税務調査

税務調査で社長個人の通帳を見せろと言われたら?税理士が解説する正しい対応法

税務調査で社長個人の通帳を見せろと言われたら?税理士が解説する正しい対応法
e_zeirishi

法人の税務調査で社長個人の通帳を求められたら、どう対応すべきか?

税務調査の基本:強制調査と任意調査の違い

税務調査には、厳密に言うと強制調査任意調査の2種類があります。

種類特徴対象
強制調査捜査令状を持って突然来る。脱税の証拠をつかんだ上で実施悪質な脱税が疑われるケース
任意調査事前に日程連絡あり。定期的なチェックとして実施通常の事業者(法人・個人)

顧問税理士が立ち会うのは、ほぼ任意調査のケースです。普通に事業をしていれば定期的に受けるチェックのようなものであり、脱税など悪いことをしているから入られるわけではありませんので、まずはご安心ください。

📌 調査対象になりやすいのはどんな事業者?

  • 個人事業主・個人大家よりも法人の方が調査に入られる可能性が高い
  • 赤字の事業所よりも黒字の事業所の方が経費を多く使っているとみなされ対象になりやすい
  • ただし個人事業主でも事業規模が大きかったり怪しい動きがあれば調査対象になる
  • 赤字でも消費税に重点を置いた調査が行われることがある

📝 このセクションのまとめ

  • 税務調査には強制調査と任意調査の2種類がある
  • 通常の事業者が受けるのは任意調査で、事前に日程連絡がある
  • 法人・黒字事業所は調査対象になりやすいが、個人・赤字でも例外ではない

任意調査の流れと日程調整

任意調査の場合、顧問税理士がいる事業所には顧問税理士へ、いない場合は事業所に直接、調査官から連絡が入ります。「何月何日に税務調査を行いたいがいかがですか」という形で日程を確認してきます。

📌 日程交渉はできる

調査の日程は交渉が可能です。中小企業の経営者にとって現場が最優先。本当に重要な用事があるときは調査日程をずらしてもらうよう、しっかり話をしましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 任意調査は事前に顧問税理士または事業所へ連絡が来る
  • 調査の日程は交渉・変更が可能

税務調査当日に用意すべき資料一覧

通常の税務調査は直近3年間を対象に行われます。当日までに準備が必要な資料は以下のとおりです。

カテゴリ具体的な資料
会計帳簿類総勘定元帳・仕訳帳・振替伝票・現金出納帳・補助簿(会計データから出力)
証憑書類過去3年間の領収書・請求書・納品書
預金関係会社の通帳(ネットバンキングの場合はプリントアウト)
給与・年末調整賃金台帳・源泉徴収簿(直近月分まで準備を求められることが多い)
決算関連在庫表・消費税計算書・議事録・臨時決議書・株主総会議事録

⚠️ 注意:付箋はかならず剥がして提出する

会計事務所とのやり取りで資料に付箋がついたままになっていることがあります。悪いことをしていなくても、付箋がついている箇所を見た調査官に「何か怪しいことをしているのでは」と疑われることがあります。提出前に必ず付箋を剥がしてください。

調査当日、調査官は総勘定元帳を見ながらよくわからない取引があれば領収書・請求書でチェックするという作業を黙々と行います。顧問税理士はその前に座り、質問があれば回答し、追加資料が必要であれば準備・提供するという、地味ながら重要な役割を担います。

📝 このセクションのまとめ

  • 調査対象は直近3年間が基本
  • 会計帳簿・証憑・通帳・給与資料・決算書類を準備する
  • 資料に付箋がついたまま提出しないよう注意

本題:社長個人の通帳提示を求められたらどうする?

さて、ここが今回の核心です。法人の税務調査であるにもかかわらず、調査官から「社長さん個人の通帳もありませんか、それもちょっと見せてもらえませんかね」と言われることが結構あります。

これに対して「法人の調査なのだから断れるのでは?」と考える方は非常に多いです。この点について、国税庁のホームページ「税務調査手続きに関するFAQ(一般納税者向け)」の問い7に明確な回答が記載されています。

📌 国税庁FAQ 問い7(要約)

法令上、調査担当者は調査について必要があるときは帳簿書類等の提示・提出を求め、これを検査することができます。法人税の調査において、その法人の代表者名義の個人口座について事業関連性が疑われる場合には、その通帳の提示・提出を求めることは法令上認められた質問検査等の範囲に含まれるとされています。

つまり、個人の通帳はプライベートなものなので通常は提出義務はありませんが、「事業関連性が疑われる場合」には提示しなければならないということです。

📝 このセクションのまとめ

  • 個人通帳は原則プライベートなものなので提出義務はない
  • ただし「事業関連性が疑われる場合」は提示義務が生じる
  • 根拠は国税庁FAQ(一般納税者向け)問い7

「事業関連性あり」と判断される具体的なケース

では「事業関連性が疑われる場合」とは、具体的にどのような状況を指すのでしょうか。法人と社長個人の間で何らかの取引がある場合がこれに当たります。

取引の種類具体例提示義務
家賃の収受社長個人所有のオフィス・店舗を自分の法人に賃貸し、法人から家賃を受け取っているあり
役員借入金社長個人のお金を法人に貸し付けているあり
役員貸付金法人のお金を社長個人に貸し付けているあり
上記取引が一切ない法人と社長個人の間に金銭のやり取りがないなし(理由を確認してよい)

もし上記のような取引が一切ない場合は、「どのような理由で事業関連性を疑われているのですか」と調査官に確認してみるのも一つの対応です。

一方で、やましいことが何もないのであれば、個人の通帳を提示してしまえばすぐに確認が終わります。煩わしいと感じる方は、むしろ通帳を見せてさっと終わらせるのが得策と言えるでしょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 家賃収受・役員借入金・役員貸付金がある場合は個人通帳の提示義務あり
  • 事業関連性がない場合は理由を確認してよい
  • やましいことがなければ提示してすぐ終わらせるのも賢い選択

なぜ調査官は個人通帳を見たがるのか?売上除外の実例

調査官が社長個人の通帳を確認したがる最大の理由は、売上除外(売上を抜いているのではないか)という疑いです。実際に見聞きした事例を2つ紹介します。

事例業種内容
事例①不動産大家(法人)家賃収入は法人口座に入金・売上計上していたが、敷地内の自動販売機の収入だけを個人名義で受け取り、法人の売上にも個人の申告にも計上していなかった。完全な売上除外・脱税。
事例②飲食店(法人)仕入先からのリベート(割戻し)を個人の通帳で受け取り、売上除外していた。

⚠️ 「個人口座に入れればバレない」は甘い考え

税務当局は金融機関に対して、法人口座の動きだけでなく社長個人名義の口座も名寄せし、入出金データをすべて把握することが可能です。多少時間はかかりますが、その手続きによって「法人の取引先と思われる会社から継続的・高額な入金がある」と判明すれば、売上除外の疑いを持って調査に臨んできます。ベテランの調査官であれば、調査開始の冒頭から「社長個人の通帳に結構な入金がありますが、売上が漏れていませんか」と直接切り込んでくることもあります。

⚠️ 売上除外・架空経費は脱税。重大なペナルティが待っている

売上除外と架空経費の計上は、金額の規模にかかわらずれっきとした脱税です。発覚した場合には以下のような重大なペナルティが課されます。

  • 重加算税という重いペナルティが課せられる
  • 次回の税務調査が短い間隔で入られるようになる
  • 履歴として記録が残り、その後の税務上の扱いに影響する

📝 このセクションのまとめ

  • 調査官が個人通帳を見たがる主な理由は「売上除外」の疑い
  • 税務当局は金融機関への名寄せにより個人口座の入出金も把握できる
  • 個人口座に入れてもバレないという考えは完全に誤り
  • 売上除外・架空経費は脱税であり、重加算税などの重大なペナルティがある

まとめ:社長個人の通帳提示、対応フローを整理

今回の内容を整理すると、税務調査で社長個人の通帳提示を求められた際の対応は以下のフローになります。

  1. 法人と個人の間に取引があるか確認する(家賃収受・役員借入金・役員貸付金など)
  2. 取引がある場合 → 事業関連性ありとして提示義務が生じる。素直に提示する
  3. 取引がない場合 → 「どのような理由で事業関連性を疑われているのか」を調査官に確認する
  4. いずれにせよやましいことがなければ、提示してすぐ終わらせるのが最もスムーズ

📌 最終確認:提示義務が生じる主なケース

  • 個人所有の不動産を法人に賃貸して家賃を受け取っている
  • 社長個人が法人にお金を貸している(役員借入金)
  • 法人が社長個人にお金を貸している(役員貸付金)

📝 このセクションのまとめ

  • 事業関連性がある場合は個人通帳の提示義務あり
  • 事業関連性がない場合は理由を確認してよい
  • やましいことがなければ提示してさっと終わらせるのが得策
  • 売上除外・架空経費は絶対に行わないこと

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 税理士YouTuberチャンネル!! / ヒロ税理士 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
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