税務調査

税務調査で狙われる!やってはいけない税金対策9選を税理士が解説

税務調査で狙われる!やってはいけない税金対策9選を税理士が解説
e_zeirishi

節税のつもりが脱税に?税務調査で狙われる「やってはいけない税金対策」9つを徹底解説します。

「あの人がやってOKだった」は危険なワナ

コロナが落ち着いてきたこともあり、税務調査の件数は増加傾向にあります。今まで実施できなかった分を取り返すかのように、調査官が動いている状況です。

多くの経営者が「なんとか税金を減らしたい」と焦る時期、「ちょっとぐらいごまかしてもいいか」という出来心が大きな問題につながることがあります。

⚠️ 注意

飲みの席で「○○さんがやってOKだった」と聞いてマネをするのは非常に危険です。OKだったのではなく、たまたま税務調査で見つからなかっただけの可能性があります。あなたが同じことをやったときに指摘されても、「○○さんはOKだった」という言い訳は通用しません。

節税には「やってはいけない節税」が確かに存在します。一つ見つかると他の箇所も突っ込まれますし、最悪の場合は逮捕されるケースもあります。適切な節税対策を行うためにも、まずはやってはいけない節税を正しく理解しておきましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • 税務調査の件数はコロナ明けで増加傾向にある
  • 「他人がやってOKだった」はたまたま見つからなかっただけの可能性が高い
  • 出来心の節税が脱税認定につながるリスクがある

やってはいけない税金対策9選 一覧

今回紹介する「やってはいけない税金対策」は以下の9つです。それぞれ詳しく解説していきます。

No.やってはいけない税金対策主なリスク
1経費の公私混同重加算税・源泉所得税の追徴
2家族への不当な給与・報酬経費否認・追徴課税
3不透明な利益の移転否認・追徴課税
4高すぎる退職金退職金否認・賞与認定課税
5意図的な売上の除外重加算税・脱税認定
6架空の経費計上重加算税・脱税認定
7二重帳簿(粉飾決算)逮捕・刑事罰
8ペーパーカンパニーによる税金逃れ違法・追徴課税
9無申告延滞税・重加算税・社会的制裁

①経費の公私混同|最も発覚しやすい典型的NG行為

やってはいけない節税の中で最も大きな問題になりやすいのが、経費の公私混同です。事業と関係のない私的な費用を経費として計上することで、後々大きな問題になるケースが多くあります。

よくある事例としては以下のようなものが挙げられます。

  • 社長がプライベートで家族と行った海外旅行の費用を出張費として計上する
  • 社長個人の高級時計を会社のお金で購入し費用に計上する

こういった支出はイレギュラーな形で帳簿に現れるため、目立ちやすく発覚しやすいのが特徴です。例えば、毎月時計を購入するようなことはありませんから、ある月に突然高級時計800万円が交際費として計上されていれば、税務調査で真っ先にチェックされます。

⚠️ 注意

公私混同が発覚した場合、その支出は社長への給与(役員賞与)とみなされます。さらに悪質と判断されれば重加算税(最も重い税率)が課される可能性があり、給与認定されると源泉所得税の徴収義務も発生します。金額が大きければニュースになるケースもあり、会社の信用を大きく損なう結果になります。

また、日頃から社長に不満を持つ社員が、税務調査期間中に調査官にタレコミをするケースも実際にあります。社内の信頼関係を守る意味でも、公私混同は絶対に避けるべきです。

📝 このセクションのまとめ

  • 私的な費用を経費計上するのは公私混同にあたりNG
  • イレギュラーな高額支出は税務調査で真っ先に目をつけられる
  • 発覚すると重加算税+源泉所得税の追徴という二重のペナルティが発生する

②家族への不当な給与・報酬|勤務実態がないと否認される

法人税を減らすために社長の役員報酬を引き上げると、今度は社長個人の所得税・住民税が増えてしまうというジレンマがあります。そこでやってしまいがちなのが、勤務実態がほとんどない家族に高額な役員報酬を支払うという方法です。

📌 ポイント

家族への給与の支払い自体がダメなわけではありません。問題は「勤務実態がない」のに「高額な報酬」を支払うことです。この組み合わせが税務調査で否認されるリスクを高めます。

実際の事例として、「良き相談相手」という曖昧な役割しか果たしていない母親に対して、年額186万円の役員報酬が認められたケースがあります。このくらいの金額・役割であれば問題にはなりにくいと考えられますが、実態とかけ離れた高額報酬は否認される可能性が高くなります。

📝 このセクションのまとめ

  • 家族への給与支払い自体は問題ないが、勤務実態のない高額報酬はNG
  • 役割・金額ともに実態に見合った水準にすることが重要

③不透明な利益の移転|グループ会社間取引は説明責任が必須

複数の会社を持っている経営者が、自分の会社同士の間で不自然な受発注をして利益を移転する行為です。特に一般的な相場とかけ離れた価格でのグループ会社間取引は違法とみなされます。

ただし、グループ会社間の取引が完全にダメというわけではありません。重要なのは「説明できる取引かどうか」です。

実際の税務調査では、A社の利益をグループ会社のB社に移転するような取引について、以下のような点を詳しく確認されます。

  • なぜその金額なのか(価格の合理性)
  • 金額が変動している場合はその理由
  • 取引が実際に遂行されたことの証拠
  • 調査官が社内で上司に説明できる根拠の有無

📌 ポイント

グループ会社間取引で税務調査の指摘を避けるためには、以下の準備が有効です。

  • 他社からも見積もりを取り、価格の正当性を示す
  • 成果物の証拠(納品物・議事録など)を残す
  • 金額が変動する場合はその理由を説明できる資料を用意する
  • 取引内容を明記した契約書を整備する

例えば、金額が上がった理由として「昨年はこういう業務だったが、今年はこういう業務が加わった」と説明できれば、金額変動の合理性を示せます。逆に説明できない取引は、どれだけ実態があっても否認されるリスクがあります。

📝 このセクションのまとめ

  • グループ会社間取引は「説明できる合理的な取引」であることが大前提
  • 価格の根拠・成果物・契約書などの資料を必ず整備しておく
  • 調査官が社内で上司に説明できる根拠を示してあげることが重要

④高すぎる退職金|名目的な退職は賞与認定される

不自然に高額な退職金は税務調査で否認されます。よくある事例として、株価対策を目的として高額な退職金を支払うというケースがあります。高額な退職金を支払うことで会社の利益を圧縮し、利益が圧縮されると株価が下がる、という仕組みを意図的に利用するものです。

📌 ポイント

きちんと退職金規定を定め、功績倍率法などで計算した適正な金額を退職金として支払うのであれば、税務調査で否認されることにはなりません。事前の規定整備と適正な計算が重要です。

もう一つ注意が必要なのが、代表者を退職した後も実質的に経営の主要な地位を占めているケースです。例えば「社長をやめて会長になる」という形でも、実質的に経営権を握ったままであれば「名目的な退職」とみなされ、退職金が否認されます。

この場合、代表者に対する賞与と認定されて課税対象になってしまいます。経営権を本当に手放しているかどうかが判断の分かれ目になります。

📝 このセクションのまとめ

  • 退職金は規定を整備し、功績倍率法等で適正額を算出することが必須
  • 退職後も実質的に経営権を持つ場合は「名目的な退職」とみなされ退職金が否認される
  • 否認された退職金は賞与として課税対象になる

⑤意図的な売上の除外・⑥架空の経費計上|脱税認定の直結リスク

売上の除外とは、課税対象金額を減らす目的で取引の売上を帳簿に記載しないことです。現金商売(飲食店など)でレジを通さずに現金を受け取るような形が典型例として挙げられます。こういった行為は税務調査で重点的に調べられ、高い確率で発覚します。税務署のプロは様々な手法でこうした隠蔽を見抜きます。

また、単純に売上を記載しないだけでなく、すでにサービスの提供が終了しているにもかかわらず、請求書の発行を翌月にずらして売上計上のタイミングを操作するような行為も問題になります。

⚠️ 注意

架空の経費計上とは、存在しない経費を計上すること、または経費として認められる可能性が低いものを計上することです。よくある事例として、実際には業務が行われていないのに取引先と結託して「○○コンサルティング業務」などの架空の請求書を作成するケースがあります。これは重加算税のリスクが非常に高く、脱税認定につながります。

📝 このセクションのまとめ

  • 売上の除外は現金商売で発生しやすく、税務調査で重点的にチェックされる
  • 請求書の日付操作による売上タイミングのずらしも問題になる
  • 架空の経費計上は重加算税・脱税認定の直結リスクがある

⑦二重帳簿・⑧ペーパーカンパニー・⑨無申告|逮捕リスクもある最重大NG

二重帳簿(粉飾決算)とは、実際の取引内容を記録する会計帳簿のほかに、脱税や粉飾決算用の裏帳簿を作成することです。内容が実態と全く異なる帳簿を持つことで、逮捕されて会社経営どころではなくなるケースも実際に存在します。絶対に行ってはいけない行為です。

ペーパーカンパニーとは、登記上は設立されているものの、事業活動の実態も人員もない「紙だけの会社」のことです。理論上は以下のような節税効果が期待できますが、節税目的だけで設立して税金逃れをするのは違法です。

節税の仕組み内容
法人税の軽減税率利用本社とペーパーカンパニーで利益を分散し、資本金1億円以下・年利益800万円以下の法人に適用される軽減税率を複数回利用する
交際費枠の拡大法人1社につき年間800万円まで認められる交際費枠を、2社で1,600万円に増やす

無申告は、納税の義務を果たしていない状態です。申告をして初めて「私はこれだけの税金を支払います」と税務署に伝えることができます。申告しなければ「税金を支払わないと宣告している」のと同じことです。

⚠️ 注意

「申告していなければ税務調査は来ないだろう」と考える方もいますが、それは大きな間違いです。税務署は銀行データを閲覧できる権限を持っており、また反面調査(取引先への調査)によって無申告が発覚するケースも多くあります。取引先が申告した書類にあなたの名前が登場することで、無申告が明らかになるのです。

一時的に税負担がなくなったように感じても、発覚した際には納税額+延滞税+重加算税が課され、元の税金以上の金額を払うことになります。さらに社会的制裁も伴います。

📝 このセクションのまとめ

  • 二重帳簿は逮捕・刑事罰のリスクがある最重大NG行為
  • ペーパーカンパニーを節税目的だけで設立するのは違法
  • 無申告は反面調査などで発覚し、延滞税・重加算税で元の税額以上を払うことになる
  • 「知らなかった」では済まない

では「やっていい税金対策」とは何か?

ここまでやってはいけない節税を見てきましたが、では正しい節税対策とはどういうものでしょうか。

📌 ポイント

節税とはお金を使って利益を圧縮することです。どうせお金を使うのであれば、将来会社に利益として帰ってくるもの=投資にお金を使うことが最も合理的な節税対策です。

会社を大きくするためには「投資→回収→投資→回収」のサイクルを繰り返す必要があります。このサイクルを早くすることで会社は儲かっていきます。回収した利益には課税されますが、投資をして利益を圧縮しようとする努力が結果的に合法的な節税対策になります。

具体的に前倒しで行うと節税効果が期待できる投資の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 人材の採用・育成費用
  • 広告宣伝費(来期に予定しているプロモーションを前倒しで実施)
  • 設備投資・修繕費(来年度以降の予定を年度内に前倒し)
  • 交際費
  • 福利厚生費

節税を考える際には、あくまで「会社の成長につながるかどうか」を軸に判断することが重要です。そして、どんな節税対策であっても「説明できる状態」を常に維持しておくことが、税務調査への最大の備えになります。

📝 このセクションのまとめ

  • 正しい節税は「会社の成長につながる投資を前倒しすること」
  • 広告・設備投資・採用などを前倒しで行うことで節税と成長を両立できる
  • どんな節税対策も「説明できる状態」を維持することが最重要

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル 社長の資産防衛チャンネル の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは 社長の資産防衛チャンネルを応援しています!

関連記事

社員を業務委託に切り替えてインボイスを取れば節税できる?税理士が解説する実態判定の基準
個人事業主の赤字申告は税務調査で狙われる|法人との違いを税理士が解説
赤字でも税務調査は来る!インボイス後に狙われる税金3選を税理士が解説
     

東京エリア

千代田・中央・港区から副都心各区まで、東京の優良税理士法人ランキング

関西エリア

大阪・京都・兵庫・岡山など関西圏の信頼できる税理士法人ランキング

関東エリア

首都圏の神奈川・埼玉・千葉・北関東で実績のある税理士法人ランキング

中部エリア

製造業の集積地、中部・北陸圏で企業支援に強い税理士法人ランキング

九州・沖縄

九州・沖縄地域で地域密着型サービスに定評のある税理士法人ランキング

その他地域

北海道・東北・中国・四国地方の地域に根ざした税理士法人ランキング

記事URLをコピーしました
税理士紹介はこちら
税理士紹介はこちら