税務調査

税務調査が来やすい確定申告4つの盲点を税理士が解説【個人事業主・副業】

税務調査が来やすい確定申告4つの盲点を税理士が解説【個人事業主・副業】
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売上1000万円以下・赤字でも税務調査はやってくる。個人事業主・副業の確定申告で見落としがちな4つの盲点を、AI判定の実例とともに解説します。

確定申告を出して終わりではない――税務調査の最新事情

個人事業主や副業の方は毎年確定申告をされると思いますが、申告して終わりではありません。その内容を税務調査官がチェックし、怪しいと判断されれば税務調査という運びになります。

昨今は国税庁もAIでチェックするようになっており、以前に比べると売上規模が小さい個人事業主や副業の方に対しても税務調査がどんどん入るようになっています。

📌 ポイント

今回は実際の確定申告書をAI搭載の会計アプリ「TaxNap(タックスナップ)」で税務調査リスク判定した結果をもとに、どういう申告書が税務調査を受けやすいのかを4パターンで解説します。なお、このアプリで入力した情報が税務署に報告されることはありません。

今回取り上げる4つの盲点は以下のとおりです。

  • 赤字が大きい場合
  • 特定の勘定科目が大きい場合
  • 接待交際費が大きい場合
  • 売上が1000万円以下の場合

📝 このセクションのまとめ

  • 確定申告後も税務調査のリスクはゼロではない
  • 国税庁のAI活用により、小規模事業者への調査も増加している
  • 盲点は「赤字・特定科目・接待交際費・売上1000万円以下」の4つ

盲点①:赤字が大きい場合(一人親方・建築業の例)

最初のパターンは、建築業の一人親方の例です。AI判定の結果、経費の総額が売上に対して172.81%という非常に高い割合が検出されました。つまり売上よりも経費の方がはるかに多い、大幅な赤字申告です。

本当に業績が悪くて赤字になることはありますが、数年にわたって赤字が続いている場合、「税金を払いたくないから赤字にしているのではないか」と疑われやすくなります。赤字が続くと「どうやって生活しているのか」という疑問にもつながります。

このケースでAIが特に指摘した要注意項目と問題なし項目は以下のとおりです。

勘定科目金額売上対比率判定指摘内容
消耗品費10.96%⚠️ 要注意固定資産を消耗品として計上している可能性。説明が求められることがある
接待交際費32万800円約10%🟡 やや注意売上326万円に対してやや高め
売上金額326万円✅ 問題なし一人親方として妥当な水準
租税公課0円✅ 問題なし
通信費23万2700円7.1%✅ 問題なしまあまあ妥当

⚠️ 注意

減価償却を知らずに、10万円以上・30万円以上のものを全額「消耗品費」として経費計上してしまうケースは非常に多いです。本来であれば50万円のものを購入した場合、耐用年数に応じて分割して経費にするところを、一気に50万円の消耗品費にしてしまうと、同業者と比べて割合が突出してしまいます。税務署側のAIもその点を見てきますので、弁解の余地なく修正を求められます。減価償却の知識がない方は必ず確認してください。

📝 このセクションのまとめ

  • 売上より経費が多い大幅赤字は税務調査の標的になりやすい
  • 複数年にわたる赤字申告は特に疑われやすい
  • 減価償却を知らずに全額消耗品費にするのはNG

盲点②:特定の勘定科目が突出して大きい場合(ITエンジニアの例)

次のパターンはITエンジニアの方で、売上が約600万円台のケースです。AI判定の結果は「やや注意」。全体的な経費割合は一般的な水準に近いものの、支払手数料が突出して高額という点が最大の問題点として指摘されました。

項目金額売上対比率判定
売上約604万円
支払手数料194万5180円約30%⚠️ 要注意
接待交際費12万2580円約1.89%✅ 問題なし
その他経費✅ 問題なし

支払手数料は、振込手数料や外注先への支払いなどで計上されることが多い科目ですが、売上の30%にあたる約194万円というのはどう見ても高すぎます。

支払手数料は中身が外から見えにくいため、脱税を試みる際に使われやすい勘定科目でもあります。税務署からすると「何に払ったのか分からない経費が大量にある」と映り、調査のターゲットになりやすいのです。

📌 対策:青色申告決算書の「特殊事情」欄を活用する

支払手数料や外注費、消耗品費などが業界標準と比べて多くなる事情がある場合は、青色申告決算書3ページ目の右上にある「本年中における特殊事情」の欄に、その勘定科目が多い理由を記載しておきましょう。情報を先出しすることで、税務調査が来るリスクを大幅に下げられます。

なお、このITエンジニアの方は接待交際費が12万2580円(売上対比約1.89%)と問題なしの判定が出ており、支払手数料の部分だけ対策すれば調査リスクは相当下がると評価されています。

📝 このセクションのまとめ

  • 支払手数料が売上の30%など突出している場合は要注意
  • 税務署は同業者の経費割合データを持っており、業界標準と比較してくる
  • 特定科目が多い理由は青色申告決算書の「特殊事情」欄に記載しておくと効果的

盲点③:接待交際費が大きい場合(プロゲーマーの例)

3つ目のパターンはプロゲーマーの方で、売上が約86万円のケースです。AI判定の結果は「やや注意」。問題点は接待交際費が非常に高いという一点に集中していました。

項目金額売上対比率判定
売上約86万円
接待交際費34万5800円約40%⚠️ 要注意
その他経費✅ 問題なし

プロゲーマーという職業は基本的に自宅で完結しやすく、多額の飲食を伴う接待が必要な場面は多くありません。チームメンバーや外注先との付き合いはあり得るとしても、売上86万円に対して34万円超(約40%)の接待交際費はあまりにも高すぎます。

税務署からは「プライベートの飲食が混じっているのではないか」と疑われやすく、接待交際費が売上対比で30%を超えると、業種を問わず怪しいと見られがちです。

⚠️ 注意

接待交際費の中にプライベートな飲食が混入していないか、今一度見直しましょう。対策として以下の方法が有効です。

  • 接待交際費と会議費をきちんと分けて計上する
  • 事業に直結する交際費は「事業交際費」など独自の科目を作って分類する方法もある
  • 領収書に相手先・目的を必ず記録しておく

📝 このセクションのまとめ

  • 接待交際費が売上対比30%を超えると業種問わず調査リスクが上がる
  • プライベートの飲食が混入していないか見直すことが重要
  • 接待交際費と会議費を分けるなど科目の整理が有効な対策になる

盲点④:売上が1000万円以下の場合(インフルエンサーの例)

4つ目のパターンはインフルエンサーの方で、売上が989万円というケースです。AI判定の結果は「やや注意」。他の経費項目は特に問題ないものの、売上が1000万円をわずかに下回るという点が判定の根拠になっています。

📌 なぜ「1000万円以下」が問題になるのか

売上が1000万円を超えると、2年後から消費税の課税事業者になります。インボイス制度の下でも、1000万円超の事業者は2割特例が使えなくなるなど、税負担が増える仕組みになっています。そのため、「毎年売上を1000万円以下に抑えて消費税を免れているのではないか」と疑われやすいのです。

特にインフルエンサーの場合、YouTubeのアドセンス収入のように入金が明確なものだけでなく、国内のアフィリエイトや個別の案件収入なども発生します。こうした細かい収入を抜いて1000万円以下に収めたり、翌年に計上をずらしたりすることが疑われやすい職種です。

単年度だけなら「たまたま」で済む可能性もありますが、何年も続けて売上が990万円台という状況が続くと、税務署から見ても「作った数字ではないか」と映ります。

⚠️ 注意

意図せず毎年1000万円以下になっている場合でも、複数年にわたってその状態が続くと税務調査の対象になりやすくなります。売上の計上漏れがないか、計上時期のずらしが発生していないかを必ず確認してください。

📝 このセクションのまとめ

  • 売上が毎年1000万円をわずかに下回るパターンは消費税逃れを疑われやすい
  • インフルエンサーなど収入源が多様な職種は特に注意が必要
  • 複数年継続すると疑いが深まるため、売上の正確な計上が重要

AI判定ツール「TaxNap」の活用と返金保証について

今回の判定に使用したのは、会計アプリ「TaxNap(タックスナップ)」に搭載された税務調査リスクチェック機能です。申告書を完成させてから確認するだけでなく、仕訳を入力している途中の段階でも現在の調査リスクを確認できるため、申告書作成を進めながらリスクをコントロールできます。

また、万が一「安全」と判定された申告書に対して税務調査が入り、追徴課税を受けた場合には、アプリの使用料全額が返金される保証が付いています。

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📌 ポイント

申告書を一度提出した後でも、申告期限内であれば「訂正申告」として再提出が可能です(修正申告ではなく訂正申告)。入れすぎた経費を外すなどの修正は申告後でも対応できますので、リスクチェックで問題が見つかっても慌てず対処しましょう。

📝 このセクションのまとめ

  • TaxNapの税務調査リスクチェック機能は仕訳入力中にも使える
  • 「安全」判定後に追徴課税を受けた場合の返金保証あり
  • 申告期限内であれば訂正申告で修正可能

4つの盲点・総まとめ:税務調査リスクを下げるための対策

今回取り上げた4つの盲点と、それぞれの対策をまとめます。

盲点リスクの理由対策
①赤字が大きい商売として成立していない=売上・経費のごまかし疑惑。複数年続くと「どうやって生活しているのか」という疑問も生じる減価償却を正しく適用する。消耗品費への一括計上を見直す
②特定科目が突出支払手数料・外注費・消耗品費などが同業者と比べて高い場合、脱税目的の架空経費を疑われる青色申告決算書の「本年中における特殊事情」欄に多い理由を記載する
③接待交際費が大きい売上対比30%超はプライベートの飲食混入を疑われる接待交際費と会議費を分ける。事業関連の交際費は独自科目で分類する
④売上が毎年1000万円以下消費税の免税・インボイス2割特例を狙った売上操作を疑われる売上の計上漏れ・計上時期のずらしがないか確認する

📌 税務署は同業者データを持っている

税務署側は同業者がどれくらい経費を計上しているかというデータを全て保有しています。自分の申告書が業界標準と大きくかけ離れていると、そこを突っ込まれます。特定の科目が多くなる事情がある場合は、必ず申告書にその理由を記載しておくことが、税務調査を防ぐ最も有効な対策の一つです。

📝 このセクションのまとめ

  • 赤字・特定科目突出・接待交際費過多・売上1000万円以下の4パターンが税務調査を呼びやすい
  • 減価償却の正確な適用と青色申告決算書の特殊事情欄の活用が有効な対策
  • 税務署は業界標準データを持っており、突出した科目は必ず見られる

終わりに

本記事の内容は YouTubeチャンネル オタク会計士ch【山田真哉】 の下記動画を参考に作成しています。AIによる書き起こしを活用しているため、誤字脱字がある可能性があります。ご了承ください。
本サイトは オタク会計士ch【山田真哉】を応援しています!

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