれ」と書いてあって130万円を超えたら、それはもうアウトです。固定残業が入っているので。でも、残業代を入れずに済む労働契約書で130万円を超えていなければオッケーなんですよ。扶養に入れて、結果的に忙しくて残業したら、その残業は臨時的なものだからカウントしないよというルールです。

ほう。ちょっと基準が曖昧ですけど、まあでもいい方向になったということですね。

うん。でもすぐ悪いことを考えるでしょ。「毎月臨時なんですよ、自分は」みたいな。そういうこと。

いや、違います。そういう悪いことを考える人がいるんだよっていうのを伝えたかったんです。可能性がありますよっていう。

結局なんでもありやんって。でも、社会通念上の範囲っていうちょっと曖昧な基準があって、あまりにも残業が毎月発生して、残業代が20時間以上で150万円を超えるとかってなったら、それはさすがに臨時的な残業・突発的な残業とは言えないので外しますみたいな話になります。

あ、そうなっちゃうんですね。やっぱり限度は必要ですね。

健康保険組合のさじ加減という問題
限度は必要。じゃあその基準はなんやっていう話で、「社会通念上」ですね。140万円ならオッケーだけど、じゃあ142万円ならダメなのかって、わからないんです。
例えば、あなたが130万円で奥さんの扶養に入っているとします。奥さんの会社の健康保険組合があなたの収入状況を報告しなさい、証明書を出しなさいみたいな感じになって、仮に140万円と出したら「これくらいならいいか」と健康保険組合が言うかもしれない。でも150万円出したらダメって言うかもしれない。もし厳しい健康保険組合だったら、135万円出しても「ちょっとこれはダメ」と言いそうな組合もあるかもしれない。

それも怖いですよね。

「社会通念上」とか言いながら、健康保険組合のさじ加減で決まるみたいな。健康保険組合はいっぱいあるんで、会社が入る組合とかいっぱいあるんで、そこも統一基準がないわけですよ。どこに見られるかによって変わっていく。

めっちゃ大事だ。

うん。もっと言うと、奥さんが気に入られていたら多分オッケー。奥さんが嫌われていたらもうアウト。だから好き嫌いの問題もあって、「あいつのとこだから多めに見ておこうか」とか。

いいんですか?そういうので。

でも実際そうですよ。健康保険組合が基準を決めて、「残業代があっても140万円までは認めるよ」ってなったら140万円まで残業するよね。でもそういうわけにはいかないし、まあ、さじ加減ですね。しょうがない。

しょうがないか。

年齢別の壁:19〜22歳は150万円、60歳以上は180万円
これはね、19歳から22歳の大学生ぐらいの子が扶養に入っていたら150万円なんですよ。150万円の壁。これは今年の10月から。

おお。ちょっと先ですね。

今年ですよ。やっと。で、60歳以上の方が扶養に入っていたら180万円の壁になります。60歳以上の人は180万円まで収入があっても扶養に入れる。労働契約書が180万円以内なら扶養に入れる。19歳から22歳の人は150万円以内なら扶養に入れる。それ以外の人は130万円以内なら扶養に入れる。

あ、そういうことか。年齢によって違うんですね。

そうですね。うん。でもすでに働いている人は、もう一度その労働契約書を組み直さないといけない。

組み直さないといけないんですね。

そう。労働契約書で「1年間の給料は130万円以内ですよ」っていう、時間とか金額とかちゃんと明記して、ちゃんと130万円以内っていうことを証明しないといけないですね。

すぐ作らないといけないですね。

通勤手当が含まれる問題点と、賞与・手当の扱い
でもこれ、厄介なのが、私はこれもうずっと納得いかないんですが、労働契約書の中に通勤手当を入れるじゃないですか。通勤手当も含めての判定なんです。

え、交通費は別ですよね。

そう。遠いところから来ている人が損するじゃないですか。遠いところからわざわざ来ているのに、その分働く時間を短くしなさいみたいな。給料が上がってしまうので。なんで通勤手当を社会保険の基準に入れるんだっていう話ですよね。本当に矛盾しています。通勤手当って実費じゃないですか。実費をなんで入れるんだっていう話で、もっとここに突っ込まないといけない。

この機会に変えてほしいですね。確かに通勤手当は給料じゃないですもん。実費じゃないですか。

そうですよ。ね。おかしな話ですよ。こうやって頭の賢い人が作っているのか、頭の悪い人が作っているのかよくわからないですよ。交通費は別なんですから。一緒に考えられては困りますよ。これは正論だと思いますよ、本当に。

ぜひ変えてほしいですね。

あとね、賞与や手当は判定に含めなくていいんですよ。交通費は入るのに。そうなんですよ。判定から外れるんです。賞与がポンと出て130万円を超えても、賞与は含めなくていいんです。手当もポンと出て、これも外していいんです。毎月出るような固定手当はわかりませんが、インセンティブ的な手当とか賞与なんかは130万円の判定に入れなくていいんです。

ややこしいですね。そうすると、また悪い考えが働くじゃないですか。全部給料を少なくしてボーナスでポンと出すとか。

そういうことができるよね。全部手当てにして。あくまで臨時の、「頑張ってくれたから」という人的なものとして。「元々払うつもりはなかったけど頑張ってくれたから」みたいな。

何とでも言えますよね。そうやって悪いことを考える人がいるんですよね。

だから、これ曖昧なんですよね。でもね、曖昧だからこそ、実際の支払いが130万円を超えたとしても、なかなか「扶養ダメ」とは言われないんじゃないかなと、逆に。ルールが曖昧なだけに。こちらが証明すればそれ以上はないですもんね。

そうですね。

なかなかだから、多分またこれ改正されると思いますよ。

結局また変わりそうですね。

結局4月からはこうなるということなので、まず労働契約書を作っていただくのが1番いいかなと思いますね。

51人以上の会社は別ルール:106万円の壁と今後の拡大
あとね、今回の130万円の改正と関係ない会社もやっぱりあるんですよ。

関係のない会社。

社会保険に加入している人が51人以上いる会社です。51人以上の会社は106万円の壁というのがあります。106万円以上の給料をもらったら会社の社会保険に加入しなければいけない。

おお。めっちゃ低いですね。

めっちゃ低い。106万円、月8万8,000円ぐらいあったら扶養に入る入らないというよりか、自分で会社の社会保険に入らなければいけない。130万円の先の扶養の壁は「会社の社会保険に入らなければいけない」ということではないんです。

はい。

130万円を超えたら奥さんの扶養から外れなければいけない。そうしたら自分で国民年金とか国民健康保険に入らなければいけない。でも、この106万円の壁は国民年金・国民健康保険じゃなくて、会社の社会保険に入らなければいけないという話です。

ああ、なるほど。

だから、51人以上社員がいる会社は、130万円の壁とか今回の改正はもう関係ない。106万円の壁も実質撤廃みたいな状態で、別動画でも解説していますが、週20時間働いたら106万円を自然と超えるんですよ、最低賃金の関係で。週20時間以上働くような人はもう会社の社会保険に入らなければいけない、自動的に。で、130万円の今回の改正は関係ない話です。

関係ないですね。

これが来年の10月からは51人基準が36人基準になります。該当する会社が増える。どっと増える。2029年の10月からはこれが21人基準になります。2032年からは11人基準、2035年からは全ての会社ということで、今予定で進めています。

どんどん増える。結局みんな社会保険に入るってことなんですか?

うん。でも衆議院選挙で「社会保険の負担を減らさなければいけない」と言ってくれている政党もいるので、そこには頑張ってほしいですけどね。このままだと全国民が社会保険に入ることになって、さっきの130万円で扶養に入っているか扶養から外れるかで年間の手取りが30万円ぐらい変わるんですよ。

でかいですね、それ。

社会保険に切り替えて入るだけで30万円の手取りがスッと減るから、扶養に入りたくないよね。だから働き控えが起きるよね。そう。振り切ってもう社会保険に入ってもいいから手取りをどんどん増やすんだと、いっぱい働いて手取りを増やすんだってやったら、年収が180万円とか200万円ぐらいないと社会保険で引かれた分を取り戻せないんですよ。

おお。

だからその間が1番損なんですよ。130万円から180万円ぐらいの人が1番損です。もう倍ぐらい働かないとダメです。

大変ですね、それは。

副業・個人事業主の場合の扶養判定はどうなる?
壁が変わるってことなんですけど、副業やっている人とかっていうのはこれどういう基準になるんですか?

副業ね。収入が2つある、3つあるみたいな感じだね。それも合算して、それぞれで多分労働契約書か何か収入証明書みたいなものを出して、130万円いっているか言っていないか、契約書上で判断します。

あ、合算するんですか?

合算して、実態じゃなくて実際収入があるかどうかじゃなくて、契約書で130万円いっているかどうかで判断する。個人事業の場合って労働契約書とかないじゃないですか。自分の事業が自分の収入じゃないですか。だから証明書がなかなか出せないですよね。

そうですね。130万円いくかギリギリですね。色々計算するとギリギリになりますね。

難しいですね。契約書がないとなかなか証明できないですよね。契約書がないと結局は実態で判断される。契約書があれば契約書で判断する。だからすぐに労働契約書を作った方がいいですね。副業とかしていたら。

うん。状況によってそこら辺は変えていかないといけないってことですね。

うん。あとね、例えば株の収入とかある人も、それも含めて判定ですよ。

え、そしたらもうポンっていっちゃうんじゃないですか?

いっちゃう人いっぱいいるよね。要注意です。だからそうなんですよ、壁が多すぎて。何を出したいかとかもよくわからない。契約書とか言いながら、その会社に勤めていたら労働契約書とかもらえるかもしれないけど、じゃあ他の収入ってどうやって判断するんだみたいな話も出てきますし。ややこしい。

ややこしい。さじ加減が一番困りますからね、本当に。

本当に。これは経営者の方もよく見ておかないと色々と失敗しそうですよ。

そうですね。

ということで今日はね、今年の4月から130万円の壁が変わるということで解説させていただきました。労働契約書をもとに、それだけで扶養の判定をしてくれるということなので、実際いくら払ったかは関係ないと。ただ社会通念上の範囲内のオーバーなら認めるけど、大幅なオーバーはちょっと否認されるリスクはあるよということなので、そのさじ加減は難しいですけどね。
だから結局なんだかんだ、やっぱり130万円は気にしないといけなくて、まあ言っても140万円ぐらいを意識して働かないといけないのかなみたいな感じなので、そんなに変わらないかなと。ただ年末にカチカチに130万円を超えるか超えないかを意識して働くということはしなくてもいいかなぐらいな感じですね。

そうですね。なんか極端に変わるっていうわけではないですね。

うん。ただ年末でね、カチカチに130万円を超えるか超えないかを意識して働くということはしなくてもいいかなぐらいな感じですかね。

そうですね。

終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 脱・税理士スガワラくん の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 脱・税理士スガワラくんを応援しています!
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