遺族年金はいくらもらえる?受給条件と計算方法を専門家が解説
遺族年金の受給条件と受給額を、種類別にわかりやすく解説します。
遺族年金とは何か
年金とは、国民年金や厚生年金の保険料を支払っていた人が亡くなった時に、その方の収入で生計を維持していた遺族に支払われる公的年金の総称です。受け取り人・受取額は、加入していた年金制度や保険料の納付状況などによって異なります。
📌 ポイント
遺族年金には大きく分けて遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。亡くなった方が加入していた年金制度によって、遺族が受給できる年金の種類が変わります。
📝 このセクションのまとめ
- 遺族年金は、亡くなった方の収入で生計を維持していた遺族に支払われる公的年金
- 受取人・受取額は加入年金制度・保険料納付状況によって異なる
遺族年金を受け取れる人・優先順位
遺族年金を受け取れるのは、亡くなった方の次の親族です。
- 配偶者
- 子供
- 父母
- 孫
- 祖父母
それぞれに受給できる優先順位が定められており、優先度の高い親族がいる場合、優先度の低い親族は遺族年金を受給することができません。
また、遺族年金を受給できるのは、亡くなった方と生計維持関係にあった方で、原則として年収が850万円未満の方が対象となります。
📌 配偶者について(内縁関係も対象になる場合あり)
配偶者は婚姻届を出していない、いわゆる内縁関係であっても、社会通念上夫婦としての共同生活が認められ、生計維持関係を満たしていれば遺族年金が支給される可能性があります。ただし、事実婚の状態にあると認められるためには、婚姻の意思と夫婦の共同生活の実態の証明が必要になります。
子供または孫については、年金加入者が死亡した時に18歳以下の直系の子・孫である必要があります。亡くなった方と血縁関係が認められない連れ子などは受給対象とはなりません。子供や孫が遺族年金を受給できるのは18歳になった年の3月31日までです。ただし、1級または2級の障害の認定を受けている子供や孫は20歳未満まで対象となります。
父母または祖父母は、年金加入者が死亡した時に55歳以上であるものが受給対象となります。
📝 このセクションのまとめ
- 受給対象は配偶者・子・父母・孫・祖父母で優先順位あり
- 生計維持関係があり、年収850万円未満であることが原則条件
- 内縁関係でも要件を満たせば受給可能
- 子・孫は18歳の年の3月31日まで(障害認定者は20歳未満)
- 父母・祖父母は死亡時に55歳以上であることが条件
遺族基礎年金の受給要件(国民年金加入者が亡くなった場合)
亡くなった方が加入していた年金が国民年金のみの場合、遺族が受給できるのは遺族基礎年金です。遺族基礎年金を受給できるのは、18歳以下の子供がいる配偶者または18歳以下の子供で、受給の優先順位は子供より配偶者が優先されます。
遺族基礎年金を受給するには、亡くなった方が次のいずれかに該当している必要があります。
- 国民年金の被保険者である間に死亡した
- 国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が死亡した
- 老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡した
- 保険料納付済み期間・保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上ある方が死亡した
遺族基礎年金が支給されるのは、対象の子供が18歳になる年の3月31日までとなります。
📝 このセクションのまとめ
- 国民年金のみ加入の場合、遺族は遺族基礎年金を受給
- 受給できるのは18歳以下の子がいる配偶者、または18歳以下の子
- 支給期間は子が18歳になる年の3月31日まで
遺族厚生年金の受給要件(厚生年金加入者が亡くなった場合)
亡くなった方が厚生年金保険に加入していた場合、遺族が受給できるのは遺族厚生年金と遺族基礎年金です。遺族厚生年金を受給できる親族と優先順位は次の通りです。
| 優先順位 | 受給対象者 |
|---|---|
| 1位 | 配偶者・子 |
| 2位 | 父母 |
| 3位 | 孫 |
| 4位 | 祖父母 |
遺族厚生年金を受給できるのは、亡くなった方が次のいずれかに該当している場合です。
- 厚生年金保険の被保険者である間に死亡した
- 厚生年金保険の被保険者期間に初診がある病気や怪我が原因で、初診から5年以内に死亡した
- 1級・2級の障害厚生年金を受け取っている方が死亡した
- 老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡した
- 保険料納付済み期間・保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上ある方が死亡した
📌 ポイント
受給者が遺族基礎年金の受給要件も満たしている場合、遺族厚生年金と遺族基礎年金を併用して受け取ることができます。
なお、遺族年金は年金加入者が亡くなった月の翌月分から受け取ることができます。
📝 このセクションのまとめ
- 厚生年金加入者が亡くなった場合、遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方を受給できる可能性がある
- 優先順位は配偶者・子>父母>孫>祖父母の順
- 受給開始は亡くなった月の翌月分から
遺族基礎年金・遺族厚生年金の受給額の計算方法
遺族基礎年金は、一律の年額に受給対象の子供の数に応じた加算額が上乗せされます。
| 項目 | 年額 |
|---|---|
| 基本額(一律) | 795,000円 |
| 子の加算(1人目・2人目 各) | 228,700円 |
| 子の加算(3人目以降 各) | 76,200円 |
例えば、子供が3人いる配偶者の受給額は次の通りです。
📌 計算例:子供3人の場合
795,000円 + 228,700円 × 2人 + 76,200円 = 年額 1,328,600円
※ここでいう子供の数は、遺族基礎年金の対象となる18歳になる年の3月31日までの子供です。子供の成長によりこの期日を過ぎた場合、その子供分の加算額は減少します。
次に、遺族厚生年金の受給額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3となります。生前の収入が多い方ほど遺族厚生年金は高くなります。月の平均標準報酬額別の目安は次の通りです。
| 月の平均標準報酬額 | 遺族厚生年金の年額(目安) |
|---|---|
| 20万円 | 約24万円 |
| 30万円 | 約37万円 |
| 40万円 | 約49万円 |
| 50万円 | 約61万円 |
⚠️ 注意
ここで紹介した金額は令和5年10月現在の年金額です。年金額は社会情勢や物価上昇に伴い改定が行われますので、受給が必要になった時はその時点の年金額を必ず確認するようにしてください。
📝 このセクションのまとめ
- 遺族基礎年金は基本額795,000円+子の人数に応じた加算額
- 遺族厚生年金は亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3
- 年金額は毎年改定されるため、受給時に最新額を確認すること
寡婦年金とは(国民年金の上乗せ制度)
国民年金には遺族基礎年金以外にも、遺族を対象とした制度があります。その一つが寡婦年金です。
寡婦年金とは、亡くなった夫によって生計を維持され、かつ事実婚を含む婚姻関係を10年以上継続している妻が、60歳から65歳の間に受け取れる年金です。
受給要件として、次のすべてを満たしている必要があります。
- 夫が国民年金第1号被保険者として、保険料納付済み期間と保険料免除期間が合わせて10年以上である
- 夫が老齢基礎年金または障害基礎年金を受け取ったことがない
- 妻が他の年金を受け取っていない
受給額は、夫が受け取るはずだった老齢基礎年金の4分の3相当の金額となります。
⚠️ 注意
寡婦年金と後述の死亡一時金は併用して受け取ることができません。どちらか一方を選択する必要があります。
📝 このセクションのまとめ
- 寡婦年金は、10年以上婚姻関係が続いた妻が60〜65歳に受け取れる年金
- 受給額は夫の老齢基礎年金の4分の3相当
- 死亡一時金との併用は不可
死亡一時金とは(国民年金の上乗せ制度)
死亡一時金とは、亡くなった方によって生計を維持されていた遺族が受け取ることができる給付金です。
受け取れる親族と優先順位は次の通りです。
| 優先順位 | 受給対象者 |
|---|---|
| 1位 | 配偶者 |
| 2位 | 子 |
| 3位 | 父母 |
| 4位 | 孫 |
| 5位 | 祖父母 |
| 6位 | 兄弟姉妹 |
受給要件として、次のすべてを満たしている必要があります。
- 亡くなった方が国民年金第1号被保険者として、保険料納付済み期間が3年以上であること
- 亡くなった方が老齢基礎年金または障害基礎年金を受け取ったことがないこと
- 遺族基礎年金を受け取ることができる親族がいないこと
⚠️ 注意
死亡一時金は、死亡日の翌日から2年を経過した場合、請求できなくなります。請求期限を過ぎないよう、早めに手続きを行ってください。
📝 このセクションのまとめ
- 死亡一時金は国民年金第1号被保険者の遺族が受け取れる給付金
- 受給優先順位は配偶者>子>父母>孫>祖父母>兄弟姉妹
- 請求期限は死亡日の翌日から2年以内
- 寡婦年金との併用は不可
まとめ:自分のケースを事前に確認しておこう
遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があり、それぞれに受給要件が異なり、非常に複雑な制度となっています。また、国民年金には寡婦年金や死亡一時金といった上乗せ制度も存在します。
📌 ポイント
この機会に、ぜひ自身が亡くなった時に誰が遺族年金を受け取れるか、また受給額はいくらになるかを確認してみてください。事前に把握しておくことで、万が一の際の備えになります。
終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 相続専門税理士チャンネル【VSG相続税理士法人】を応援しています!
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