税務調査で絶対言ってはいけないこと|税理士が解説する流れと魔法の言葉
税務調査の流れと「絶対言ってはいけない言葉」を税理士が本音で解説します。
税務調査に入られる確率はどのくらい?
最近、税務調査ってどうですか?増えてますか?

そうですね。直近は確定申告の時期だったので一旦落ち着いてましたけど、これから増えていくんじゃないですかね。

なるほど。そんな感じはしてますね。周りで税務調査が入ったとかっていうことを聞くと、今年は税務調査来ないでほしいな、みたいな気持ちになったりするんですけど。もちろん節税も正しい範囲でやってますので、やましいところはないんですが。

確かに、きちんと申告していても税務調査を受けることになったら不安はありますよね。

間違いなくありますよ。税務調査って、どれくらいの確率で入るものなんですか?

国税庁が公開している令和3年度の法人税の調査実績というのがあるんですけど、1年間で行われた法人の調査対象は約4万1,000件ぐらいだったんですね。その年における法人の申告件数が306万件なので、ざっと1.3%ぐらいの確率になってました。

なるほど。

一方、国税庁によると1年間で行った個人対象の税務調査は約3万1,000件で、こちらはおよそ0.5%になってます。

なるほど。こうやって数字で見ると確率的には小さいですね。

まあ確かに。ただ、例えば売上10億円を超える法人と売上1,000万レベルの法人では税務調査に引っかかる可能性がやっぱり違っていて、個人事業主でも事業を始めたばかりの間もない時と10年経ったベテランのような会社になった時とで、税務調査に入られる可能性って変わってくるんですよ。
なので、さっきお伝えした低いパーセンテージの数字だけ見て「このぐらいの頻度だったら大丈夫でしょう」とは言えないかなと思ってます。

なるほど。個人的な感覚にはなってくるんですけども、例えば売上2億円レベルの会社さんであれば、税務調査に入ってくる可能性は5年に1回ぐらいなんじゃないですかね?結構ありますよね?

結構ありますよ。3年か5年に1回ぐらい入ってくるような会社さんもあったりしますね。

なるほど。そのぐらいの頻度で入られるとすると、やっぱり油断できないですよね。税務調査に入られやすい事業者の特徴みたいなものってありますか?

やっぱり傾向はありまして、税務申告していないというのはすぐわかりやすいのであれですけど、売上が増加している割に所得額・利益額が変わっていないとか、経費が増えているんじゃないかとか、そういった場合はちょっと様子を見に行こうかなとはなりますね。
あと、自分自身はちゃんと申告を行っているんですけども、申告漏れが多い業種などは税務調査に入られやすいということにもなりかねないかなと思います。

自分に非がなくても税務調査に入られやすい事業者っていうのもあるってことなんですね。これらの項目に当てはまる場合は特に気をつけたほうがよさそうだってことなんですね。

はい、その通りです。

税務調査の事前通知と日程調整
初めて税務調査を受けることになった時、ものすごい緊張しますよね。別に悪いことは全くしてないんですけど、それでも税務調査が決まるとなんか胃が痛くなりますよね。

まあ確かにそうですよね。税理士は1年に何回もその税務調査に立ち会っているので慣れてますけど、経営者の方は逆に数年に1回とか、もしくは全くないという人も中にいたりするので、いきなり来たら動揺しちゃいますよね。

そうなんですよ。結局、私も含めた経営者が税務調査って怖いな、苦手だなって感じる原因って、具体的に何をどうやって調べるのかよくわかんないみたいなとこが大きいんですよね。

確かにそういう側面あるかなと思います。ただ、法人であれば何の問題もなくてもですね、何年かに1回必ず行われるものだと思っておいていただければ、必要以上に怖がる必要もないんじゃないかなと思います。

まあそうなんですけどね。滅多にないので動揺してしまいます。なんで今日は、どういう風に税務調査が進んでいくのかっていうのを具体的に教えていただきたいと思ってます。

はい、承知いたしました。では本日は税務調査の流れと、やってはいけないこと・言ってはいけないこと、そして必ず覚えておいていただきたい魔法の言葉をお伝えしていこうと思います。

いろいろ教えてください。

まず、税務調査をやるっていうのはどんな風に知ることになるんですか?

顧問の税理士の方がいらっしゃる場合はその税理士の先生のところに電話がかかってきますし、自分の会社だけで申告やっている場合は会社に直接電話がかかってきます。この電話がかかってくる時に事前通知と言うんですけども、調査の日程とか調査対象の税目とか細かいことを伝えられていきます。

すでにその日に用事が入っている場合とかってどうしたらいいんですか?

基本的には税務署さんから希望の日を聞かれることがあるんですけども、そこまで交渉ができる話になっていまして、NGであれば全然別の日程をすり合わせすることができます。先の日程とかも交渉できたりするので、別に今月中に必ずやらなきゃいけないよとかそういうわけではないですね。ちょっと極端な例なんですけども、半年先延ばしにしたお客様もいらっしゃったりしていて、そんなにできるのかなと思いつつ交渉しましたけどね。

命令じゃないから日程の調整は可能ってことなんですね。

そうですね。

税務調査当日のタイムスケジュール
経営者が一番気になっている当日の流れを教えていただけますか?

はい、わかりました。ではちょっとタイムスケジュールをご紹介したいと思います。
大抵は朝10時ぐらいからスタートするんですね。もし夜中勤務のお仕事の場合で、午前中寝ているような生活サイクルの方は、事前通知の時の電話でご相談すれば午後からスタートすることも可能ですね。

これ何人ぐらいで来るんですか?

主には1人もしくは2人が多いかなというのが経験上のところではあるんですけども、2人の場合は大抵ベテランと若手とかで来たりもします。専門性が高かったり珍しい業種だったりするときはスペシャリストも連れて3人、スペシャリストだけで来ることもあったりもしますけども。
もし最初の挨拶で「広域担当の調査官です」とか名乗ったら、専門分野がある調査官、ベテランの人が来たんだなと思っていただければと思います。

お茶とか出した方がいいんですか?

通常の来客対応と同じでいいと思います。ペットボトルとか出していただいてもいいですし、あとは向こうも公務員なのでそういうのは受け取りませんってことで断る調査官もいます。

挨拶が終わるとすぐ帳簿を見たりしていくんですか?

初日の午前中は大抵、雑談を交えながら会社のことについての概況ヒアリングなどをやっていきます。ここで調査官は経営者の説明とか今の会社の状況とか、取引先とかもいろいろ聞いて、税務調査の当たりをつけていきますね。どこにリスクがあるのかなとか。
基本的に調査官の方々も慣れているので、親しみやすい空気でコミュニケーションしてくるんですね。ただ、彼らもやっぱりどこがリスクなのかっていうのを見ているので、ペラペラ喋りすぎると墓穴を掘ってしまうこともあったりしますのでお気をつけください。

それ例えばどんなことですか?

例えばですね、世間話の感じでよく趣味とか聞かれます。「社長、ゴルフやるんですか?」とか聞かれてくるんですけども、その時に「趣味でよく毎週行ってます」とか「週何回行ってます」とかポロッと答えてしまって、そうすると交際費のところにゴルフのプレイ代とかゴルフの備品・道具代が入ってたりとかすると、「本当に全部仕事だろうか」って思われたりもしますね。

なるほど。世間話だと思って調子に乗って話すと調査に繋がっているということなんですね。

あと最近はSNS、FacebookとかInstagramとかそういったのも事前に見てきていて、SNSで羽振りの良さそうな投稿とかしてたりすると、「この人、この役員報酬が少ないのにどうしてるのかな」とか「これ会社の経費にしてんじゃないかな」とかそういったふうに思われてしまうこともありますね。
あと旅行とかちょっと気をつけてほしいです。「行きました」とかってSNSに上げちゃうじゃないですか。「会社の慰安旅行で行きました」とかってなってるけど、実際は恋人と行っていたりとか、それと違う内容が上がっていると証拠になっちゃいますから。

最近SNSまで下調べしてくるってことですね。高級車とか高級腕時計、派手な要素で投稿している経営者って結構いますから、ちょっと危ないですよね。誰と行っても分かっちゃいますね。

正当な報酬でブランド品を買ったり遊んだりしているんだったら、自分でやってくれる分には構わないんですけど、ちゃんとやっている人は全く問題ないですよ。

だいたい午前中はその会社のヒアリングをして、12時ぐらいからお昼休みに入っていきます。基本的に調査員の方は一旦外に出て行って、大体13時とか13時半とかにまた戻ってくるんですね。昔は出前の数字とか出してたりしてたんですけど、そういうことは絶対断るので、別にお昼とか用意しないでいただいて大丈夫です。

午後になったらいよいよ帳簿とか請求書とか根拠資料を見ていく調査が始まっていきます。調査中なんですけども、現場で全て判断するわけじゃなくて上司の方への報告もしないといけないので、関係資料のコピーとかも依頼してくることがあります。
なので、社長が一人だと大変かもしれないので、スタッフの方がいらっしゃるのであれば、コピーとかをお願いしたりすると普段の本業とかもやりやすいかなと思います。

この帳簿の調査が終わったら現物確認をしていくことが多いです。

現物って何ですか?

例えば減価償却資産とか固定資産とかなんですが、具体的にはパソコンとかオフィスの備品とか自動車、土地とか建物などとか、そういったものも現物確認になってくるんですけども、要は何かものを買った時にそのものがちゃんと会社にあるかどうかとか確認します。

反面調査とは?取引先への調査も行われる
あとは反面調査っていう言葉を聞いたことありますでしょうか?

反面調査って何でしたっけ?

反面調査なんですけども、税務署に調査として選ばれた会社さんとお付き合いのある銀行さんとか取引先に向けて行われる調査のことを言いまして、自分たちが主張している内容と相手が同じような処理をしているかどうかっていうのを裏取りに行くことを反面調査と言います。

嫌ですね。

ありますよ、結構。「こちらではこういう取引で説明を受けたんだけど、御社の会社ではその取引あったの?本当に?」とか、相手にも偽りがないかを確認するってことですね。

そうですか。

ちなみにこの調査って何時頃まで やるんですか?

だいたい16時ぐらいに終わるかなと思ってます。17時ぐらいまでには事務所に戻って報告しないといけないからになってまして。終わる前にその経営者とか税理士がいれば、調査官とその日の総括、何が問題点になってますとかそういった振り返りをして、また翌日もあるんであればそれまでに用意しておいてほしい資料とか確認しておいてほしい宿題事項とかを伝えられますね。

調査員が帰った後に税理士と相談するみたいな感じですかね。

そうですね。規模が小さい会社さんであれば縦1日で終わる時もありますし、通常2〜3日かかるのが一般的なんじゃないかなと思います。2日目以降はもう朝10時からもう資料をバーッと見ていく調査が始まっていきます。
最終日には経営者の方とか顧問の先生とか、調査全体の総括・問題点とか、反論があるんであれば反論説明とかそういった最後のまとめの会議になってますね。

追徴課税とかっていうのはその日のうちに決まるんですか?

基本的にはその日のうちに税額とかが決まることはまずなくて、あくまでも実際の調査の日は「今こういうことが問題で、この場合は給与を追加で課税させていただきます」とかそういう問題になりますという話だけで終わってます。その後の実際の税額とかは顧問の先生がいらっしゃるんであれば税務署と顧問の先生でやり取りして、正確な額が決まってくるような流れですね。
後日、電話とか書類で調査当日不明だった箇所を説明する機会ももちろんあって、なのでその日で終わるというよりもそこからだいたい1ヶ月ぐらいやり取りが続くようなイメージになっていきます。

だいたい税務署が主張してきたことに対しても納得する場合は、すんなりと修正申告を出して終わるってこともあったりしますね。

もし結果が不服だったらどうすればいいんですか?

不服だった場合はもちろん交渉ということになっていきます。そこで落としどころが見つかるってことがほとんどなんですけども、決裂してしまうこともあります。その時は税務署が一方的に決定します。その決定に対して不服審査の申し立てをして、裁判での戦いになっていくことになりますね。

その場で全部しっかり答えなきゃいけないっていうのはちょっとプレッシャーあったんですけど、別に後日説明すればいいっていうことであれば、結構安心ですね。

基本的にはそうですね。その日わからないことは後日の宿題にすることが多いですね。

税務調査で守るべき4つのこと
税務調査でいきなり想定外のことを聞かれたり、不本意なことを言われたりすると、すごく気持ちが落ち着かないですよね。

そうですね。経営者の方がそういう気持ちになるのはもちろんわかるんですけども、守っていただきたいことが4つあって。

どんなことですか?

まずは①焦らない。その場で何とかうまく回答しないといけないとかと焦ってしまうと、余計なことを言ってしまったりもするので、焦らないことですね。
もう一つは②感情的にならないでほしくて、たまにいらっしゃるんです、声を荒げたり横柄な態度を取ったりとか。調査って交渉の場なので、良い方向に展開することってあんまりないんですよね。感情的に話すとボロが出やすかったりもするんですよ。一方、たまにわざと感情的になる経営者の方もいますけどね。要は相手を威圧するということで、それで丸く収まる場合もあります。どっちに転ぶか正直わからないんですよね。

なるほど。

3つ目なんですけど、③嘘をつかないでください。これ結構一番大事かなと思ってます。絶対に嘘をつかないでほしいなと思います。1回嘘をついてしまうといろんなことで辻褄が合わなくなったりしますから。

結局人間同士なので心証を悪くしない方がいいってことなんですかね。

はい、そうなんです。1回嘘をついて綻びが出てくると説明しにくくなってくるのと、税理士によってはそういう経営者のフォローはできないってことで途中でいなくなっちゃう先生もいると思うんですね。「他の先生にお願いします」ということになります。

4つ目は④諦めないってとこですね。ちょっと面白いんですけど、例えば売り上げが何か漏れていたって時に「自分のポケットに入れたんでしょ」とかそういったふうに調査官に言われた時に、「わかりました」とか「そういう証拠があるなら仕方ない」とか、実際覚えていないことも多くて「そうかもしれませんね」とか、そういうふうに覚えがないのにその場で認めるようなことはやめてほしいなと思います。
何が言いたいかというと、うっかり売り上げが抜けていた・失念していたのと、わざと自分でポケットに入れたというのとでは、全然結論が違うんですよ。ペナルティにも差が出てくるので、「そうかもしれないですね」というのはちょっとやめてほしいなと思います。

そうなんですね。わかりました。でも向こうはプロですから、とっさに自分の言葉で説明するのはなかなか難しいですよね。

何ヶ月前のことだと覚えてないとかありますね。

ありますね。

税務調査を乗り切る「魔法の言葉」
その時にぜひ使っていただきたい、税務調査の魔法の言葉があります。

はい。

「顧問税理士と相談してから回答します」、もしくは「確認します」、この一言を言ってもらえれば大丈夫です。

じゃあ結局、よくわかんないことは「じゃあ後で顧問税理士から回答します」みたいな、それでいいってことですか?

本当に一旦「確認します」ってことで引き下がってほしいなと思っていて、自信がないものをその場で言う必要は全くないです。基本的に交渉の世界なので、これを言ってもらって見解の相違になるんであれば、その見解についても顧問の先生に任せてもらえればなと思いますね。

なるほど。大前提として正直に申告するというのはもちろんなんですけど、そもそもこれ経費になるのかとか何費で計上するのかっていうのがわかんないことって結構多いと思うんですよね。

そうですね。税理士によってはその領収書とかレシートを渡せば帳簿作りからやってくれるところもあるので、その辺の判断はアウトソースしちゃうとか、そういったのもあるんじゃないかなと思いますね。こういう税務調査でやっぱりリスクを負わないためにも、まるっと記帳は任せちゃって、経営者は営業とかマーケティングに時間を使うとか、売り上げを伸ばすとかにやったほうがコスパが良かったりもしますかね。

そうですね。それはありますね。なるほど、よくわかりました。

終わりに
本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!
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