税務調査

税務調査が来る確定申告書の特徴7選と危険な業種10選を税理士が解説【2026年版】

税務調査が来る確定申告書の特徴7選と危険な業種10選を税理士が解説【2026年版】
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税務調査を招く確定申告書には共通の「特徴」がある。実例をもとに徹底解説。

税務調査が来ない確定申告書を作るために

確定申告書を提出した結果、税務調査が来るのは誰でも避けたいことです。準備に時間が取られますし、何より緊張します。プロの目線から見ると、「この書き方をしたら税務調査が来てしまうな」というのは明確にあります。

今回は、芸能文化税理士法人のメンバーで行った座談会の内容をもとに、税務調査が来ない確定申告書を作るためのポイントをダイジェストでお伝えします。まず「こういうことを書いていたから税務署からの問い合わせや税務調査が来てしまった」という実例から見ていきましょう。

📌 ポイント

税務調査とは「悪いことをしている人を捕まえるイベント」ではなく、数字が不自然なところを確認する作業です。仮に税務調査が来ても、説明できれば問題ありません。

📝 このセクションのまとめ

  • 税務調査を招く申告書には共通の特徴がある
  • 税務調査は「確認作業」であり、説明できれば大丈夫
  • 事前に問題点を知っておくことが最大の対策になる

税務調査が来た確定申告書の特徴7選

実際に税務調査が入ったケースをもとに、申告書に原因があったパターンを7つ紹介します。

No.特徴具体的な問題点
1無申告・消費税の申告漏れ取引先が支払調書を提出済み/2年前の売上が1,000万円超
2異常な経費バランス売上とほぼ同額の交通費、1科目が経費の大半を占める
3雑費が大きすぎる雑費が経費全体の30〜40%を占めている
4不自然な車の経費複数台の車を経費計上、必要性が説明できない
5家事按分の不自然さ事業割合が90%超、毎年割合が変わる、持ち家なのに家賃計上
6支払調書との不一致・不正金額のずれが毎年異なる、支払調書を修正して提出
7安すぎる税理士報酬規模に対して報酬が低すぎると「適当に作成している」と判断される

特徴①〜③:無申告・異常な経費・雑費の肥大化

①無申告・消費税の申告漏れについては、「自分が確定申告をしていないからバレない」と思っていても、取引先が支払調書を税務署に提出しているケースがあります。支払調書については後ほど詳しく説明します。

また、所得税の確定申告は出していても消費税の申告を出していない場合も問題です。2年前の売上が1,000万円を超えていると消費税の申告義務が発生します。インボイスに登録しているかどうかに関わらず義務が生じるため、該当する場合は税務署がかなり早めに気づきます。

②異常な経費バランスとして、例えば売上とほぼ同額の交通費があった場合、「これは何の仕事ですか?」と問われます。交通費に限らず、どれか1科目が突出して大きく、経費の大半を占めていると非常に怪しまれます。要は「違和感」です。

③雑費が大きすぎる場合、経費全体のうち30〜40%が雑費だった場合は「それは何ですか?」と税務署側も調べたくなります。雑費は「その他」的な扱いですが、3割程度になるなら何かしら新しい名称をつけた方が良いです。

📌 ポイント:独自の勘定科目を作ってよい

一般的な勘定科目の中に適切なものがない場合は、自分たちで勝手に作ってもOKです。今ならChatGPTなどの生成AIに聞いて作ることもできます。例えば、ライブにまつわる各種経費に適切な科目名がなかったため、「ライブ経費」という新しい勘定科目を作って経費を整理した事例もあります。「雑費」よりも意味が伝わりやすくなります。

📝 このセクションのまとめ

  • 無申告でも支払調書から発覚するケースがある
  • 2年前の売上が1,000万円超なら消費税の申告義務が発生する
  • 1科目が経費の大半を占めると違和感を持たれる
  • 雑費が30〜40%を超えるなら独自の勘定科目を作るべき

特徴④⑤:不自然な車の経費と家事按分の誤り

④不自然な車の経費については、仕事上車が必要なら経費にして構いません。自家用車の場合は「事業用割合」を計算して、例えば週7日のうち5日間仕事で使うなら約71%を事業経費とする考え方です。ただし、車が複数台ある場合は「本当にそれは必要なのか、何のためか」という話になり、税務署も調べたくなります。

⑤家事按分とは、個人の確定申告においてプライベート部分と事業部分の両方が混在する費用を、その割合で経費にする考え方です。最も多いのは家賃です。

  • 家賃の事業使用割合が高すぎる場合(90%など)は税務署から指摘される
  • 基本は面積割で計算し、一人暮らしでも50%程度が現実的な上限
  • 住んでいるのに事業割合が9割なら、台所・廊下・トイレ・風呂の扱いが説明できない

⚠️ 注意:毎年割合を変えるのは危険

事業割合を毎年変える方がいます。例えばある年は9割、次の年は5割、その次は7割……というように変わっていると、税務署側は「何か利益調整をしているのでは?」と疑います。同じ家なのに割合が変わるのはおかしいですよね。その場合、税務署は最も低い割合(5割)が正しいのでは?という方向で話を進めてきます。

⚠️ 注意:持ち家なのに「家賃」を計上するのはNG

住宅ローンを家賃代わりに経費に入れる方がいますが、それはそもそもダメです。自宅の持ち家は自分のものなので、自分に自分で家賃を払うのはおかしい話です。持ち家で仕事で使っている部分については、建物の減価償却費という考え方はあります。ただし木造なら耐用年数22年、鉄筋コンクリートなら47年という長い年数で分割経費にしていくため、実際にはほとんど経費になりません。

📝 このセクションのまとめ

  • 複数台の車の経費計上は必要性の説明が必要
  • 家賃の家事按分は面積割が基本、90%は認められにくい
  • 家事按分の割合を毎年変えると利益調整と疑われる
  • 持ち家の住宅ローンを家賃として経費計上するのは完全にNG

特徴⑥⑦:支払調書の問題と安すぎる税理士報酬

支払調書とは、例えば会社が個人事業主に仕事を発注した場合、源泉徴収をしている際に会社側が税務署に提出しなければならない書類です(年間5万円以上の場合など)。同じものを個人事業主に渡してもよいというルールがあるため、支払調書を見ながら確定申告をしている方も多くいます。

この支払調書の金額と確定申告の売上金額は、必ずしも一致させる必要はありません。なぜなら:

  • 確定申告する側は仕事をした日(請求書ベース)で売上を計上するのが原則
  • 支払調書を作る会社側(中小企業)は振り込んだタイミング(入金ベース)で作成することが多い
  • そのため、タイミングのズレが生じるのは自然なこと

ただし、ズレの幅が毎年異なる場合や、これまで一致していたのに急に一致しなくなった場合は税務署が気づきます。また、確定申告書の売上が支払調書と比べてあまりにも少ない場合も「それは何ですか?」と問われます(説明できれば問題ありません)。

⚠️ 注意:支払調書の不正改ざんは重加算税の対象

支払調書の金額を見て「こんなに売上が大きいと税金がすごく取られる」と考え、支払調書の金額を修正して偽造し、その金額で確定申告をしたケースがありました。その後税務調査が来て、修正した支払調書を提出したところ、当然怒られました。税務署側はすでに発行した会社側から正しいものを受け取っているため、明らかな偽造とみなされます。この場合は重加算税(通常より重たい税金)が課されます。

⚠️ 注意:支払調書からの転記漏れに注意

支払調書をパッと見て金額を書き写す際に、転記漏れが起きるケースがあります。例えば「報酬金額が50万円」と書いてあっても、適用欄に「別途消費税5万円」と記載されている場合は、55万円と記載しなければなりません。支払調書を丸ごとよく確認せずに転記すると売上が漏れてしまいます。

⑦安すぎる税理士報酬については、レアケースですが、普通の個人事業主に税務調査が入った際、理由が分からず調査官に確認したところ、「税理士の報酬が安すぎた」という話がありました。その規模感で年間5万円はおかしいだろう、つまり「税理士が適当に作っているに違いない」と判断されたわけです。税務署はそういったところも見ているということです。

📝 このセクションのまとめ

  • 支払調書と売上のズレ自体は問題ないが、ズレの幅が毎年変わると怪しまれる
  • 支払調書の改ざんは重加算税の対象になる絶対NGの行為
  • 支払調書の適用欄に記載された消費税の転記漏れに注意
  • 規模に対して安すぎる税理士報酬も調査のきっかけになりうる

問題がなくても税務調査が来るケース:AI調査と危険な業種

確定申告書の内容に問題がなくても、税務調査が来ることがあります。現在はAIを活用した税務調査も始まっています。AI時代でも変わらない傾向として、売上が急に伸びた場合はやはり調査が来やすいです。「何か売上を隠しているのでは?経費を水増ししているのでは?」と疑われがちです。業界自体が伸びているケース(最近ではAI関連、少し前はYouTuber業界など)でも同様です。

また、不正が多い業種も調査が来やすい傾向があります。昨年発表された不正が多かった業種ベスト10は以下の通りです。

順位業種
1位キャバクラ
2位眼科
3位ホステス・ホスト
4位経営コンサルタント
5位太陽光発電
6位バー
7位コンテンツ配信
8位ブリーダー
9位スナック
10位システムエンジニア

これらの業種に該当する方は、ちゃんとしていても税務調査が来る可能性が結構あります。ぜひ気をつけて確定申告をしてください。

📝 このセクションのまとめ

  • 現在はAIを活用した税務調査が始まっている
  • 売上が急に伸びた場合は問題がなくても調査が来やすい
  • 不正が多い業種(キャバクラ・眼科・ホステスなど)は特に注意が必要
  • これらの業種は正しく申告していても調査対象になりうる

税務調査が来ても大丈夫な確定申告書の作り方

税務調査が来ても問題ないようにするためのポイントをまとめます。

経費の仕分けを徹底することが最初のステップです。仕事用とプライベートをきちんと分けているか、ここは絶対に見られます。「プライベートのものは経費に入れていない。入れなかった領収書がこんなにあります」というように、経費に入れなかったものをあえて保管して見せるアピールも有効です。

  • 会計ソフトを使って帳簿をきちんとつけておく
  • 「なぜ仕事で必要だったのか」を説明できる状態にしておく
  • 出張の場合は切符の領収書だけでなく、名刺交換の記録や出張レポートなど仕事の証拠を用意する

数字の一貫性を保つことも非常に重要です。家事按分で去年と数字が違う、経費が少なかったから家事按分の事業割合を増やそうといった動きは、すぐに目をつけられます。

📌 ポイント:「本年中における特殊事情」欄を活用する

数字を変えなければならない事情がある場合や、1つの科目がどうしても大きくなってしまう場合は、「本年中における特殊事情」欄に記載するテクニックがあります。青色申告決算書の場合は3ページ目の右上に記載欄があります。

例えば以下のような文章を生成AIに考えてもらって、この欄に書くことができます。

  • 「店舗や事務所を構えず、クライアント先への訪問や現場での作業を主体とする事業形態のため、経費の大部分が移動に伴う交通費に集中しています」
  • 「新規取引先の開拓に伴い、取引先との懇親会や接待が増加したため、交際費が前年に比べて増加しました」

前年比で増減が大きい場合も、事前にこの欄で説明しておけば、税務署側もAI側も「なるほど」と理解してくれます。税務調査が来る可能性を大きく減らすことができます。

⚠️ 注意:無理な経費は入れない

「これは経費として無理だろう」という経費は入れないことが大前提です。大事なのは業務関連性、つまりその費用が業務にどれだけ関連しているかです。

📝 このセクションのまとめ

  • 経費に入れなかった領収書も保管しておくと説明力が増す
  • 会計ソフトで帳簿を正確につけ、仕事の証拠も残しておく
  • 数字の一貫性を崩す場合は「本年中における特殊事情」欄に理由を記載する
  • 業務関連性のない無理な経費は絶対に計上しない
  • 「本年中における特殊事情」欄はこれまで使っていなかった方も積極的に活用すべき

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル オタク会計士ch【山田真哉】 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは オタク会計士ch【山田真哉】を応援しています!

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